国会等の移転に関する特別委員会
第156回国会 衆議院 国会等の移転に関する特別委員会
平成15年5月28日
午前九時三十分開議
○中井委員長
これより会議を開きます。
国会等の移転に関する件について調査を進めます。
国会等の移転につきましては、本委員会において、過去十二年間にわたり、広範囲に調査検討を行ってまいりました。
今国会におきましては、これまでの議論の集大成を図るため、理事会等において精力的に協議を行い、その結果、お手元に配付のとおりの中間報告書案を作成いたしました。
本日は、国会等の移転に関する中間報告書案を議題といたします。
まず、本中間報告書案の趣旨及び内容について私から御説明を申し上げます。
本委員会は、議会開設百年に当たる平成二年十一月、衆参両院本会議において「国会等の移転に関する決議」が行われたことを受け、平成三年八月、国会等の移転に関する調査を行うため設置されたものであります。
委員会におきましては、その設置以降、委員会を、本日を含め百四十六回開催し、五十回にわたる延べ九十五人の参考人からの賛否両論の意見聴取と質疑、八回の政府に対する質疑、四回の自由討議、一回の全委員からの発言、二回の海外派遣、七回の委員派遣及び八回の視察等を行い、国会等の移転の意義・効果、国民の合意形成、移転費用、社会経済情勢の変化、外国における首都機能移転の実情や候補地等の状況、東京都との比較考量等について、国会等の移転に関する法律の理念にのっとり、広範にわたって検討を行ってきたところであります。
そこで、本委員会としましては、これまでの議論の集大成として、十二年間に及ぶ委員会の議論を取りまとめた中間報告書を作成・決定し、議長に提出しようとするものであります。
最初に、十二年間の委員会での主な流れを簡単に申し上げますと、平成四年には、国会等の移転に関する法律を議員立法により制定いたしました。その後、国会議員も参加した国会等移転調査会が二年九カ月の審議を経て、平成七年十二月、「国会等移転調査会報告」をまとめ、内閣総理大臣に提出したのを受け、平成八年には、国会等移転審議会の設置等について定めた同法律の改正を議員立法により行っております。
この間、本委員会としては、参考人からの意見聴取・質疑を中心に検討を行っております。
主な議論としては、
国会等の移転は、社会に広まっている閉塞感を一掃する大きな引き金となること、
国会等の移転は、行財政改革、規制緩和、地方分権、多極分散型国土形成の大きな動機づけとなること、
東京圏の地震等の大規模災害に対する脆弱性を克服することが国会等の移転の重要かつ緊急を要する理由であること、
東京一極集中の弊害を除去するため国会等の移転が必要であること、
一括移転ではなく、分散型にすることにより、移転経費も安くなり、地方分権等にもつながる可能性があること、
国会等の移転により東京一極集中は解決しない、解決のために必要なのは多極分散型国土づくりの実現と中央集権的行財政システムの改革であること
など、移転の意義・効果等に関する意見が多く見受けられたところであります。
一方、国会等移転審議会は、約三年間の検討を経て、平成十一年十二月、「移転先候補地として、北東地域の「栃木・福島地域」又は東海地域の「岐阜・愛知地域」を選定する。」「「三重・畿央地域」は、他の地域にはない特徴を有しており、将来新たな高速交通網等が整備されることになれば、移転先候補地となる可能性がある。」旨の答申を行っております。
委員会は、同答申を受け、理事懇談会において、栃木・福島地域、岐阜・愛知地域及び三重・畿央地域の三地域が候補地であることを確認し、その上で、三候補地から一カ所に絞り込むため、さまざまな角度から検討を行ってまいりました。
また、平成十二年五月には、本委員会において、二年を目途に三候補地を一カ所に絞り込む旨の「国会等の移転に関する決議」を行いました。
同決議を踏まえ、平成十三年には、国民への理解を深め、広く国民の意見を聞く一環として、本委員会ホームページを開設しました。
また、東京都との比較考量の一環として、東京都庁等の視察を行い、東京都との意見交換を行うとともに、東京都知事及び三候補地関係知事を参考人として招致し、参考人質疑を行いました。この間、三候補地に委員派遣を行っております。
その後、平成十四年に入り、委員会決議を踏まえて、絞り込みの方法等について理事間で精力的に協議を重ねるとともに、五月三十一日の委員会では、全委員から、移転先候補地及び絞り込み方法等についての発言が行われました。その中では、圧倒的多数が移転を推進すべしとの意見を述べ、また、審議会の答申どおり実施すべきという強い意見も出されました。
結局、委員会として、五月中に意見を集約するに至りませんでした。
こうした状況を踏まえて、同年七月の理事会において「委員会のあり方等についての要請に関する申合せ」を行い、この申合せを受けて、コンセプトの見直しを行うため、前国会においては、分散移転の形態や移転規模の縮小など移転コンセプトの見直しについて、自由討議、政府質疑、参考人質疑を通じて論議を進めてまいりました。
また、今国会においては、理事会申合せを受け、公平で幅広い議論を行うため、委員の員数が二十五人から三十五人に増加され、新たな視点から参考人質疑を行い、移転審議会当時の経緯、分散移転など移転コンセプトの見直しに関する具体的アイデア等について論議を行ってまいりました。
この間の主な議論としては、
国会等の移転は公共事業としてとらえられるべきではなく、国家的文化事業であり、時代精神を転換することが最大の眼目であること、
危機管理の観点から、政治の中枢と経済の中枢が同時被災することは回避する必要があること、
従来の一括移転ではなく、分散移転の形態が望ましいこと、
PFI、不動産証券化等の手法を活用して公的負担を軽減すべきであること、
新都市は、最先端の技術、システムを導入した環境共生都市、福祉型都市として構築し、国内、世界への波及をねらったモデル都市とすべきであること、
現代文明の中で集積・集中は必然的であり、財産であること
等でありました。
最終段階である平成十四年七月の理事会申合せ以降は、直ちに国会等の移転を決すべきとの意見もありましたが、審議会答申以降の社会経済情勢の変化を十分に踏まえ、移転の規模・形態や実施のタイミング、移転の手法などについて、新たな観点からさらに議論を続けるべきであるとの方向でありました。この中で、特に、審議会答申を基本とした上で、国会等を分散して移転すべきとの新たな発想が示されたところであります。
以上が、十二年に及ぶ経過や議論の主なものであります。
過去十二年にわたる議論を通じ、一部会派及び一部の委員には移転に慎重な意見があったものの、委員会の大半の意見は、終始一貫して、国会等の移転の意義・重要性を強く訴え、「移転を実現すべし」とするものでありました。
国会等の移転は、衆参両院が軌を一にして取り組むべき課題であり、今後、本委員会の中間報告を踏まえつつ、両院の密接な連携のもとに検討を進め、結論を得られるよう要請しようとするものであります。
次に、本報告書案の構成と概要について御説明いたします。
本報告書は、「国会等の移転に関する検討経緯」「委員会における主な意見等」及び「資料」の三部構成としております。
まず、「国会等の移転に関する検討経緯」におきましては、国会等の移転についての主な経緯と本委員会設置以降の審査経緯について記述しているとともに、委員会における主な論議についても整理しております。
次に、「委員会における主な意見等」においては、国会等の移転に関する議員の主な発言を論点ごとに分類して要約するとともに、参考人の積極論・慎重論の要約、内閣総理大臣、官房長官、国土庁長官等の主な政府答弁の要約を掲載しております。
最後に、すべての決議・答申等や委員会の審査関係資料、社会経済情勢の推移などの資料をつけております。
以上が、本中間報告書案の趣旨及び内容であります。
国会等の移転に関する件について調査を進めます。
国会等の移転につきましては、本委員会において、過去十二年間にわたり、広範囲に調査検討を行ってまいりました。
今国会におきましては、これまでの議論の集大成を図るため、理事会等において精力的に協議を行い、その結果、お手元に配付のとおりの中間報告書案を作成いたしました。
本日は、国会等の移転に関する中間報告書案を議題といたします。
まず、本中間報告書案の趣旨及び内容について私から御説明を申し上げます。
本委員会は、議会開設百年に当たる平成二年十一月、衆参両院本会議において「国会等の移転に関する決議」が行われたことを受け、平成三年八月、国会等の移転に関する調査を行うため設置されたものであります。
委員会におきましては、その設置以降、委員会を、本日を含め百四十六回開催し、五十回にわたる延べ九十五人の参考人からの賛否両論の意見聴取と質疑、八回の政府に対する質疑、四回の自由討議、一回の全委員からの発言、二回の海外派遣、七回の委員派遣及び八回の視察等を行い、国会等の移転の意義・効果、国民の合意形成、移転費用、社会経済情勢の変化、外国における首都機能移転の実情や候補地等の状況、東京都との比較考量等について、国会等の移転に関する法律の理念にのっとり、広範にわたって検討を行ってきたところであります。
そこで、本委員会としましては、これまでの議論の集大成として、十二年間に及ぶ委員会の議論を取りまとめた中間報告書を作成・決定し、議長に提出しようとするものであります。
最初に、十二年間の委員会での主な流れを簡単に申し上げますと、平成四年には、国会等の移転に関する法律を議員立法により制定いたしました。その後、国会議員も参加した国会等移転調査会が二年九カ月の審議を経て、平成七年十二月、「国会等移転調査会報告」をまとめ、内閣総理大臣に提出したのを受け、平成八年には、国会等移転審議会の設置等について定めた同法律の改正を議員立法により行っております。
この間、本委員会としては、参考人からの意見聴取・質疑を中心に検討を行っております。
主な議論としては、
国会等の移転は、社会に広まっている閉塞感を一掃する大きな引き金となること、
国会等の移転は、行財政改革、規制緩和、地方分権、多極分散型国土形成の大きな動機づけとなること、
東京圏の地震等の大規模災害に対する脆弱性を克服することが国会等の移転の重要かつ緊急を要する理由であること、
東京一極集中の弊害を除去するため国会等の移転が必要であること、
一括移転ではなく、分散型にすることにより、移転経費も安くなり、地方分権等にもつながる可能性があること、
国会等の移転により東京一極集中は解決しない、解決のために必要なのは多極分散型国土づくりの実現と中央集権的行財政システムの改革であること
など、移転の意義・効果等に関する意見が多く見受けられたところであります。
一方、国会等移転審議会は、約三年間の検討を経て、平成十一年十二月、「移転先候補地として、北東地域の「栃木・福島地域」又は東海地域の「岐阜・愛知地域」を選定する。」「「三重・畿央地域」は、他の地域にはない特徴を有しており、将来新たな高速交通網等が整備されることになれば、移転先候補地となる可能性がある。」旨の答申を行っております。
委員会は、同答申を受け、理事懇談会において、栃木・福島地域、岐阜・愛知地域及び三重・畿央地域の三地域が候補地であることを確認し、その上で、三候補地から一カ所に絞り込むため、さまざまな角度から検討を行ってまいりました。
また、平成十二年五月には、本委員会において、二年を目途に三候補地を一カ所に絞り込む旨の「国会等の移転に関する決議」を行いました。
同決議を踏まえ、平成十三年には、国民への理解を深め、広く国民の意見を聞く一環として、本委員会ホームページを開設しました。
また、東京都との比較考量の一環として、東京都庁等の視察を行い、東京都との意見交換を行うとともに、東京都知事及び三候補地関係知事を参考人として招致し、参考人質疑を行いました。この間、三候補地に委員派遣を行っております。
その後、平成十四年に入り、委員会決議を踏まえて、絞り込みの方法等について理事間で精力的に協議を重ねるとともに、五月三十一日の委員会では、全委員から、移転先候補地及び絞り込み方法等についての発言が行われました。その中では、圧倒的多数が移転を推進すべしとの意見を述べ、また、審議会の答申どおり実施すべきという強い意見も出されました。
結局、委員会として、五月中に意見を集約するに至りませんでした。
こうした状況を踏まえて、同年七月の理事会において「委員会のあり方等についての要請に関する申合せ」を行い、この申合せを受けて、コンセプトの見直しを行うため、前国会においては、分散移転の形態や移転規模の縮小など移転コンセプトの見直しについて、自由討議、政府質疑、参考人質疑を通じて論議を進めてまいりました。
また、今国会においては、理事会申合せを受け、公平で幅広い議論を行うため、委員の員数が二十五人から三十五人に増加され、新たな視点から参考人質疑を行い、移転審議会当時の経緯、分散移転など移転コンセプトの見直しに関する具体的アイデア等について論議を行ってまいりました。
この間の主な議論としては、
国会等の移転は公共事業としてとらえられるべきではなく、国家的文化事業であり、時代精神を転換することが最大の眼目であること、
危機管理の観点から、政治の中枢と経済の中枢が同時被災することは回避する必要があること、
従来の一括移転ではなく、分散移転の形態が望ましいこと、
PFI、不動産証券化等の手法を活用して公的負担を軽減すべきであること、
新都市は、最先端の技術、システムを導入した環境共生都市、福祉型都市として構築し、国内、世界への波及をねらったモデル都市とすべきであること、
現代文明の中で集積・集中は必然的であり、財産であること
等でありました。
最終段階である平成十四年七月の理事会申合せ以降は、直ちに国会等の移転を決すべきとの意見もありましたが、審議会答申以降の社会経済情勢の変化を十分に踏まえ、移転の規模・形態や実施のタイミング、移転の手法などについて、新たな観点からさらに議論を続けるべきであるとの方向でありました。この中で、特に、審議会答申を基本とした上で、国会等を分散して移転すべきとの新たな発想が示されたところであります。
以上が、十二年に及ぶ経過や議論の主なものであります。
過去十二年にわたる議論を通じ、一部会派及び一部の委員には移転に慎重な意見があったものの、委員会の大半の意見は、終始一貫して、国会等の移転の意義・重要性を強く訴え、「移転を実現すべし」とするものでありました。
国会等の移転は、衆参両院が軌を一にして取り組むべき課題であり、今後、本委員会の中間報告を踏まえつつ、両院の密接な連携のもとに検討を進め、結論を得られるよう要請しようとするものであります。
次に、本報告書案の構成と概要について御説明いたします。
本報告書は、「国会等の移転に関する検討経緯」「委員会における主な意見等」及び「資料」の三部構成としております。
まず、「国会等の移転に関する検討経緯」におきましては、国会等の移転についての主な経緯と本委員会設置以降の審査経緯について記述しているとともに、委員会における主な論議についても整理しております。
次に、「委員会における主な意見等」においては、国会等の移転に関する議員の主な発言を論点ごとに分類して要約するとともに、参考人の積極論・慎重論の要約、内閣総理大臣、官房長官、国土庁長官等の主な政府答弁の要約を掲載しております。
最後に、すべての決議・答申等や委員会の審査関係資料、社会経済情勢の推移などの資料をつけております。
以上が、本中間報告書案の趣旨及び内容であります。
○中井委員長
これより採決いたします。
本中間報告書案を本委員会の中間報告書と決定し、議長に提出することに賛成の諸君の起立を求めます。
本中間報告書案を本委員会の中間報告書と決定し、議長に提出することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○中井委員長
起立多数。よって、そのように決しました。
ただいま議決いたしました中間報告書の関係各方面への参考送付等の取り扱いにつきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
ただいま議決いたしました中間報告書の関係各方面への参考送付等の取り扱いにつきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中井委員長
御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
なお、本中間報告書につきましては、これに基づく簡約な報告を議院において行うことを申し出ることといたしたいと存じますので、御了承願います。
この際、一言ごあいさつ申し上げます。
昨年十月に、再度、本委員会の委員長の重責を担うことになって以来、委員各位には、委員会運営に御協力を賜り、また、終始幅広い議論を重ねていただいた結果、本日、ここに、「国会等の移転に関する中間報告書」を決定することができました。これもひとえに委員各位の御理解と御協力のたまものであり、委員長として、ここに深く感謝と敬意を表します。
なお、本中間報告書につきましては、これに基づく簡約な報告を議院において行うことを申し出ることといたしたいと存じますので、御了承願います。
この際、一言ごあいさつ申し上げます。
昨年十月に、再度、本委員会の委員長の重責を担うことになって以来、委員各位には、委員会運営に御協力を賜り、また、終始幅広い議論を重ねていただいた結果、本日、ここに、「国会等の移転に関する中間報告書」を決定することができました。これもひとえに委員各位の御理解と御協力のたまものであり、委員長として、ここに深く感謝と敬意を表します。
(拍手)
○中井委員長
次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午前九時四十二分散会