国会, 政治活動報告


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地方公聴記録

地方分権推進法及び、中央省庁改革関連法案に関する三重県における地方公聴会記録
平成11年6月8日

○中井座長

これより会議を開きます。

私は、衆議院行政改革に関する特別委員会派遣委員団団長の自由党の中井洽でございます。

私がこの会議の座長を務めさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。

この際、派遣委員団を代表いたしまして一言ごあいさつを申し上げます。

皆様御承知のとおり、当委員会では、地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律案並びに内閣法の一部を改正する法律案等中央省庁等改革関連十七法律案の審査を行っているところであります。

本日の午前中は、特に地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律案の審査に当たり、国民各界各層の皆様方から御意見を承るため、御当地におきましてこのような会議を催しているところであります。

御意見をお述べいただく方々には、御多用中にもかかわらず御出席をいただき、まことにありがとうございます。どうか忌憚のない御意見をお述べいただきますようお願いいたします。

それでは、まず、この会議の運営につきまして御説明申し上げます。

会議の議事は、すべて衆議院における委員会議事規則及び手続に準拠して行い、議事の整理、秩序の保持等は、座長であります私が行うことといたします。発言される方は、その都度座長の許可を得て発言していただきますようお願いいたします。

なお、この会議におきましては、御意見をお述べいただく方々は、委員に対しての質疑はできないことになっておりますので、あらかじめ御承知おきいただきたいと存じます。

次に、議事の順序について申し上げます。

最初に、意見陳述者の皆様方から御意見をお一人十五分程度お述べいただきました後、委員より質疑を行うことになっております。なお、御発言は着席のままで結構でございます。

それでは、本日御出席の方々を御紹介いたします。

まず、派遣委員は、自由民主党の杉山憲夫君、岩永峯一君、倉成正和君、水野賢一君、宮島大典君、民主党の小林守君、中川正春君、公明党・改革クラブの石垣一夫君、日本共産党の平賀高成君、社会民主党・市民連合の濱田健一君、以上でございます。

次に、各界を代表して御意見をお述べいただく方々を御紹介させていただきます。

三重県知事北川正恭君、愛知大学法学部助教授牛山久仁彦君、愛知学泉大学コミュニティ政策学部教授渡名喜庸安君、以上の方々でございます。

それでは、北川正恭君から御意見をお述べいただきたいと存じます。

○北川正恭君

まず、行政改革特別委員会の先生方、お忙しい中御来県をいただきまして、御歓迎を申し上げたいと思いますし、三重県をお選びいただいたことに感謝をいたしたいと思います。ありがとうございました。また、ふだんから分権につきまして格別御熱心に御審議をいただき、感謝をいたしたいと思います。

きょう、私、地方自治体の責任者として意見陳述人ということでございますが、所定の時間考え方を申し上げたいと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。

まず初めに、私は、こういった大きな時代がわりの法案を御審議いただくときに、大枠、私としては積極的にこの法案は受けとめさせていただきたいと思っておるんです。理屈を言ってやらないよりは、いろいろな問題を包含しながらもまずやる、精神的な構造は私はそうとらえているところでございます。そして、先生方の御審議なり御論議を通じて、それを段階的によりいい方向へと変えていっていただくことをまずぜひお願いを申し上げたい、そう考えるわけでございます。私は、こういったことを、二十一世紀、この国の形をどうするかという議論に大発展をさせていただいて、矮小化せずに、御議論をぜひお願いしたい、このように思います。

そして、いろいろなマスコミ等の内容を見るにつけて、形だけつくって魂入れずとか、あるいは形をつくることで実体を変えずにおこうという勢力が明らかに見えるような部分もあると私は思います。そんなことをしていたらこの国が一体どうなるかという議論は、地方自治体から見ても、あるいは一地方に住む人間から見てもいかがなものかという点はいっぱいあろうと思います。

そういったことはございますけれども、この際は本当に、戦後五十数年たって、地方自治法も五十年ちょっとたちますけれども、これを大改革するということはとてもすごいことだという評価も一方でいたしておりますので、ぜひ私はこれを進めていっていただきたい、このように一つ考えるところでございます。

そこで、私は、理論から変える点もいっぱいあると思います。理論、理屈で社会全体を変えていくという形もあると思います。あるいは、形から変えていくということも必要だと思います。あるいは、システムを変えることも重要だと思います。そういう総合的なトータルの運動体が猛然と起こりまして、この国の形を一体どうするべきかという大議論が国会で巻き起こることを期待するところでございます。

そこで、私は、システムから少し議論に参加させていただきたい、こう思いますが、やはり集権官治で、キャッチアップの思想で、工業社会といいますか二次生産中心の社会の形からまだ脱却し切れていない部分がいっぱいあると私は実は思うところでございます。そこで、まず集権から分権、こういうことで考えていただくべきだ、そのように思います。

そうすると、そこで早速起こってくるのが、地方自治体に任せて大丈夫かという議論があります。事実そういうことだと思いますが、そういうことを容認していたらいつまでたっても変わらないし、私は、ちょっと語弊を恐れますけれども、それを恐れずに言うとするならば、失敗する自由も与えてみなさいということをぜひ言いたいんです。そして、極端に言えば、私どもでも、今これほど低金利なら借金をするだけしておいて倒産した方がいいかもわからないとか、あるいは交付税交付金の問題を考えたときには本当に皆さん方の意見と一致するのかどうかということも考えていかないといけないと思う。それで、私どもとしては、本当に勇気ある、情熱を持って地方の時代を築くとするならば、権限と責任を明確にしてもらう。失敗する自由もあれば、失敗をさせない責任も当然あるわけですから、そのあたりの権限と責任を明確にすることこそが分権の第一義であるべきだ、私はそう考えているところでございます。

どうぞその点で、まず集権から分権へという流れをおつくりいただかないと、一つの体制が長く続きますと、国、県、市町村がそれぞれ責任をとりにくい体制、とらなくてもいい体制で、市町村へ行けば県、県へ行けば国、国へ行けば市町村と順番に責任を転嫁できやすい体制に今なっているというこの集権の恐ろしさを、我々はこれから明確に声を上げていきたい、こう思っておるところでございますので、ぜひよろしく御理解をいただきたい、そう思います。

そして、システムということからいきますとどういう問題が起こるかといいますと、今さらながらで失礼な話かもわかりませんが、やはり事務とか事業執行型の思考形態に地方自治体の職員がなってしまうシステムになっている。三百二十万人を超える地方自治体の職員が、いかにうまくやるかということ、いかに予算をとってくるかという思考方法で、三百二十万人を超える優秀な人たちがそういう考えに陥ったときに一体どうなるか。日本じゅうが金太郎あめ、そして競争がないということに、システムがそうさせているわけであって、すばらしい才能を殺しているシステムではないかというところもぜひ御理解をいただき、そして政策立案型の、あるいは政策を創造する、あるいは問題を発見する能力、それを解決する能力、こういったことを、私どもは国の皆さんに甘えることなく全力でやっていかなければいけない。

人をつくる、あるいは人材養成、政策開発するということは当然私たちに与えられた責務だと思って全力を挙げてやっていきたいと思いますが、どうぞ皆さん、三百二十万人を超える、県関係だけでも百七十万人を超える職員が本当に勇気を持って、情熱を持って、そして真剣に考えて行動できるようなシステムにするには、権限と責任を明確にいただかないといけない。形だけつくって魂入れず、実態は自分たちの権限を残すというようなことであれば恐らく反乱は起きる。そういう点にどうぞ皆さんのお力でもしてもらいたいし、我々もそう考えているところでございますので、どうぞよろしくお願いを申し上げたい、そのように思うところでございます。

私も知事になって四年経過をいたしましたけれども、優秀な職員でも、思考回路が別でございますから、ついつい思考停止になる部分が本当に多いと思います。したがって、システム的に集権から分権にすることによって、上下、主従から対等、協力というところにどうしてもお願いを申し上げたい、そう思います。

そうしたときに、今回の一括法案の中で、機関委任事務を原則廃止をしていただくということはもう特筆大書すべき大変大きなことだ、このように考えるわけでございまして、私どもは、それを、これが完成ではなしに、これを分権のスタートととらえて、問題点があればどんどんとお互いが対等の関係で解決をしていくということにしなければいけない、そう思っているところでございます。

そして、申すまでもなく、最大の課題は、あわせて税財源の移譲がなければ、これもシステムだけつくって税財源が別枠ということは全く通らないわけでございまして、明らかに矛盾しています。したがって、そのあたりはもっと本格的にぜひ考えていただくことを強く私は要望をいたしたいと思います。

また、この三層制で、国、県、市町村という関係からいけば、県へまず移譲というようなにおいが非常に強いわけでございますが、やはり最終的に基礎的自治体は市町村だと思いますから、市町村への権限移譲ということも含め、私どもも今後は参画させていただく中でつくっていく、そうすると今度は市町村のあり方の問題ということも議論をしていかなければいけない、そのように考えておりますから、これをスタートにして、引き続き大議論をしていただくようにぜひお願いを申し上げたい、そのように思っております。

その次に、いろいろなことでお考えをいただきましたけれども、私は、こういった課題については、月へ行こうよというぐらいの気宇壮大な発想でないと、部分的なびほう策ではなしにトータルこの国の形というものを変えていく。例えば月へ行こうよという発想を科学者がすると、とんでもない、行けないでしょう、そこのバス路線を直しなさいという議論が必ずできてくる。それはそれでとても大切なことですけれども、こういった時代がえのときには、過去を断ち切り、そして思い切り跳びはねるという大議論がなければ、ついつい細部にわたる議論になり矮小化された議論になって枝葉末節に行きがちであると僕は思っております。

したがって、私の時代認識は、今まさに時代大転換期、これを戦争なくして議論によって、国会の議論によって大改革をするということは大変なことだと思いますけれども、そういったお気持ちに立って、利害調整ではなしに、この国の形というのが、こういった法案を審議する過程の中で大激論が起こってくることこそが私はとても重要なことだ、そう考えておりますので、どうぞひとつ、この国の形というものをどう持っていくかという議論にしていただく。

私は、全体が変わらなければ分権社会はできないと思っていますが、もう一方で、集権官治から分権自治へと流れを変えるためには、逆に、その一つを完全に達成するためには全体の流れが変わってこないといけない。簡単に言うと、各省庁から天下り人事と言われていますけれども、私どもの県の課長なり部長が本省の局長ぐらいに天下りする、当たり前じゃないか、こういうぐらいの、相互の対等、協力がそういうことになるまで本当に御議論をいただくことが、国もいいし、地方自治体も、お互いが責任を持って、責任転嫁することなくやれるということを私は強く考えているところでございますので、大きなこの国の形というものについて御議論いただき、リードいただくことを本当にお願いを申し上げたい、このように思います。

一般法、個別法的な問題等々で際限なく議論をすれば、今、国会で御審議いただいているような点もいっぱいあると思います。私どももそういった問題について今後いろいろな場で参加もさせていただき、法案が皆さんの御努力で仮に通ったとしたら、そこからスタートしてさらに一層我々は頑張ってやっていきたい、意見も申し述べていきたい、これも思います。

私は、こういった時代がわりのときには、部分的なびほう策ではなしに抜本的な構造改革ということで、中途半端にしていただくとかえって混乱が大きい、このように思いますので、どうぞ、ぜひ先生方のすばらしい議論の中から二十一世紀の日本が見えてくるように、そして地方自治体も、こう申し上げる以上は責任を明確にして、そして我々が失敗したら我々が責任をとる、こういうような形にしていただければ二十一世紀の日本はきっと明るくなるし、地方自治体としてもますますやる気が出てくる、私はこのように思っておりますので、先生方の御活躍に期待をいたしているということを表明させていただいて、私の陳述人としての役目をまず終わりたいと思います。

ありがとうございました。

〔拍手〕

○中井座長

ありがとうございました。
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