国会, 政治活動報告


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法務委員会

第159回国会 衆議院 法務委員会
平成16年4月21日

午前九時三分開議

(中略)

○柳本委員長

中井洽君。

○中井委員

民主党の中井です。

法務大臣に一時間お尋ねを申し上げます。

役所の方もだれか、こういう御希望もあったんですが、私、かつて自自連立のときに、国会のあり方というのをめぐって自民党さんといろいろな協議をいたしました。以来、予算委員会等も含めて、役人の方は御退席いただいて大臣に聞く、お互いそれは間違えるときもありますが、それはそれで仕方がないことでありますから、議論をする、こういうスタイルでお願いをしたいと考えております。

また、法務委員会は初めてで、したがって法務委員会の質問も初めてになると考えております。詳しいことは、我が党、そうそうたる論客が座ってまいりまして、本当にすばらしい質疑をやっていただいたと思いますので、私は私なりの観点から大臣にお尋ねをしたい。

同時に、十数年本当に、司法改革、よくここまで来たなという思いもございます。法案の中身、それぞれ不満もあれば不安もあります。しかし、ここは、この改革というものがうまくスタートしてほしいなという、かつて関係した一人として、思いもございます。そういう観点からお尋ねをいたします。

ただ、法案の質疑に入ります前に、三つばかりお許しをいただいて、法務関係のことで幾つかお尋ねをしたいと思います。

私も、国会はもう二十四年になります。それで、この国会議員でいる間に、日本の国が情報局というのを持ってほしい。この間のイラクの問題なんかでも、それはそれなりに政府が一生懸命おやりになっているし、危機対策室も、村山内閣のときの阪神・淡路の大失敗以来随分整理されてきたし、統一をされてきたと思っています。しかし、世界の中での情報ということについて、日本の政治、行政というものは非常におくれているんじゃないか、このことを常に思って、国家として、情報局、こういったものを持たない欠陥というのは大変な損失だと考えています。

この点について、法務大臣、公安庁も監督をなさっているわけでありますが、どのようにお思いか、お尋ねをいたします。

○野沢国務大臣

閣僚の大先輩として、また国会における先輩議員として、いろいろ忌憚ない御意見をちょうだいして、何とか御答弁を務めたいと思っておりますが、よろしく御指導をお願いいたします。

今お話のありました情報局をということでございますが、まさに、現在の政治を進めるために最もやはり基本になるものが私は情報ではないかなと思っております。そのために、毎日あらゆるメディアをまた利用し、かつまたいろいろな関係機関を活用しながらこの情報の収集に努めて政治的判断に誤りがないようにすることが、我々、政府の一員として最も大事な仕事と心得ておるわけでございます。

法務省といたしましても、公安調査庁をお持ちのことは既に委員先刻御承知でございますが、この公安調査庁におきまして基本的に必要な情報を収集いたしまして、それぞれ法務行政に生かしていることも、これもまた既に長年の実績があるわけでございます。また、防衛なり外務なり、あるいは似た仕事としましては国家公安委員会がございます、警察がございますが、それぞれ情報部門を持ちまして、独自のやはり情報ルートを開拓しながら、誤りなきよう努力をしているわけでございます。

これを一元化したらどうかという御意見もあろうかとは思いますが、それぞれのやはり持っております事務所なり発生経緯なり、あるいはこれまでの長年のおつき合いの中からかけがえのない情報も得られることを考えますと、やはり当面、私は、それぞれの分野、部門におけるこの各員がそれぞれ情報を収集し、これをいかにして集約するかというところに問題を集めたらいかがかと思っております。

ちなみに、今回のイラクの人質対策におきましても、官邸を中心に対策本部をつくりまして、そこへ情報を集中しながらここまで努力をしてきて、結果が非常によかったということでございます。

今後とも、御意見をちょうだいしながら改善に努めたいと思っております。

○中井委員

閣僚の自画自賛として承っておきますが、公安庁という役所がありながら、破防法対象の団体だけの調査ということで、僕は大変もったいないことだなという思いもございます。お話にありましたように、警察は警察、防衛庁は防衛庁の調査機関もあるんでしょう。しかし、内閣に、本当に世界の情報というものを入れて判断材料にする、こういう役所が僕は必要だとあえて付言をいたしておきます。

イラクの人質のお話がございましたので、さらにこのイラクのことについて聞きますが、五百数十人の自衛隊の方が活動をされております。私どもから言わせれば、大変難しい法律をつくって、急いで派遣をされた。したがって、準備不足のところが幾つかあるんじゃないかと心配を常々してまいりました。

そういう意味で、騒然としたイラクの中で、これから万々一イラクで活動される自衛隊の諸君が、何か事故を起こす、あるいは正当防衛で殺傷をする、そういったときに法的な面でどういう地位にあるんだろう。承れば、CPAから占領軍と同じ待遇を受けている。占領軍と同じ待遇を受けているということは、要するに、自国に裁判権があるということだと思います。自国に裁判権があるということは、自衛隊の警務官もあの地に行っているんだろうと思います。

しかし、その警務官が日本で与えられている地位というのは、自衛隊が自衛隊の基地内で、あるいは施設内で起こした犯罪だけに優先権があるんじゃないか。自衛隊の施設外で自衛隊員が何らかの犯罪を起こしたり巻き込まれたりしたときの第一位の捜査権というのは、警察にある、あるいは検察にあるんだろうと僕は思っています。それがない場合に、本当にどうするんだ。

よその国には軍法会議というのがある。日本の自衛隊はそこまでまだ整理ができていないんじゃないか。そういう中で、どういう法的枠組みであそこにおられる五百数十人の自衛隊の方々は守られているのか、あるいはこれから法律が適用されていくのか、法務大臣としてお答えください。

○野沢国務大臣

この司法刑事の問題に入る前に、何よりも、このたび三人の日本人の方々、それから、引き続き二人の方々が無事解放されたことにつきまして、政府はもちろん努力をいたしましたが、国民の皆様、議会の皆様、そして、それを受けていただいたイラクの関係者の方々の御好意によって問題が解決しましたことを、閣僚の一員として心から御礼をまず申し上げたいと思います。

そこで、今お尋ねの問題でございますが、イラクでの復興支援にこの自衛隊が行っておりますことは、あくまで人道復興支援ということで、治安維持とかイラクの中の争いに巻き込まれないことをもう前提に今行っておるわけでございますけれども、そのために、規律の維持には十分気を使っているということでございます。

事件が発生していない現時点で、お尋ねのような仮定の問題について私がお答えすることがふさわしいかどうか、これはひとまずおくといたしまして、一般論として申し上げますと、イラクに派遣されています自衛隊員の犯罪行為につきましては、現地の裁判権から免除されることになっているものと承知をしております。これは、CPAとの協定なり命令によってそうなっておるわけでございますが。

したがって、もし問題が起こったときには、日本の刑罰法規が適用される犯罪行為ということで、日本で裁判が行われる、こういう仕組みになるわけでございまして、これはCPAがもし仮にほかの統治主体に変わったとしても引き継いでいただけるものと期待をいたしております。

○中井委員

私がお尋ねしましたのは、万々一巻き込まれたり起こしたときに日本に裁判権があるというのはさっき申し上げたとおりであります。

そのときに、自衛隊の警務官が調べるんだろう、そこから後の処理ということがどういう手続になるんだろう。あるいはまた、警務官は日本国内では自衛隊の基地や施設の中での権限は有しているけれども、海外の自衛隊ではどういう権限を有しているんだ。日本の国内であるならば、警察と自衛隊で結んだ協約というもので線引きがされている。警務官がどう判断して、検察へ届けるのか、それも仕組みとしてできているだろう。しかし、海外に行ったときにどういうシステムになっているんですかとお尋ねをしているわけでございます。

○野田国務大臣

これは、自衛隊の内規に従いまして、やはり今御指摘のような警務官の方々のお働き、さらにはそれぞれの上司なり関係者のお力によって当事者を把握いたしまして、私どもの方に移送していただく、そういうことの中から問題が始まると解しております。

○中井委員

では、十分想定をしていただいて、お若い方がああいう物騒なところへ行っていらっしゃるんですから、総理以下は平和だ、平和だとおっしゃるけれども、これはもうだれもが平和でない、安全でないことはわかっているわけですから、法的な面でそごのないようにひとつ監督をしていただいて、詰めなきゃならないところが残っているなら、十分、警察、法務省、検察庁、そして自衛隊でお詰めをいただきたい。これからも海外へたびたび出ていくんだろうと僕は思います。そういったときに法整備をしておくというのは我々の役割であろう、このように考えておりますので、強く要望をいたしておきます。

それからもう一つは、過般私どもの永田議員がお尋ねをしたと思いますが、本当ならあそこに専門家がおりますから専門家がお聞きをすればいいのですが、彼は法案の提出者でありますから質問ができないので私がかわってお尋ねをいたしますが、大臣は、国鉄へ御入社なすって、五十三で国政へ打って出られたと承知をいたしております。昭和六十一年の御当選。

六十一年の四月から、国会議員も強制的に国民年金に加入しなければならない、こう決められております。今国会の審議の過程の中で、つまらぬ話だけれども、大臣諸公がお払いになっているのかどうかというのが非常に大きな話題となってまいりました。今までにお答えいただいていれば何でもない問題なのを、お答えにならない。

坂口厚生大臣なんかは六十まで払っていましたとお答えになっていらっしゃる。お答えにならないと、何か払っていないのかなと。せっかく御立派な御人格を疑わざるを得ないような、つまらぬ話でございます。プライベートだというお答えをなさったやに聞いておりますが、これは国民の義務の話でありますから、行政のトップにいる大臣、しかも法をつかさどる大臣がこれをプライベートだと言うことはないだろうと僕は思っています。

払っていなかったら払っていないで対応策をお考えいただければいいことであります。お忘れになったというなら次回に、御家庭でお聞きいただいて、そういうことは奥さんに任せてあるというのならば次回にお聞かせいただければ結構なことでありますが、あえてお尋ねをいたします。お答えください。

○野沢国務大臣

私の経歴につきましては今委員御指摘のとおりでございまして、それに従いまして適切に処理をしておりますが、年金その他の詳細につきましては、プライバシーにわたりますので差し控えさせていただきたいと思います。

○中井委員

大臣、御自分でプライバシーだとお考えになっていらっしゃるというのなら、ちょっとこれはここでけんかをしなきゃならなくなっちゃう。自民党の国対筋でそう答えろということであるなら、これはちょっと理事会で、別室で協議していただいて、国対へそれぞれ持ち帰ってもらって話をしてもらえばいい。私はほかの質問をしていますから。

これはどうなんでしょうか、これはプライバシーでしょうか。義務であることは御承知のとおりだと思います。昭和六十一年の四月からでございます。私も昭和六十一年から払い始めました。六月の選挙で、衆参同日選挙で、大臣はお通りになったけれども、私は落選しましたから、落ちながら払うというのはつらいなと思いながら払った記憶、鮮明に覚えております。六十で無事終わりましたから、まあやれやれと思っております。

実川さん、副大臣、どうですか。あなたは長いこと、県会からこっちへ来られて、十年以上国会議員やっていらっしゃるから、このことは御存じですね。お払いに……。

簡単なことだ。払っていると言えばそれでしまいのことでございますから、どうしてそんなことがプライバシーなのか、僕は全然わかりません。お答えください、実川さん。

○実川副大臣

私も昨年で払い終わったと思いますけれども、今大臣の答弁がありましたように、プライバシーということでございますので、よく調査して、また御答弁させていただきたいと思います。(中井委員「いつまでにお答えいただけるの」と呼ぶ)期限は、なるべく早い時期に、調査して、よく調べてみます。(中井委員「採決までに答えてくれる」と呼ぶ)すべて女房に任せてありますので、それはよく調査して答弁させていただきます。(中井委員「大臣、いかがですか」と呼ぶ)

○野沢国務大臣

最初申しましたとおり、私の経歴に従って適切に処理をしているというとおりでございまして、詳細は、私も銭金は余り得意な方ではありませんので、これは御勘弁いただきたいと思います。

○中井委員

先ほど決算行政監視委員会か何かへ行っておりましたら、小野さんが、それは厚労委員会で議題となっていることですのでここではお答えしませんと、こう言う。国対からそう言われましたというような答えをするから、それは自民党の国対さんがそれを、どうなのかなとちょっと思ってお尋ねをあえていたしました。

僕は、これはプライバシーじゃない。こんなことは何ということはないんだ。僕は、野沢大臣の立派な御経歴から聞いても間違いはないとは思いますが、答えてさっと済ませていただいたら次の質問に行けるのですが、これがプライバシーだと言うのなら、資産公開からこれはすべてプライバシーじゃないでしょうか。それを私どもは出して、国民に批判をいただきながら、また身をさらして、国政という大事なものを預かってやっているんではないでしょうか。

それは任意加入だとか、大臣、まことに恐縮だけれども、大臣の国鉄の、JRの年金、幾らですかとかそんなことは、僕はひょっとしたらプライバシーだろうと思います、金額は。しかし、国民年金、五十三から六十まで国会議員としてお掛けになりましたかと、これは唐突に聞いているんじゃなしに、ここ二週間、河村議員が提案して以来、これはかなり国会で話題となっております。(発言する者あり)ああ、それはさっき言うたんです、一番先に。そういう意味で、ぜひお答えをいただきたい。

○野沢国務大臣

今、委員、いみじくも御指摘いただきましたように、資産公開その他、すべてルールどおり御報告いたしておりまして、この中で適切な処理をしている、こういうことでございます。

○中井委員

お人柄で、お払いになっているとお答えになったと私は判断をいたします。

ぜひ内閣、閣議等でも、こんな問題で大事な時間を割かずにさっさと答えようよと、だれか払っていない人が一人か二人いるために迷惑じゃないかと大臣からでもおっしゃっていただけたら、もっと早く審議が、国会全体の審議が進むんだ、こう思っております。

法案の方に入らせていただきます。

大臣もいろいろな御経験をなさっておられますが、その御経験の中で、裁判を提訴なさったり、お受けになったり、あるいは傍聴、裁判そのものをごらんになったりという御経験はございますか。

○野沢国務大臣

私も、法務大臣になったのが法務行政に携わった最初でございますが、これまで私の経歴の中で、もう二十年以上になりますけれども、名古屋の新幹線公害訴訟において証人として呼び出されまして、相当詳細にわたって長時間油を搾られたことがございます。これが初めての経験でございまして、幸いこの裁判は両者議論を尽くした結果和解になりまして、大変円満な結果になったことを覚えております。これがまず第一でございます。

あと、私のマンションが日影障害、いわゆる日照権問題で被害を受ける方が何人か出たという中で、その問題について東京地裁にみんなで訴えた、これの支援をしたということで、私自身がその原告になったということではございませんが、これは実は大変貴重な体験でございまして、なかなか日照権というのは今の権利の中では余りどうも強くないなということで、涙をのんだことがございます。

それから、最近では、国会で設けられております裁判官弾劾裁判所の裁判官として、不祥事を起こしました裁判官の罷免について審理をいたしまして、結果、やはりこの職に値せずということで罷免をしたという経験がございます。これは記録にも残っておるとおりでございます。

今のところ、実際私自身が参加し、あるいは判断を迫られたのは三件でございますが、先日来のお話にありましたように、刑事裁判、特にこの裁判員制度を議論するに当たりましては刑事裁判の実態をわきまえていないことにはいかぬということで、近いうちにできるだけ、隣にもあるわけですから、現場を見学し、関係者のお話を伺いたいものと考えておるところでございます。

○中井委員

私も、大臣になるまで法務委員会に所属したこともなければ、法務省にお邪魔したこともないというので、本当に身を縮める思いで短い期間大臣を務めさせていただきました。

このときに、申し上げれば有名な裁判でございましたが、判決が一審でございまして、もうだれしも有罪だと思っていたら無罪になったんですね、一審は。もう今最高裁まで行って有罪でございましたが。僕は、聞いちゃいかぬのかもしれませんが、法務省の専門家何人かに聞いたら、いやと言って、実はあの裁判官は今度の判決で定年です、こう言うんですね。定年前は優しい判決が出るんです、傾向としてと。だから、びっくりいたしまして、そういうことはあるんだなと感じたのが一つございます。

それから、大臣は弾劾の方ですが、私は訴追委員の方を三年実はやらせていただきました。事件として弾劾へ送ったのは何もないわけですが、物すごい訴えが来るんですね、数が。そして、あの裁判官はこういうけしからぬ言辞をやったとか行動をしたとか、まあいろいろな訴えでございます。初めは、その裁判所、最高裁から来ておった方が処理して僕らに見せておったんですが、途中で超党派で、それは一遍、当たる当たらぬは別にして詳細に調べさせていただく、裁判官もこれだけ人間性あふれた方がいらっしゃるなら、やはりチェックというものは必要だ、こう痛切に思ったのを大事な経験にして今日まで参りました。

そういう経験が僕もあるわけですが、今の裁判というものをどういうふうに大臣は見ていらっしゃるか。特に刑事裁判全体を、山崎事務局長なんかは、非常にうまくいっている、こういうお答えでありましたが、どういうふうに率直にごらんになっているか、お聞かせを願います。

○野沢国務大臣

私は、法務大臣を拝命いたしましたときに、小泉総理から三つほど特命事項をちょうだいしていまして、その第一が、司法制度改革をしっかりやってください。それからもう一つが、治安が大変悪くなっている、昔は日本は世界一安全な国と言われていたにもかかわらず、最近の状況を見ると坂道を転げ落ちるように悪くなっている、これをひとつ戻してほしい、昔のように安心して町を歩ける、そういう国にしていただきたい。それからもう一つが、刑務所が大入り満員ということで、五万人以上のところに、未決を入れますと七万人前後の方がお世話になっている、これを何とかしないといかぬな。この三点をできるだけひとつおまえの力で頑張ってくれ、こういう御注文でございました。

それで、それを進めていくためには、何よりもやはり、これまでの司法制度のあり方、裁判のあり方、検察、弁護のあり方、それから現場の刑務所の行刑のあり方、これをすべて私自身の目で見て、私自身の判断でいいか悪いか判断しようということで、私もできるだけ時間をつくりまして、例の名古屋刑務所に一番先に飛んでいきましたが、そのほか、北は網走から南は福岡まで、各種の行刑施設を全部見て回って、実態を拝見したわけであります。

それとあわせまして、この司法制度の成り行きといいますか、なぜこれをやらなければならなかったかという点についても大変思いをいたしまして、はっきり言いまして、今これをやらなきゃいかぬ理由は何かといえば、もう委員御案内のとおり、とにかく裁判がお金がかかる、あるいは庶民にとって遠いところにある、取りつきにくい、わかりにくい、これを何としても克服しないとぐあいが悪いな。しかし、正しいかどうかという大筋のところではなかなかよくやってきたのではないかと、私はそれぞれの事案を見ると判断されるわけでございます。

逆に言いますと、今までの検察、司法の担当者の皆様は最善の努力を尽くしてきたがゆえに、逆に改革についての問題が先送りされてきたのではないか、そういう意味で、今こそまさに変えるときだ。明治のあの大改革に引き続き、戦後の占領軍が来てから相当な見直しをしたわけですけれども、百年たった今日でもまだ片仮名まじりの法律がいっぱい残っておるわけでございまして、それを運用しておられる検察それから裁判、弁護の皆様方が精いっぱいの努力をしてもたせてきたのではないかなと思います。

そこで、やはりこの司法制度改革は、まさに日本を、私、第三の開国と言っておるんですが、国際基準に照らして恥ずかしくないルールに見直して、そして現代の言葉である普通の文体に直して、わかりやすい裁判という意味で、また迅速な裁判という意味で裁判員制度を導入する。取りつき、寄りつきのいい、総合法律支援の法律も通していかなきゃいけない。一連の改革こそ、まさに、これまで立派ではあったけれども十分ではなかったという点を改善し改良する絶好のチャンスが来ている。まさにそういう歴史的な意義ある仕事にたまたま私が素人でありながら充てていただいたということは、大変光栄であると同時に、実は大いに責任を感じておるところでございまして、諸先生方の御指導をいただきながら、何としてもこの改革を果たしていきたい、こういう思いでいっぱいでございます。

○中井委員

御情熱はよく承っておきます。

ただ、先ほどおっしゃった犯罪検挙率の低下、これはもう目を覆うばかりで、法務大臣として検察全体を御統率いただくと同時に、最大の原因は警察だと僕は思います。人数が少ないとか、いろいろございます。しかし、警察自体の腐敗、堕落も目を覆うばかりになってきているんじゃないかと考えております。

僕は、一月ほど前に、民主党の中に、警察不祥事疑惑の解明の本部、そして警察を新しくつくり直そう、いい警察にやり直そう、そういう本部の本部長を引き受けて、いろいろと聞いておりますが、まあ本当であるなら残念なことです。これらにだれが手をつけるんだと言ったら、警察ですから、だれもいない。やはり検察だろう。ここら辺も含めて頑張っていただきますことを、あえて付言いたします。

同時に、古い片仮名まじりの法律があるというお話、本当にそのとおりでございます。公職選挙法でも、片仮名ではありませんが、利害誘導罪なんという明治三十四年につくられた法律がいまだに残っておりまして、用水、小作というのを利用して利益を与えてはならないというような法律がありまして、いまだに適用される。こんなことを含めても、幅広い、バランスのとれた議論の中で司法改革というものにお取り組みいただきますようお願いをいたします。

それで、そういう改革を急がなければならないというのに、今回のこの法律は、成立した後、施行まで五年かかると書いてございます。大臣、法律が施行されるまで五年かかる法律というのは、今までお聞きになったことはおありでしょうか。

○野沢国務大臣

もう既に通っております住基ネットの法律が五年の準備期間を要していると承知しております。

○中井委員

調べましたら三つほどあるんですが、それらはすべて三年でございます。住基法も三年。しかし、中の一部が五年、こういうふうになっております。介護保険法もそうでございます。法律全体が五年というのは長い。

例えば、野沢大臣は一生懸命おっしゃるが、ことしの夏で御勇退と聞かせていただいております。ここにおります我々は全部、あと三年五カ月で任期でございます。この夏に行われます参議院議員さんはそれから六年でございますが、今回で法律が成立したら、成立過程の論議をしておりません。五年たったら、この議論をしている国会議員は、まあ衆議院議員は残っている人は何人かおるんでしょうが、だれもおらない。そういう中で、どうして五年もかかるんだ。先ほどから何か、ベストだ、こういうお言葉があったようですが、ベストならあしたからでも実行すればいいんじゃないかと。それは準備期間が要るということはよくわかります。しかし、五年というのは余りにも長いと率直に思いますが、いかがでしょうか。

○野沢国務大臣

この法律が具体的に実行されるための条件が幾つかあろうかと思います。まず第一は、国民の皆様にこれが周知徹底して理解されるということ、そして、大方の国民の皆様が、なるほど、これはおもしろい制度だ、自分たちのためになる、積極的に参加しよう、こういうマインドをつくっていただくことがやはり大事であろうかと思います。

これまでも努力はしてきておりますけれども、私は、これはまだ十分とは言えないので、やはり、このPR期間、さらには学校等も活用しました教育も、司法制度をPRし、普及し、理解してもらうために活用していかなけりゃいかぬかなと思っております。

そのほかの具体的な手続、手順といたしましても、いわゆる裁判所の規則の制定、最高裁判所にこれはやっていただくことになろうかと思いますが、そういった規則制定、さらには裁判員制度の施行の前提となります諸制度、それから建物自身も、今のものでいいかどうかな、こういうことがございますし、それから裁判前の手続を進めたり、あるいは弁護士のいわゆる被疑者段階からの活用を考えますと、数が今のままでいいかどうか、これもございます。幸いロースクールで今相当な養成が進んでおりますので、そういった施策とあわせて考えていきますと、やはり五年というのは、相当な期間、適当な期間、必要ではないかな、かように今思っておるところでございます。

○中井委員

今のお話を聞きましても、建物を直していかなきゃならないというのは一つ理由かなと思いますが、全国で五十の地方裁判所、まあこれを一年十ずつで五年かけて直すということでもないんだろうと僕は思います。

それから、国民に対する周知徹底と教育ということ、これは大事なことでございます。

しかし、私はかつて、比例代表で政党名を書くという選挙制度の変更のときに、民社党でございましたが、理事をいたしておりまして、各党が一番心配したのは無効票なんですね、無効票。周知期間をたしか半年ぐらいとったか三月だったかと思いますが、みんなで、どのぐらい無効票が出るか。多い人は、五%を超える、こう言いました。少ない人で三%と言いました。ところが、やってみたら〇・二%の無効でございました。日本人というのはすごいな、立派なものだと改めて思いました。

私は、こんなのは一年か二年やったら、あっという間に国民がよし参加してみようと言っていただけるようになる、こう信じて疑っておりません。五年というのは、やりたくないとしか思えない。余りやりたくないんだけれども、まあ改革だと言うからやってみるか、五年たてば忘れるんじゃないかと思ってやっているとしか思えない長さでございます。

どうぞひとつ、お考えを賜りますようお願いいたします。

○野沢国務大臣

どうしても五年かけろということではなくて、五年以内、準備でき次第という理解でおりますので、それは、一日でも早く実行できるように、さまざまな準備を整えながら、御理解をいただいていくつもりでございます。

○中井委員

これを五年かけてスタートして、刑事事件の全部でもないということでございましょう。そうしますと、刑事事件の全部、また民事裁判全体、こういう裁判員制度にどういうタイムスケジュールでやっていかれるのか。あるいは、これは本当に陪審制度という形にいくのか、この制度のまま固定して、アメリカやヨーロッパにもないような日本独自の陪審制度を確立しようと思っていらっしゃるのか。小泉さんの改革というのは、御当人に聞いてもさっぱりわからない。御当人がわかってない人でありますから、やはり担当の法務大臣にお尋ねをしたい、方向性を現時点でどう考えていらっしゃるんだと。

○野沢国務大臣

日本にも陪審制度というのが昭和の三年から十八年まで一時期あったことは、もう委員御案内のとおりであろうかと思います。

今回導入しております裁判員制度というのは、諸外国の陪審制度や参審制度も参考にしながら、いわゆる特定の国の制度をそのままコピーするということではございませんで、我が国の裁判制度や社会のあり方を踏まえた上で、独自の制度として制度設計をした。その意味でいいますと、本当に各国の制度のいいところを集めたかな、そういうふうに今私どもとしては考えておるわけでございます。

そういう意味でいいまして、裁判員が裁判官と一緒に合議するという意味ではドイツ、フランスの参審制に近いわけでございますし、法律解釈や訴訟手続の判断に裁判員が加わらないということで、具体的な事案ごとに処理をするという点では英米の陪審制度に近いということでございます。

そういった点も考えまして、今度のこの制度は、とりあえずこの姿でスタートをした上で、さらに必要な見直しも適時していけば立派な制度として育っていくんじゃないかな、大変期待をいたしておるところでございます。

○中井委員

民事等裁判全体に、どのぐらいの期間をかけたら裁判員制度を導入できるとお考えになっているのか、ここのところをひとつお聞かせをいただきたいと思います。

それから、英米のことを言われましたが、大臣が英米の陪審員や参審員のことを余り御存じだとは私は思いませんが、ゴールデンウイークで映画でもごらんになるんでしたら、ついこの間、「ニューオーリンズ・トライアル」という映画を僕は見ましたが、これは非常にアメリカの陪審制度の裏まで含めてわかったおもしろい映画でございます。古い映画でしたら、イギリスの「情婦」という、有名な、これはアカデミーか何かをとった映画もございます。かなり陪審制度に関する本や小説や映画が出ておりますから、ごらんになっていただいて、ああしまった、あんなこと言わなきゃよかったとお思いにならないように、ひとつ折々御勉強もいただければと思います。

ひとつ、大体どんなタイムスケジュールを考えていらっしゃるのか、お答えをいただきます。

○野沢国務大臣

何よりも、まずこの法案を通しました後には、直ちに政令の検討、さらには、さまざまな規則に決定をゆだねておることがございますので、これの準備をしてまいらなければならない。あわせまして、やはり先ほど申しましたような、裁判員制度を導入するに当たりましての施設の整備、さらに、それに伴いますまた経費、費用の見積もり、積算、そして最終的にはそれを国民の皆様が御理解いただけるような教育システムの構築等、まさに毎日続けても非常にこれは厳しい工程になるのではないかなと思っております。

特に、裁判員制度を導入して一番のまず目立った形で効果があらわれますのが、いわゆる裁判期間の短縮であろうかと思いますが、この短縮をするためには、そのための事前の準備、それに必要なルールの制定、この辺について、皆さんの御納得いただける形づくりという意味で、今のところ、二年、三年、そして実施までの五年というものは、ある程度これを必要な期間と考えておるわけです。

○中井委員

答弁が長いのは結構ですが、答えをちゃんと。裁判全体にこの裁判員制度を持っていくのにどのぐらいのタイムスケジュールをお考えになっているかとお尋ねをいたしました。それが一つ。

尋ねるついでに、それからもう一つは、今お話ありました刑事事件で、私は、裁判所がこの裁判員制度を適用する事件と選択する、そのときにせいぜい長くて一カ月ぐらいだろう、こう判断をしておったのでありますが、仲間の弁護士さんやらは、いやいや、それは無罪を争ったら、中井さん、三年、五年かかります、一年なんてざらですよという御指摘をいただきまして、びっくりいたしました。

それぞれ質疑があったかもしれませんが、そういう長い場合の裁判員の負担というのは大変なことだろうと思うんですが、そんな長くかかることも予想して、これもやむを得ないとしての制度創設でしょうか。

○野沢国務大臣

刑事事件を今対象といたしておりますが、これによってこの制度そのものの検証を進めながら、さらにその先、民事、商事をどうするかという点については、今後の課題として御検討いただくようにしていかなきゃいかぬかと思っております。

それから、二年、三年ということは、私どもは、もうこれからはあってはならないし、既に裁判迅速化法の中で二年以内ということもうたわれておるわけでございますので、できる限り短い期間で勝負がつくように、そのためのまた手続を今回詳細に決めさせていただいているわけでございますので、これをまず実行する、その中からその先の展望を開きたい、こう思っております。

○中井委員

よくわからぬのですが、現実に、和歌山砒素カレー事件なんというのは、この間から高裁が、裁判が始まったわけでございます。何年もかかるんでしょう。ここに裁判員をつけるということになったら大変なことになるんじゃないか。一月もたないんじゃないかと僕は思います。ここのところをどう仕分けするんだというのをお聞かせいただきたいと思います。

それからもう一つは、裁判員が六人、こういうわけですが、補充員が六人待機しているというんですね。どうして六人要るんだろう。これは、裁判員の方は、二週間かかっても、自分たちは大事な使命を果たしているし、判決、量刑、これに参加するわけですから我慢いただけると思います。しかし、補充の方は、じっと黙って聞いて、何も参加しない、しゃべってはだめ、これは到底もたないと直観的に思います。補充の方をもっと減らすというやり方をしないとやっていけないんじゃないか、反発が出るんじゃないか、このように心配いたしますが、大臣、いかがでしょうか。

○野沢国務大臣

一概には申せませんが、裁判の大部分はやはり数日程度で終結する、そのことを前提としてこれを設計しておるわけでございますが、今委員御指摘のとおり、二年も三年もかかりそうな事案ということになれば、これについてはどういうふうに処理をするか、具体的にその事案を見てそれぞれ裁判所が判断していただければいいと思っておりますが、そのためにも、やはり事前の準備、これが重要でございます。

それから、今御指摘のような、予備に六人というような話もございますが、やはりこの制度が順調に機能するためにも、予備員の皆様にもそれなりの心構えで臨んでいただきまして制度のお支えをいただくように、これまたひとつPRをし、それぞれ御理解をいただきたい、こう思っております。

○中井委員

予備員六人でお支えをいただくというが、この方々が、むだだった、何の意味もないと裁判が終わってから言い出したら、あっという間に制度に参加する人が減ってきますよ。僕はそう思います。

一人か二人予備員としてお願いをするぐらいにできる制度にしていかないと、法務省はかとうございます、裁判所もかとうございますから、一遍六人の予備員と決めたらずっと六人の予備員でいかれます。これをやり出したら国民がもたない、私はこのことをあえて申し上げておきます。準備期間の間に十分御検討いただくなり、参議院でぜひ修正をお願い申し上げたい、このように思います。

それからもう一つは、判決が過半数、他の裁判も過半数だからこれは過半数にした、こういう御説明を聞きました。それはそれであります。しかし、裁判官が三人、そのうちの一人が賛成で過半数、こういうことになっているようでございます。裁判官一が賛成で有罪、二が反対で無罪、それから裁判員六人のうち五人が有罪、一人が無罪。こういったら過半数、こういうことでしょう。そうすると、有罪になった被告は、何だ、専門家の裁判官は、おれは一対二だったじゃないかと思う。あるいは、裁判員の方々も、何となく、専門家は二名は無罪だったのかと思う。こういう形が出てくるんじゃないかと心配をいたします。

こういうところの御議論というのは、どのような形で納得の上で過半数になさったんでしょうか。

○野沢国務大臣

まず、やはり裁判員制度を導入する前提としては、裁判官と裁判員が対等の立場で議論を重ね、評議をいたしまして、そして多数決で決めるということがあるわけでございます。

この多数決決定につきましては、裁判所の中でも一般的に行われていることでありますので、裁判員制度を導入したからこれが特別に加重されるということには当たらない、こう考えるわけでございますが、今委員御指摘のとおり、その多数決の中身が心配だということでございますが、やはり裁判官がどちらか一つ、判断の中に三人のうち一人は入っているということで憲法上の問題もクリアできますし、そして結果としての多数決というのは、そもそもこの裁判員制度を導入する趣旨からいたしましてもこれが妥当であるということでございまして、私は、これは国民の皆様の良識に期待をいたしたいと考えております。

○中井委員

良識に期待するということやなしに、こういう形での過半数でいいのかという問題だ。参加する国民の良識があるから裁判官と同じ方向を示すよ、それでは参加する意味もないんだろう。時によっては違う、素人は素人の判断というのがあるんだと僕は思っています。アメリカなんかの事例を聞きますと、それは目を覆うような結果が出るときもあるけれども、それはそれなりに十二人が満場一致になるような努力を随分されておる、そこで成否を決めていく、こういうやり方でございます。

そういう意味で、日本の場合はお互いのいいところをとっているというのは、私は、三分の二というものをぜひ考えるべきだ、三分の二の評決、これを考えるべきだ、このようにあえて御提言を申し上げ、また私ども民主党の修正案ではそのようになっております。これは、その方がいいな、このことを実感いたしているところでございます。

その次に、裁判員の候補者の忌避の問題でございます。

これは、これから政令で定めるということのようでございますが、やはり、ほとんど回避、忌避できない状況のアメリカや欧米の陪審員や参審員の制度に比べて、日本はかなりの形で裁判員を辞退できることになっている。そういう仕組みでスタートしようとされておられます。これは、果たしてそれでいいのか。そこのところは大臣としてのお考え、根幹の問題としてお尋ねをいたします。

○野沢国務大臣

今委員御指摘のところは、司法制度改革審議会の中でも御議論があり、それから改革本部においても随分とこれは議論を重ねてきた課題でございます。やはり家庭の事情とか、あるいは病人がいるとか、あるいは勤めの関係でどうしても自分がいなければ会社が回らないとか、これはなるほど、どなたが見ても納得できる理由があろうかと思っております。この辺のところはやはり配慮しないと、この制度自体が動かないということもありますので、一つはっきり具体的にこれは名を挙げて言っているわけでございますが、問題は人の考え方によってどうかというところに一つ課題がありますので、これは今後政令をつくる中で十分議論をし、御納得いただけるところで定めていきたい、こう考えております。

○中井委員

僕自身は、義務化としてやはり考えを受けとめていく。国民全体が義務として参加するんだ、できる限り忌避、回避の要件というのは認めていかないんだ、やむを得ないというのは裁判所が判断するんだという方向が一つあるんじゃないか、こう考えております。

同時に、たびたび仕事を理由に、まあそうたびたび当たるわけではないんでしょうが、回避したりした人が公職につく、僕は、こういうことは許されることではないんだという社会をやはりつくっていくべきだ。やはり公職につこうとする者は、喜んで私生活や仕事を犠牲にしてでもこういうものに参加をする、そういう風潮の中で初めて裁判員制度というのは充実したものになるんじゃないか、こう考えております。ぜひ頭の中のどこかに、私がそういったことも言ったと覚えていただけたらと思います。

時間がなくなってまいりました。あと一つか二つ聞きます。

これは、地方は地方で、刑事事件で裁判員をおやりいただきます。そうすると、初めのときはどこでも大変な騒ぎになるんじゃないか。そのときに、事件そのものがもう既に事前にその地域では十分報じられている、あるいはそれから何年かたって裁判員制度で刑事事件を裁こうとしても、新聞やテレビの地方版ではかなり有名な事件も出てくる。そうすると、その地域の人はもう既にすり込まれている。

そういったときに、裁判地の変更というのが簡単にできるのか。裁判員はみんなその地区の選挙民でしょうから、みんな知っていると僕は思うんですね。そういう意味で、先入観のある人たちが裁判を聞いて判断するというのは少し裁判にとってマイナスではないか、こう思いますが、大臣、いかがでしょうか。

○野沢国務大臣

やはり、委員御指摘のとおり、公平な裁判が法に基づいて行われることが何よりも大事なことと考えておりますが、法案では、このような公平な裁判を保障するために、以下のような手当てをしております。

まず第一に、事件関係者や不公平な裁判をするおそれのある者などを裁判員に選任しないという制度、これを設けているということ。第二が、裁判官と裁判員とが十分に評議を行う過程を通じて適正な結論に到達することが予定されているということ。それから三つ目が、法令の解釈については裁判官のみが判断権限を有するということで、裁判員の関与する判断は、裁判官及び裁判員の双方の意見を含む過半数の意見によることとされていることでこれが平均化されるんじゃないかということでございます。

しかし、こういった前提がある場合でも、今委員の御心配されるような事柄が、地域によっては出てくる可能性もありますけれども、現在、このような場合には、刑事訴訟法第十七条によりまして、審理を行う裁判所を変更することが可能に、現行制度でもなっております。この制度の発動については、具体的には状況によりまして裁判所が判断をいたしまして決めていただけるもの、こうなっております。

○中井委員

裁判官というプロが判断をする場合には、裁判地は場合によってはそう大事なことではないかもしれません。しかし、裁判員という全く素人の一般国民が、その地域で既に情報が十分広まっている事件について判断をする。それは、それから証拠等、いろいろなもので判断をしていくんだとおっしゃるけれども、なかなかそうはいかないし、場合によっては被告の権利というものが初めから侵害される。大臣は、裁判地の変更というのはできるようになっているとおっしゃるが、日本ではなかなかそういうのは認められないのが現実であります。私は、裁判員制度を適用するに当たって、裁判地の変更というものをもっと簡易にできる仕組み、これをぜひおつくりいただきたい、このことを最後に申し上げておきます。

一時間にわたっておつき合いをいただきまして、ありがとうございました。最後に、我が党は刑事訴訟法の一部改正というのを今国会に昨日提案して、趣旨説明をいたしました。質疑も行われました。大臣、あの法案をお聞きになってどのようにお考えか聞いて、終わりといたします。

○野沢国務大臣

各般にわたって大変詳細な対案あるいは修正案をお出しいただいていることについては敬意を表するものでございます。十分、この委員会の中において御議論をいただいた上でその結果が出ました場合には、私どもはそれを尊重してまいりたいと思っております。

○中井委員

ありがとうございました。

○柳本委員長

御苦労さまでした。

(以下略)

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