国会, 政治活動報告


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政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会

政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会
平成12年11月2日

○自見委員長

これより会議を開きます。

亀井善之君外十七名提出、公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律案及び菅直人君外十二名提出、公職にある者等による特定の者に利益を得させる目的でのあっせん行為に係る収賄等の処罰に関する法律案の両案を一括して議題といたします。

この際、お諮りいたします。

両案審査のため、本日、政府参考人として法務大臣官房審議官渡邉一弘君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○自見委員長

御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。

○自見委員長

これより質疑に入ります。

質疑の申し出がありますので、順次これを許します。西野あきら君。

○西野委員

自由民主党の西野あきらでございます。

まず、本案の質問に入ります前に、申し上げたいことがございます。

いわゆるあっせん利得に係ります処罰法案、この法案は、今国会の最重要法案と与党も野党も位置づけられておりますし、国民の間でも非常に関心の高い最重要法案であろうかというふうに思います。当然、国会でもそのように位置づけをされておるところであります。したがって、与野党がそれぞれ法案を提出されておるところであります。

その審議を早々に行うべく、今臨時国会の委員会が可能になりました十月の上旬、早々に本委員会は、十月五日、第一回の理事懇がスタートされたわけであります。自来、十月の二十日まで十五日間、この間に理事会が開催されましたのが九回、委員会は五回開催をされたわけであります。

このようにセットをされたわけでありますけれども、残念ながら、野党の皆さんはすべて欠席であります。このような野党の皆さんの欠席の態度を見ておりますと、冒頭に申し上げました重要法案と位置づけられておりますのも、いわば言葉だけがそうでありまして、態度がそれについてきていない、熱意の片りんすら感じられなかったところであります。

やっと野党の皆さんも出席をされたわけでありますが、それが十月の二十三日であります。ところがこのときは、御案内のとおり、参議院から回ってまいりました非拘束名簿式比例代表制度の、選挙制度に係る法案でございましたので、これを先議として、委員会では直ちに審議に入ったわけであります。その間、野党の皆さんから、選挙制度に係る、いわば国会議員として根幹にかかわる問題でありますから、参考人も呼ぶべし、参考人の意見も聴取すべし、こういう御意向がありましたので、あえて理事会でそれをお受けいたしまして、野党の意見のとおり参考人聴取も実施をしていただきました。

質疑は、各党が一巡、二巡、三巡、三回回ってまいりました。文字どおり申し合わせどおり、野党の皆さんの質疑がほぼ申し合わせどおり終了を見た感がございましたので、私の方で質疑打ち切り動議を提出させていただいて、本委員会でこれが、本案が可決されたところであります。

このような、私どもは申し合わせどおりに慎重審議をしておったところであります。

ところが、先般野党より、この委員会の委員長の慎重なる取り組みに対して不信任案が提出をされたわけであります。このことは、言いかえてみますと、自分の意見が通らなかったら、まことに身勝手でありまして、党の御都合主義でありまして、党利党略以外の何物でもない、私はそのように思います。この際、野党の皆さんに対し、議会制民主主義を冒涜した行為であり、強く猛省を促しながら考えていきたいというふうに思っております。

さらに、本案に対して、野党の皆さんは、国会議員の地位利用収賄罪として、去る七月に提出をされたところであります。与党は、この九月二十二日、公職にある者等のあっせん利得処罰法を提出いたしたところであります。与党の内容が、野党の皆さんがお出しになったもとの地位利用収賄罪の法案よりも内容は厳しく、かつその犯罪主体と申しますか、対象が広くなっております。例えば、国会議員のみならず、地方議員、首長、さらには公設秘書と範囲を広げたわけであります。

それを見て、慌てて野党の皆さんは、九月二十七日、もとの法案をわざわざ取り下げられまして、新しい法案を再提案されたわけであります。いわば、この軽々さといいますか、全く一貫性のない、確たる主張のない、単に自分の党のメンツにのみ明け暮れをしておる愚行にすぎない、私はそう思います。

これらの野党の態度に対しまして、あたかも党の消長をかいま見るような感じをいたしました。強く私自身からも警告を、指令でございますので、与えておきたいと思います。

それでは、早速質問に入らせていただきたいというふうに思います。

いよいよ二十一世紀、新しい世代にはあと六十日になりました。新世紀へまさにカウントダウンが開始をされたと言っても過言ではないと思います。

私ごとですが、私が学校を卒業いたしました、今からもう三十数年前になるわけでありますが、当時は、学校を卒業しまして就職をするのに、就職先で一番人気があったといいますか、学生から好評でしたのが銀行でございました。その次は保険会社でございました。ところが、この銀行も御案内のとおり、まさか銀行が破綻するなんということは、当時はゆめゆめ考えられなかったことでありますが、今日に至っては銀行の破綻が相次いでおります。

保険会社に至りましては、最初に、固有名詞を挙げて失礼でございますが、日産生命、次いで東邦生命、そして第百生命、次いで大正生命、最近では千代田生命、ごく最近では協栄生命というふうに、数多くの保険会社が倒産に至っておることは、当時としては全く考えられなかったことであります。当時は、失礼でございますが、これらの金融機関を初めとする保険会社等の運営等については大蔵省に任せておけば大丈夫だという、いわば今から考えれば神話であります。それが崩れてしまった、このように私は思います。

このような例からいたしますと、今日までの官の主導による戦後体制というものも一種の制度疲労を起こしてきているのではないか。言いかえれば、金属疲労が目立つようになったように思います。

私が地方政治家から国政への思いをめぐらしておりました、ちょうど平成に入りました時期でありますけれども、まさに閉塞状況を打開しなければならないということで、平成に入りましてから、政府初め国会において、いわゆる政治改革を初めといたしまして、行政改革、地方分権への改革、金融システムの改革などなど次々と打ち立てられたところでありまして、いよいよ来年の一月、中央省庁が、一府二十二省庁から一府十二省庁へと再編をされまして、このような諸改革のまさにつち音が聞こえてきておるわけであります。

これらの改革には、必然的に法律や制度の見直しが求められてくるわけであります。ここに、立法府としての政治の役割、責任がいよいよ大きくなってきておるというふうに思います。これまでの政治史に散見されますように、政治家に対する疑惑や汚職事件は、国民の信託を受けた政治家としては、一日も早い政治不信の回復が求められておるところであります。

こういうときに当たりまして、先般は公務員に対して国家公務員倫理法が制定をされまして、公務員には厳しいルールが定められたところであります。他方、この際政治家もみずから一定のルールを定める必要があるというふうに思われております。それが、今回のいわゆるあっせん利得に係る処罰法の法案が提出されたわけでありまして、その意義はまことに大きいものがあるというふうに思います。

そこで、与党、野党の提出者の皆さんにお尋ねをしたいと思います。これらの私の考えを踏まえて、提出されました法案の今日的な意義につきまして、与党、野党それぞれの提出者の皆さんからお尋ねしたいと思います。

○亀井(善)議員

お答え申し上げます。

西野議員御指摘のとおり、明年一月から本格的に実施される中央省庁の改革によって、中央集権的行政機構を核として稼働してきた戦後体制の抜本的改革の総仕上げがなされる、このように認識するものでありまして、この歴史的な改革が戦後かつてなかった法律、制度面の見直しを求める以上、政治に求められる役割、責任は極めて大きいと言っても過言ではありません。

また、国内外の経済社会の急速な変化の中で、これまでの官僚主導の政策立案と改革の実現は困難になりつつあります。政治には今や、短期的な利害調整にとどまらず、中長期の視点に立った総合的な政策を立案し、変化にスピーディーに対応する能力を確立することが強く求められておるわけであります。

このような状況において、一方において、先ほども御指摘がございましたが、国家公務員倫理法を制定し、厳しいルールを定めました。他方においては、政治の担い手である政治公務員も、みずからの政治活動を厳しく律する必要があるとの決意のもと、その政治活動の廉潔性、清廉潔白性を保持し、これによって国民の信頼を得ていくことが要請されていると言わなければなりません。

その意味において、今回、いわゆるあっせん利得に係る法案を提出したことの今日的意義は高いと自負するものであります。

○中井議員

お尋ねの問題につきましては、玄葉さんからまた後でお答えをさせていただくと思いますが、西野議員、大演説をいただきました。その部分について少し私なりに申し上げたい、こう思います。

審議に参加できなかったことは私どもも大変残念に思っており、国民の御批判に対して、これからの審議を通じて本当に謙虚に批判を承りながらおこたえを申し上げていきたい。そしてよりよい国会審議をお互いが尽くしていきたい。こういうことは、一方的にいいとか悪いとかと非難し合う問題ではないんだと僕は思っています。

党利党略だ、勝手放題だと言われるが、党利党略の法案、参議院の選挙制度の改革を突如出して乱暴な審議をやったのは与党の側であります。不信任案を出したのはけしからぬと言われますが、大変失礼だけれども、あなたが打ち切り動議を出されたとき、私は見ておりましたが、立たれて何にもしゃべらなかったじゃないですか。その間、委員長がいろいろとしゃべっておられた。与党の中では席に座っている方もいらしたわけです。

○自見委員長

中井君、質問に対して答えるようにしてください。

○中井議員

そういったことを考えると、私は、一方的におやりになるべきことではないだろう、お言いになることではないだろう、こう思っています。

今回のこの法案についても、私どもの提案の仕方について……

○自見委員長

中井君、質問者の趣旨に答えるようにしてください。

○中井議員

ちょっと待って、委員長。(発言する者あり)発言中です。

今の法案について申し上げます。

提案の仕方についていろいろと言われましたが、西野さんのおられました自由党も、かつて違う法案を出された。公明党さんも、明改連と言われたときにはいろいろな形での法案を出された。それを、それぞれがお互い、現在の国民の求める倫理、高いレベルにお互いが期待にこたえようというので議論を重ねてきたわけです。

この法案は、お互いの法案のいいところを本当に議論し合って、そして成立をさせていくものであって、どっちの法案の出し方が悪いとか、こっちの法案がどうだとか、僕は、そういうことを言う委員会じゃない、このことだけを申し上げて、お答えとさせていただきます。(発言する者あり)

○自見委員長

きょうは法案の審議をいたしておりますので、できるだけ法案の趣旨に沿って、質問者の質問に簡潔に答えるようにしてください。

○西野委員

私は、今国会で最重要課題である問題を冒頭に申し上げたのでありまして、質問をしておるわけではないんです。ですから、それに対してお答えをしていただく必要はないのであります。

ついては、今日的意義について簡単に答えてください。

○玄葉議員

今日的意義ということであります。

まさに西野委員がおっしゃったように、今日の日本の状況を考えたときに、官主導ということでの制度疲労というのは確かに出ているんだろう、官僚主導という制度疲労は出ているんだろうというふうに思います。特に、なかなか解決が容易でない課題に対して解決を図る、そういう政治が求められているということを考えたときに、まさに政治的なリーダーシップが求められるし、それに対応する政治の仕組みが求められるんだろうというふうに思っております。そういうことから、例えば政治主導、あるいは中央省庁の再編、政務官、政治的補佐体制の充実、そういう問題が出てきたのだろうというふうに思います。

そうなればなるほど、政治に対する国民の信頼、あるいは公務員の、いわば公務の公正性に対する国民の信頼というものが重要になってくるわけでありますから、そういう意味で政治体質の抜本的な改革を図るために、あるいはそれらを確保するためにこの法案を提出した次第であります。

以上です。

○西野委員

次にお尋ねをいたしますが、政治活動の自由への配慮がどう加えられておるかということであります。

与党案の第六条によりますと、提案理由説明の中に、「本法の適用に当たっては、公職にある者の重要な政治活動である民意を反映させる行為等が不当に制約されることのないよう、公職にある者の政治活動を不当に妨げることのないように留意しなければならない」、このように規定をされておるところであります。

それでは、ちょっとお尋ねをいたしますが、私どもの政治活動の中で、日常、陳情というものが数多くあります。この陳情は、一つの情報として活用する場合もございますし、これらの陳情を政治活動の一環として取り次ぐことも実は間々あるわけであります。たまたまその陳情者が政治資金規正法にのっとって通常の水準で寄附を行った場合、まず与党の提案者にお尋ねをいたしますが、これは許容、許される範囲であるのかどうか、この辺の趣旨についてお尋ねいたします。

○尾身議員

一般に、政治に携わる政治公務員は、国民や住民の意見や要望を踏まえまして、通常の政治活動の一環として他の公務員等に対して働きかけを行う場合がございます。与党案は、このような政治公務員が行います政治活動と密接な関係があるあっせん行為により利得を得ることを処罰しようとするものであります。

したがいまして、処罰の対象となる構成要件も明確に規定する必要があり、罪の対象となるあっせん行為による利得自体を明らかにするとともに、政治公務員の通常の政治活動の展開、政治資金規正法に基づいて行われる浄財の確保や行政権の行使の適否に関する調査など、民主主義社会において保障されている政治活動の自由が不当に妨げられることのないように、細心の注意を払ったところでございます。

もとより、議会制民主主義のもとにおきましては、政治活動の自由は極めて重要な憲法上の権利でありまして、政治活動の意義の重要性を正しく評価する観点から、法案の第六条におきまして、この法律の適用に当たっては、公職にある者の政治活動を不当に妨げることのないよう留意しなければならないとの規定を設けているのであります。

与党案は、このようなあっせん行為による利得の禁止と政治活動の自由とのバランスを考慮しつつ、政治公務員の行為に一定の枠をはめ、国民の負託と信頼にこたえていくことを目的として提出したものであります。いわば、政治公務員の政治活動の廉潔性、清廉潔白性の確保と政治活動の自由の保障との双方の調和を図って組み立てられていると言っても過言ではありません。

政治資金につきましては、社会通念上、常識の範囲内での政治献金であれば、あっせん行為の報酬と認めることは困難であり、これを受けても本法案の罪の適用対象とはならないものであります。

しかしながら、政治献金の名をかりてあっせん行為の報酬である財産上の利益を実質的に本人が収受したと認められる場合には、本法案の罪が成立し得ることは、念のために申し上げておきます。

○西野委員

いわゆる政治活動の自由というものに対して与党案は配慮をされておる、しかし、それに名をかりた、限度を超えたものについては当然処罰されるべきだ、こういうところで政治活動の自由がある意味で保障されておる、こう理解をいたしておるわけであります。

野党の提案者にお尋ねをいたしますが、野党の案には政治活動の自由に対する配慮というところが見受けられないのでございますが、いかがでしょうか。

○玄葉議員

政治活動の自由に対する配慮がなされていないのではないかということでありますけれども、本法案は、公職にある者等があっせん行為を公務員に対して行ってその報酬を得る、その対価を得るということを禁ずるわけであります。

御質問に、政治資金規正法にのっとり通常水準の寄附云々ということがありますけれども、一言で申し上げれば、あっせん行為と政治献金に対価性があるかどうかということが問題になろうかと思います。

つまり、特定の者に利益を得させる目的でのあっせん行為との対価性が認められれば、政治資金規正法所定の手続がとられていてもわいろに当たりますし、逆に、当該あっせん行為との対価性が認められない場合は、仮に同法違反、政治資金規正法違反の献金であってもわいろには該当しないということでございます。

○西野委員

要は対価性云々とおっしゃっているわけでありますけれども、もう一つ、ではお尋ねをいたします。

野党の案の第一条に「特定の者に利益を得させる目的で」、こうなっているんですが、この特定というのは範囲が不明瞭なんですけれども、一個人はどうなんですか、あるいは一業界団体はどうなんですか、あるいは一労働組合はどうなんですか、その辺をお尋ねします。

○木島議員

お答え申し上げます。

特定の者とは、特定の個人、法人、その他団体、いわゆる人格なき社団をいいます。これは、広く国民一般、住民一般と対比された、いわゆる不特定多数の者と対比された概念でありまして、その範囲が不明確などということは全くありません。特定された一個人であれば、一法人であれば、その業界が一つの特定された人格なき社団として認められれば、当然それは特定された者に当たります。

ちなみに言えば、与党の法案の中にも、特定の者に対する行政処分に関しあっせんすることを処罰の対象としております。その与党案の特定の者と野党案の特定の者とは全く同一の概念であります。

○西野委員

ちょっとお尋ねしますけれども、適切でないのかもしれませんが、民主党の国対委員長のホームページを見ましたら、私、持ってきているのですけれども、何でもやります、お気軽に、国会見学はお任せください、こうなっているのですね。

これは例でございますけれども、たまたまそれに応じて国会見学に来た、帰りに会館事務所に寄った、そこでその議員の方から後援会、政治資金管理団体の入会の用紙を渡したということが行われた場合。野党案は、あっせんの内容を、対象を限定せず、限定を設けず、公務員の職務全般を対象としております。刑法の各種収賄罪と同様、収受のほか、その要求、約束も処罰の対象としております。これは、資金管理団体に加入してくださいと出したら、要求になるのではないのですか。どうなのでしょうか。

○玄葉議員

お答えいたします。

そもそも後援会の用紙を渡すという行為そのものが、相手方に対して後援会加入についての自発的な意思を促す行為にすぎないのではないか、そういう意味では、西野委員がおっしゃった、わいろの要求もしくは約束というふうには言えないだろうと考えますので、本罪は成立しないというふうに思います。

また、先ほど例が適当かどうかとおっしゃいましたけれども、まさにこの国会を見学させる行為というものが、そもそも公務員に対してその職務に関しあっせんさせる、そういう行為に当たるかどうかということも疑わしいかな、そのように思います。

○西野委員

野党案は範囲が非常に明確でないのと、その行為自身、構成要件自身も非常にわかりづらいのですね。したがって、司法当局の裁量といいますか、そういうものが非常に多いのではないか、広いのではないか、そのように私は思います。

そこで、今ちょっとわいろの話が出ましたのでお尋ねをいたしたいのでございます。

公職にある者は、みずからの良心と責任を持って政治活動を展開しなければならないことは当然のことであります。与党の提案理由の説明の中に、先ほどもお答えになりましたとおり、「公職にある者の政治活動の廉潔性、清廉潔白性を保持し、これによって国民の信頼を得ることを目的としたことです。したがって、本法律案の罪は、公務員の職務自体の性質に着目し構成されている刑法のわいろ罪とはその趣旨を異にするものであります。」このように与党案では言われておるわけであります。

そこで、野党側にお尋ねをいたしますけれども、野党案の第一条に、「その職務に関する行為をさせるように、又はさせないようにあっせんをすること又はしたことにつき、その報酬として、賄賂を収受し、若しくはその要求若しくは約束をし、」こうなっておるわけであります。こういうふうになりますと、わいろ罪の一類型かなというふうに思うのでございますが、いかがでしょうか。

○辻元議員

この罪は、まず私たちは、政治公務員のための特別立法という位置づけです。委員が御指摘のような、わいろ罪の類型に含まれるものであるという解釈も成り立つかと思います。しかし、本法案が、政治倫理の確立の観点から、特に公職にある者などをその主体として、そして刑罰を設けようとするものでありますから、罰則を設けようとするものであるというところに特に着目して、刑事一般法である刑法の一部改正によるよりは、先ほども申し上げましたように、私たち政治公務員のための特別法として規定する方が適当であると私たちは考えました。

以上です。

○西野委員

今お答えになっているとおり、わいろ罪の一部ともみなされるが、政治公務員としての規定をするのがいい、こういうお答えだったと思うのですね。

このように、わいろ罪の一類型ということになりますと、公設秘書は別ですが、なぜ私設秘書まで含むことになったのですか。私設秘書というのは公務員ではないのではないですか。

○辻元議員

私設秘書を含んでいるか含んでいないかというのが与党案と野党案の大きな違いだと思います。

なぜ私たちがあえて私設秘書を野党案に入れたのかというところを中心にお答えをしたいと思います。これはこの二つの法案のこれからの審議の中のポイントになるかと思っています。

さて、私設秘書については、今、公務員ではないという御指摘でしたが、政治公務員である国会議員と一体となってその政治活動を補佐しているということは委員も御承知のとおりだと思うのです。でありますので、公務員と同視できる地位にあることから、処罰の対象というようにいたしました。

公設秘書と私設秘書の線引きというのは、私たちの仕事の中では非常に難しい。そして、今、よくこういう事件が起こりますと、秘書のやったことですというように、逃げ口上のように使ってきているというところに大きな批判が出ていることから、私たちは、公設、私設問わず処罰の対象としたところです。

こういう場合の、私設秘書を入れたような、公務員でない者を処罰する法律がほかにあるのか調べてみました。そうしますと、株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律第二十八条には、公務員でない者をわいろ罪の主体とする規定もあるのです。公務員でない者をわいろ罪の主体としたとしても不合理とは言えないと判断いたしました。

以上です。

○自見委員長

西野君、質疑時間は終了いたしましたので。

○西野委員

時間がないようでございますので、本当は、それでは大臣秘書はどうなるのか、こういうこともお尋ねしたかったのでありますが、それは時間がありませんので質問を省略します。

先ほど尾身議員からお答えがありましたとおり、今回の法律で処罰される行為、範囲と、本来の政治活動の一環として処罰の対象外としてその政治活動が保障されるもの、これは明確に分かれるべきだというふうに思っております。そういうことからいたしますと、お答えをいただいておりますとおり、与党案というものは、政治活動のいわば自由の保障とあわせて、政治活動の廉潔性、潔白性というものの双方が調和のとれた形で組み立てられておる、このように思っておるところでございまして、与党案については意義あるものだというふうに思っておりますが、野党案に対しては、甚だまだ理解しにくい多くの問題点がある、こういうことを私自身から指摘をいたしまして、質問を終わらせていただきたいと思います。

○自見委員長

遠藤和良君。

○遠藤(和)委員

あっせん利得処罰法、この法案の成立が、この国会の最も大きな、重要なテーマだと思っています。国民の皆さんの期待も大変大きいわけでございまして、その本格審議が始まりましたことに大変喜びを感じているわけです。

早速法案の中身に入って議論をしたいのですが、最初に、与党案提案者、野党案提案者ともに聞きたいんです。短い言葉で結構ですが、この法律が成立すれば日本の政治はその質が変わる、こう断言できますか。

○久保議員

政治が変わるか、端的に答えよということでございます。

先ほど自民党の西野議員の質問に対して亀井提出者が答弁されましたけれども、私どもは、この状況の中において、一つは国家公務員に対しても厳しいルールを定め、一方、我々自身もみずから襟を正そうという、まさに新しい試みを今回やったところでございまして、そういう意味では、与党案の中にありますように、政治に携わる政治公務員の政治活動の廉潔性、清廉潔白性を保持し、そして国民の信頼を得ていくんだという、まさにこれこそが政治が変わっていく一番の原点になり得るものと確信をしております。

以上でございます。

○玄葉議員

お答えをいたします。

残念ながら与党案では抜け道が多くて政治は変わらないけれども、野党案が成立すれば政治の抜本的な体質改善に必ずつながる、そういうふうに思います。

○遠藤(和)委員

抜け道があるかないかというのはこれから議論をしなければわからない話です、野党の提案者はそのように思っているんでしょうけれども。いずれにしても、与党案提案者、野党案提案者ともに、この法律で日本の国の政治の質を変えたい、また、それは必ず変わるんだ、そういう願望を持って提案されたというふうに私は理解をします。

それで、与党案と野党案を比較対照しますと、野党案にはないけれども与党案にはある、あるいは逆に、与党案にはないけれども野党案にはある、この問題があります。その象徴的な話を一つ、どうしてあるのかないのかという話を聞きます。

野党の提案者に聞きますが、一つは「請託を受けて」という規定がありません。そして「特定の者に利益を得させる目的で」という目的規定があります。これはいかなる理由によるものであるかということを説明してください。

○木島議員

御指摘のように、請託があるかないかが与党案と野党案の大きな違いの一つであります。野党が請託を外した理由を答弁したいと思います。

一九五八年、昭和三十三年、刑法百九十七条の四、あっせん収賄罪が新設されたとき、請託の要件が入りました。これが実は「他の公務員に職務上不正な行為」とともにこのあっせん収賄罪の規定の発動を妨げる大きな二つの要因となったことは、質問者も御承知のことと思います。

調べてみますと、あっせん収賄罪は、新設以後四十二年間にわずか百二十二件しか起訴されておりません。そのうち国会議員はわずか二件のみであります。その一つの大きな理由が、請託の立証が非常に難しいことにあったことは明らかであります。一つは、請託は、贈賄当事者と収賄当事者の犯罪行為者二人の間だけで行われる行為であります。通常、それは密室で行われます。二人の当事者双方が罪を免れるため、請託の事実は隠ぺいし抜くことに最大の利益を持ちます。したがって、容易に自白は得られません。二つ目の特質として、請託の行為は、通常、口頭とか電話などで行われ、書類などに残りません。物的証拠がないのが最大の特徴であります。二人の贈賄者、収賄者が口裏を合わせれば、捜査当局は手も足も出ない。明らかであります。

請託の立証が本当に難しいということは、例えば戦後五十五年間の単純収賄罪と受託収賄罪の起訴件数の違いを見ても明らかであります。刑法の基本である単純収賄罪と受託収賄罪の違いは、請託があったかどうかのみであります。それで調べてみますと、戦後五十五年間、総トータルで単純収賄罪は一万六千三十七件起訴されています。しかし、受託収賄罪はわずかに千九百五十三件。受託収賄罪は単純収賄罪の一二%しか起訴されていないわけであります。

贈収賄事件を起こすときは、何らかの請託がなされるのが普通だろうと私は思います。しかし、現実に検察は、ほとんど請託を要件から外した単純収賄罪で立件している。このことが、いかに請託の立証が難しいかということを数字で明々白々に物語っているんじゃないでしょうか。まさに、請託を要件とするか外すかがあっせん利得収賄罪が生きるか死ぬかの分水嶺だと私ども野党提案者は考えております。あっせん利得収賄罪を本当に実効あらしめ、政治に対する国民の信頼を取り戻すため、そういう観点から野党案は請託を外したわけであります。

以上であります。

○遠藤(和)委員

二つ一遍に聞いたんですが、後ろの半分、答えていませんね。目的規定をなぜつけたのか。

○木島議員

「特定の者に利益を得させる目的で」という目的規定をつけた理由について、では答弁いたします。

政治公務員の本来の任務である、広く国民一般、地域住民一般の利益のために活動する、そういう政治公務員の本質から、国民、住民一般の人々のための活動をまずあっせん利得収賄罪の適用からすべて除外をする。政治公務員の本質からそれを鮮明にするためというのが第一であります。

二つ目の理由は、通常、あっせん利得収賄行為は、ある特定の者の利益を図るためになされる場合が定型的である。犯罪の構成要件を明確に絞り込むために、特定の者に対する利益を図ること、これをはっきりと目的規定に入れたわけであります。

三つ目には、特定の者の利益を図るためにあっせんをしたことと、わいろを収受、約束、要求した行為との間に対価性が必要である。その対価性が必要であるということを一層はっきりならしめるために、特定の者の利益を図ることという目的規定を入れたわけであります。

以上であります。

○遠藤(和)委員

その目的規定は、当然、犯罪の構成要件ですね。

○木島議員

もちろん、目的規定ですから、明確な立証が必要な構成要件です。

○遠藤(和)委員

今、刑法には、いわゆる目的規定とおっしゃっている「特定の者に利益を得させる目的で」という文言はございません。したがって、実際にそれを捜査し、立件をしようとすると、こういう概念のもとにどのように特定をしていくのかという問題が生じるわけでございます。

法律が初めてつくられるわけですから、もし野党の皆さんの法律が成立するとすれば、提案者の意図というものを明確にしておかなければ捜査当局は非常に困惑するわけでございます。実際、具体的な立件になると、捜査当局として初めてのことですから、この「特定の者に利益を得させる目的で」というものをどう特定するのかというのは大変難しい。これはどういうふうに特定すればいいと提案者は考えますか。

○木島議員

刑法に目的規定がないとおっしゃいましたが、刑法一般にはたくさん目的規定がありますよね。背任罪などは、図利加害目的とあります。収賄罪については確かに目的規定はありません。初めて野党案として目的規定を入れたわけであります。

それはなぜかといいますと、あっせん収賄罪によって収賄罪の本質が非常に大きく変質してきたのですね。広がってきたわけです。公務員が直接その職務権限の範囲内にある行為をやることによってわいろをもらうというのがわいろ罪の基本でありますが、あっせん収賄罪を創設したことによって、公務員みずから手を下すのではなくて、他の公務員、被あっせん公務員にあっせんをして、その被あっせん公務員が行為をする、それを収賄罪に取り込んだ、非常に概念が広がったわけですね。ですから、その裏返しとして、特定の者の利益を図る目的ということで、そういうあっせんをするという広がりを一面ではきちっと絞り込むことが必要になってきているということで入れたわけであります。

ちなみに、一九九八年六月十六日に公明党さんがお出しになった国会議員等の地位利用収賄等の処罰等に関する法律案にも、当然のごとく、「特定の者に不当に利益を得させる目的で」ということが入っておりますし、さらに、平成十一年五月二十一日提出の、民主党、公明党、社民党、参議院の会の皆さんによる国会議員の地位利用収賄等の処罰に関する法律案にも、当然のごとく、「特定の者に不当に利益を得させる目的で」という目的規定が入っているわけでありまして、これは、あっせん利得収賄罪というその本質から来る目的規定だと考えております。

○遠藤(和)委員

私は、現在の与党案と現在の野党案の対比をしているわけでありまして、それぞれ現在の与党案に昇華、収れんされた話ですから、過去の提案の話をしているのではございません。

それから、与党の提案者に同じように聞きますが、「請託を受けて」というものを規定した理由、それから、「特定の者に利益を得させる目的で」という目的規定はつけなかった、この理由。

あわせて、私の判断では、ただいまの野党提案者の御答弁は、立件するときには個別に判断する話ですから、最終的には特定の者であるかどうかを特定するのは刑事当局に判断をゆだねる、こういう形になると思うのですね。そうしたやり方よりも、請託というものはある意味では客観的な証拠ですから、それを犯罪の構成要件にする方が明確ではないのか、このように私は思いますので、その辺を含めて、与党提案者に御答弁をお願いします。

○久保議員

今、野党さんにお聞きになったのにプラスして最後に一点ございましたけれども、三点お答えをしたいと思います。

まず、我々の規定の中で「請託を受けて」ということを明記した理由でございますけれども、通常、あっせんというのは請託を受けてなされるのが常態である、このように我々は考えております。

さらに、政治公務員が他の公務員に何かを働きかける場合、これには二つの態様があると思います。一つは、だれかに何かを頼まれて、その人のためにいわゆるあっせんという行為をとる場合、もう一つは、国民や住民の声を吸い上げて、それを通常の政治活動の中でよりいいものに変えていこう等々の形で働きかけていく場合、こういう二つの態様があろうかと思うわけでありますけれども、その際に、請託ということを要件にしなかったならば、この両者の区別が非常に不明瞭になってしまう。結局そのことは、ひいては処罰範囲があいまいになり、不必要に広がってしまうおそれがある、そのように我々は考えました。そこで、処罰範囲の明確性を期するために、請託を受けてなされるあっせんということに限定したところであります。

さらにつけ加えますならば、刑法のあっせん収賄罪においても請託を要件としているということがございます。

次に、「特定の者に利益を得させる目的で」、これが与党案にはないけれどもいかがかということでございますけれども、政治公務員というのは、国民、地域住民全体の利益を図るために行動することが期待されているわけでありまして、特定の者の利益を図るようなあっせん行為を行って報酬を得ること、このことは、政治公務員の政治活動の廉潔性及びこれに対する国民の信頼を失う度合いが強いと言うべきであると思っております。

しかし、特定の者に利益を得させる目的を要件とした場合、特定とはいかなる広がりまでを指すのか、また、例えば業界団体の構成員が利益を享受するような場合に、当該業界団体は特定の者と言い得るのか、非常にあいまいさが残るところであります。そこで、あっせん行為の内容を客観的に見て、特定の者の利益を図るという性格が顕著である契約、または特定の者に対する処分に関するものに限定し、そのかわりに、特定の者に利益を得させる目的ということを要件としなかったところでございます。

なお、本法律案においても、特定の者に対する処分を要件としておりますけれども、ここに言う特定の者とは、処分の名あて人になる対象者、このような者を指しておりまして、その範囲は明確であるというふうに考えております。

最後に、三点目でございますけれども、この法律は、刑罰を科するものでありますから、構成要件が明確であることがまず大事であります。そういった点で、遠藤議員仰せの請託ということもその一つかと思いますし、我々は、先ほども申し上げましたように、契約あるいは特定の者に対する処分に関するものに限定することで構成要件の明確化を図ったところでございます。

特定の者に対する処分を要件としているけれども、我々は、先ほども申し上げましたように、名あて人等々の明確な基準を設けたい、そういう点でこれをやらせていただいたところでございます。

以上でございます。

○遠藤(和)委員

与党の提案者は、僕の質問に答えていないのだよね。もっとはっきり答えてもらいたいのだけれども、野党案にある「特定の者に利益を得させる目的で」というものを具体的に特定するのは大変難しいですよ、それよりも、請託を受けたという事実でもって特定の者を特定した方がいかにも客観的で明確ですよ、そう思いませんか、こう尋ねているわけです。それに対する答えを下さい。

○久保議員

済みません、先ほど言葉が足らなかったようで失礼をいたしました。

まさに今議員がおっしゃったように、「請託を受けて」ということで明確になるものというふうに解しております。

○遠藤(和)委員

演説しなくてもいいから、聞きたいことにイエスかノーかではっきり答えてもらいたいのです。その方が論理がクリアカットできますから、ぜひお願いします。

今、与党提案者、野党提案者ともに聞きました。そして、刑事当局に聞きたいのだけれども、今、請託というものが立件の障害になっているかのような表現があったわけですが、これは刑事当局としてはどう認定をしているのか。過去五年間、こうしたことが立件の障害になっているような事実があるのかないのか。こういうことをきちっと説明してもらいたい。

それからもう一点は、「特定の者に利益を得させる目的で」というものが目的規定であり、それがかつ犯罪の構成要件になっているのだけれども、これを具体的にどう特定していくか、これを刑事当局はどう考えているのか、この二点についてお答えを願いたいと思います。

○渡邉政府参考人

お答えいたします。

まず、請託を要件とする収賄罪、すなわち受託収賄罪、事前収賄罪、第三者供賄罪、事後収賄罪及びあっせん収賄罪等刑法の収賄罪の、過去五年、平成七年から十一年までの五年間の起訴人員は、合計百三十八名となっております。

それから、「特定の者に利益を得させる目的で」とはどう判断して立件するのかという御質問でございますけれども、お尋ねの問題につきましては、現在審議中の議員提出法案の解釈にかかわる問題でございますので、法務当局としては御答弁を御容赦願いたいと思っております。

○遠藤(和)委員

一番最初に、請託が立件の障害になっていると認識しているのかどうかという質問をしました。これに対して答えがありませんでした。

○渡邉政府参考人

刑法の収賄罪について申し上げますと、請託が要件となっているわいろ罪につきましては、単純収賄罪と比べますと、立証事項が加わることになりますが、そもそも一般に、立証の内容は、具体的事案における証拠関係に左右される問題でございます。請託という要件が存在することによって立証が困難になるとは直ちには言えないと考えております。

○遠藤(和)委員

具体的に立件されている例がきちっと報告がありました。それから、今審議中の問題だからすぐに即答できませんというのは、確かにそうだと思うのですね。現行刑法にない目的規定が入っているわけですから、これは提案者の趣旨がどこにあるのかというものをこの審議の中で明確にしていかなければ、捜査当局としては判断基準がないわけです。ということは、非常にあやふやな話なんですね。私は、さっきも確認しましたように、より客観的な事実というものによってその特定の者を特定した方がわかりやすいのではないか、こういうことを申し上げておきます。

それから、与党案の中には私設秘書が入っていません。これは、公務員じゃないから入っていないわけでして、政治家と一体になって、その支配下にある私設秘書があっせん利得行為を行った場合は、政治家本人がやったと見る、こういうことですね。ですから、私設秘書というものをあえて書かなくても、政治家個人のあっせん利得行為であると処罰対象とすることができる、こういうふうな理解でよろしいんですか。

○久保議員

先ほど来申し上げましたけれども、我々の立法の趣旨は、政治に関与する公務員の活動の廉潔性、清廉潔白性と、これに対する国民の信頼を得ようとするものであります。したがって、処罰の範囲を公務員でない私設秘書にまで拡大することは不適当であるというふうに考えております。もちろん、その私設秘書が本人の意を受けて動いた場合には、当然本人が処罰の対象になることはあり得るということでございます。

○遠藤(和)委員

先ほどもお話がありましたが、あっせん行為の範囲を与党案では、「売買、貸借、請負その他の契約」それから「特定の者に対する行政上の処分」、この形に限定をしているわけですけれども、契約というのは、要するに、国や地方自治体がいろいろな契約をするわけですが、例えば国の条約というのは他の国との契約のようなものでございますが、そういうものだとか、あるいは姉妹都市交流契約だとか、そういうものは念頭にないわけですね。一体どういうものが具体的な対象になるのか、少し例を挙げて説明を願いたいと思います。

それからもう一点は、処分という方の問題も、処分にはいろいろな処分があるわけでございますけれども、ここで行う「特定の者に対する行政上の処分」というのは、一体具体的にはどういうことを指すのであるかということですね。その辺も範囲を明確にしていただきたいと思います。

○久保議員

契約について例を示せということでございますけれども、法案に規定しております「売買、貸借、請負その他の契約」というのは、売買、貸借、請負のほか、国等が財産権の主体として相手方と対等の立場において締結する私法上の契約でありまして、委任、贈与、寄託等の典型契約及び各種の混合契約がこれに含まれることになります。

そこで、まず第一に、行政主体と私人との場合については当然含まれます。と同時に、行政主体相互の間における場合であったとしても、それが財産権の主体として私法上の契約を締結する場合には、本案で言う契約に当たります。

一方、今お示しがございました条約は、国家間等において締結され、国際法によって規律される国際的合意でありますので、私法上の契約とは言いがたく、本案の契約には当たらないものと考えております。

また、姉妹都市交流、こういったことは全国あちこちで行われておるわけでありますけれども、これは文化交流や親善を目的として都市と都市がお互いに結びつくことでございまして、私法上の契約ではないので、本案の契約には当たらないものというふうに解しております。

一方、処分についてどういうことなんだということでございますけれども、行政庁の処分の定義は、まさに行政機関が権利を設定し、義務を命じ、その他法令上の効果を生じさせるために行う単独行為と言うことができます。すなわち、直接国民の権利義務を形成し、またその範囲を確定することが法律上認められている国または公共団体の行為を指すものというふうに解しております。

以上でございます。

○遠藤(和)委員

例えば、公務員の採用とか任用、昇格、降格、転勤、罷免、賞罰、こういうものは全部処分の対象ですね。

○久保議員

今お示しがありました公務員の採用、任用あるいは昇格、降格、転勤、罷免といったものは、直接権利義務関係を形成するものと言えますので、特定の者に対する行政庁の処分というふうに解しております。

○遠藤(和)委員

それから、予算を編成したり予算の箇所づけをしたりすることがありますね。これは処分の対象ではないと理解していいですか。

○尾身議員

予算の編成、作成あるいはいわゆる箇所づけのようなものは、一般的に地域社会の発展のための政策の一部である、予算の方もそういうことでございまして、いわゆるこの法律に規定する処分ではないと考えております。

○遠藤(和)委員

今お話があった行為を対象としているわけですが、あっせんの中身なんですけれども、あっせんの中身が、例えば人の紹介、こういう人が行くからよく話を聞いてくださいよということをよくやるわけですけれども、こうしたこと自体は含まれるのでしょうか、含まれないのでしょうか。

○尾身議員

ある人を職務権限がある方に、こういう人が行くから話を聞いてくれということで紹介したもの、そのこと自体はいわゆるここで言いますあっせん行為にはならないと考えております。ただしかし、処分等につきまして、こういう処分をお願いしたいんだということを、あっせん者といいますか政治公務員がしたときには、その行為はあっせん行為になるというふうに考えております。

○遠藤(和)委員

いわゆる、行ってよく話を聞いてあげてくださいよ、そういうふうな単純な紹介は直ちにあっせん行為ではない、何か意図を明確にして、こういう方向で話を聞いてあげてくださいとか、こういうことにならないかとか、そういうことが対象になる、こういう理解でよろしいわけですね。

○尾身議員

金融問題について、お金を借りたいということで参りますので会ってくれと言うことは、実質的に、例えば金融行為そのものをあっせんしたというふうに解せられると思いますので、あっせん行為に当たるのかと思います。ただし、その言い方がどういうことになるかということにつきましては、内容、事実関係をよく調べた上でないと何とも言えないということになろうかと思います。

○遠藤(和)委員

ほかにもたくさん質問したいことがあるのですが、次回に譲りまして、本日はこの程度にします。ありがとうございました。

○自見委員長

小池百合子君。

○小池委員

保守党の小池百合子でございます。

今回、与野党双方でいわゆるあっせん利得罪という法案が出ているわけでございますが、もちろん突然降ってわいたように出た法案ではございません。若干、故事来歴になりますけれども、私の知る範囲で、これまでのこの法案に行き着くまでの過程、この中にいろいろな意見、そして考え方が凝縮されたのが今回の与野党案だというふうに思いますので、これを少し明確にしておきたいと思います。

私はもともと自由党の方でございますが、平成十年の六月八日に衆議院の方に、国会議員等の入札干渉等の処罰等に関する法律案というのを出させていただいたわけでございます。そしてまた、その前、新進党でございますけれども、夏季研修会、平成九年だと思いますけれども、公共事業に関しての入札問題プロジェクトということ、これが一つの母体となって、入札に関する問題での政治のかかわり合いということについてその土台をつくって、そしてまたそれが自由党、そして現在保守党で今回は与党案の方になってきているわけでございます。やはり、政治とお金の部分の明確な線引きをしておきたいという気持ち、それはすなわち政治への信頼を高めようということがそもそもの出発点であったかと存じます。

実は、私は提案者でございますので、与党の方々に質問することはできませんので、今申し上げました故事来歴を踏まえて、野党の皆様方に若干伺いたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

まず、野党案でございますけれども、今申し上げました故事来歴で、途中からちょっと分かれたところもあろうかと思うんですが、政治家の仕事とはというそもそも論がやはり基本的にあると思うんですね。そういった中で、特に衆議院は代議士というふうにも呼ばれている。やはり政治をやっている場において、地域の代表として、そして国民の代表として、その両方をバランスを持っていくということ、両方が必要だと思います。やはり、国民の声を聞いて、そしてその中から政策の立案に持っていく、単に一人の特別な人のサービスではなくて、それを国民全体のサービスに広げていくということが、まさに今後さらに私ども立法者に対して求められる資質であり、またそれが国民のニーズでもあろうかというふうに思うわけでございます。

そこで、野党の提出者の方々、この国民の声を国政に反映させること、これは当然政治家の重要な責務であると私どもは考えて、それをベースにして与党案をつくっているわけでございますけれども、その辺でどういう相違があるのでしょうか。伺わせていただきたいと思います。

○中井議員

敬愛する小池先生の御意見は、まことにそのとおりでございます。我々国会議員は、選挙区から選ばれ、選挙区を代表すると同時に、国家国民の代表、この自覚を持って、両方の仕事を本当にバランスを考えて、あるいはお互いの利益調整も含めて考えてやっていくんだろう、それが使命だろう、私はそう思っています。したがって、ありとあらゆる国民の御要望あるいは御要求に対して、幅広く政策実行、こういうことで責務を果たしていかなきゃならない、このように考えております。私どもと与党案との違いは、その果たした後に、あるいは前にお金をもらうかもらわないか、これだけだ、僕はそういうふうに理解をして割り切っているところでございます。

お話ありましたかつての自由党の入札干渉罪におきましては、当時の野田幹事長の御命令もありまして、私自身、御相談を申し上げて党内をまとめたわけでありますが、この場合には、金銭の授受がなくても口をきいただけで処罰をする、そのかわり対象は公共事業の入札だ、こういうふうに絞り込んだ、そういったところと今回のもの、いろいろな思いはあることはございます。

以上でございます。

○小池委員

やはり、国民の声をベースにして、そして政策立案につなげていく、一人一人の声を生かしていくというのがまさに評論家と違うところではないかというふうに思うわけでございます。その意味で、一定のルールを明確にするという今回の、これは与野党通じての思いだと思っておりますので、ぜひこのあたりをうまく魂の入った法律にしていきたいものだと思っております。

そこで、ちょっとお伺いしたいんですけれども、野党案の方では、公務員等にその職務に関する行為をさせ、またはさせないようにあっせんする、もしくは過去形の、あっせんしたことの報酬としてのわいろの収受、要求、約束ということを禁止しておられるわけです。

これは、既に前に提出されて、そして後ほど取り下げられました最初の野党案でございますけれども、法律案の中身は違うとはいえ、そのときに参議院の方で参考人質疑が行われております。そこの中では、わいろ罪との関係について伺っているんでございますけれども、濱田参考人、弁護士さんでいらっしゃいますけれども、わいろ罪を適用することは、国会議員が本来遂行すべき活動を制約してしまい、賛同できないというふうに意見を述べられておられます。

ということで、あっせん収賄と、そして今回のあっせん利得とどこをどう違えるのか、これは実は骨格を語る上で極めて重要なところかと考えるわけでございますけれども、この意見をどう受けとめておられるのか、伺いたいと存じます。

○中井議員

本年五月、参議院で審議が行われたときの濱田先生の弁護士としての御意見は、私どもも拝聴すべき点が多々ある、このように考えております。

政治活動の自由について、私どもは、この法案で制限をしたり阻害をしたり、そのようなことを考えているわけではありません。ただ、政治家が、あるいはそれに関連する者が、特定の者の利益のために国民全体の利益を阻害し、そしてそれをもって金銭を受け取る、このようなことに対して厳しく対応すべきだ、こんな思いでこの法案をつくったところであります。

○小池委員

その思いは一緒なんでございますけれども、しかしある意味で、この法案を与野党ともに競い合うようにつくっていった過程で、どんどん厳しくするが余り、最初に御質問させていただいたんですけれども、国民の声を聞いて、そしてそれを政治に反映させていくというその過程が萎縮してしまっては、本来の政治が阻害される。もしくは、網を広くかけ過ぎるために、逆に逮捕者が続出して政治不信をかえって招く。本来の政治の姿でありながらも、それが余りにも広くなってしまうと逆効果になるのではないか。この辺の線引きは実に今回難しいところだと思ったんですね。

そこで、伺いますけれども、今回の行為の構成要件としての請託の有無、ここが大きなポイント、違いでもあるわけでございますけれども、これは、野党案の方は、公務員等の職務全般を対象にしておられる。対象そして職務権限がかなり広いわけでございまして、そうなりますと、行政とか司法当局の裁量に結果的にゆだねることになる。一言で言うと、ファッショということだって考えられるわけでございまして、このあたりどういうふうに考えておられるのか、これは最後の質問にしたいと思います。

○中井議員

御指摘は、それぞれごもっともな点で、大事な点だと考えております。

ただ、私どもが考えていかなければならないことは、現在、国会議員あるいは地方の県会議員、首長を含めまして、給与体系は大変恵まれてきておる、こういうところが一点。また、制度も、国会等においてはおいおいと整備をされてきて、いろいろな特典も与えられている。そして、政党交付金という制度もつくられた。そういう中で、政治家と金、この点をお互いが厳しく律していく、このことが大事なことだ、このように考えているところでございます。

また、もう一つのお尋ねは……(小池委員「検察ファッショのこと」と呼ぶ)小池先生も私も、自由党時代に連立政権を組んで、そして、副大臣制度導入、こういうことを主張し、来年から副大臣制度が曲がりなりにも導入されるわけであります。

しかし、私どもが考えていました副大臣というのは、もっと行政の中にたくさん与党政治家が入って、与党と政府と一体でやる、こういう構想でありました。しかし、これがなかなか実行できない、実現されない裏には、政治家が行政の中に入り込んだら、利権あさり、また汚職がふえるだけではないか、こういうマスコミ等の非難があってなかなか踏み切れないのだろう。

こういったことを本当に議院内閣制のもとで実効あらしめるには、やはり厳しい法律というものをつくって、李下に冠を正さず、こういう形で安心して与党が政府の中で政策立案をやっていく、こういうことが必要だろう。逆に、私どもが、そういったことを恐れて政府の中あるいは立法過程の中になかなか入っていかない、このことが、行政が政治の監視を逃れて勝手な方向に走っていくことを許している大きな原因になっているのではないか、こんなふうに思っているところであります。

○小池委員

時間が参りましたので、終わらせていただきます。答弁者の方々、ありがとうございました。

○自見委員長

平井卓也君。

○平井委員

私、21世紀クラブの平井卓也でございます。この六月に初当選をさせていただきまして、まだ有権者としてのにおいも消えていないフレッシュなところで、国民の立場に立って、議員の一人として、与党、野党の提出者の皆さん方に質問をさせていただきたいと思っています。

これまで野放しだったあっせん利得に法の網をかけるということは、まさに政治不信、政治家不信のきわまった現在の状況を考えれば、むしろ遅過ぎると言っても過言ではないと思います。

その政治不信というものを裏づけるようなデータをここで幾つか紹介させていただきたいと思っているのですが、財団法人中央調査が、ことしの四月にした調査があります。これは「国会議員、官僚、裁判官、マスコミ、銀行、大企業、医療機関、警察、自衛隊の信頼感に関する調査」というものであります。この調査の中身をずっと説明しますと非常に長くなってしまいますので、かいつまんでその結論だけお話をさせていただきたいと思っています。

結局、国会議員、官僚、警察に対して、このデータでは国民の六割近くが不信感を持っているということがまず一点。それと、この不信感というものが、十年前と比較して、国会議員、官僚に対して特に大きくなっているということが二点目。もう一つ、では海外で国会議員はどう思われているかという、その比較において、日本においては国会議員というものが信頼されていない。この比較はどこまで真実味があるかわかりませんが、この調査では、日本では信頼されていないということになっています。続いて官僚ということになっているわけであります。

〔委員長退席、鈴木(宗)委員長代理着席〕

○平井委員

もう一つ、日本青少年研究会、これは「中学生、高校生の二十一世紀の夢に関する調査」であります。これも結論だけを申し上げますと、この調査で、なりたい職業の中に政治家というものがまずないわけです。最下位にランクをされている。私の子供のころはまだ末は博士か大臣かというような言葉も残っていたと思いますが、今はまさにそのようなことは全然なくなっている。

ここで心配しなければならないことは何かというと、政治を担う若い子供たちまでが不信感を持っている、政治家は悪いことをするんじゃないかと思っているということを私は心配するのであります。それと同時に、二十一世紀の政治家というものを考えた場合に、すばらしい候補者をリクルートしていかなければいけない中で、候補者たる人がいなくなってしまうのではないかと私も思うわけであります。

その意味で、我々が襟を正さなければならないと考えるわけですが、刑法の収賄罪、あっせん収賄罪の概念に加えて、あっせん利得罪を法制化することは、つまりは、政治家をめぐる不透明な金の流れを断つという意味からも、従来懸念されております職務権限の立証との兼ね合いからいっても不可欠なことだと思うわけです。もちろん、現在の政治システム、いわば民主主義にコストがかかることは私は否定しているわけではありませんが、同時に、その金の流れというものを明らかにすることは、政治が信頼を取り戻す上で重要なポイントであるということは言うまでもありません。

今回の法律は、政治のあり方を問う重要法案であり、今国会で提出されております公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法案とも相まって、政治改革、言いかえれば、むしろ政治家改革の進むべき道を左右するものであると考えています。

この適正化促進法案というのは、担当大臣の贈収賄事件を教訓に、入札の際の公正な競争確保という環境を整備する目的であることも勘案し、各省庁の権限、裁量のもとで行われている公共事業に対する国民の不信感を払拭する意味において、我々国民の負託を受けた国会議員は責任が大きいと思っています。

ここでまたまた調査のデータをちょっと申し上げて申しわけないのですが、これはことしの七月、産経新聞とFNNの調査であります。政治家が公共事業で利益を上げていると思うかどうかという質問に対して、思っていないという人は二・二%、それに対し、ほとんどの政治家についてそう思う、多くの政治家についてそう思うを合わせると七〇%を超えています。つまり、これはどういうことかというと、公共事業が政治家の利益を生み出す温床に使われているというような疑惑を七割以上の方が持っているということがここの調査の中で出ているわけです。

ことしの四月、地元でも大変な不祥事があったわけです。香川県の旧四国大川農協、現在のJA香川県四国大川支部でありますが、農水省構造改善局の補助事業をめぐる汚職事件で同省のキャリアの官僚が逮捕されるということがありました。ここで考えなければならないことは、先ほど御紹介させていただいたアンケート結果にもありましたように、政治家と同様に、官僚も、国民に奉仕するという意味において、国民の公僕であるということは当然のことであります。

ですから、役所の大部分の方々は非常に優秀で一生懸命職務に専念されておりますし、夜遅くまで電気がついている役所を見ると、大変御苦労なさっているなと思いますが、しかし、国民の公僕であるという立場上、それがたった一人であったとしても、国民の非難は大きいものになるのは当然ではないかと思います。さらには、政治家が役所に口ききをする、すなわちあっせんという行為が行われること自体、行政の中身の透明性を上げるという意味において厳しくチェックされるべきではないかと思います。ましてや、それによって結果が左右されるであろうということは、そのように思われることも含めて、決してあってはならないことではないかと私は思います。

この法案を契機に、政治改革、そして政治家のあり方を変えるだけではなくて、政治家と官僚の職務と責任、つまりは行政改革も含めて、より透明性のあるものにしなければこの法律の実効性は上がらないと考えますが、与党、野党の提案者の皆さんに御所見をいただきたいと思います。

○大野(功)議員

平井先生からのフレッシュな感覚での御質問でございますけれども、歴史の流れの中で、我々が目指す政治あるいは行政というものが、まさに今回考えておりますあっせん利得法案と同じような軌道をたどっていると思っておりまして、これを成立させることが大変大事なことである、有意義なことである、このように考えております。

第一には、透明性の問題でございます。

平井先生おっしゃいましたように、まさに行政の意思決定のプロセスを透明化していく、裁量の余地をなくしていく。裁量の余地をなくすということは公平な世界をつくるということではありますけれども、それは同時に、政治家が行政に介入する余地がなくなっていくことである。これは規制緩和でも全く同じことが言えると思います。

第二の問題は、官と民との関係でございます。

今我々が一生懸命努力していることは、いわば、民間でやれることは民間に任していこう、こういうことでございまして、官の土俵を小さくしていく。これはまさに効率性のある社会をつくろうということでございますけれども、同時に、やはり政治が官に介入していく余地が少なくなっていくことでございます。

それから第三に、これが一番大事なことだと思いますけれども、政治家と官僚との関係、あるいは政治家の役割の問題。

まさに二十一世紀は変化とスピードの時代でございます。変化しますから、政治は変えるべきところは変えていかなきゃいけない。あしたやれることでもきょうやっていくぐらいのスピード感が必要である。これは、官僚、公務員に任せることはできませんし、また、任せるとすれば大変酷なことでございます。政治家がリーダーシップを持ってやっていかなきゃいけない。そのリーダーシップを持たなきゃいけない政治がもし不信感に囲まれているとすれば、これはリーダーシップが有効に生かせないわけでございますので、まさに政治に対する信頼を回復して、政治のリーダーシップを発揮していかなければ二十一世紀は乗り越えられない、こういうふうに思っております。

したがいまして、おっしゃいますように、政治家もそれから官僚も信頼を回復し、そしてそれぞれの分野で国民の信頼をちょうだいしながら、政治家はリーダーシップを持って世の中に対応していく、それを助けていくのが官僚の役割である、このように思っております。

〔鈴木(宗)委員長代理退席、委員長着席〕

○谷津議員

それは、あっせん収賄罪というものが三十三年にできても、今の精神は同じでありますけれども、不正を働かせることを目的として、その不正を働いた者に対する処罰、刑罰ですね。 これは、正しいことをやっても処罰しようということなんですよ。そういう面からいいますと、正しいことをやっても処罰される人が不正なことをやった人よりも罪は重くなるとか、そういうのはちょっと違うのじゃないかというふうに思うんですよ。

ですから、バランス論というよりも、私もバランスという言葉を先ほど使いましたけれども、あっせん収賄罪で不正をやって罰せられる者と、いいことをやっているにもかかわらず、対価を得た場合に罰せられるという者をより罪を重くするような形のものはバランス上おかしいではないか、違うではないか、こんな意味で申し上げているわけでありまして、その辺のところは御理解いただけるのではないかと思うんです。

○枝野議員

御答弁させていただきます。

野党側提案者としても、御指摘の問題意識、全く同感でございます。

ただ、三点ほど指摘をさせていただきますと、特に公共工事について問題意識を強くお取り上げになりましたが、それは委員も同感かと思いますが、公共工事に限らず、政治がお金をもらって行政をゆがめるということがあっては国民の信頼を得られないという意味で、幅広くそういったことを規制するべきであろうということが一点であります。

二点目に、官僚の皆さんの不祥事というものも、政治家の不祥事と同様にしっかりただしていかなければならないと思いますが、その場合に考えなければならないのは、責任がより重いのはやはり政治である。

例えば官僚の皆さんも、政治家からの口きき、言いかえれば圧力ということによって、行政をゆがめて不祥事を起こしてしまうというようなケースもございます。あるいはまた、官僚の皆さんの意識の問題としても、自分たちは一生懸命天下国家を考えて政策立案、行政を進めていく中で、その上に立つ政治が、いわゆるお金で左右されて特定の人たちに利益を図るというような政治が行われていれば、官僚の皆さんの意識も高まっていくわけはありません。まずは、何よりも政治がお金で左右されるということをとめるということが大切なことであろうというふうに思います。

そして最後に、行政そして政治の透明性を高めるという意味で、こうした政治家の行動についての規制と同時に、何よりも国民の皆さんの目の前にすべてを明らかにしていくという情報公開をさらに徹底していくこと、これが同時に求められているのではないのか、こんなふうに考えております。

○平井委員

多くの政治家、既成の政治家ですが、役に立つ、力があるというのはどういうことかというと、いろいろとお世話をして、つまりあっせんをする、それでその人に喜んでいただくなりするということ、同時に、力のある政治家というのは多くの献金を集めるというふうにも思われていましたが、そのことは過去のこととして葬り去り、新たな政治家像をつくらなきゃいけないというのは与野党とも共通の認識ではないかというふうに思います。

本当の意味で国民の負託にこたえるという認識に立てば、政治倫理の本質的な論議、政治家の使命と責務、倫理との関連なくしては意味のないものになってしまいます。

この法律は、日本の政治史上重要なメルクマールになる可能性も秘めた法案ではないかと私は思っています。

今回、与野党間の法案の大きな違いに、処罰対象の範囲というものがあります。与党案は議員及び首長ほか公設秘書、いわば政治公務員の範囲でありますが、野党案はさらに私設秘書まで含んでいます。

この私設秘書というのは、私自身定義するのは大変難しいことだと思っていますが、秘書を含めた意味というのは、恐らく、法の目的を達成するために抜け道をふさごうということであろうかと思います。

しかし、もう一点考えてみると、国民の立場から見れば、政治家の範囲というものはちょっと違った見方もあるのではないかと思います。例えば、仮に選挙で落選した元議員であれ、これから議員になろうとする候補者であれ、さらには引退された先生方であれ、それは国民にとってみればおらが町の先生であり、恐らくずっと先生と呼び続けられる存在であると思います。

現行の制度は政党政治を前提としておりまして、私はそれに対する反対は別にあるわけではありませんが、政党は、法律の制定や予算の編成から許認可や補助金の決定に至るまで、大小の政策決定に大きな影響を持っています。その役員のほとんどは国会議員、選挙で選ばれた者でありますが、政党の支部長という存在は、これは元議員や新しく議員になろうとする立候補予定者が含まれることもあり、彼らは政治公務員ではありませんから、国民の税金から例えば政党支部に助成金をもらおうとも、例えば企業・団体献金をもらおうとも、落選している、また、お休みしている方もいらっしゃるかもわかりませんが、これは適用外になります。しかし、国民の側から見ると明らかに、これは私設秘書よりももっとわかりやすい、先生、政治家であると私は思うわけであります。

これはちょっと余談になるかもわかりませんが、与党三党の行財政推進協議会は十月二十日に、さきの総選挙で落選された七人の前職を顧問に任命されております。これは各省庁に相当なにらみがきくはずであります。しかしながら、この方々があっせん利得というものをしても、いわばやり放題ということになる、この法律ではそういうことになってしまうのではないかと私は思うんですが、もう時間もなくなってきましたので、与党、野党の提出者の方々に御所見をいただきたいと思います。

○尾身議員

私どもの案につきましては、その罪は、国会議員を初め地方議員あるいは地方公共団体の長並びに公設秘書につきまして、公職にある政治公務員の政治活動の廉潔性、清廉潔白性とこれに対する国民の信頼を確保するということで処罰の対象を決めているものでございます。

公職選挙法との兼ね合いも含めまして、政党の支部長などの役員につきましても処罰の対象とすべきかどうかという御意見でございますが、私どもの考え方といたしましては、政治に関与する公務員、政治公務員としての権限に基づく影響力を行使して財産上の利益を得ることを処罰しようとするものでありまして、公職にあることによる権限のない私人までをこの処罰の対象にするのは適当でないというふうに考えている次第でございます。

なお、先ほど私設秘書につきましてのお話がございましたが、私設秘書はそういう意味で対象にしておりませんが、私設秘書が政治公務員の命を受けてそのかわりにやったということになった場合には政治公務員本人を処罰の対象とするという意味で、本人性があるということで、そういう行為を命ぜられてやったときは対象にする。つまり、本人がやったときは対象にするという考え方でございまして、私どもはあくまでも、公職にある者がその公職にあることによる権限に基づく行為をしたことを対象にするということでございます。

○辻元議員

公党の支部長など役員に関しても処罰の対象にする議論を始めたらどうかという御指摘です。

その前に、私設秘書についても触れられました。私設秘書を野党案は入れている、その理由について平井さんは、抜け道を防ごうとしているという御指摘、そのとおりでして、非常に正しく御理解いただいていると思いますので、ぜひ平井さんには野党案に御賛同いただけるものと思いながら答弁をさせていただきます。

そういう中で、まず私たちは、国民に選ばれた政治家及びこれと一体に職務を遂行する者ということで、公設秘書、私設秘書から襟を正すべきであるということでスタートをいたしました。その基本的な考え方に基づいておりますので、今回は落選中や引退後の元議員や議員候補者については本法案の対象とはしておりません。

もう一点の御指摘の政党の支部の支部長についてですが、この問題について議論をすることは賛成です。といいますのは、企業、団体の個人への献金が禁止されて以来、自由民主党などを中心に、政党支部に企業、団体から献金を受けるという抜け道をあたかもつくっているように、いきなり政党支部の数がふえているということで批判を受けていることも御承知のとおりです。ですから、そういう意味で、この政党支部についてさまざまな角度から議論をしていくべきであるということには賛成です。

以上です。

○平井委員

今お答えいただきました話を聞いていますと、要するに、私が指摘したような、政党の支部長で、元議員であれ大変な力がある人であれ、要はあっせん利得はやり放題である。法律では処罰されない対象であると言いかえます。ということであるということは、ここで共通の認識になったということでありますが、残念ながら、きょうはもう時間がなくなりましたので、この議論につきましてはこれで終わらさせていただきます。どうもありがとうございました。

○自見委員長

阿久津幸彦君。

○阿久津委員

民主党の阿久津幸彦でございます。

今回与野党から提出されたあっせん利得に係る法律案は、十九世紀末に行われたイギリスの腐敗防止法の制定にも匹敵するほどの大事業だと考えます。一方、我が国の政治不信は極限に達し、私たち政治家にとって、国民の信頼を取り戻すための時間はもはやそう多くは残されていないように感じられます。与野党が真摯な議論を積み重ね、この法案をよりよいものに高めていくことが必要です。そして、本法案を何としてでも今国会で成立させ、国民の期待にこたえなければならないと私も政治家の一人として痛感しているところでございます。

それでは、与野党の提案者等に、本法案の大きな論争点の一つであります犯罪の主体に私設秘書を含むかどうかという点を中心に質問をさせていただきたいと思います。

私は、かつて下積み時代に自民党の国会議員の秘書をさせていただいておりました。そして、幸い、あえてつけ加えておけば、その国会議員は非常にクリーンな人物でしたので、私も塀の内側に入ることなく、こうして公職につくことができたわけでございますが、ただ、私は秘書時代に、まさに私設秘書もやったし、公設第一秘書もやりました。そんな経験をもとに考えると、要するに、議員から言われれば何でもやるのが秘書の務めだというふうに考えております。私が実際に秘書時代にやったことを申し上げれば、後援会づくり、運転手、日程、資金集め、政策立案、随行秘書、さらに先ほども話にありました国会見学のガイドなどもさせていただきました。私は、こんな仕事内容を考えれば、公設も私設も大差ないのではないかというふうに思います。

ちなみに、あえて申し上げておけば、役所に物を頼んで、あなたは公設秘書ですか、あるいは私設秘書ですかと聞かれたことは一度もありませんし、私設秘書だからといってぞんざいな扱いを受けたこともございませんでした。

私設秘書がきちんと定義できるのであれば、私は私設秘書を含めるべきだというふうに考えております。議論を通じてその点を明らかにしていきたいと思います。

そこで、まず、参考人としてお呼びしております衆議院法制局にお伺いをしたいと思います。議員秘書、いわゆる公設秘書の法的な定義はどうなっているか、そこでは公設秘書の仕事の内容について規定はあるか、お話しをいただきたいと思います。

○窪田法制局参事

お答えいたします。

公設秘書につきましては、国会法第百三十二条に規定がございまして、国会議員の職務の遂行を補佐する秘書といたしまして、各議員に二人を付するものとされております。また、主として議員の政策立案及び立法活動を補佐する秘書、いわゆる政策秘書と申しておりますけれども、としてさらに一名を付することができるとされております。

国家公務員法第二条三項第十五号では、公設秘書は特別職の国家公務員であるとされております。特別職でございますから、直接国家公務員法の規定の適用はございません。

国会職員につきましては、国会職員法というのがございますが、これは国会の事務職員あるいは私ども法制局職員等の任用、服務等について定めているわけでございますが、この中には公設秘書は含まれていないというのが法律上の話でございまして、公設秘書につきましては、その給与の支給等に関してまして国会議員の秘書の給与等に関する法律に定めがある、法律上そのようになっております。

○阿久津委員

どうもありがとうございます。

要するに、公設秘書は国から秘書給与法により給与の支給を受ける以外は、職務上法律的には私設秘書と何ら変わらないということだと思うんです。

そこで、今度実際に、秘書の運用について先生方にお伺いをしたいと思います。公設秘書、私設秘書を皆さんお持ちだと思うんですけれども、具体的にその職務について、例えば公設秘書には何をやらせている、私設秘書には何をやらせているというふうにお答えいただければと思います。与野党の提案者に伺います。

○山本(有)議員

与党案の法案に言う議員秘書というのは、国会法第百三十二条に規定する秘書を言いまして、まず、議員の職務の遂行を補佐する者、次に、主として議員の政策立案及び立法活動を補佐する者というように規定されております。

一方、私設秘書につきましては、法律上の規定はございません。およそ、国会議員等との関係もさまざまでございまして、どのような職務にするべきかということについては、それぞれ区々ばらばらであろうというように考えております。

○辻元議員

秘書の仕事で、私たちは、公設だから私設だからという、身分による秘書の任務の区別がないのが今の実態ではないかというふうに考えております。そういうことで、公設にせよ私設にせよ、議員と有権者のための仕事を行うことには変わりはないというところから、特に仕事の明確な区分はない。

そして、その任務について具体的に一、二申し上げたいと思いますが、皆さんも御承知のように「衆議院議員秘書ノート」というのがあります。これは、衆議院の事務局監修で、全会派が入りました衆議院の秘書協議会がつくっているものであります。ここにも詳しく出ているとおりですが、今委員も幾つか御指摘されましたけれども、陳情、請願の処理や質問資料の作成、党内の諸会議への出席、議員への報告、議員立法の補佐などもありますし、その他、議員の日程管理、送迎、会合の代理出席、祝電、メッセージの起草、後援会の運営、質問、陳情など議員の行動の広報や各種アンケートの処理、選挙データの整理、分析、選挙期間中における選挙活動、国会見学、委員会傍聴の手続、案内などもありますし、また、電話、来客の対応、新聞、雑誌、資料、会議録、官報などの収集そして整理、経理事務、政治資金の管理、報告書の作成、郵便物の記録、名刺、文書印刷の手配、公用車の手配、室内の掃除、乗車券の手配、事務用品の管理、会合などのセット、会議室、面談室の借用手続など、多岐にわたっています。

これを、どの議員の秘書が、これは公設の仕事、これを私設の仕事と決めているところがあるんでしょうか。このような多岐にわたる仕事を、公設、私設の秘書を問わず、協力して議員を補佐しているというのが秘書の仕事と考えております。

以上です。

○阿久津委員

どうもありがとうございます。改めて秘書というのは大変な稼業なんだなということを実感させられたわけでございます。

要するに、公設秘書も私設秘書も、実際の仕事上では政治家の命を受ければどんな仕事もこなすということで、違いはないんだと思うのです。要するに、国会にいても地元にいても、ある種の陳情が来れば議員にかわってその処理をし、その処理の仕方によってはあっせん利得行為につながる可能性があるということだと思います。

与党案では、犯罪の主体ということで公設秘書のみを扱っているのですが、ただ、一方で、公設秘書については一事項をちゃんと起こして、その内容についてきちんと定めていらっしゃいます。

そこで、与党提案者にお伺いをしたいと思います。犯罪の主体に公設秘書を加えた理由についてお答えいただきたいと思います。

○山本(有)議員

まず、この法律の保護法益は、政治公務員の政治活動の廉潔性とそれに対する国民の信頼というのが保護法益でございます。私設にせよ公設にせよ、政治公務員という定義を公選法に基づく選挙によって選ばれる者というように定義しますと、当然、公設、私設を問わず政治公務員ではございません。

しかし、この法律を全うしようとするときにどうしても、その権限に基づく影響力の行使は代議士だけに限られるのか。こういう実態を見ましたときに、先ほど委員御指摘のように、役所等への連絡あるいは依頼等は秘書さんがやられることも間々ございます。そういうことを考えたとき、この保護法益を全うするのには、その権限に基づく影響力の行使を議員、政治公務員と同等にできる立場にある者、そして政治公務員と同視され得るそういう人に限る。いわゆる公設秘書、これはもう範囲が明確でございますし、罪刑法定主義における明確性のもとにおきましては、公務員であることに何のちゅうちょもないわけでございますので、そのことから考えたとき、あえてこの公設秘書だけについては、この法の罰則規定の犯罪の主体に入れてしまおうではないか。ここにも与党の間には大変な議論がございました。しかし、懲役三年を政治公務員の処罰の限度としたのに比しまして、公設秘書におきましては二年というように軽減することによって、やっとこの公設秘書をもって政治公務員と同等のものとしての犯罪主体に加えたところでございます。

○阿久津委員

では伺いたいと思うのですが、公設秘書の行使し得る権限ないし影響力というのは、公設秘書という立場そのものから発生するのでしょうか、それとも公設秘書の上司たる国会議員の立場から発生するのでしょうか、どちらでしょうか。

○山本(有)議員

それは国会議員と秘書との間柄でありまして、必ずしも公設秘書というものが国会議員の影響力の行使をしているとは限りません。現実には、架空の秘書名義の人もあったという過去の事実までございます。

○阿久津委員

であるならば、少なくとも部分的には国会議員の権限に基づく影響力を行使し得る立場にあるのは公設秘書だけではない、私設秘書もそうだというふうに思うのです。

そこで、犯罪の主体に私設秘書を加えなかった理由について、与党提案者にお伺いしたいと思います。

○山本(有)議員

先ほども申し上げましたが、本罪は、政治に関与する公務員の活動の廉潔性、清廉潔白性とこれに対する国民の信頼を保護法益としております。したがいまして、私設秘書まで拡大することは、憲法の罪刑法定主義の要請に反するあいまいな規定となるわけでございます。

また、刑法のあっせん収賄罪という罪がございますけれども、このあっせん収賄罪は、これは職務上不正な行為をする場合に成立する罪でございますが、本罪は公務員に正当な職務の行為をさせた場合でも犯罪として成立するものでございます。したがいまして、いかようにも、だれでも適法な行為はするわけでございますが、その適法な行為に、請託を受けてその権限を行使するという範囲の犯罪主体を広くとらえた場合には、このあっせん収賄罪、刑法とのバランスを失するということになりかねません。

以上でございます。

○阿久津委員

バランスですか。ちょっとそこのところがどうしても納得がいかないのですけれども、要するに……

○山本(有)議員

適法な行為というのは、これは国民に対する公務上の実害はございません。契約をしましても、あるいは特定の者に対する行政処分をしましても、実害はございません。それでは、実害のないのに何で犯罪となるのかと、こう問われれば、それはすなわち国民の信頼だとか政治活動の廉潔性、そこを疑われたりあるいはそれ自体に疑問を投げかけられる、すなわち保護法益を侵害したということになるわけでございます。

先ほど申し上げましたように、国民の信頼というのは、政治制度全般、すなわち公職選挙法によってたまたま選挙をやったら受かった、受かった人に何らかの不正な利得があり得るということに対して我々は疑念を覚え、そして選挙というもの、民主主義のシステム全体に対する信頼を欠く、そこで我々はこの法律をつくるわけでございまして、その意味におきましては、政治公務員、公職選挙法における選挙というものが前提になっているわけでございまして、それから考えますれば、私設秘書というものを、適法なところまで処罰するということにおきますれば、それはもはや何の理由もないと言わざるを得ないというところでございます。

○阿久津委員

要するに、ちょっと保護法益のところで確認をしたいと思うのですけれども、与党案の保護法益というのは、公務の純粋性を守るということなのでしょうか、あるいは政治倫理の確立を図るということなのでしょうか、与党提案者に伺います。

○山本(有)議員

これは保護法益は二つございます。政治公務員の活動の廉潔性、そしてそれに対する国民の信頼、この二つを保護法益にしております。

○阿久津委員

与党提案理由説明の中で、「国民の政治不信や政治離れは依然として根強いものがあります。国民の信頼と負託にこたえることが政治の原点です」とあり、また、「深刻な政治不信を重大に受けとめ」とか、「みずからの政治活動を厳しく律する必要がある」、さらに、「本法律案の罪は、公務員の職務自体の性質に着目し構成されている刑法のわいろ罪とはその趣旨を異にする」としています。

要するに、私は、今政治倫理の確立に重点があるのではないかと思うのです。だとすれば、法体系からいって、刑法のわいろ罪の流れをくむというよりは、公職選挙法や政治資金規正法の流れをくむという法律になり、みずからわいろ罪とはその趣旨を異にすると述べているとおり、わいろ罪の流れにあるあっせん収賄罪との比較においてそのバランスをおっしゃるのは当たらないのではないでしょうか。私設秘書もその際対象とする連座制に倣って、本法案も犯罪の主体に私設秘書を含める方が明らかに自然だと思います。

そこで、野党提案者にお伺いしたいと思います。私設秘書の範囲をどのように定義するのでしょうか。

○辻元議員

政治家との不可分一体性から考えると私設秘書を除く理由にはならないなと思いながら、ただいまの与党の提案者の御答弁を拝聴しておりました。

さて、そういう中で、野党案は、私設秘書の定義は明確にあると思っています。それは「公職にある者に使用される者で当該公職にある者の政治活動を補佐するもの」という定義をしていますけれども、これは公職選挙法の二百五十一条の二の第一項五号の連座制の規定、内容をちょっと紹介しますと、「公職の候補者等に使用される者で当該公職の候補者等の政治活動を補佐するもの」という定義がございますが、これを援用したものです。

そして、本法案が対象としている私設秘書というのは、実態として公職にある者の指揮命令に従って労務に服する者ということで、必ずしも公職にある者から賃金を支払われている者であるということは要さないというように解釈しております。

さらに、「公職にある者に使用される者で当該公職にある者の政治活動を補佐するもの」については、形式や外見にとらわれることなく、現実に行われた実情に即して実質的に理解されるべきであり、本法の対象となる私設秘書の定義は明確であると考えています。

先ほどから与党の御答弁を伺っておりますと、私設秘書が本法の罪に当たるような行為をした場合はその議員が罰せられるというような答弁もありました。そうしますと、そういう定義ですと、私設秘書が議員との関連性を打ち消した場合、本法に当たるような罪を犯してもだれも罰せられないということが起こるのではないか。それを抜け道と言っております。

今までいろいろ批判されてきた事件を見ますと、秘書が議員の知らないうちにやりましたということで議員をかばうということは多々あったのではないでしょうか。議員をかばって自殺した人まで出ている。こういう事態で政治不信を招いている中で、私設秘書を明確に本法に入れるということは、そういう抜け道をはっきり防ぐという意思表示であると考えますので、ぜひこの法には私設秘書を入れたいと私たちは考えています。

○阿久津委員

どうもありがとうございました。私設秘書の範囲も確定できるということを確認した上で、再度、与党提案者に伺いたいと思います。

私設秘書が、もし国会議員の秘書であることを明らかにした上で口ききをして、その見返りに秘書本人が金品を受け取った場合、与党案では処罰できるのでしょうか。

○山本(有)議員

まず、その前提で、先生に大変鋭い御指摘をいただいたこの法律の本質論でございます。

わいろ罪かそうでないか、わいろ罪の法体系の中にあるのかどうかという問題につきましては、これは、政治家みずからが襟を正すという倫理法制の中の一つであるということは、先生御指摘のとおりでございます。ただし、懲役三年というかなり厳しい刑罰を科すという意味では、これは刑法典の中のいわば刑事罰、刑事学の、いわゆる刑法であることは間違いございません。

その観点から申し上げまして、贈収賄罪、特にあっせん収賄罪、ここにおきまして、処罰されるのは、他の公務員をして不正の仕事をさせるわけですから、全く実体のないところに補助金を出してみたりということをさせた場合、私設秘書もできるということになるわけですよ、この先生の論法でいけば。その場合、あっせん収賄罪は成立いたしません。あっせん収賄罪であれば公務員ですから。

ところが、この与党案のあっせん利得罪という法案は、他の公務員をして正当な、適法な行為をさせて、それで罪にさせるわけですから。不正を起こせばこれはあっせん収賄罪になります。不正でない部分もカバーしようというわけですから、そうすると、不正をしても罪にならないものが、適法なことをやらせて罪になるということは、バランスを失しないかということの疑問でございます。

さて、先生の御指摘のとおり、秘書が何らかの行為を他の公務員をしてやらしめて、それで不当な利益を得たという場合におきましては、それで政治公務員との関与が否定されたという事実関係のもとにおきましては、それは他の法制の中での処罰になろうというように思っております。

○阿久津委員

ということは、抜け道があるということなのかなというように思います。一方で、先ほど確認したように、国会議員の権限に基づく影響力を私設秘書もまた行使し得るということは確認できたのだというふうに思うのです。

きょうの私の質問を通じて、二つのことが明らかになったと思います。

一つは、秘書活動の実態という点で、公設秘書と私設秘書に大きな違いはない。私設秘書もまた公設秘書と同様に国会議員の権限に基づく影響力を行使し得る。あっせん利得行為を行う能力と、少なくとも可能性がある。私設秘書を犯罪の対象に入れることは、国会議員の権限に基づく影響力を行使し得るという点からも、法体系の整合性という観点から見ても何ら問題はない。

だとすれば、国民の政治不信を克服し、国民の信頼と負託にこたえるという与党案の趣旨からしても、私設秘書を犯罪の対象に入れることによって、国民に政治倫理の確立に向けた断固たる姿勢を示すことができるのではないでしょうか。逆に、私設秘書を犯罪の対象から除外することは、意図的に法律の抜け道をつくるという印象を国民に与えてしまう可能性が高いし、本法案がざる法とみなされてしまう危険性も極めて高い、そのように考えます。

本法案の対象に私設秘書も加え、よりよい法案をつくることが、国民の政治不信を払拭し、政治離れを食いとめる最良の方法であり、国民の信頼と負託にこたえるための政治の原点だと考えます。本法案には私設秘書をぜひとも犯罪の対象に含めるべきであるということを申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。

どうもありがとうございました。

○自見委員長

この際、休憩いたします。

午後零時九分休憩

午後二時二十九分開議

○自見委員長

休憩前に引き続き会議を開きます。

この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。

ただいま議題となっております両案審査のため、来る七日火曜日、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○自見委員長

御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。

○自見委員長

質疑を続行いたします。山花郁夫君。

○山花委員

民主党の山花郁夫でございます。

与党の提出者の方に質問をいたします。

私からの質問通告とはちょっと違うのですが、午前中の阿久津委員の方から通告が行っているかと思われます、権限の範囲等について御質問をしたいと思います。

与党案の方の第一条の構成要件を拝見いたしますと、「衆議院議員、参議院議員又は地方公共団体の議会の議員若しくは長が、国若しくは地方公共団体が締結する売買、貸借、請負その他の契約又は特定の者に対する行政庁の処分に関し、請託を受けて、」その後でありますけれども、「その権限に基づく影響力を行使して公務員にその職務上の行為をさせるように、」以下とあります。「その権限に基づく影響力」という文言なのでありますが、この権限ということの定義とか範囲というものはどのようなものであるかということについてお答え願います。

○山本(有)議員

権限の定義、範囲はどのようなものかという問いでございますが、まず権限とは、法令に基づく国会議員の職務権限をいいます。その例といたしましては、議院における議案発議権、修正動議提出権、委員会における質疑権などがございます。

また、その権限に基づく影響力というものは、権限に直接または間接に由来する影響力、すなわち法令に基づく公職者の職務権限から生ずる影響力のみならず、法令に基づく職務権限の遂行に当たって当然に随伴する事実上の職務行為から生ずる影響力をも含むものと解釈しております。

○山花委員

この点についてですが、ちょっと具体的な例を挙げて当てはまるかどうかをお伺いしたいと思います。

例えばという話で国会議員の職務権限ということでありましたが、例として、与党の側の部会とかがございますね、建設部会であるとかそういった部会。例えば、その部会長としての立場で、例えはちょっと失礼かもしれないですが、お役所に口ききを行ったとしても、本来的には、それで何か影響力を行使しようとするのであれば、一応議院内閣制ということになっていますが、行政と議会は別のものということになっております。そういたしますと、仮に、例えば部会長という立場でお役所に口ききを行ったとしても、この権限に基づく影響力を行使ということにならないのではないかという疑いがあるのですが、その点はいかがなのでございましょうか。

○山本(有)議員

政党の役職員と議員における権限とは、これは元来は別でございます。

しかし、例えば自由民主党の例でいきますと、全員が国会議員でございます。したがいまして、部会の権限と議員としての権限を截然と分けることができるとするならば、その部会長の権限だけを行使するということがあり得ますけれども、そうでない場合には、混然一体とした一人格の中にあるわけですから、影響力の行使と見られる場合はなしとしない、こういうことでございます。

○山花委員

と申しますと、ちょっと後学のために伺いたいのですが、それはもうケース・バイ・ケースの判断ということになるということでよろしいのでしょうか。

○山本(有)議員

法と正義に基づいて、各事案における証拠等から勘案して判断されるべき話だろうというように思っております。

○山花委員

この点についてですが、例えばあっせん収賄罪などで、過去のいわゆる汚職事件と言われたケースで、職務権限との関連性ということで非常に立証が難しかったり、あるいはその範囲を確定することが困難であったりして、結果的に法的には責任なしとされたかもしれませんが、政治倫理の点でかなり疑義があるとされたケースがあったと思うのでありますけれども、こういった現在のあっせん収賄罪における職務関連、法令の文言は正確にはちょっと違いますが、いわゆる職務関連性の要件というものと「その権限に基づく影響力を行使して」ということは全く違うものなのでしょうか、それとも、それよりもやや広がりを持つ概念なのでしょうか。

○山本(有)議員

このあっせん利得罪、本案におけるその権限に基づく影響力の行使という概念は、この法独自の概念という考え方で創設された行為態様であると認識しております。

○山花委員

もう少し、ちょっとこちらから通告していることではないのであれなんですが、できればお答え願いたいのですが、与党案の提出者の方は非常に明確性ということを言っておられます。そういたしますと、文言は異なりますが、職務関連性という要件と、少なくともそれよりも広がりを持つのか、あるいは全く同じなのか、さらにはもっと狭いのか、そのぐらいのことで結構ですので、お答え願えないでしょうか。

○山本(有)議員

単純収賄罪や受託収賄罪で「職務に関し」と規定しているのは、これらの罪の成立に際して、わいろが職務を行う公務員の職務権限に属する行為に対する報酬であるか否かが問題になるということでございまして、本案では、あっせんされた公務員が行う職務に関して、公職にある者等が何らかの権限を有しているか否かを問題にするのではなくて、公職にある者等の権限は、公職にある者等が職務を行う公務員に対して権限に基づく影響力を有しているか否かという場面で問題になるのでございまして、権限が問題とされる場面がそもそも異なる、次元の異なる考え方であるというように考えております。

○山花委員

そうしますと、その文言についてもう少し質問させていただきたいと思うのですが、その権限に基づく影響力を行使ということの今の提案者の方の御説明によりますと、その影響力という部分だけを取り上げてみますと、法的な権限というだけに限定されるのではなくて、その持つ事実上の影響力ということも含まれるというふうに理解したのでありますけれども、それでよろしいのでしょうか。

○山本(有)議員

そのとおりでございます。

○山花委員

そういたしますと、単純収賄であるとか受託収賄の、次元が異なるというお答えですが、イメージとしてはやや職務関連性よりも広がるのかなという印象を持ったのでありますが、ただしかし、そのように事実上のものも含めるということになりますと、これは法律上の構成要件として規定した場合には、何か返すお言葉のようになりますが、やや不明確ではないかと思われるのですが、その点についていかが御認識でしょうか。

○山本(有)議員

この権限に基づく影響力の行使と相対峙される一つの法案の立法例としましては、地位を利用するという考え方がございました。それはかつての野党案の中に盛り込まれている考え方でございますが、地位の利用といいますのは、権限の行使よりも、行使せざるしてすなわち地位が利用できるという場面が非常に広いエリアになります。したがいまして、そういう意味におきましては、先生のおっしゃることとは相違しまして、極めて行為を絞った、正確に絞り込んだという意味においては、その構成要件の明確性に資するところ大である、こう考えてこのようにした次第でございます。

○山花委員

この点につきましては、私の認識としては、やはり事実上のものが構成要件に混在するというのはちょっと不明確なような気がいたすのでありますが、この点は見解の相違ということなのでしょうか。

○山本(有)議員

権限が法的に何々という法律の何条にあるというようなことまでを予定するのではなくて、例えば委員会における質問権というものがあると事実上認識しておれば足りるという意味での事実上という言葉でございまして、その権限に基づいてというところから、次の影響力の行使でかなり構成要件が絞られる、こう私は考えているところでございます。

○山花委員

一応、それはそれで理解いたしました。

では、ちょっと具体例として、例えば国会議員が県の請負契約について県庁の職員にあっせんを行ったというような場合、これは考えようによっては、国会議員というバッジをつけた者が物を申しているわけですから事実上の影響力はかなり大かと思うのですが、本来的な国政調査であるとかあるいは採決を行うであるとか、そういうことからすると全く権限外のこととも考えられるのですが、こうしたケースではこの構成要件に該当するのかどうかについてお答え願います。

○山本(有)議員

国会議員の権限を予定している法律は、地方公共団体、都道府県には及ばないと一般には考えられるところでございます。したがいまして、影響力の行使と認定されるケースは一般にはないだろう、そう考えますけれども、ただ、強いて先生の質問の御趣旨をそんたくして申し上げるとするならば、当該県の行う公共事業に対する国の補助金が過剰ではないかと衆議院の予算委員会で質問すると県庁職員に予算委員のメンバーが言ったとするならば、それは影響力の行使に当たるだろうと思います。また、もう一つ例を取り上げるならば、当該県の地域振興開発特別措置法の一部改正案に反対する、こう言いながら特定業者との間で請負契約を締結するように働きかけるというような物の言い方であれば、権限に基づく影響力を行使する、これに該当するであろうというように考えております。

○山花委員

今のお答えですと、国会議員が県庁、地方公共団体などに、口ききと言うと既に何か評価が入っちゃっているように聞こえるかもしれませんが、いわゆる口ききを行ったとしても、原則的には本罪が成立しない場合の方が多いのではないかと思われるのです。ただ、実際、こういう場で報道で物を言うのはいかがかとは思いますが、報道などでこんな疑いがあるとしばしば言われるケースというのは、国の役所にという場合もありますが、結構地方でこういったことが行われているというような話も目にし、または耳にすることがあるのであります。

本当にそういったことについても法の網をかけていかないと、御提案者の方々の趣旨とされます政治腐敗に対する国民の信頼の保護、こういったことは図れないと思うのですが、そうであるとすると、なぜこういう形で限定してしまったのかということについて御認識を伺いたいと思います。

○山本(有)議員

山花委員の御質問ではありますが、私の現状の世界観とは少し違っていると思います。すなわち、国会議員が県庁の職員に何らか影響するケースが常の様子であるということではないような気がします。既に県はいわば大統領制をとっている知事さんがおいでて、県議会の皆さんもかなり権限を持たれた有力な人がおられますし、我々自民党の側でいいますと、県議会議員さんのおかげで選挙ができているようなところがありまして、逆に、我々の方から影響力を行使することによって、向こうの県議会の方の、あるいは県の対応の方でむしろ反論をしてしまわれる。我々にとりましては、尊重しても影響力を行使する相手にはなかなかなっていないというような世界観を持っておるわけでございまして、その意味では、質問とはちょっと離れますけれども、あり得ないのではないか、そう私は思っておるわけです。

○山花委員

この点については現状の評価がちょっと違うということですので、それはそれといたしまして、先ほど、例えばということでお答えいただきましたが、国の補助金が少し過剰ではないかという形で、これを予算委員会で取り上げるぞと言ったような場合には当たるケースがあるのではないかというお話でした。

ただ、これはあくまでも具体例でという前提で伺うのですが、請託のとき、話を蒸し返すようでありますが、結局それは、言ったか言わないかということで、ほとんど証明することができないと言うと言い過ぎかもしれませんが、物証はほとんど残らないようなケースだと思われます。ですから、そうであるとすると、やはり、先ほどのお答えと同じになってしまうかもしれませんけれども、実質的には、地方公共団体などに対して口ききをやった場合にこの法は効力を発しない、無力ではないかと思われるのですが、そういう認識でよろしいでしょうか。

○山本(有)議員

もし、私が取り上げた、補助金が過剰ではないかと予算委員会で質問するケースなどで、実際に金銭が収受されたという事実まで認められるならば、それは、私はその事案の真相は明らかであろうというように思いますし、また、そういうケースで立件されたときに、言い逃れということは、今の捜査体制や捜査の実力から見て、それを逃すということはほぼあり得ないことだろうというように考えております。

○山花委員

ちょっと時間の関係もございますので、このテーマについては以上にさせていただきたいと思います。

それでは次に、これも与党案の提案者の方にお伺いしたいと思いますが、与党案と野党案、これはともに今審議にかかっているわけでありますが、野党案の趣旨説明が過日行われまして、その中で与党案との違いということで、あっせんの内容を契約の締結とか行政庁の処分に限らないというのが野党案であると、第四にというところでそういう説明がございました。

確認のため一応質問を申し上げますが、与党案におきまして、公職にある者が請託を受けて、その権限に基づく影響力を行使して、予算措置であるとかあるいは予算の箇所づけなどの行為を行った場合、処罰対象となりますでしょうか。

○漆原議員

お答え申し上げます。

まず、御指摘になった行為でございます。すなわち、予算措置や予算の箇所づけ、それから、場合によっては租税の特別措置なども含むかもしれませんが、そういう行為は、与党案においては処罰対象としておりません。なぜなら、このような行為は、広く国民、地域住民全体の利益を図るための行為でございまして、本来、政治公務員に期待されているところでございます。本法案の保護法益である、公職にある者の政治活動の廉潔性、清廉潔白性を害するものではない、こう考えております。

これに対して、本法案が処罰の対象としている契約や処分の段階でのあっせん行為は、当該契約の相手方や処分の対象者等、特定の者の利益を図るという性格が顕著であります。そのようなあっせん行為を行って報酬を得るという行為は、政治公務員の政治活動の廉潔性及びこれに対する国民の信頼を失う度合いが強い、こういうことで処罰対象としたということでございます。

○山花委員

今お話がございましたが、予算措置であるとか予算の箇所づけ、場合によっては租税の特別措置という例も挙げられましたが、今のお答えによりますと、こういったことは広く国民一般の方のために行う行為である、まさに政治活動そのものであるということかと思われます。

しかし、確かに一般論としてはそういう側面もないではないのでしょうが、そういった行為ばかりではなくて、例えば、特定の業界団体から依頼を受けて、それで、よし、わかったということで、ある項目について箇所づけを行う、あるいは租税の特別措置などについての改正などを行うということも、先ほど、ある与党側の部会の部会長というレベルで、その権限に基づく影響力の行使に入り得るというお話がございましたが、そういった影響力を行使してこういった特定の個人、あるいは個人とまでは言わなくても団体のために行うということもあり得るのではないでしょうか。

○漆原議員

私どもが言っている行政処分がどういうものを考えているか、これについて少し御説明したいと思います。

最高裁の判決でございますけれども、行政庁の処分というのは「国または公共団体が行う行為のうち、その行為によって、直接国民の権利義務を形成しまたはその範囲を確定することが法律上認められているものをいう」という判例があるわけでございます。私どもはこの範囲で、行政庁の処分行為の有無をこれを基準に考えておるわけでございます。

○山花委員

この処分という概念でありますが、ちょっとやや法律的な話になるかもしれませんが、これは刑事罰にかかわることでありますから行政法の判例とかに引っ張られる必要はないのかもしれませんが、例えば与党案について、こういう公の場ではありませんが、報道などによりますと、行政計画であるとかそういったものはそもそも入ってこないんだというような説明がいろいろなところでなされてきたかと思いますが、行政計画の中でも、行政事件訴訟法の第三条に関連いたしまして、都市再開発法に基づく第二種市街地再開発事業計画の決定について、最高裁の平成四年の十一月二十六日の判例なんですが、処分性を認めているものがあるのであります。こういった行政計画の中でも一定の場合には処分性が認められる、したがって本罪の構成要件に当たる場合があると考えてよろしいのでしょうか。

○漆原議員

専門的な話になってまいりましたが、私どもは、先ほど申しましたように、このあっせん利得罪というのは正当な行為をさせても成立するという犯罪でございますから、できるだけ構成要件を明確にしたい、判断基準を明確にしたい、こういうことでございまして、先ほどの最高裁の判例を基準に考えているということでございます。

○山花委員

私たちの側も野党案という形で法案を出させていただいておりますので、恐らく、今の御回答の中で正当な活動であってもというお話がございましたが、それは刑法の収賄罪等と比較してということであると思いますが、私どもは、やはり口ききを行ってお金をもらう、そのことそのものがもはや正当な政治活動ではないのではないかというような基本的な認識に立っているわけであります。

そこで、野党案の提出者の方に伺いたいのですが、今の与党案の御説明によりますと、予算の箇所づけであるとかあるいは租税の特別措置などはこの処罰対象とならない、一方で、午前中に挙がった例ですが、公務員の採用等、個別の例に関してはその対象となり得るということなわけであります。

今、いわゆる口ききを行う、それに対して対価をもらうということに対する国民の方々の御批判というものに私たちもしっかり襟を正していかなければいけないと思うわけでありますが、これもケースによって違うかもしれませんが、どうも個別の、例えば公務員の採用などの小さな悪いことについては処罰対象となって、あるいは入札の際の指名業者について口ききをするという非常に個別のケースには処罰の対象となり、一方で、例えば予算の箇所づけで億単位のお金が動くであるとか、租税の特別措置という極めて重大な影響を及ぼすような、言ってみれば強大な巨悪については法の網がかぶらないというような法案になってしまうのではないか、そんな気がするわけであります。木を見て森を見ずという言葉がございますが、言ってみれば、与党案というのは、政治不信の小さな木の芽を摘み取ることはできるけれども、政治不信の大きな森はちっとも、ほったらかしというような法案のような気がするのでございます。

今、私が与党案の方に説明を求めました予算の箇所づけなどのこういった行為が野党案では処罰の対象になるかどうか、そして、もしなるのであるとすれば、なぜするとしたのかという趣旨について御説明をいただきたいと思います。

○玄葉議員

お答えをいたします。

山花委員御指摘の、予算措置であるとか、あるいは予算の箇所づけであるとか、租税の特別措置、補助金交付要綱の改正であるとか、先ほど与党側の答弁で、これらは全体の利益のために行われるものだから対象としないということでありますが、まさに委員御指摘のとおり、特定の目的、つまり、特定の者の利益を得させんがためにこのようなあっせん行為を行う場合も十分あり得るというわけでありますから、それらに係るあっせん行為が行われて、それに対する報酬を受け取った場合は処罰の対象となり得るのが本法案であります。

○尾身議員

私どもは、予算の箇所づけとかあるいは租税特別措置の改正についての政治活動とか、そういうものは特定の者に対する利益を供与するものでないのでこの法案の対象にしていないわけであります。それは適当ではないという考え方で、しておりません。

今の野党の説明でございますと、特定の者に利益を得させる目的で公務員にその職務に関する行為をさせるよう、あるいはさせないよう働きかける、例えば税制改正についてあるいは予算の箇所づけについて、例えば労働組合から陳情を受けてその陳情の内容を政党として働きかけるということがこのあっせん利得収賄罪の対象になるというお考えのような答弁がございましたが、私ども、野党の文章を読むときにそういうふうに本当に読んでいいのかどうか、この点はぜひ野党提案者に質問をしていただいて、野党案がそういう趣旨を本当に考えておられるのかどうか、この場で明確にしていただきたいと思います。

○山花委員

ちょっと今の点について再度与党案の方に質問をしたいと思います。

特定の者という概念について、午前中の質疑で、個人だけではなくて法人その他の団体についてもというお話があったと思います。

そうであるとすると、労働組合もそうかもしれませんが、そのほかにも、今の御説明ですと税制改正などは広く国民一般のというお話でありましたけれども、それでは、業界団体などに頼まれてその業界に有利なような形で税制改正を行う可能性というのは全くないのでしょうか。そしてまた、そういうことに対して法の網をかぶせる必要はないという御認識なのでしょうか。

○尾身議員

これは、団体から、例えば税制改正についての、働く人たちの所得控除を上げてくれというような陳情を受けて、所得控除を上げるように制度改正を働きかけるということは、このあっせん利得罪の対象には私どもの案ではなっておりません。

ただし、団体といっても、例えば団体の事務所のための土地を払い下げるというような、そういう行政処分の行為に関しては、一つの独立した法人格を持った団体に公的な土地を払い下げるというようなことは、これは一つの個人あるいは企業という考え方のもとにおいてそういうことを働きかけることはあっせん行為の中身に入る、こういうことでございます。

○山花委員

今の御説明ですが、確かに税制改正などを行うというのは、広く国民一般のためにというケースもあると思われます。また、一律に、業界団体から頼まれてその業界に有利な税制改正をするというのが、すべてが悪いとは申しません。

本当に、例えば今まで私たち政治に携わる者が気がつかないようなおかしな税制というのが、見落としている部分があって、それについて陳情を受けて、これは何とかせねばいかぬということで税制改正をするということも当然あり得るわけでありますが、しかし、その報酬として財産上の利益をもらわなければいいだけのことではないでしょうか。そうだとすれば、一応法の網をかぶせた上で、お金に対してはいただかないという姿勢を示すことの方が大事なのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○山本(有)議員

そういうお考えが刑法上とり得ないというわけではありませんが、税制改正というのは、税の法定主義からして、必ず衆参の採決が要ります。さらに、衆議院で採決するに当たって党の中で税調を開いてということになりますと、万機公論に決しているわけでありまして、その質疑の過程も明らかでございます。たった一人で賛成するというわけにはいきません。

そうすると、その金銭を、財産上の利益を収受した者が必ずその改正案の寄与において一〇〇%寄与したのか、あるいは何%寄与したのか、そういう認定はどなたがどう行うのか、刑法的な認定手続におきましては極めて不可能に近い判断が必要とされるわけでありまして、そう考えれば、このような政策的な、あるいは議員活動の中で当然予定されている行為というものは、本来この影響力の行使の中には入るはずがないというように考えております。

○山花委員

予算などのこういったことについては、そういう万機公論に決してやっているのであるから事実認定の点でかなり不可能に近いというお話でしたが、しかし、そうであるとすると、まさに第一条の「その権限に基づく影響力を行使」という認定は極めて不可能に近いケースも想定されるという意味では、やはり抜け道になっているのではないでしょうか。

○山本(有)議員

そういう趣旨で申し上げたわけではございません。特に、このあっせん利得罪というのは、委員御指摘のように、いわばぬれ手でアワ、地位を利用したぬれ手でアワ的なものに対して、特に、公職選挙法で選ばれた、たまたま選挙に通ったからといって利得を得るというのはおかしいじゃないかというところを処罰するわけでありまして、そう考えれば、利得が具体性を持たなければならぬわけであります。税において改正されたその日から具体性があるのか。やはり、そこには特定の者に対する行政処分あるいは契約という形で具体化された利益のケース以外に処罰することは不可能だ、こう考えておるところでございます。

○山花委員

そうしましたら、次の質問に移りたいと思いますが、与党案において、第三者供与の規定が置かれておりません。野党案と与党案との比較で申し上げますと、野党案の方は、口ききを行ってその対価を第三者に納めさせた、こういった場合について規定があるのでありますが、与党案の方にはございません。この点について、なぜ置かれていないのでしょうか、その趣旨をお願いいたします。

○尾身議員

私どもの案におきましては、第三者供与の規定が置かれておりません。これは、現在のあっせん収賄罪におきましても第三者供与は処罰の対象とされておりませんので、それとのバランスをも考慮してそういうふうにしているわけでございます。

そして、なお、現在のあっせん収賄罪の場合と同様に、外形的には本人以外の者がこの法案所定のあっせん行為との関係で対価性があると認められる財産上の利益を受け取ったとされる場合でございましても、当該財産上の利益に対して本人が事実上の支配力、実質的処分権を有するものと認定できる場合には、本人が収受したものとして本人に本法案所定の罪が成立する可能性がありまして、第三者供与の規定がないとしても不都合はなく、本法案の法益は十分に保護されているものと考えております。

ここで言う事実上の支配力の有無ということは、具体的には証拠関係に基づく事実認定の問題であると考えております。政党支部等につきましても、公職にある者本人とは別個の人格を有しますので第三者に該当をいたしまして、今説明しました第三者と同様の取り扱いをなされるべきであると考えております。

○山花委員

ちょっと今の最後の点、確認したいのですが、例えば、公職にある者が、国もしくは云々かんぬんというこの構成要件のほとんどの部分に当たって、最後の、その報酬として自分が受け取るのではなくて、政党支部を受け皿にした場合は処罰対象にならないという趣旨の御答弁と考えてよろしいでしょうか。

この構成要件の大部分に該当し……(尾身議員「大部分というのは」と呼ぶ)大部分というのは、要するに、公職にある者が、国もしくは地方公共団体が締結する売買または特定の者に対する処分に関し、請託を受けて、権限に基づく影響力を行使して公務員に職務上の行為をさせるよう、またはさせないようにあっせんをしました、その対価をその報酬として、自分がもらうのではなくて、私にお金を払うと法律上まずいので、では政党の支部の方に寄附する形をとってください、こういう形をとったときには、本罪は成立しないという御答弁だったのでしょうか。

○尾身議員

政治資金団体とかあるいは政党支部は、本人ではなく第三者であると考えております。第三者につきましては、あっせん収賄罪におきましても第三者供与は処罰の対象とされておりません。それとのバランスもございまして、この法案につきましても第三者供与は処罰の対象としていないわけでございます。

ただし、現在のあっせん収賄と同じように、外形的には本人以外の者が本法案所定のあっせん行為との間に対価性が認められる財産上の利益を受け取った場合でございましても、その財産上の利益に対して本人が事実上の支配力、実質的処分権を有すると認定できる場合には、本人が収受したものとして本人にこの法案所定の罪が成立する可能性がございまして、第三者供与の規定がないとしても不都合はなく、本法案の法益は十分守られるというふうに考えております。

そこで、事実上の支配力があるかどうかということは、具体的な証拠関係に基づく事実認定の問題であると考えております。

○山花委員

まず一つ質問をしたいところは、刑法上のあっせん収賄等の規定との均衡を図るというお話ですが、先ほど私が質問を申し上げたときに、「権限に基づく影響力を行使」というところで、職務関連性と一緒なのか、違うのかという質問をいたしましたところ、これは刑法とは全然別の次元の法律なのでというお話がございました。そしてまた、構成要件の後の方になりますが、「財産上の利益を収受」という概念が出てきたことに対して、わいろではなくてこういう概念だというのは、これは刑法とはまた別の趣旨でつくられた法律だからだと。たしか提案理由の中にもそういったようなことがあったかと思われますが、そうであるとすると、なぜ刑法上のあっせん収賄とバランスをとらなければいけないという話になるのでしょうか。

○尾身議員

細かい点は違いますけれども、基本的には、あっせん収賄罪は、政治公務員がその政治力による影響力を使ってあっせん行為をする、そしてあっせん行為を受けるべき、あっせんの対象となる公務員、職務権限を持った公務員にあっせんの働きかけをする、そしてその権限を持った公務員が不当に行政処分等をしたときには対象になる、それがあっせん収賄罪でございます。今度のあっせん利得罪に関しましては、その行政行為そのものが不当であるか否かを問わず、ありとあらゆるいわゆる処分等の行政行為をやることを政治公務員が働きかけた場合には政治倫理の観点から罰則をかけて、これを防止しようという趣旨でございまして、あっせん収賄罪とはそこの点が大きく違っているわけでございます。

したがいまして、そこを考えると、行為と刑罰の関係につきましても、おのずからあっせん収賄罪よりももっとソフトなものになるのが自然のバランスでございまして、そういう点を考えて、少なくともあっせん収賄罪におきまして第三者供与は処罰の対象とされていない、それとのバランスを考えて、本法案におきましても処罰の対象としていないわけでございます。

しかしながら、先ほど申しました説明が厳密な説明でございますから、その説明ぶりをしっかりと御理解いただきたいのですが、要は、本人であると事実上認定されるような形が第三者という形をとって行われた場合には、これは第三者がそれを受けたということではなくて、事実上本人が財産上の利益を収受したというふうにみなされ得る場合、これは具体的な証拠関係に基づく事実認定の問題でございますが、そういう場合には本人が収受したものとしてこのあっせん利得罪の対象になる、こういうことでございます。

○山花委員

今の御説明の中で、恐らく、事実上本人が支配しているかどうかによって判断するのだという御説明は、昭和三十三年の衆議院法務委員会における政府からの統一解釈ということで政府参考人が述べた見解に依拠しているのだと思われます。

今それが手元にあるのですが、これはあっせん収賄罪がつくられたときのものであります。この中で、そういった例えば後援会などのような組織というものは本人ではないので基本的には当たらない。当たらないとした上で、今御答弁がございましたような形で、事実上支配している場合としてこんなことを言っております。「もしその後援会が、事務運営、特に会計についてあっせん公務員から直接の指図を受けず、その利益のためにみずからの判断で独自に活動しているような場合には、純然たる第三者と見るほかはないのでございます。」ここからですが、「これに反しまして、その後援会がトンネル機関になっているにすぎないものであって、直ちにそのわいろが公務員自身に渡されるような場合はもとよりのこと、その後援会が、名前だけは後援会と言っておりながら、実際には公務員自身の指図のままに動いているような従属的性質のものであります場合には、後援会がわいろを受け取る行為を直ちに公務員の収受行為と見ることができると考えます。後援会が第三者と認められるかどうかは事実問題でございまして、後援会の実体いかんにかかるものである」というわけですから、今の御答弁で、私が質問したことと言葉を入れかえますと、要するに、政党支部というものが単なるトンネル機関になっているにすぎないものであって、そのわいろが事実上公務員に渡されるような場合には本法、与党案の方の適用があるということになるわけです。

政治資金規正法などの趣旨から考えると、こういったことはあり得ない。もし、事実上支配している場合にはこれに処罰ができるのだからいいのだという趣旨の御答弁であるとすると、そういう政治資金規正法などの趣旨をいわば脱法するような形で、従属的な形で政党支部というものがたくさんつくられているから、だから処罰できるからいいのだというような御答弁なのでしょうか。

○尾身議員

政治資金規正法の保護法益は、政治資金の流れの透明性を確保するものであるというふうに考えております。したがいまして、本法案の保護法益とは異にしているというふうに考えております。

政治資金につきましては、社会通念上、常識の範囲内の政治資金であれば、あっせん行為の報酬と認めることは困難でありまして、これを受けても本法案の罪の適用対象にはならないものであると考えております。しかしながら、政治資金の名をかりて、あっせん行為の報酬である財産上の利益を実質的に本人が収受したと認められる場合には、本法案の罪が成立し得るわけであります。そのことが今言った表現になるのかどうかは別として、事実上の支配力の有無ということは、具体的な証拠関係に基づく事実認定の問題であるというふうに考えております。

○山花委員

先ほど来、あっせん収賄罪との関係でバランスをとるんだというお話がございました。

もう読み上げませんが、このあっせん収賄罪というものを答申した法制審議会というものも、将来第三者供与については導入すべしという附帯決議というものをつけております。また、あっせん収賄罪の創設を審議、可決したこの衆参両院法務委員会の方でも、同じ趣旨の決議がつけ加えられております。また、その法務委員会の中で、内閣の国務大臣の答弁で、同じように、第三者供賄に対して新たに罰則規定を置く必要があるかどうかという点につきましても、将来、十分慎重に熱心に討論、検討したいと言っております。さらには、昭和四十九年に答申された法制審議会の刑法改正草案についても、あっせん第三者収賄罪という規定というものが置かれておりました。

そうであるとすると、刑法の方は、本来置くべきであるものがたまたま欠落しているだけであって、何もそちらとバランスをとる必要はないのではないか。また、先ほど来この論点とは別の論点では、提案者の側の方は一生懸命、明確性、明確性ということを言っているわけでありますから、第三者供賄の方についてもしっかりと法律の条文で規定すればいいのではないでしょうか。

○自見委員長

山本君、質疑時間が終了いたしておりますので、簡潔に御答弁をお願いいたします。

○山本(有)議員

それはあくまで附帯決議でありまして、本改正案が現実にこれまでなされていないということは、実務上の要請もさほどなく、立法的な強いエネルギーとなっていないということと御認識いただきたいと思います。

○山花委員

終わります。

○自見委員長

中塚一宏君。

○中塚委員

自由党の中塚一宏でございます。

まず初めに、来年から中央省庁が再編をされます。そしてまた、副大臣制度という制度が導入をされるわけでございまして、与党の方は多数政府にお入りになる。政府と与党が名実ともに一体化をしていくということになるわけでございます。こういった制度は我々自由党のかねてよりの主張でありまして、政治主導というのを確立するためには、まことに喜ばしい制度であるというふうに思っております。いずれにせよ、実効性を高めていくという努力なんかはしなければいけませんし、決して形骸化をさせるようなことがあってはいけないわけです。三権分立という言葉があるのですけれども、司法は別といたしまして、与党は行政の責任者であって、議会は、一体である政府・与党と野党との討論の場である、そういう形が理想だし、あるべき姿なんだろうなというふうに思っておるわけです。

さてここで、与党の議員の皆さんが多数政府に入るということになりますと、当然問題となりますのは、政治家と行政官とのかかわり合い方ということが必然的に注目を浴びてくるわけでございます。今まで以上にたくさんの方がお入りになるわけですので、当然ということでそういう意見が出てくる。私的な利益誘導といいますか、そういったことが行われやすくなるんではないかという懸念を国民の皆さんもお持ちなんだろう、こういうふうに思うわけでございます。そういう意味におきまして、本法案、野党案と与党案と審議が始まりましたことはまことに喜ばしいことである、そういうふうに思うわけでございます。

また、不祥事が大変頻発をいたしておりまして、国民の政治に対する信頼というのは、もう地に落ちていると言っても過言ではないぐらいのものがあると思います。私の議員会館の事務所をある学生君がお手伝いに来てくれているのですけれども、彼が、国会議員の事務を手伝いに行くというのを田舎の父親に言ったら、そんなところに行くんじゃないというふうに言われたそうでございまして、一般の有権者の皆さんというのはそういうふうに思っておられるんだなというのを私も改めて感じました。

ですから、与党であっても野党であっても、この法律を成立させるということを目的にするのであれば、かりそめにも抜け道があるというようなことになりましたら本当に審議をして成立させる意味というのがないわけでございますので、そういったことを中心に聞いていきたい、お伺いしたい、こういうふうに思っております。

口ききは政治活動の本務であるというふうな趣旨の発言をされている方もいらっしゃるんですけれども、政治家は選挙職ですので、有権者とか国民の皆さんの意見を議会や政府に伝える、そういったこ