政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会
平成12年11月8日
○自見委員長
亀井善之君外十七名提出、公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律案及び菅直人君外十二名提出、公職にある者等による特定の者に利益を得させる目的でのあっせん行為に係る収賄等の処罰に関する法律案の両案を一括して議題といたします。
この際、お諮りいたします。
両案審査のため、本日、政府参考人として法務省刑事局長古田佑紀君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○自見委員長
○自見委員長
○西川(太)委員
答弁席には、与野党ともに、御交誼をいただき、御指導いただいている立派な先輩、同僚の諸先生がおいででございます。そこで、私としては、通告をしてございますので、その順に従ってお尋ねをさせていただきたいというふうに思います。
まず、基本的な、初歩的な質問で恐縮でございますが、私ども議員は、それが国会議員であれ、都道府県議会、市区町村議員であれ、あまねく、国民、住民の厳しい選択、すなわち選挙の洗礼を受けて議席を得ているわけであります。これは民主主義国家の基本であり、大変重要なことであります。そうした国民の代表である議員を罰し、場合によっては、公民権の停止やそれに伴う立候補の制限など、いわゆる議員の政治生命というものを実質的に失わせかねない、そんな法案の策定に当たっては、法の適用や運用が明確であり、厳密でなければなりません。
もとより、そうした犯罪行為を犯すということはとんでもないことでありまして、そういうものについて厳罰に処せられることは、これは当然のことでありますが、この法律の難しいところは、その見きわめをどうするかということだろう、こういうふうに思って、きょうはそのことをお尋ねしていくわけでありますけれども、いわゆる一般受け、世論の受けをねらったり、またはマスコミの受けをねらったりするようなことは、いやしくもこうした法律にあってはとるべきではない、こう思うわけでありますが、その基本的な部分を与党、野党の先生方に、代表者の方で結構でございますので御答弁をいただきたいと思います。
○小池議員
そこで、与党案よりも厳しいものをつくらないといけないとか、とにかく国民へのアピールの姿勢を優先するという態度でこの法律をつくるということは、まずは明確性に欠けるということ。さらには、現実の政治活動への影響などを度外視しても一向に構わないというのでは、この後のルールの明確性というのが非常にあいまいなものになってしまうわけでございます。
ちなみに、野党の案でございますけれども、私どもの与党案の提出を経まして、対象を国会議員に限っていた旧案を撤回されておられます。そして、その上で、地方議員、私設秘書等も対象にした新しい案を出し直されているということから、先ほど御指摘がありました一般世論、マスコミ受けといったようなことを意識されておられるのではないかというふうに考えるわけでございます。
また、政治活動の自由というのは、これは憲法でも保障されているものでございますから、何としてでも守り通さなければならない、その自由な政治活動が保障されていてこそ政治の進運が図られるというふうに考えるわけでございます。また、野党案は、政治活動の自由への配慮がなされているのか疑問と言わざるを得ないわけでございます。現場の政治活動に及ぼす影響はすこぶる甚大であるということを思いますと、政治活動の自由をなし崩しにするきっかけとなる危険性も大きいという抵抗感も覚えるところでございます。
また、野党案の御答弁者によりますと、野党案は現行あっせん収賄罪の改正法であるというふうに規定されておられるようでございますが、わいろ罪の一類型であるならば、なぜ公務員ではない私人の私設秘書を処罰の対象とすることができるのか、この辺は不明確、疑問に思うところでございます。
いずれにいたしましても、与野党案では、法案の保護法益、構成からして全く土俵が違っているということでございます。
○玄葉議員
先生から、議員を罰する、あるいはマスコミ受けを、あるいは世論受けを、そういう言葉があったわけであります。確かに、議員を罰する法案を作成するということ自体、率直に申し上げて、自分自身、作成に携わって寂しい思いがいたしました。ただ、なかなか待っても改善されない、政治あるいは公務員とお金という問題についての国民からの信頼がどうも保てないということから、これらの法案を作成した次第であります。
さらに言えば、与党案より厳しいものになっているではないかということでありますけれども、それは、我々の意思の中に、確かに、いわゆる民意の吸収という名のもとに口きき政治とかあるいは陳情政治が横行している、それ自体が完全に悪いと言っているわけではありませんけれども、果たしてそれが本来の政治活動と言えるんだろうかという思いがあったこともこれまた事実であります。
同時に、政治主導、どんどん行政の中にある意味で政治が入っていくわけでありますけれども、あるいは政策決定の中に入っていくわけでありますけれども、行政の執行の中立性が政治主導の名のもとに侵されるのではないか、そういう危惧もあることも事実なんです。ですから、マスコミ受けとかそういう問題ではなくて、現状の政治に対する危機感から厳しい法律をつくらせていただいたということであります。
先ほど小池提案者から、出し直しているじゃないかという話がありましたけれども、それは我々としては、出し直した方がわかりやすいかみ合う議論ができるのではないだろうか、こういう思いでまさに出し直しをさせていただいたということであります。
構成要件は、野党案のものについてはむしろ明確であるというふうに私たちは考えておりますし、処罰範囲を不当に拡大したり、政治家の正当な政治活動を制約したりするものではないというふうに考えております。むしろ与党案は、例えばの話でありますけれども、「その権限に基づく影響力を行使して」という内容が非常にあいまいな構成要件ではないのかという指摘もさせてもらいたいという思いがあります。
改めて申し上げておきたいのは、あっせん行為そのものを私たちは規制しているわけではありません。同時に、政治献金そのものを規制しているわけでもありません。報酬を得る、対価を得る、わいろを得る、そのことを禁じている、そういう法案であることを申し添えたいと思います。
○西川(太)委員
○玄葉議員
○西川(太)委員
それだけちょっと申し上げておいて次の質問に移りますが、実は、私は、自分のことを言って恐縮でありますが、昭和五十二年に東京都議会議員に当選をして、そして四期十六年、都議として仕事をいたしてきたわけであります。今回のこの法律の中で押さえておかなければいけないのではないかと思ってお尋ねをするわけでありますが、地方議員の問題なんであります。
私の経験からしても、地方行政の性格上、いわゆる行政の網目からこぼれそうな人、また、いろいろな身近な、いわゆる法律ではカバーできないような、そういう職務上、行政上の性格とでもいいましょうか、そういう個々のいわゆる依頼事または請願が多いのですね、これは御理解いただけると思いますけれども。そういう個別の案件を頼まれやすい立場とでも申しましょうか、そういう地方議員の皆さんの職務との関係で、与党案では、地方議員の職務の範囲または行為というものを、仮に何かあった場合の処罰の対象というふうにしておられるのかどうか。せっかくの機会ですから、小池さんに伺っておきたいと思います。
○小池議員
そこで、この法律で申します権限でございますが、法令に基づいて有する職務権限を申しまして、その意味で言うならば、地方議員の職務、例えば条例等の議案の提出権、そして議案に対する修正動議の提出権、議会におきます表決権などが含まれておりまして、これに限られるものではございません。
与党案におきましては、地方議員についても、他の公職にある者と同様、契約または処分に関し、その権限に基づきます影響力を行使して、公務員等に対しその職務上の行為をさせるよう、またはさせないようにあっせんし、その報酬として財産上の利益を得た場合を処罰の対象としております。
また、この場合はどうなるんだ、この場合はどうなるんだと、いろいろな御質問もあろうかと思いますけれども、具体的にどのような行為が処罰の対象となるかどうかというのは、これは具体的な証拠関係に基づく事実認定の問題になろうかと考えます。
○西川(太)委員
まず、与党案では、あっせん行為の要件として、請託の有無を要件にしておられますね、この法案を読むと。野党案では請託を必ずしも要件にしておられない。国民や住民の声を吸い上げる政治活動と、特定の者によって依頼をされたそういう行為というものは、明確に区別をするべきではないか。
いわゆる犯罪の歴史を見ても、請託ということが計画性に結びつくわけですよね。そして、そういう中に議員の公的権力を悪用しようということが組み込まれて、間々疑獄事件というのが起こってきたことを思いますと、私は、この請託という要素は非常に重要だと思うんでございますが、先に、この点につきまして野党の先生に、なぜこの請託を入れなかったのかを伺いたいと思います。
○中井議員
大変御丁重な質疑を賜っておりまして、私ども、本当にその点につきましてはいろいろな幅広い議論をして、請託をなしで、要件としないで法律をつくり上げたわけでございます。
それは、従来の経過から考えて、請託というものを立証するというのは極めて技術的にも難しい問題だ。それは、この間も名前を挙げて失礼であったんでありますが、藤波さんの裁判であるとか、あるいは中村喜四郎さんの裁判であるとか、ここらが非常に大きな要因、ネックになっている。そして、立件されなかったいろいろな事件についても、この請託というところがネックとなってやみに葬られ、国民からいろいろな意味で疑惑を持たれる。
私どもは、この議員活動云々ということについてのお話もよく承知をいたします。しかし、要は、対価を要求しない、もらわない、ここでもって縛るんだ。そういう意味で、私どもは請託を要件とせずに本法案を提出いたしたところであります。
○西川(太)委員
ところが、請託という要件で押さえておけば、これはただいま先輩おっしゃるように、なかなか立証が難しいのは、ロッキード以来ずっと私も議員として見てきておりますから、大体わかるような気はするのでございますけれども、しかしそこはきちっと押さえておかなきゃいけないという気がするんです。
重ねて御答弁をお願いすると同時に、与党の御見解もこの点につきまして承れればありがたいと思います。
○中井議員
我々議員は、本当にいろいろな方からいろいろな陳情、請願を受けるものでありまして、それを政策の場で、あるいは対役所との関係で処理をしていく、また願いをかなえていく。私は、議員活動の大事なポイントだ、このようにも考えています。
そういう意味で、ありとあらゆる国民の要望を受けるというところについて、これを萎縮させたり妨げたりするようなことがあってはならないと考えております。 しかし、問題は、西川さんも十分御承知で御質問だと思いますが、ここでお金を約束する、強要する、あるいは成果としてお金をもらうというところが、私どもは本当に当然のことだと考えているのではないか。ここを反省しなきゃならない。お金をもらって政治活動をすることが政党人としての活動の当然の権利だという風潮そのものを封じ込めないとならない。また、議員のところへ物を頼むにはお金を約束しなきゃだめなんだ、対価を支払わないとやってくれないんだ、こういう国民の思いがあるということ自体も残念だと私は思っています。
少し長くなって恐縮ですが、ある県会議員さん、これは私どもの地域でございますが、何回も当選を重ねられて大実力者。メニューがあるんですね。物を頼みに行ったら、就職といったら、はい幾ら、振り込み先はここ。先に振り込んでからお手伝いする。本当にそうなんですね。有名だったんです。しかし、それをやってくれないとだれもやらない。たった一人の県会議員だというので、無競争で何回もお通りになったというようなこともございます。
そこまで来てしまったような現状、これらを含めて、私どもは謙虚に反省をしながら、この際、高いレベルの倫理性、こういったものを求めて法案を制定すべきだ、このように考えています。
○小池議員
ここで与党案として請託を入れさせていただいたのは、この両者の区別が不明瞭になる場合、処罰があいまいに広がるおそれがある。そのために、これはやっていいのだろうか、いやどうだろうかということは、だんだん政治活動そのものを萎縮させてしまうという、今議員最初に御指摘があった、そこにつながってしまうおそれがあるからこそ、この請託という要件を入れさせていただいたわけでございます。
○西川(太)委員
そこで、さっき申し上げました私設秘書についてお尋ねをしたいというふうに思うわけであります。
与党案では、私設秘書は今度の法律の対象者にしていないということを承知いたしておりますが、野党案では、私設秘書をこの法案の対象者としている。公務員に不正な行為をさせた場合に罰せられる刑法のあっせん収賄罪においても、私設秘書というのは、特別職公務員ではないということなどもあって、対象になっていないわけであります。
公務員に正当な行為をさせても、場合によっては、いわゆるわいろを収受したり、約束をされたりするということがあればこれが適用されるこのあっせん利得罪の方が、刑法のあっせん収賄罪より犯情は幾らか軽いということは明らかであるにもかかわらず、私設秘書を対象としている野党案は法のバランスを欠いていないかということを伺いたいのであります。
それで、私は、実は、こういう場所でこういうことを申し上げることが適当であるかどうかわかりませんけれども、大方の皆さんが私に関する新聞の情報を御存じかもしれませんからあえて申し上げますけれども、今私の私設秘書があることで疑われているわけなんですね。そして、私は、自分の力の限り調査をしました結果、彼は全く無実であると信じているのです。
そういう自分の今の貴重な体験、あえて私はここで申し上げますが、もし仮にその私設秘書が悪いことをしていれば、それはそういう者を採用した私の不明を恥じなければいけない。しかし、限界があるのですね。私の事務所には十一人の秘書がいて、二つの行政区に分かれていて、日々会うわけでもない。そういう私設秘書を監督するということ、正直に言って、これはなかなかできにくいことなんですね。しかし同時に、私設秘書が私と意を通じて何か悪いことをしたという場合には、これは今の法律で十分に疑われたり、場合によっては処罰の対象になるわけなのです。だから、あえてここでこの利得罪に、第三者である、私どもが監督しにくい、そういう立場の者を入れるということは、これは法律としては明らかにバランスを欠いている。
あえて自分のことを知らない方にまで余計なことを知らしめるということになるかもしれませんが、私は今報道関係からそういう非常に迷惑をこうむっているのです。私はそう思っています。しかし、余分なことでありますが、このことを野党の方にぜひ伺いたいと思って、きょうは具体的に。
そういう実害がこういうことで出るのですね。つまり、自分の知らないところで、やってはいないのですよ、やっていないけれども、仮に、もしそういうことが起こったとしても、これは私が関知せぬところだということになるわけですよね。そこはわかっていただけますね。そうすると、そうしたものを、あえて法のバランスを崩してまでなぜここに盛り込むのか。ここのところはとても大事なところなのです。
○辻元議員
野党案では、今西川委員に御指摘いただいたような件で、それをはっきりするために私設秘書を入れているということを申し上げたいと思うのです。
それはどういうことかと申し上げますと、今例示されました前者の部分です。議員そのものが関与していない、知らない、しかし私設秘書が勝手に何か行ったというケースを、事前に、万一そういうことはないがという前置きはございましたけれども、委員がおっしゃったと思うのです。その際、私設秘書のみを罰するというのが私たちの法律なのです。
先ほどから、西川委員は十一人秘書がいらっしゃるというふうに承りましたが、御自身が、なかなか日々の監督も難しい点もあるというようなこともおっしゃいました。私設秘書として仕事を補佐している者が勝手に何か事件を起こしてしまった、その際、公務員などに口ききした際に、対価はその私設秘書はもらったが、しかし、公務員などにその私設秘書が何らかのお金などを渡さない場合は不正と言えないわけです。この場合の私設秘書を与党案では罰することはできないわけです。与党案は議員との関連性で議員を罰するというわけですが、議員が一切関知していない場合、その私設秘書の行った行為はあっせん利得の行為だと思います。ですから、私たちの野党案では、私設秘書のみをそういう場合はきっちり罰して、議員とも一線を画すという法律なのです。
ですから、今西川委員が御指摘いただいた点で、今回、私設秘書を入れるのがおかしいという御指摘でしたら、それは反対で、むしろ賛成していただいた方が今のお立場も守られるのではないかと私は確信しております。
○西川(太)委員
では、与党と野党に聞いておきます。
○辻元議員
今の刑法などによりますと、今西川委員が御指摘されたような場合、先ほど私が申し上げましたが、あっせんを頼んだ公務員などに私設秘書と言われる人が対価や何かを支払わない限り犯罪の構成要件が成立しないという、その穴を埋めようというものなのです。それが一点目です。
そして、バランス論については、前回の本委員会で、バランス論だけで今回の立法を語るのはおかしいのではないかというように、ほぼ結論に達していると思います。
それは、一つは、あっせん収賄罪、これは刑法の一部です。その中の公務員の中から政治公務員を特別に今回はより出して、それも保護法益として何を保護するか。あっせん収賄罪の場合は、公正さ、公平さを保護するわけです。そして、今回の場合は、政治公務員という、国民に選ばれた、そしていろいろな権限を持っているというように見られている私たち政治公務員の倫理性ですね、そこが保護法益になっているわけです。
そういう特別な立場にある者をあえてより出して、そしてその倫理性という観点で今回は新しい立法をしようと。ですから、刑法の改正ではありません。特別法をつくるということにしているわけです。
今まさしくそういう観点から申し上げるならば、西川委員が御指摘されたような、疑いをかけられる、それは政治公務員という、そういう特別な立場にある者と一体不可分のもとで働いているからこそ疑いをかけられるわけであって、そこにしっかりと、私たちの倫理性高くという保護法益、これを守るために今回の立法をしようという私たちの意思なのです。
ですから、先ほどバランス論をおっしゃいましたけれども、バランスは一切欠かないですよ。それはもう前回のこの委員会でかなり議論した点であると私は思っております。
○西川(太)委員
それから、与党にもこのことについての見解をさっき問うたわけでありますから、与党の御答弁をいただきたい。
○自見委員長
○尾身議員
ただし、私設秘書につきましても、政治家本人から指示を受けて、その指示に基づいてあっせん行為をし利得を得た、しかもその利得が政治家本人に行った場合には、私設秘書が現実にした行為であっても、政治家の指示に基づいてしたものであれば政治家本人の行為として政治家本人が罰せられる、こういうことになるわけでございまして、私設秘書というものを対象にしていなくても、何ら法律の目的に照らして不都合はないと考えております。
○西川(太)委員
○自見委員長
○小林(興)委員
今までの方々から、法律の細かい条文等については随分質疑応答がありました。しかし、私は、ここで指摘しておかなければならないのは、この法律をつくっていくその背景、あるいはこれによって日本の政治がどう変わっていくのか、もちろんよく変われと思ってつくられるわけでありますけれども、しかし、問題はないのかというような観点に立って、すなわち、政治家にとって必要な、倫理も大事でありますけれども、政治活動というものを本当に行うことができるかどうか、こういう観点に立って、少し与野党の皆さん方に、この案を起草された皆様方に質問をさせていただきたいと思うのであります。
まず、私はかつて役人もやっておりました。今、政治家であります。そういう中で、新聞等を見ますといろいろな問題点がよく出てくる。しかし、人間は神様ではないわけでありまして、そういう観点からいいますと、まず日本の公務員。世界に比べて倫理性、廉潔だという意味では、そうそう日本の公務員がおかしいということではない。しかしながら、我が国はその公務員に倫理というものを厳しく課すということで、その建前はよかったのでしょうけれども、今は、公務員と民間との間で交流も途絶えて、そして本当の意味で公務員が勉強をなかなかしにくいという弊害すら出てきているということになるわけであります。すなわち、やろうと思っても、振り子がすぐ強く振れ過ぎてしまうのがこの国の弊害であります。
そして、政治家。今言いましたが、新聞を見ますと相当悪いように見えていますけれども、しかし、世界の政治家に比べて日本の政治家は腐敗しているか。そんなことはないのであります。日本の政治はこれまで日本を発展させてきた、それはもちろん国民と一緒でありますけれども、政治家が腐敗していてこんなに国家が繁栄するなんということはないわけでありまして、そういう意味では、政治家も世界に比べたらまあまあの水準にある。
世界の先進諸国、刑法にこういうあっせん関係、贈収賄関係、どこの国でもきちっと法律で規定しているはずであります。それでは、そういう先進国で、政治家だけを抜き出して特別に刑法と違う法律体系で何かこういう法律をつくっている国があるかどうか、きょうは法務省を呼んでありますので、お答えをいただきたいと思います。
○古田政府参考人
○小林(興)委員
そういう中において、あえて我が国がこんな法律をつくらなければならない。私も政治家の一員として恥じ入るばかりだということをいつも申し上げているわけでありますが、そういう中でつくっていくわけでありますから、世界の国から笑われないような、そういう法律をつくらなければならないということよりも、本当の政治活動というものをきちっと国家が保障しない限り、非常に大きな弊害が別途出てくるということを、皆さん方は知っていてやっているのでしょうけれども、私は国民の皆さんに聞いてもらいたいと思って今ここで話をしているわけであります。だから議事録に残すわけであります。
そういう中にあって、まず与党の方にも御質問したいのですけれども、政治活動を不当に妨げてはならないと書いてあります。当たり前である。こんな法律をつくるわけですから、ここのところはよく強調して、十分に何かよく説明もつけ加えてもらいたいわけでありますけれども、それが、適正な職務行為をさせて、そうしろと言って、そんなものをなぜ処罰の対象に今回しなければならないのでしょうか。
○亀井(善)議員
今回のこの法律は、一面、政治倫理の確立を目指す、こういうことと同時に、政治活動が不当に妨げられないようにいろいろなことをいたさなければならないわけであります。与党案は、政治に携わる公務員の政治活動の廉潔性、清廉潔白性を保持し、これによって国民の政治に対する信頼を高めていくことを目的とし政治公務員の行為に一定の枠をはめたものであり、これに反した場合には厳しいペナルティーを科し、その実効性を担保しようとする、こういうことであります。
政治公務員は、本来、国民、地域住民全体の利益を図るために行動することを期待されているところでありますが、契約や処分の段階でのあっせん行為は、国民、地域住民の利益を図るというよりは、むしろ当該契約の相手方や処分の対象者等特定の者の利益を図るという性格が顕著でありまして、そのようなあっせん行為を行って報酬を得る行為は、政治公務員の政治活動の廉潔性及びこれに対する国民の信頼を失う度合いが強い。こういう面で、与党案では、それが被あっせん公務員の適正な職務行動をさせる場合であっても処罰することとしたわけでもあります。
なお、政治活動の自由との関係についてつけ加えますと、一般に、政治に携わる政治公務員は、国民や住民の意見、要望を踏まえて、通常の政治活動の一環として他の公務員等に対して働きかけを行う場合がございます。
与党案は、このような政治公務員が行う政治活動と密接な関係があるあっせん行為により利得を得ることを処罰しようとするものであります。したがって、処罰の対象となる構成要件を明確に規定する必要があります。罪の対象となるあっせん行為による利得自体を明らかにするとともに、政治公務員の通常の政治活動の展開、政治資金規正法に基づいて行われる浄財の確保や行政権の行使の適否に関する調査など、民主主義社会において保障されている政治活動の自由が不当に妨げられることのないよう、細心の注意を払ったところであります。
もとより、議会制民主主義のもとにおいては、政治活動の自由は極めて重要な憲法上の権利でありまして、政治活動の意義の重要性を正しく評価する観点から、与党案の第六条におきまして「この法律の適用に当たっては、公職にある者の政治活動を不当に妨げることのないように留意しなければならない。」との規定を設けておるところでもございます。
与党案は、このようなあっせん行為による利得の禁止と政治活動の自由とのバランスを考慮しつつ、政治公務員の行為に一定の枠をはめ、国民の負託と信頼にこたえていくことを目的として提出したものであります。先ほど来申し上げましたとおり、いわば、政治公務員の政治活動の廉潔性、清廉潔白性の確保と政治活動の自由の保障との双方の調和を図って組み立てられていると言っても過言ではありません。
○小林(興)委員
先ほど廉潔性について、世界で見たら日本の行政はきれいだと私は申し上げました。しかし、日本の行政に問題があるとすれば、なかなか動かないということがある。従来の流れの中で、変えていきたくないときは変えない。そういう中にあって、本来、時代が変わってきたんだから解釈によって変えるべきところは変えたらどうなんだということは、では総論として言ってみても、議会で言ってみても、そういたしますとしか役所から答えは返ってこない。
このことが本当にわかるのは個々の陳情者の声であります。私はこんな扱いを受けている、こんなふうに書いてあるけれどもどうなんだ、このことを役所に言っても相手にしてくれない、こういうときに、政治家は直ちにその役所に、一個一個、そのケースケースについて、どうしてここは直さないんだ、どうしてここはやってくれないんだ、これは正しいことじゃないかと、おのれ自身のまさに良心に基づいて、自分なりに法律を解釈して、そのことが正しいはずだ、もうやってもいいんじゃないか、ここはこう読んでもいいんじゃないか、こういうことを一つ一つやっていく。そのことによって、実はその個が重なって全体の行政が初めて時代に即応した正しい方向に動いていく。
だから、政治家は、天下国家を論ずることも大事でありますけれども、個別のことを一つ一つやっていくことによって、それを積み重ねることによって本当の世の中のことがわかり、そして本当の国民の声を反映させていくことができる。だから、少なくとも私は、今この我が自由民主党にあって、陳情を大事にすることを先輩に教わり、そしてそのことを一つ一つ各役所にお願いしていくことによって、実は行政の全体が、個から全体が見えてくる、こういうことになっているわけであります。それをいいと思うからやるわけですね。大体、不正なことなんかやる政治家はほとんどない。正しいと思ってやっていく。その結果、どんどん仕事をしていく。
今、大体政治家は自分自身で政治資金なんか手にしているそんな暇はない、忙しいわけでありますから。こうやって委員会に来て意見も言わなきゃいかぬということもあるわけでありますし、忙しい。限られた時間でどんどん陳情がある。お金は、こういう政治家の行動とは別に、後で、まさに先ほどお話が出ました秘書なんかが事務所を回していくために、後でお金を、浄財をいただくということをやる。そのときに向こうが、本当にお世話になった、いつもいただいている方が、ことしはこんなに世話になったから少し多目に出そう、これは人情としてあるじゃないですか。そのときに、後になって何か問題になったら、これはもうもたないということが今回の法律なわけです。いつもと違うじゃないか、あれは陳情に対する謝礼じゃないか、報酬じゃないかと。そうであれば、政治家はいつでも資金の台帳を繰りながら、去年いただいた人は幾ら、ことしは多くなったか減ったかどうか、そんな、自分が罪に陥らないために政治資金の管理ばかりしなきゃいけなくなっちゃう。
政治家にそういうことをさせるというこの法律は、非常に多くの問題がある。政治家は、とにかくおのれの信念に従ってどんどん政治活動する。お金はまたお金で、そういうことをする専門の秘書が普通はやるわけですよ、そんなお金なんてことは。政治家みずからは、今そんなお金なんかさわっている人はいないわけでありますから。
そういう意味において、やはり適正なことにまで口をきいてどうかおかしくなるということは非常に問題があるということの中に、政治活動の不当な圧迫にならないように、くれぐれも歯どめをかけることを、この法案を通すときにセットでやっていかなければ非常に危険だということを、ぜひこの起草された皆様方に何らかの方法をとっていただきたいということを私は重ねてお願い申し上げるわけであります。
御意見がございますか。
○尾身議員
他方、今おっしゃいましたように、私ども政治にかかわる政治公務員は、国民や住民の意見、要望を踏まえて、これに対する適切なる活動をするということも現実の問題としてあるわけでございます。そういう活動をすること自体必要な場合もあります。したがって、その活動による金銭上の利得、活動をしたがゆえに利得を得るということはあっせん利得罪で取り締まる、罰を科するということでございまして、そういう意味では一歩踏み出していると思っております。
他方、政治活動の自由というのも、憲法に保障された極めて大事な民主主義社会の原則でございまして、私ども、そういう意味におきまして、この法律の六条におきまして「この法律の適用に当たっては、公職にある者の政治活動を不当に妨げることのないように留意しなければならない。」という規定を設けているわけでございます。
したがいまして、政治公務員の政治活動の廉潔性という問題と政治活動の自由の保障、その双方の調和を図るということが非常に大事であるというふうに考えております。
政治献金につきましては、ずっと答弁をしておりますが、社会通念上、常識の範囲内の政治献金であればあっせん行為の報酬と認めることは困難でありまして、これを受けてもこの法案の罪の適用対象にはならないというふうに考えております。しかしながら、政治資金の名をかりて、あっせん行為の報酬である財産上の利益を実質的に本人が収受したと認められる場合には、本法案の罪が成立し得るということも私ども考えているわけでございまして、この点がこの法案の全体の概要であろうと考えております。
○小林(興)委員
そして、今のこの政治の流れは、要するに個人が、たとえ政治資金管理団体といえども、企業の献金はそこへはもう禁止するなんということになりました。そのかわり、政党にお金が流れるならそれはいいということで、すなわち、党に入れるお金は相対的に問題がないだろう、しかし個人で受けるお金については問題があるとするような、そういう法体系に政治資金規正法がなってきております。
私は、個人的にはこれは非常に大きな問題だと思っておりまして、必ずしも党が正しくて個人が悪いということにはならないわけでありますし、特に、今所属している政党に問題がある場合、かといって他の党にも行きたくない、とりあえず少し批判しようと思って、無所属で活動したいというときに、無所属になったときに政治資金が手に入らないという法体系になってきておりますから、どこかの政党にいなきゃいかぬという非常に不便な政治資金規正法に今なってしまったわけであります。
まあそれは別の機会に譲るとして、しかし、一応、法の建前上は、党で受ける金はまあいいじゃないかということで、政治活動を保障しようという考え方に立っているはずであります。ということになりますと、少なくとも財産上の利益というのは、私は、政治家が持つ政治団体は、第三者といっても確かにこれは個人等が非常に支配して深い関係があるということは認めざるを得ない、自分を応援する団体なんですから。しかし、これが一たん政党に入ったときは、政党というのは個人が支配できるはずもない。もし個人が支配しているのであればそれは政党を私物化しているわけでありまして、そのこと自体が問題であって、私物化しているときは私物化させなきゃいいわけでありますから。常識的には私物化していないわけでありますから、したがって、政党に入れるお金は、これは完全に第三者という中で、今の与党の法案では第三者へのお金は問題にならないと書いてあるわけでございますから、よっぽどのことがない限り、政党への献金は、一切これをおかしいということにはならないということでよろしゅうございますか。
○尾身議員
しかし、これは現在のあっせん収賄罪の場合と同様に、外形的には本人以外の者が本法案所定のあっせん行為との間に対価性があると認められる財産上の利益を受け取ったとされる場合でございましても、当該財産上の利益に対して本人が実質上の支配力、実質的処分権を有するものと認定できる場合には本人が収受したものとして本人に本法案所定の罪が成立する可能性があり、第三者の供与の規定がないといたしましても不都合はなく、本法案の法益は十分保護されると考えております。
そして、ここでいう事実上の支配力の有無は、具体的な証拠関係に基づく事実認定の問題であります。この具体的な証拠関係に基づく事実認定の問題という中に、政党の支部であるものと本人の政治資金管理団体は、おのずからそこに、事実上の認定の問題として、現実の適用に当たっては扱いに差ができるのではないかというふうに考えておりますが、これまた実質的に本人が支配しているかどうかという事実上の問題として個々に判断すべき問題であると考えております。
○小林(興)委員
そういう中で、政党を特に大事にしております野党の皆さん方が、第三者である政党に報酬が支払われても、第三者でございますから、第三者にお金が渡ってもいかぬと言っている案をつくっているわけですけれども、それは、私が常識で見ますと、常識の範囲内では許すとかなんか書いていないわけですね。とにかく第三者に渡ってもいかぬとそれは書いてあるわけでございますから、いかぬといったら一円渡ってもいかぬわけでありますから、そういう意味ではちょっと政党に対する信頼がないような気がするんですが、いかがでしょうか。
○中井議員
ただ、この委員会で御議論のありました県本部、あるいは今小林先生御指摘いただきました党本部、これらについては当然個々の事案で検討されるものだとは思いますけれども、お金の流れあるいは本人の指示、またこういったことが積み重ねられて判断をされるんだろう、私はこのように考えているところでございます。
党本部あるいは県本部、これらを当然除くべきだ、こういう御意見については、私ども十分慎重に考えてこの法案が運用されることを望んでおります。
○小林(興)委員
しかし、私設秘書なんというものには国からの給与も全然払われていないわけでありまして、野党の言われるように、私設秘書にも悪いやつがいるじゃないか、公設秘書よりも悪いやつもいるんだから、そういうときはびしびしと取り締まった方がいいというお気持ちはわかります。しかし、およそこの厳しい法律で議論するわけでありますから、感情論は別といたしますと、私設秘書にも非常に濃淡があるということがありましょうし、この私設秘書の範囲もはっきりしていないという中で、これを公設秘書と同じように扱うことについてはまだまだ非常に多くの問題があるだろうと思っておりますし、この日本の政治全体について、政治的な活動をする人間がというふうにこれを読みかえますと、私設秘書を入れるぐらいだったら、落選中の国会議員、この人が役所に働きかけた方がよっぽど役所が動くわけでありますから、次に当選してくるかもしれないわけでありますから、そういうことがもっと私設秘書よりも問題になるはずであります。
例えば、現職の国会議員は手も足も出ない、やっちゃいかぬ、政治活動が不自由になっていて、落選中の人ががんがんやる。おれは今落選中だから問題ないだろうと言いながら、みんなおれのところに持ってこいといってやった場合は、政敵がどんどん強くなるということもありまして、私設秘書どころではなく、不公平という意味では大変不公平でございます。
そういうことを言っていたのでは話にならないということの中で、あくまでも給与が出ている、出ていない、つまり公務員としての身分があるかないかということで分けた、そういう与党の案にその意味で理解ができるわけでありまして、野党の案で私設秘書を入れるぐらいだったら、落選中の国会議員も入れる、そういうようなことにしなければいけない。しかし、それはどんどん広がっていって、とめどもなくなってしまうわけでありますから、要するに、結論から言いますと、やはり公務員という身分がある者にきちっと限定すべきだということに法律論上はなると思うわけでありますが、いかがでしょうか。
○尾身議員
先ほどお話しのとおり、私設秘書につきましては、国会議員あるいは政治家本人との関係が非常にさまざまでございまして、それを一概に含めることは実態に合わないということもございますし、それからまた、公職にある公務員としての身分もないということで外したものでございます。
○辻元議員
○小林(興)委員
もう時間もなくなってきたようでありますが、もう一度重ねてここで確認をしておきたいのは、政治家と陳情とその報酬というものをリンクするというのは非常に難しい点がある、そこで政治活動の自由が妨げられるのではないか。
これはもう政治家、我々だけでなくて、きのうお見えになった参考人の浜田先生ですか、そういう直接政治家ではない方すら心配だなんて言っていただいているわけですね。そのぐらいよくわかるわけでありまして、どんどんと多くの陳情が寄せられる中で、例えば、我が県で飛行場をつくってくれといって頼まれた、あるいは鉄道をつくってくれと頼まれた、それを民間会社に頼まれた。まさに特定の人に頼まれるわけです、会社でも。ではそれを役所にといって、運輸省、つくったらどうだといって、立派な鉄道ができた、何か飛行場が、ヘリポートができた、いやあ、よくなったなといって、県から、経済界からどどっと浄財が集まった。しかし、去年は集まっていないわけですから、ではことしのこれはおかしいじゃないか、明らかにあの飛行場誘致のためにできたあれじゃないか、鉄道がやったからできたんじゃないかなんということを言われて、ああだこうだと言われることすら、逆に言うと、法律を悪く解釈すると、そういう可能性も出てくる。あるいは、業界団体の陳情があって、きちっとしたことをやってやった。それで、業界団体の中の構成員がそのことを団体から聞いて浄財を持ってきた。それだって、浄財なのか何なのかということを調べようと思えばできるということのように、非常に危険な状況にあるわけですね。
したがって、やはり最後は、政治家と金というのは、個人でもらうものを禁止する、しかし、政治団体あるいは政党という自分でないもの、管理されているもの、それをオープンにしながら、そこに入れる金についてはとやかく言わないということをつくっていかない限り、日本の政治の本当の自由はない。アメリカの大統領選挙だって、今あれだけの金が、かけ過ぎだという話もありますけれども、かかっている。すなわち、PRをするために、我々は、皆さん方に、支援者に対して自分の政治活動を報告するだけでも、一通百円かかるものを十万人に出す、一千万円がたちまち飛んでしまう。そういう中にあって、普通の政治家は、いただけるものはすべていただきたい。
しかし、誤解をしていただきたくないわけでありますけれども、これは個人に来る金ではない。よく新聞が何かパーティーの収入、売り上げを並べる。あれを見て、何のために並べるのかわかりませんけれども、あれがいかにも個人に行くかのような印象を与えていることが多い。それを私は峻別しなければならないということを思うのですね。
自分のことを言ってあれですけれども、私の事務所は確かに皆さんのおかげで冷暖房も完備している。しかし、私が寝ている部屋はずっと冷暖房なんかない。夏は暑くて窓をあけなきゃ寝られない、冬は靴下をはかなきゃ寝られないほど寒い。そんなことを言うつもりはありませんけれども、そういうふうに政治家というのは公私は峻別をしているということを国民にもう少しわかっていただいて、そして政治活動のお金は、政治を大きくやっていくためには幾ら金があっても多過ぎることはない。場合によっては、政党をつくるために金も必要だということもある。
そういうことも含めて、政治活動に来る金を、政党とか政治管理団体にもらったときにはそれはいいんだ、そういう風潮をもっとつくっていただきたいことを、最後に起草している方々にお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
○尾身議員
それから、野党の案では、例えば飛行場をつくるための運動をして働きかけるとか、あるいは業界団体の要望によって税制の改正について働きかけることはあっせん行為であるというふうになっていると理解をしておりますが、私どもは、そういう業界団体の要望を実現するための政治活動、あるいは例えば地元に飛行場をつくるための運動というものは、公務員に働きかけましても、当然それは一般的な政治活動でありまして、この法案のあっせん行為には当たらないというふうに考えております。個々の企業とか個々の個人に対する処分とか、そういうものがあっせん行為に当たるというふうに考えております。
野党の案でございますと、例えば税制改正についての要望を受けて、その要望した団体から働いた結果として政党支部に資金が来たときもこのあっせん利得罪の対象になるという案になっていると思っておりますけれども、そういう野党案というのは、政治活動の根本を否定する案になるというふうに私は理解しております。
○中井議員
例えば、イギリスの国会議員なんかも週末は選挙区で個々の陳情を聞きます。しかし、それでお金をもらうなんて聞いたことありません。アメリカのお話がありました。大統領選挙、上院選挙も、かなりのお金を使いますが、集め方、使い方、それぞれ大変厳しいチェックが入っておりまして、先生おっしゃるように、党へ入るやつは何でもいいじゃないかというようなことで通じるような倫理観では、これからの世界の中で日本の政治はやっていけない。また、国民の負託にもこたえられない。
私どもは大変高い給料をもらっている。しかも、政党法のない中で政党交付金をちょうだいしている。しかも、個人の政治資金団体を持っている。また、党支部を経由して献金を受けることができる。そういう意味で、かなり金銭の幅が広く許容されている存在だ、このように考えています。それだけに厳しく律していく。これを個人個人がやればいいということですが、残念ながらできていない、現状においてやらざるを得ない、このように考えています。
また、同時に、私設秘書のお話がありましたが、本当にアメリカやイギリスやフランスやドイツで私設秘書なんて存在があるんでしょうか。今、地方の県会議員さんも秘書を持つようになってきた。こういう中で、この私設秘書を対象から外していくということ自体、国民の批判には到底耐え得ない、私はこのようにも考えております。
大変失礼でありますが、一言感想を申し上げさせていただきます。
○小林(興)委員
○自見委員長
○河上委員
前回に引き続きまして、私は、私設秘書の概念について野党の皆さん方にお尋ねをしたいと思います。
今小林委員からもお話がありました。一口に私設秘書と言っても非常にさまざまでございまして、専ら政治活動を補佐する者、あるいは専ら事務所の受付業務に従事するいわゆる事務職員という人たち、あるいは運転業務だけ専属でやっている方、加えて申し上げれば、パートやあるいはアルバイトとして政治活動の一部あるいは事務に携わっている方々もいらっしゃる。こうして考えてみますと、その態様というものは非常に千差万別でございます。
昨日、参考人質疑でも明らかになりましたように、私設秘書を犯罪の主体とすることについては概念があいまいであるという参考人の御指摘もあった。そして、拡大連座制との関連あるいは判例等を踏まえながら、政治公務員の廉潔性を確保して国民の信頼を保護する観点から、公設秘書に限定して、私人である私設秘書についてはやはり除外すべきであろうという見解も示されたわけでございます。
私は、加えて申し上げたいのですが、期間の違いはあったとしても、与野党のいずれの案も罰則がついておりまして、罰則がついているということは極めて重要なことであろうと考えるものでございまして、この処罰の対象となる私設秘書の範囲というものがあいまいで不明瞭であることになれば、まさに司法当局の恣意的な判断によって罪が決定、確定をしてしまう、こういう実態をもたらすことになるのではないかと思うのです。
そこで、野党の提案者であります辻元議員は、前回私が、秘書の定義について御説明を願いたい、こう申し上げました際に、こうおっしゃっております。具体的に処罰の対象となる秘書とは、公職者に使用される者で、当該公職者の政治活動を補佐する者、そしてさらに公職にある者の指揮命令に従って労務に服している者を指す、このように御答弁をされたわけでございます。
そこで、辻元提案者にお伺いいたしますが、皆さん方の案は、すべての私設秘書、いわゆる私設秘書と言われる方々全部、私が一番最初にお話しした人まで含めて全部がこの処罰の対象となるのか、この範囲は果たしてこれでよろしいのか、この点について簡単に、長い答弁だと、三十分しかありませんので、短くお答えだけいただきたい、このように思います。
〔委員長退席、細田委員長代理着席〕
○辻元議員
ただ、議員の方がどれだけその方々にほかの仕事もさせているかとか、それからもう一つは、第一義的にその議員との関係で、自分は私設秘書であるということで働いていらっしゃる場合、仮に口きき等のことをしてお金をもらったりしたら、専ら受付などをしているということで来ていらっしゃる方も、御自身が私設秘書である、議員との関係でも陳情の処理などもしていらっしゃったとなると該当するかと思いますが、実態的に運転やそれから受付業務のみの雇用関係で雇われている場合もあります。そういう場合は当たらないと考えております。
○河上委員
○辻元議員
秘書だということで、先ほども申し上げましたように、本件に該当するような罪を行った場合ですね。(河上委員「行った場合はもうだれもがわかっているんだからいいです、議論の積み重ねだから。今のお答えをいただきたい」と呼ぶ)ですから、それぞれ秘書という名刺を持ってお仕事をされていたとしたら、その議員の方も周知の事実であるというように思います。議員が知らないうちに勝手に秘書という名刺を持ったり、勝手に名乗って仕事をするということはちょっと考えられません。それは議員の監督不行き届きだと思います。ですから、議員がそれを私設秘書であるということで仕事をさせていたら私設秘書に当たるかと思います。
○河上委員
専ら政治活動を補佐する私設秘書が名刺を持たない場合はどうなんでしょう。あるいは、私は秘書であるということを第三者に言わなかった場合にはどうなりますか。
○辻元議員
○河上委員
前者についても、非常にやはりあいまいな部分が残ってしまう。最終的に、やはり実態を吟味しないとなかなか判定しにくいわけです。あるいは、後者についても全く同じでありまして、前回、一番最初の議論で公設と私設という立て分けの議論がございました。私はあえて、あえてですよ、私設の中もさまざまであろう、こう思っているわけでありまして、これらを一つ一つ対象として、この重い罰則を与えることについては、もう少しきちっとした整理と区分けが必要であり、きちっとした範囲を特定することが法律に課せられた最大の責務であろう、このように思うわけでございます。
多分、先ほど、冒頭私の質問に対してお答えになったのは、連座制の観点からの趣旨を踏まえられたお話だと思っております。
秘書といってもなかなか一概に、では秘書というのは何なのと、ないんですね。国会法でもどう書いてあるかというと、各議員にその職務を遂行する、補佐する秘書を二名付する。「前項に定めるもののほか、主として議員の政策立案及び立法活動を補佐する秘書一人を付することができる。」国家公務員法、これは「国家公務員の職は、これを一般職と特別職とに分つ。」こうして十五番目に「国会議員の秘書」、こう書いてあるわけです。いわゆるこれが公設秘書に当たるわけであります。
しかし、公設秘書の場合には、国家公務員法の中で明確に身分というものが位置づけられておる、特別職という身分が位置づけられている。ですから、前回の質疑を通じて私は申し上げたわけでございまして、私的関係、私人である、議員との関係における雇用契約関係にすぎない人、これまで含めるのはいかがなものか。公設秘書の場合には、国家公務員法に規定されておりますように、きちっと身分として位置づけられておるわけでありますので、私ども与党は公設秘書を対象といたしているわけでありまして、この点を踏まえて議論をしていかなくてはならないと思うわけでございます。
当然、自治省選挙部のお出しになられた逐条解説公職選挙法等においても、連座制との関係で秘書の定義がここへ出てまいります。この秘書の定義を通じますと、私が先ほど申し上げ、辻元提案者がお答えになったように、単純な業務、機械的な業務の人は秘書とは言わない。しかし、もう一つつけ加えますと、そこの解説の中に、秘書の範囲について特定、明確にされているわけでありますが、同じ知事秘書でも特別職の場合や、国会議員の公設秘書、公設秘書と定められている、公設秘書の場合には秘書に該当する場合が多いだろう、だから公設秘書については連座制が適用される、こう解説されているわけであります。
大阪高裁の判決もそのような、平成十年の五月の判決でございますが、「連座制規定における「秘書」とは、公職の候補者等の政治活動を助けるために、その指揮命令の下に種々の労務を提供する者のうち、相応の権限(裁量)と責任をもって担当事務を処理する者を指し、お茶汲みや自動車の運転等の単純、機械的な補助業務につき労務を提供しているにすぎない者はこれに当たらない。」と十年の大阪高裁の判決の中にも出てまいるわけでありまして、これは、いろいろなところを調べてみましても、なかなか一概に、秘書といっても非常にあいまいもことした側面を持っておるわけでございます。
したがって、身分が確定し、きちっと対応されている公設秘書を中心にやるべきだと思いますし、やや角度を変えて申し上げますと、処遇の面においても非常にやはり違うわけですね。
公設秘書の皆さん方は、これは私は、一般の企業と比べて十分か不十分かといったら十分ではないと考えていますよ。考えておりますけれども、このように身分をきちっと位置づけられた公設秘書については、年金もある、健康保険もある、退職金制度もありますよ。そして法律上、国会議員の秘書の給与等に関する法律というのがあります。それから、国会議員の秘書の公務上の災害及び通勤による災害に対する補償に関する規程というものがありまして、通勤あるいは公務上の労災等の問題も適用されていることになる。国会議員の政策秘書資格試験等実施規程、この政策秘書についてはいろいろな論議もあることは承知しておりますが、いずれにしても、秘書関連について、公設の場合にはここまでいろいろな一定の処遇面における担保もなされておる。
それに対して、私設秘書の身分については、まず、私申し上げましたように、あくまで議員との雇用契約関係でございまして、この側面から成り立っているわけでございまして、その処遇についても極めてまちまちなんですね。したがって、公設秘書に比べますと、かなりある意味では不安定である場合も少なくはないとあえて申し上げておきたいわけでございます。身分やあるいは処遇の面でも非常に格差が大きいのかなという問題があります。
この問題については、残念ながら、民主党の、東京二十一区でしょうか、山本譲司衆議院議員の逮捕という問題がありました。それを遠因としていろいろと考えていかなくてはならない問題だと私は考えておりますが、こうして私設秘書もきちっと定義あるいは範囲を明確にしていきませんと、先ほど申し上げたように、いろいろな不都合、そして問題が起きてくるのではないのかと考えております。
もっと強いて言いますと、指揮命令に服して、議員、公職の者に使用される者という場合には、労働関係におけるさまざまな諸問題もあるわけです。
ここで全部言って、私も全くそうで、私も自己反省をしなけりゃいけませんが、私ども議員は、ある意味では、この労働法規からいえば使用者、事業者ですね。そうしますと、どうでしょうか、年金の体制は私設秘書に対してできておりますでしょうか。保険はいかがでしょう。退職金制度はいかがでしょうか。もっと細かく申し上げますと、就業規則はおつくりになっていらっしゃるんですか。労働時間は何時から何時まで規定なさっておりますか。提案者に聞いてもそれはなかなか難しいことでございますから、あえて申し上げませんが、時間外は三六協定を結んでいますでしょうか。こういう問題までさまざまある。
しかし、もしこういうことが完備されないで関係のあるところに訴えられたら、これはどっちが勝ってどっちが負けるかというのは一目瞭然でございます。罰則もついておりまして、就業規則届け出義務違反、あるいは労働時間、これもついていますよ。あるいは三六協定等も全部ついています。では、そこまでできているのかという側面も、やや法律論からは今回抜けるかもしれませんが、処遇という側面に対してさまざまな違いも、公設あるいは私設、私設の中においてもまたまちまちである、そして各事務所においてもまちまちである、それを全部私設秘書という中だけでくくれないだろうというのが私の質問の前提でございます。
それで、単純な業務は省くんだというお話がありました。しかし今度は、その政治家のもとで動く場合には、名刺を持ったり持たなかったり、秘書と言ったり言わなかったりという別なファクターも入ってまいります。もっと別なファクターもあるでしょう。となりますと、非常にあいまいさが出るわけでございまして、私は、やはり身分がしっかりと法律上位置づけられ、そしてある一定程度処遇もきちっとした公設秘書を今回の対象とすべきであって、私設は対象にすべきではないだろう、このように思うわけでございますが、この点については、御答弁というよりも野党の感想をお聞かせいただきたいと思います。
〔細田委員長代理退席、委員長着席〕
○中井議員
私も八年か九年秘書をいたしておりまして、三年は私設でありましたし、五年は公設でございました。その当時は、まだ昭和四十年代の初めでしたから、公設秘書といえども、退職金の制度、共済の制度、なかなか整備されておりませんで、秘書全体で超党派でいろいろなことをやって今日の制度をつくり上げてまいったというところでございます。
いろいろとお話はよくわかりますが、あいまいな身分、あいまいな制度、あいまいな雇用関係の中だから何をやってもいいのかというところが私はポイントだと考えております。現行あっせん収賄罪とバランスが悪いとか、いろいろなお話がございましたが、あっせん収賄罪の場合、私設秘書が入っていないのは御存じのとおりで、私設秘書さんが物事を頼まれて役所に議員の名前で働きかけて、そして成功して金品をもらったときに罰する法律がない、ここに私どもが今回私設秘書を入れた原因があるわけであります。
一時は、実は田中角栄元総理なんかは二十人ぐらい私設秘書がいらっしゃった、昭和四十年代の初めです。これはすごいなという話になりました。だけれども、一時期、本当に自民党の大臣経験者はほとんどこれぐらいの数の秘書さんを持っておられた時期もあった。しかし、だんだん小選挙区になって、この間、平均十名ぐらいというお話がありました。そういう一時的なふやせふやせという時代はなくなってきた、このようにも感じております。
しかし、その中で、給料をほとんどもらわないけれども、君は陳情で稼いで処理をしろという雇われ方をしている人もいる。そういう存在というものは本当にいいのかということは、河上先生がおっしゃるとおりでございます。
そういう意味では、この際、私どもは私設秘書さんという存在を何も否定するわけではありません、この人たちがいなければ私どもの政治活動ができないということは事実であります、しかし、処罰の対象として考えていく。
ただ問題は、先生が少し言われた中で、秘書でありながら、秘書じゃない、名刺を持たずに活動をする、これは例えば政党職員になるとか、そういったことがあると思います。これらについてまで私どもはこの対象としない、議論としていかずに、私設秘書という公職選挙法の概念の中で処理をしたというのが今回の立法であります。
○河上委員
昨日の参考人の質疑でも、野党推薦の板倉日大法学部教授は、この点について、趣旨でございますが、主観的であり極めて厳しい、背任罪が立件できない理由でもあると。不要だとおっしゃった。「目的」というよりも「ために」に変えた方がいいんじゃないかとここでお話しになった。「ために」になったらもっとあいまいになってしまうと私は思っているのですが、参考人、何を間違えておっしゃったのかなと思って聞いておったのですが、野党推薦の板倉教授もこの点については、非常にあいまいで、取った方がいいんじゃないか、こういうようなお話がございました。
その意味で、これは野党の提案者に簡単にお答えいただきたいのですが、昨日の参考人の御意見、どう受けとめますか。
○木島議員
ですから、私ども、野党案でも実効性が不十分だぞということを言われたので、よくお聞きをいたしました。
○武山委員
きのうの続きの質問をしたいと思います。私設秘書と公設秘書ということで話をきのう進めてまいりましたけれども、午前中、実は、私、以前自由党で仲間でございました西川太一郎議員の秘書が逮捕されたということで非常に驚いて、国民はああまたかという感じだと思うのですね。この逮捕に対して、亀井先生、今ちょうどあっせん利得罪の議論を進めている中で、どんなふうに思いましたでしょうか。
○河上委員
そこで、例えば、では、この問題につきまして、団体の一部の構成員が利益を享受した場合、当該団体そのものが特定の者となるのですか。
○武山委員
○木島議員
○河上委員
○中井議員
○河上委員
○中井議員
しかし、その無報酬は、候補者そのものから無報酬であって、バックにいる団体から選挙運動に行けといってお金をもらっておる、そしてその団体に対してあっせんをして、その見返りとして応援者を出してくれ、こういうことを当人が言った、こういうことになれば、私は当然あっせん利得の対象になると考えております。
○河上委員
○中井議員
○河上委員
団体や組合の意向を受けて、政策立案や立法作業、この点に関して官庁に働きかけることは、「特定の者に利益を得させる目的」という構成要件に該当いたしますね。
○木島議員
今お尋ねの、「特定の者に利益を得させる目的」というその構成要件に該当するか否かは、再三申し上げておりますように、一つ、当該あっせん行為によってだれがどのような利益を得るのか、二つ目には、利益供与者と受益者との関係、三つ目には、利益供与者以外の受益者の立場等を総合的に判断して結論が下されることになるわけであります。
なお言いますと、当該行為が「特定の者に利益を得させる目的」に該当いたしましても、当然のことながら、野党案によって罪が成立するのは、そのあっせん行為の報酬としてわいろを収受した場合に限られるわけでありますから、野党案が、決して特定の者に利益を得させる目的で政治家が行政に働きかける行為そのものを規制したりすることを目的としているものではない、あくまでも政治家のあっせん行為と金との関係を断ち切っていこうというところに眼目があるんだということを御理解賜りたいと思います。
○河上委員
○自見委員長
○手塚委員
与野党から提案されていますあっせん利得処罰罪、この現実的な、今日的な背景というものを考えたときに、たび重なるさまざまな事件、本当に今国民の政治不信というものが来るところまで来てしまっているという状況の中で、いかに信頼回復をしていくかという考え方の中で提案をされているものと確信をしています。
私は、要は、政治家と国民の距離感、関係というものにおいて、政治権力者に近いから何らかのコネがある、知り合いがいるからといって、ちょっと政治家に口をきいてもらった、お願いをしたら、役所に口をきいてもらって、うまくいってしまった、うまいこといったというような方々が周辺にいて、あるいはいなかったり、その不公平感というものが相当積もり積もっているというふうに思います。また、そんな中でそれが事件になったり疑獄になったりという中で、この政治不信というのは今高まっているのだというふうに思うのです。
その中で、先ほど西川太一郎先生も、東京都の信用保証協会のお話をされておりました。私も、西川先生の後輩で東京都議会の出身でありまして、この東京都の信用保証協会にかかわるさまざまなあっせんというものも、正直言って目の当たりにしてきたところであります。
きょうも新聞に取り上げられておりますが、いわゆる中小企業者がブローカーに、有力な政治家、都議会議員や国会議員を知っているから、口ききをしてもらうから信用保証協会にお願いしてみろ、うまくいくからと言われて融資のお願いをする。交渉していただいて、思いのほかすぐ保証を受けられる。そして、出資法の限度額である五%以上のいわゆる手数料といいますかお金を要求されて、一〇%とか一五%とか出ておりまして、その一部がそのあっせんをした政治家に還元されているというような記事が連日新聞報道なされています。国民の側から見れば、今ここで議論しているこんなにわかりやすいあっせん利得というのはないというふうに私は思います。
そこで、こうした東京都の信用保証協会にかかわる疑惑を含めて、都議会議員があるいは国会議員がこうした形で東京都の信用保証協会等に口ききをした場合、現行法ではどういった対応になるのか、あるいはこの与野党の案で成立をした場合にどういう対応になるのか、極めてわかりやすい話だと思いますので、御答弁いただきたいと思います。与野党それぞれお願いします。
○大野(功)議員
私は、今の歴史の流れを考えていただきたい。今、行政というのは、なるべく透明化していこう、行政のプロセスは透明化していこう、さらに規制緩和をやっていこう。そうすると、行政の裁量行為が減っていくわけです。裁量行為があるから、そこに政治家が口を挟む余地が出てくるのじゃないか。私は、今歴史的に我々に要請されているのは、行政行為のプロセスを透明化していく、この問題が一つあると思います。
それから、官と民の役割が一つあると思いますが、なるべく民でやれることは民でやっていこう、これも歴史の流れの一つだと思います。そういう努力と相まって政治というものが新しい政治に生まれ変わっていく、こういうことがあるのじゃないかと思います。
具体的な東京の信用保証協会の問題でございますけれども、これは事実関係をはっきり私ども把握しておりませんので、コメントは具体的には差し控えさせていただきます。しかし、現行のあっせん収賄罪では、公務員のみをあっせん行為の相手方としております、身分犯でございます、不正な行為をさせるようあっせんした場合でなければ処罰できない、こういうことになっております。
では、今の与党のあっせん利得罪ではどうか、こういう問題でございますけれども、あっせん行為の相手方を、公務員のみならず、国または地方公共団体が資本金の二分の一を出資している、こういう要件を入れております。信用保証協会の職員というのは公務員ではありません。しかしながら、御存じのとおり、国または地方公共団体の出資金が二分の一以上入っているはずでございます。したがいまして、そういう意味では本法の適用の対象になる可能性がございます。また、本法案では、不正な行為のみならず、正当な行為をさせるようあっせんした場合も処罰し得るものとしておることは御存じのとおりでございます。
本法案によって処罰されるか否かは、もちろん具体的な証拠関係に基づく事実認定の問題であることを申し添えておきます。
○中井議員
口ききをした場合に、現行法でどうなるのか、新法でどうなるのか、こういうお尋ねでありましたので、そのままお答えいたしますと、口ききしただけでは、現行法であれ新法であれ何も問題はありません。ただ、これに絡んで成功報酬としてあるいは事前に金品を受け取る、このことによって初めて罪となってくると考えております。
ただ、現行法では、私設秘書はお金をもらっておっても対象とならない。ここに今回、私どもが私設秘書を含んで新しい法案を提案した理由があります。
それから、私どもの法案におきましては、今自民党の提案者の大野先生からお話がございましたが、同じく、二分の一以上の地方自治体の出資があるところについて国、地方の議員あるいは首長が口ききをして、それで成功報酬をもらった場合、やはりあっせん利得という対象になる、このように規定をいたしております。
ただ、信用保証協会に二分の一東京都が出資しているかどうかにつきまして私は定かではありませんので、具体的なことについてはまたお調べして御返事をさせていただきます。
○大野(功)議員
○玄葉議員
○手塚委員
今、提案者の方からも御答弁ありましたように、国または地方公共団体が資本金の二分の一以上を出資している法人の役員または職員にまでというお話がありまして、私もちょっとこの間調べさせていただいたんですが、東京都の信用保証協会はすごく複雑でありまして、何をもって資本金とするのかというのは極めて難しいところだと思うんですね。
これは信用保証協会の方から出していただいた資料なんですが、現状、基本財産が十一年度末で約一千九百七十九億円であります。そのうち、ほとんど都が出資しております出捐金が約九十五億円。それから、金融機関等の負担金が二十億円。それと、この間金融機関の貸し渋りに対する特別措置という形で、金融安定化特別基金という形で四百三十三億円。これは、国から都に補助金の形で出して、都が信用保証協会に入れているお金ですが、これがこんなに金額あるんですね。これはもちろん原資は国民の税金であります。ただ、基金準備金というのがございまして、これが、内訳はかなり不透明でちょっとわかりにくいんですが、一千四百億以上ある。そうすると、これを分子と分母で計算いたしますと、二六%ぐらいしか出資をしていないということになります。
私も都議会にいたときから感じていたんですが、この保証協会は、例えば東京都の労働経済局長を務められた方とかあるいは副知事を務められた方とか、東京都の幹部職員が天下りというか後々やられている形もありますし、例えば東京都との関係をだれがどう見ても極めて親密であります。そういった意味では、資本金半分、二分の一というような形で規定をするだけでは、なかなか理解を得にくい部分もあると思います。
そういった意味では、与党案はもとより野党案でもこういった問題をもう少し詰めていただいて、手ぬるいとは申し上げませんが、特にこの問題は今タイムリーであるだけに、もう少し検討していただきたいなというふうに思うんですが、感想ございましたら、与野党ともいただければと思います。
○大野(功)議員
私は、二分の一という数字、これは正しい数字、つまり、ちょうど半分ぐらいは影響があるだろう、こういう意味で、考える余地はないと思っています。
○玄葉議員
ただ、事は刑法の周辺法だということで、資本金の二分の一というこの数字については私たちもかなり検討したわけでありますけれども、やはりここは慎重を期した方がよいのだろう、こう考えております。
○手塚委員
この信用保証協会の件で、これも実は関連してきょうの新聞に出ておるんですが、「ブローカーの依頼も他の依頼と同様に電話で保証協会に頼んだが、報酬は受け取っていない」、「制度融資の口利きはほとんど秘書任せにしていた。秘書に確かめたが、そんなに際どいことはやっていないと聞いた」、しかし、「ブローカーからパーティー券を買ってもらったことはあったが報酬は受け取っていない」ということがあります。
まさに本当にこんなにわかりやすい話はなくて、ちょっとパーティー券のことについてもこの関連で伺わせていただきたいと思うんですが、いわゆる第三者供与の規定を置かない点について、この点もこの委員会で何度も議論に出ておりますが、これまでの答弁を聞いておりますと、第三者が受け取り手になったときに常にケース・バイ・ケース、つまり第三者に対して本人が事実上の支配が及ぶかどうかということが問われる。
ただ、この件もまさに献金のかわりにパーティー券を買っていただいたというような話が出ておりますし、まさにパーティー券の趣旨というのはそういった考え方ができると思うんです。実際、政治資金パーティーというのは、主催は政治団体になりますけれども、事実上、私は政治家の支配が及ぶものというふうに思うんですが、その第三者供与を外している部分について、この点も含めて御答弁いただけますか。
○大野(功)議員
したがいまして、本法案、与党案では、パーティーをやった場合の収入、これは支出がございます、したがいまして、収入から支出を引いた残りという意味でございますが、それが第三者供与の、理の当然としては処罰対象になりません。もう一つ大事なことは、この法案は報酬としての対価性ということもまた問題にしております。それを念頭に置いていただきたいと思います。
そこで、何遍も申し上げておりますけれども、これはあっせん収賄罪と同じ解釈をしておりまして、形式的には第三者であろうとも、実質的な支配権がある、つまり本人性がある、こういうことがあれば処罰の対象になり得る可能性がありますので、実際上は何ら不都合はない、このことを強調しておきたいと思います。
あとは、では一体どういう場合が本人収受と認められるのか。これは、具体的な証拠関係に基づく事実認定の問題、こういうことを何度か申し上げている次第でございます。
したがいまして、繰り返しになりますが、パーティーの主催者、これは第三者でございます。
○中井議員
お尋ねの政治資金パーティーにおいては、政治団体、特に後援会や資金団体、資金管理団体あるいは政党支部が行うものでありますから、あっせんの対価としてパーティー券を購入していただいた場合、当然処罰の対象になると私どもは考えております。
しかし、なお具体的には、枚数であるとか、当人が本当に依頼したのであるかとか、いろいろな事象の積み重ねが必要であろう、このようにも判断いたしております。
○手塚委員
本当にこのパーティーがまさに抜け道になるような気がするんですね。それと、第三者供与の第三者というところで、あわせて、政党支部、今中井先生も触れていただきましたが、この政党支部というのが極めて抜け道になる典型だと私は思うんですね。
そこで、この間も、先週も私どもの島委員が政党支部についても幾つか質問をさせていただいておりましたけれども、いわゆるそれぞれの国会議員が総支部長になったり支部長になっているその政党支部が政治家の支配になっているのかどうか、この辺が論点だったかと思うんです。
提案者の先生方のそれぞれ支部を、総支部長になられているというふうに思いますから、私の方で実は、大変失礼ながら、提案者の皆様方が恐らく総支部長になられているという総支部の収支報告をホームページで調べさせていただいたわけでありますが、提案者の方、どちらでも結構ですが、実際、この総支部の収支報告の中で人件費とか光熱費とかにかなり大きな金額が出されているわけでありますが、これはそれぞれのお持ちの地元の事務所とは関連性があるのかどうか、ちょっとお伺いしたいと思います。
○大野(功)議員
この点は、パーティーというのは広く薄く浄財を集める手段として考えられているものでございます。その点は特に御留意をいただきたい。政治資金というのは広く薄くちょうだいする、こういう点で御了解いただきたいと思います。
第二は、個人的な問題でございますけれども、政党政治になる以上は政党間の政治にしていく、こういう命題がございます。そういう意味で、私の場合は、政治資金管理団体で集金したものも政党支部、私のは香川県第三選挙支部でございますけれども、政党支部へ移して、そこでなるべく使用する。したがいまして、私の事務所の者は香川県第三選挙区支部職員、こういう形で、ついでながらいろいろな社会保険もつけさせていただいて、支部職員としてやっております。もちろん公設秘書は秘書でございますが、そういう形で、なるべく政党としての活動にしたい、このような思いで、なるべくならそういう活動をしようということでやっております。
それから、第三者供与と政党支部の関係につきましては、これはもうたびたび議論されておりますから申し上げるまでもございませんけれども、政党支部も政党本部も政治資金管理団体も政治団体も、それから政治資金団体も、これはすべて第三者である、ただし実質的に判断していこう、これが我々与党案の考え方であることを再度申し上げておきます。
○尾身議員
○手塚委員
○大野(功)議員
○手塚委員
また、今回この与野党案、それぞれ出させていただいてきた中で議論をしてまいりまして、今お話ししました第三者供与の問題、あるいは先ほど来論議が続いております私設秘書を含むか含まないか、また、犯罪の構成要件から請託を外すか外さないか、こういった点が与野党の違いになって論点になっておりまして、野党として、きょうの理事会等で修正要求をさせていただきました。
冒頭私もお話をさせていただきましたが、あっせん利得処罰罪の精神というものを考えたときに、今後私どもの修正要求に対して、与党の皆さん方には、ぜひこの法案の与野党それぞれの保護法益の部分も含めて修正におこたえいただけるかどうか。恐らく、提案者の皆さん含めて清廉潔白な先生方でありましょうから、どんな法案になっても、野党の部分をたくさん受け入れていただいても痛くもかゆくもない、怖くもないというふうに思いますけれども、こうした修正要求におこたえいただけるのかどうか、御答弁いただければと思います。
○亀井(善)議員
伺いますと、先ほど理事会で野党の皆さん方から修正の項目が提示をされた、このように先ほど伺ったわけであります。それを受けて与党としてまた相談をいたさなければならないわけでありますが、先ほど申し上げましたとおり、将来にたえ得るものとして吟味をいたしたわけでございますので、これから理事の皆さんともまた相談をいたしますけれども、今のところ、私は、修正の問題につきましては慎重に考えなければならない、こう考えております。
もう一点、提案したものはベストなもの、このように承知をしております。このことをつけ加えさせていただきたいと思います。
○手塚委員
○亀井(善)議員
○手塚委員
ありがとうございました。
○自見委員長
○武山委員
先ほどからずっと皆さんの議論を聞いておりまして、やはり政治とお金にまつわる問題というのは国民が一番関心を持っておりまして、政治家は常に潔癖で自分を律していくというのが前提条件になった上での法案でなければいけないのではないかなと思います。
それで、議論の中で、公設秘書、私設秘書をどうするかというお話でしたけれども、私、全くの素人で政治家になりまして七年たつわけですけれども、政治活動をするのに政治家は、企画立案、立法をするために自分一人ではできないわけですね。政党のシンクタンクが成長しているかといいますと、それも成長していない。政策秘書もそれなりの歴史を経て成長しているかといいますと、まだ数年の経験しかない。
そういう中で、公設秘書と私設秘書の話も関連して出てくるわけですけれども、私自身の意見としましては、三人の公設秘書、枠が三人しかないわけですから、それはどの国会議員のところも苦しいと思うのですね、三人しか公設秘書がいないところで。公設と私設の役割、どんなことをしているかという非常に狭い議論も行われておりましたけれども、私の事務所からいいますと、公設も私設もかかわりなく、仕事は何でもやらなければいけないというのが今の政治の状況なんですね。
最近私、韓国へ行きましたら、韓国は六人も公設秘書が国家から予算が出ているわけですね。そしてアメリカは、下院の議員が一人二十五人ぐらい雇えるぐらいの、一億からスタッフ代が出ているわけですね。私は、日本の国会議員も、立法をするために、政治活動をするために必要な秘書さんを、今の三人ではなく、例えば十人とか十五人とか身分をきちっと保障して、そして政治活動ができるようになりましたら、これほど政治家とお金の問題、国民が政治不信を起こすほどの状態にならないと思うのですね。
ですから、その辺で、小さな議論といいますか、大きな議論といいますか、私設秘書が入る、公設秘書が入るとか言っておりますけれども、まず根本をきちっと土台づくりをしないと、ただ対症療法で終わってしまうというのは、政治主導の政治に変えようとしているこの状態に輪をかけてちっとも進まないのじゃないかと思うのです。
例えば、与党の皆さんにも野党の皆さんにもお聞きしたいと思いますけれども、各先生方の事務所、地元の事務所、国会の事務所について、お一人ずつお聞きしたいと思います。
まず一点は、自分が普通の状態で、秘書さんが何人いたら政治活動ができるか、それから、現実に皆さんのお部屋で私設秘書は何人いるか、それぞれお聞きしたいと思います。
○尾身議員
そして、その中で、そのための経費というものが、事実上、公設秘書三人の枠のほかに、いわゆる政治資金として浄財を募ったものをベースにして活動をしているわけでございまして、私ども、ここで私個人のことを何人と申し上げるのは必ずしも適切でないと思いますけれども、そういう秘書の存在を確保するためにも政治資金というものは必要である、これは政治活動をする上に必要であるというふうに考えております。
そして、その中で、いわゆる公設秘書として公的にお金をもらう金額というものが、日本という国においては諸外国と比べて極めて低いというのも実情でございまして、この点については私も武山議員と問題意識を共有しているところでございます。
○武山委員
○尾身議員
個々の、私個人の人数につきましてここで申し上げることは必ずしも適切でございませんし、必要なデータは全部、政治資金規正法に基づきまして公的な届け出をしておりまして、どなたでも見ていただくことができることになっておりますので、それをごらんになっていただいて御判断を願いたいと思います。
○武山委員
私はということを聞きたいですか。もちろんそれでしたら、皆さんから聞きますけれども、まず、私は質問者ですので、それはやはり私の方から聞かせていただきます。尾身先生、ぜひ、しつこいようですけれども、代表して尾身先生とそれから中井先生の方から聞きたいと思います。
○尾身議員
○中井議員
しかし、アメリカの下院が一億円くらいの渡し切り経費をもらって二十五人くらい秘書を雇えるというお話がございましたが、それは確かにそういう渡し切り経費でありますが、選挙区の有権者数によって、上院議員なんかは四十万ドルから九十万ドルくらいまでの幅があるんだろう。日本の場合には一律ということでありますから、必ずしもアメリカとどうこうということではないかなと思っております。
しかし、せっかくのお尋ねでございますから、私の場合には、三つの市に三つの事務所がありまして、私設秘書がそれぞれのところに一人ずつおります。また、アルバイト的に二人ほど男の方が来てくれております。したがいまして、公設三人と私設五人とで八人という形になっております。
しかし、私のところは、小選挙区で戦っている相手はこれの倍くらいおりますので、どれくらいいるんだったら、これに負けないくらいいれば選挙は勝つがな、このことはいつも思っておりますが、野党であるがゆえの資金能力というのは限度がある、ここはやせ我慢をしながらやっているところであります。
〔委員長退席、細田委員長代理着席〕
○武山委員
政治家というのは、やはり正直に現実にお話しできなかったらおかしいと思うのですよね。それが政治家だと思うのですね。自分を律していく。
私自身言わせていただきますと、正式な秘書が三人と、国会の方に私設が二人と、あと地元に三人といるわけです。それをやりくりをするのは本当に大変でございます、実際に。自分の給料も出さなきゃいけませんし、現実に政治家として人件費を最低限払わなきゃいけないわけですから、現実問題として、政治家はどこかでそれを広く薄く、私の場合はやはり浄財をいただいて、それで賄っておるわけですけれども、そのときに、裏口入学、裏口就職、それから交通違反の払い下げ、そういうものがやはり来るわけなんですね、現実に。私も実際に頼まれたことがあります。
それで、私は、政治を変えるということで政治の世界に入りましたので、一切やりませんとみんなに公言しまして、いたしません。だけれども、武山さん、だれだれさんはやっているんだよ、武山さん、それだと一票、二票減るよと現実に言われました。
現実のはざまで、私自身は、長いこと日本に住んでいなくて政治の世界に入ったものですから、そういうしがらみはないものですから、思い切って、思ったとおりやっておりますけれども、実際はやはりなかなかできないんだと思うのですね、いろいろな関係がございまして。しかし、そこの関係を解決していかないと、政治とお金というのはいつになっても解決できないんじゃないかと思うのですね。
それで、与党案はざる法と一般的に今言われているわけなんです。それは、公設秘書、私設秘書の部分の……(発言する者あり)いわゆる国民がそう思っているということで、私は代表で質問しておりますので、そう言われておるわけですね。
自民党案は私設秘書を入れない、そして野党案は私設秘書もすべて入れるということで、私設秘書の話が中心になってしまうわけですけれども、実際に仕事の内容は、先ほど河上先生からお話が出ていましたけれども、限定して、私設だからこういう仕事、公設だからこういう仕事とあると同時に、国会議員として長年政治活動をしていらっしゃる方は、秘書も育ってきていますから、そういう意味で仕事の分担ができるかと思いますけれども、なかなかそれなりの能力を兼ね備えた人を雇うということもまた大変な状況ですから、育てなきゃいけないことと、そういう雇える状況といろいろな環境があると思います。
しかし、私自身は私設も含めるべきだと思っている一人なんです。それで、私設も公設も話は全部そこの事務所の中で聞いておりますし、国会議員が何を考えているかということは、常日ごろ長く行動をともにするわけですから、わかるわけなんですね。
これは私設だから入らない、公設だから入るというその議論に対して、線はどこかということで先ほど議論しておりましたけれども、それは身分保障されている、されていないとかということである議員が議論しておりましたけれども、しかし、すべて国会議員は、自分が雇っているところの、公設であろうと私設であろうと、きちっと目配りをしなきゃいけないという責任もあるわけですから、その辺を自民党がなぜあいまいにしたのか。私設をどうしてもここに入れないその根拠が何かということをちょっとお聞きしたいと思います。尾身先生、お願いします。
〔細田委員長代理退席、委員長着席〕
○尾身議員
そういうこともございまして、いわゆる罪と罰の構成要件というものは極めて明確にしておかなければならないというふうに考えている次第でございますし、この法案の場合は、政治に関する公務員、いわゆる公職にある公務員の廉潔性を守る、そしてそれによって国民の信頼を確保しようとするものでございますので、私設秘書については対象にしない、公設秘書のみということにしたわけでございます。
それから、先ほどからさまざまな議論がございますが、本人と私設秘書の関係につきましては、実は、いわゆる雑用をやっている方で私設秘書という名刺を持っている人もおりますし、それから本人の腹心的な動きをしている人もあり、さまざまであると考えております。
したがいまして、私設秘書がその本人の判断に基づいて私設秘書本人個人としてやった場合には対象にいたしませんが、国会議員といいますか、政治家の指示を受けてやった場合には、むしろ政治家本人がやったものとしてこの法案の対象にする、こういうことでございまして、私どもが考えます政治公務員の倫理性を確保するという法益に照らして、現在の案が最善のものであるというふうに考えております。
○武山委員
○中井議員
現行、自民党の方は、昨日の答弁で、平均十人ぐらい私設秘書をお持ちだ、こういうことを言われましたが、この方々がいろいろな形で活動をされて、政治家の政治活動をお助けになっている。これはいいわけでありますが、それをもとに金銭を授受される、そのときに、その金銭を私設秘書がそのまま持っておれば、使っておれば、これは何の罪にもならない。依頼者からお金を受け取って役所の方に渡したら、これはわいろになります。
しかし、あっせん収賄ということに関しては私設秘書が対象じゃありませんから、私設秘書さんがあっせん行為をして、そして金品を受け取っても何ら罰せられない。当人が所得を届けているかどうかという税法上の罪、これだけだ。私どもは、この抜け道といいますか、ここに問題も多々ある、こう考えて、政治家と一体となって働いている秘書さん、公設、私設を問わず、罪の対象としていく、こういう立法をいたしたわけでございます。
○武山委員
そういう形で、秘書が自分のいわゆる食いぶちといいますか給料を自分で稼ぐ、そういうことを聞いたのですけれども、現実にそういう人を私も見たことがあるのです、ある事務所でそういう人がいて。
今はそういう秘書が現実にいるのでしょうか、尾身先生。
○尾身議員
○武山委員
私の持ち時間が終わってしまいましたので、あしたこの続きをさせていただきます。
○自見委員長
○大幡委員
早速質問します。
これまでの議論で、今回の与党案には、私設秘書の行為を対象から外していること、請託を犯罪の構成要件としていること、第三者供与を除外していること、また対象行為を契約と処分に限定していることから予算の箇所づけなどは問題にならない、こういう何重もの抜け道が指摘されてきました。その上に、一昨日の委員会で、この与党案の契約、処分に行政指導は入っていないという答弁がありました。
そこで、まず質問したいのは、与党案にはなぜ行政指導をあっせん行為処罰の対象から外したのか、この点です。
○大野(功)議員
それで、きちっと構成要件を決めることが一番大事である。そこで、問題は、いろいろ例を引かれましたが、処分と契約に限定した。なぜ処分と契約に限定したか。それは特別の者に対して利益を与えるような行為として特色がある、処分、契約は。そこで処分、契約に縛った。
では、処分の中に行政指導が入るのか、こういう問題でございます。
処分というのは、もう先生御存じのとおり、国なり地方公共団体が直接国民に権利義務を形成して、そしてまた権利義務の範囲を決めるという行為でございます。
行政指導というのは、もう言うまでもありません、行政機関が行政目的を実現するために、私人または他の行政機関に対して法的拘束力のない手法によって働きかける行為でございます。
このように行政指導には法的拘束力がありませんので、直接国民の権利義務を形成し、あるいはその範囲を確定することが法律上認められている行政上の処分とは異なり、特定の者に明確に利益を与えるものとまで言いがたい、そういうことから、与党案では、あっせんの対象とはいたしておりません。
○大幡委員
今理由として、特定の者の利益を図るという性格というふうに言われました。しかし、それなら、僕は行政指導を外すのは全くおかしいと思うんです。確かに法的拘束力がない。ある意味では法的拘束力がないから、それへの対応が必要だということと、行政手続法の第二条ではこう言っているのです、「特定の者に一定の作為又は不作為を求める指導、勧告、助言その他の行為」。つまり行政指導の対象もはっきり特定の者。特定の者を対象というのだったら、当然これも入れるべきなんです。
しかも、これまで我が国で起こった大事件といいますか、例えばロッキード事件もリクルート事件も行政指導によって起こった事件。いわば今日の政官財の癒着の構造の大もとにこの行政指導と金の問題があるという指摘が学界でもされています。
政治公務員の清廉潔癖性を守るということならば、この行政指導をあっせん利得行為の対象にしなければ意味がないというふうに私は考えます。この点で、野党側の見解もお聞きしたい。
○木島議員
その上で、日本の行政指導に関する研究の第一人者に、行政学、政治学の新藤宗幸立教大学教授がおられます。この教授が岩波新書で、「行政指導 官庁と業界のあいだ」、一九九二年の初版でありますが、次のように述べているくだりがありますので、これを御紹介することが最も答弁にふさわしいと思いますので、ちょっと読んでみます。
行政指導の問題点を考えるとき、政治との関連性は避けて通れない。行政指導が、日本の行政全般にわたって支配的な政策実施手段となっているとき、行政指導の発動は、官僚制の自主的判断や相手からの「お願い」によって決定されているとはかぎらない。官僚制に行政指導を行なうよう働きかける政治家集団が存在していると考えるほうが自然である。あるいはまた、業界団体ないしは個別の企業や集団が、政治家に行政指導の「仲介者」となるようにもとめ、政治資金や票との見返りに、政治家がそれらの代理人として行動することはないのだろうか。これまでにも、折にふれて述べてきたように、行政指導には明確な手続きがさだまっていないばかりか、いつ、どのように行なわれたかを追跡するのも、はなはだしく困難である。そうであるならば、なおさら、このような弊害が生じる可能性が高いといってよい。
とくに、一九八〇年代以降の自民党一党優位体制の一段の強化とともに、族議員集団・官僚制部局・利益集団の三位一体構造が強まっていった。行政指導における適法性、公平性、予測可能性のあり方しだいでは、こうした三位一体構造は、いっそう強まるともいえる。その結果、行政指導は、目先の利権を追いもとめる政治を蔓延させる温床となってしまうのである。
明確な答えがここにあると思います。
私は、政治公務員の職務の廉潔性とこれに対する国民の信頼を取り戻すために、あっせん利得収賄罪の規定の対象からこのような行政指導を除外してしまうことがどんなに法律の実効性を損なわせるものになってしまうのか、明らかだと思うんです。この法案の目的は、政治と金との関係、醜い関係を断ち切るということでありますから、行政指導を対象から除くかどうか、まさに分水嶺だと思います。
○自見委員長
○大野(功)議員
行政指導の法律的側面についてはもうお答えしましたので、繰り返しません。
私は、事実上の問題として、今世の中は歴史的に大きく変わっていく、つまり事前調整から事後監視、つまり行政のプロセスがどんどん透明になっていっている、それを我々自民党、与党は一生懸命やっている、そして行政指導の余地がもうほとんどなくなりかけている、このことを申し上げておきます。
○大幡委員
その上で、同時に、与党案の問題は、契約や処分であってもそれだけではあっせん利得罪の対象になり得ない。つまり、権限に基づく影響力の行使の立証というもう一つのハードルがあります。
この間の与党側の説明に立てば、公共事業の入札行為というのは行政処分です。この入札にどこどこの建設会社を入れろ、このように電話で言っただけではだめだ、つまり、議員の権限、発議権だとか修正動議提出権だとか表決権、質疑権、国政調査権、この権限に基づく影響力の行使がなければ罪に問われないというのがこの間の答弁だったと思うんです。
大野議員は一昨日、あっせん行為を行う公職者の立場、あっせんの際の言動、あっせんを受ける公務員の職務内容その他の事情を総合的に判断してというふうに言った。この場合の、あっせんの際の言動というのは一体何なのか。つまり、電話だけではだめだと。だとすれば、どこまでやればひっかかるのか。
それからまた、陰に陽に、あるいは明示的、黙示的に国会議員の権限を行使する、こういうふうな答弁もあったのです。これもわからなくて、黙示的に議員の権限を行使すれば、それで該当するのだったら、言動は要らなくなる。また、どこまでが明示的、どこからが黙示的というのはどこで線を引くのか、そのどこで事実認定できるのか、具体的にお答え願いたい。
○大野(功)議員
それから、間接的、黙示的の例としては、例えば、言うことを聞かないと仲間にも反対させるぞ、自分が反対するのじゃなくて、仲間にも反対させるぞというようなことがあろうかと思います。
それからもう一つ、黙示的という場合は、言うことを聞かなければわかっているだろうな、こういうケースがあるのかなと思いますけれども、それは、私が言ったのはわかりやすく言うために言っているわけでございまして、すべて事実認定の問題でございます。
○大幡委員
つまり、国会議員の権限に基づく影響力の行使ということで、これまでの与党側の答弁ではっきりしているのは、質問をやれば罪になる、逆に言えば、質問しなければ罪にならないというその可能性なんです。
私は、これで思い起こすのはリクルート事件です。あのリクルート事件、総額八十億円にも及ぶ大事件。しかし、この事件で結局捕まったのは二人の代議士、うち一人は公明党の池田さんでした。就職協定の問題で質問をやっていた。質問をやったから捕まった。その一方、大物の政治家は、莫大な資金提供を受けながら何の処罰も受けなかった。あの撚糸工連の事件でも、質問していた横手さんが逮捕された。一昨日のこの委員会でも、例えば建設大臣も歴任をした大物政治家、この大物政治家が、公共工事の指名業者に何々を加えろ、こういうふうに電話をした、しかしその電話だけでは罪にならない、こういう見解でした。
つまり、国会議員の権限の行使、権限に基づく影響力の行使、この表現では、これまでのような大物政治家の行為というのは一切何ら拘束されない、こういう事態になっているんです。
時間がないですから前に進みますが、その上に重大なことは、この重要な、「権限に基づく影響力を行使」についての解釈に与党内で違いがある。
大野議員は一昨日、一回当選であろうが十回当選であろうが、国会議員が本来持っている権限は変わらない、こう言って、その後に間接的な影響力を口にしたけれども、その影響力の中に、党内の地位は言わなかったです。
これに対して一昨日、我が党の木島議員が紹介しました公明新聞での公明党の北側政審会長はこう言っているんです。「影響力行使には、法律上の地位だけではなく、事実上の立場、党の役職など一切合財含めて持っている影響力を積極的に利用することが含まれます。例えば、私の場合、公明党の政策審議会長という党内の役職がある。この政審会長という立場の影響力を利用する、ということも含まれるわけです。ですから、決して狭い概念ではありません。」こう言っているんです。
それで、どっちが正確かということで質問をしたら、公明党の漆原さんはこう言った。党の政調会長、これは政審会長の間違いだと思うんですが、党の政調会長としての立場、いろいろあろうが、あくまで国会議員としての地位を前提にした立場、こう言ったから、大野さんと一緒かなというように思ったのですが、ところがその後に、人に影響、他の同僚議員に働きかける力の強さも考慮すると言った。これでは私は、大野さんと北側さんの中間のような見解だというように思うんですが、法案の規定の解釈が違う、広いのか狭いのかわからない。こんないいかげんなことでは刑罰にかかわる法案はつくれないと思うんです。
公明党の漆原さんに聞きたいのですが、与党の提案は、北側さんが言っている中身なのか、大野さんの見解なのか、一体どっちなのか、端的にお願いしたい。
○漆原議員
私が言ったことは北側さんの話と大野先生の話との中間のような話とおっしゃいましたが、あくまでも国会議員としての地位が前提になっているというふうに理解をしております。どちらも正しい、同じことを言っていると思います。
○大幡委員
同時に、私、もう一つ紹介したいのは、この間地方で、地方自治体が意見書を上げています。昨日までに三十自治体。この中に高知市の意見書があります。こう言っているんです。「政治家の口きき等のあっせん行為そのものは、通常の政治活動の範疇に属するものであるがその見返りとして報酬を受け取ることは、わいろと言うべきであり、決して許容」できない。これは与党側の見解と明らかに異なる広い対応なんですね。また、こうも書いている。「請託を受けてあっせんをしたことが犯罪成立の要件となっていることから、実際、密室でなされる請託そのものを証明することは極めて困難であり、その限界が指摘されている。」こう請託を要件としない法案の早期制定を求める意見書です。
この意見書を高知の市議会に提案したのは公明党です。こういう意見書が北海道、埼玉、兵庫、山口など全国にあるんです。自民党も賛成しているんです。そこでは自民党も請託を外せというふうに言っているんです。
本当に今実効力のある法案とする上で、我々は、与党案の欠陥を正して実効力あるものにしようということで修正協議を要求しています。地方レベルではそういう共同はあるんです。野党の修正の協議の申し入れに対して応ずる態度はあるのかどうか、改めてお願いしたいし、野党の皆さんにもそれに対する対応の見解をお願いしたいと思います。
○尾身議員
○玄葉議員
○大幡委員
百点満点というふうに言われましたが、党内でも納得していないんです。とりわけ国民とじかに接する地方議員の皆さんはそういう意見書を出してきているんです。私は、国民の期待にこたえる実効力あるあっせん利得の処罰法案の成立のために、与党側に修正協議に応じることを強く求めて、質問を終わります。
○漆原議員
○大幡委員
質問を終わります。
○自見委員長
○今川委員
ここ数日、連日、与野党双方の審議の中で、与党案とそれから野党案の相違点がかなりはっきりしてきたと思うのであります。また、昨日は参考人の意見聴取の中でも、特に板倉教授から、野党案に対して、さらに厳しくあってもいいのではないか、そういう御指摘まであったと思います。そこで、私は、これまでの与野党の審議を踏まえた上で、まず、与党の案に対しまして改めて尋ねてみたいと思います。
まず一つ目は、与党案にある「その権限に基づく影響力を行使して」とはどういう意味なのか、さらに、この要件をあえて入れた理由は何なのかを改めてお尋ねします。
○小池議員
「その権限に基づく影響力」とは一体何ぞやということ、そして要件を入れた理由ということで御質問になられました。
まず一点目、「その権限に基づく影響力」でございますけれども、権限に直接または間接的に由来する影響力、つまり、法令に基づきます公職者の職務権限から生ずる影響力、それだけでなく、法令に基づく職務権限の遂行に当たって当然に随伴する事実上の職務行為から生ずる影響力、これも含んでいると考えております。
また、「影響力を行使して」、御質問の後半の部分でございますけれども、これについては、公職者の権限に基づく影響力を積極的に利用すること、言いかえますと、実際に被あっせん公務員の判断を拘束する必要はないけれども、態様として、被あっせん公務員の判断に影響を与えるような形で被あっせん公務員に影響を有する権限の行使そして不行使を明示的または黙示的に示すことであるとさせていただいております。そしてまた、ではいかなる影響を与えるか、どのような行為でもってそれに当たるかということにつきましては、これまでもいろいろな具体例なども出てまいりましたけれども、それはまさに具体的な事実の認定によるものであるというふうに考えて、総合的に判断されるものというふうに考えております。
○今川委員
○小池議員
それから、具体的に、党の幹事長とか政調会長の場合はその権限はどうなんだということでございますけれども、今申し上げましたような理由から申しますと、この権限そのものには当たらないということになります。しかしながら、具体的な証拠関係に基づく事実認定の問題ではございますけれども、国会議員である政党の役員が影響力を行使して公務員に対してあっせんする場合には、政党の役員としての影響力の行使のみならず、みずからの国会議員としての権限に基づきます影響力の行使も含むのが普通といいますか、通常と考えられるわけでございます。ということで、「権限に基づく影響力」には他の国会議員に対して法案への賛否等を働きかける事実上の職務行為から生ずる影響力も含まれるということで、この権限に基づく影響力の程度の判断においては、当該議員の政党役員としての立場も考慮されるということになろうかと思います。
それから、委員長の許可をいただいて、先ほどちょっと答弁漏れがあるんです。御指摘がなかったんですが、こちらから加えさせていただきたいと思うのでございますけれども、権限に基づく影響力の行使をなぜそこにつけたのかという理由の御説明が抜け落ちておりましたので、加えさせていただきたいと存じます。
あっせんの方法を権限に基づく影響力の行使としている理由として、あっせんの方法を限定しなければ、国会議員等の身分を有する者が行政府の公務員に対して行うあっせん行為のほとんどが対象になって、処罰範囲が過度に広がるということから、政治公務員による正当な政治活動を萎縮させるおそれが