国会, 政治活動報告


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政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会

政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会
平成12年11月9日

○自見委員長

これより会議を開きます。

亀井善之君外十七名提出、公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律案及び菅直人君外十二名提出、公職にある者等による特定の者に利益を得させる目的でのあっせん行為に係る収賄等の処罰に関する法律案の両案を一括して議題といたします。

質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大野功統君。

○大野(功)委員

自由民主党の大野功統でございます。

今まで答弁席に座っておりまして、少しくもやもやとしたものがたまってまいりましたので、きょうは、野党案につきまして野党の提案者の皆様に御質問をさせていただいてすっきりさせていただきたい、このように思う次第でございます。

まずお尋ねしたい第一のポイントは、野党案の法律的性格でございます。

御議論を伺っておりますと、野党案の性格は、刑法の周辺法である、こういう御説明がございました。また、あっせん収賄罪の一類型であるような御説明かと思います。刑法の類型でございますと、やはり、そこには正義、不正義、あるいは悪、いわば殺人とか強盗とか、そういう自然犯的なものが根本にあって、そして反社会的な要素が物すごく強い、こういう面が必要かと思いますけれども、今回の法律というのは、いわば政治公務員の清潔性、これを確保するために正しい行為をやってもらう、適法な行為をやってもらう、あるいは不正なことをさせない。もちろん、不正なことをさせるということも含んでおりますけれども、それを乗り越えて、政治公務員の信頼を確保するために、正しいこともあっせんの対象になってくる。そこのところはどう考えたらいいのか。

与党案は、そこはきちっと考えておりまして、いわば自然犯に対して法定犯という考え方であります。言いかえますと、政治家の政治活動に対するルールを決めていく、こういうことでございます。ルールを決めて、実効性を確保するために処罰要件をつくっている、こういうことでございますので、そこの性格づけがどうも首をかしげておるところでございます。

さらに、もう一つ言いますと、入り口のところの構成要件がはっきりしないところが野党案にあるわけでございますが、それを追及していきますと、いや、最終的にはお金の収受の問題だ、こういう御説明もあったように理解しております。お金の収受といいますと、これは政治資金規正法の世界でございます。そうすると、お尋ね申し上げたいのは、一体刑法の親類なのか、それとも政治資金規正法の親類なのか、あるいは両生動物なのか、そのあたりがよくわからない。

さらに私は、これは杞憂で終わるといいんでありますが、野党案でございますと、政治資金規正法の方は、政治資金の流れを透明化しよう、これが保護法益でございますけれども、もし、お金をもらったことが問題だとすれば政治資金規正法の世界から端緒をつかんでいく、こんなばかなことは運用上あり得ないことだとは思いますけれども、政治資金規正法の世界、政治献金のところから端緒をつかんでいく、つまり、お金の裏にはあっせんありみたいな考え方になりますと、これはもう大変危険なことになっていくわけでございます。

どういうふうな性格づけをなさるのか、そこに危険性はないのか、このことをまずお尋ねしたいと思います。

○玄葉議員

刑法にお詳しい大野先生の御指摘でございますけれども、まず、今回の罪は法定犯なので刑法の概念になじまないのではないか、こういう指摘だと思います。

御案内のとおり、わいろ罪もしかしながら刑法に入っているわけであります。この特定の者の利益を図るためにあっせん行為をして対価を得るということについて、もちろん例えば殺人みたいな行為と同等だとは申し上げませんけれども、私たちは、これはこれで反社会性の強いものではないか、そう考えておりますので、刑法の概念になじまないということにはならないのではないかというふうに考えております。

また、政治資金規正法の御指摘がございましたけれども、政治資金規正法というのは、結局その立法の趣旨というのは、政治資金の透明性ということが第一なんだろう。我々は、結局、金の流れということもさることながら、その金の中身というか、色はついているのかついていないのかという問題はありますけれども、どういうお金なんだ、金の趣旨といいますか、そういうものに着目をしています。そういう意味では、政治資金規正法とは立法趣旨を異にするということを申し上げたいと思います。

また、金の流れを逆に不透明にしてしまうのではないか、こういう御指摘もありましたけれども、私たちとしては、もともと、政治資金規正法は、公明正大な政治活動を行い、適正な政治資金集めをしていれば隠す必要というのは全くないので、そういう意味では、御指摘のような危惧は必要ないのではないか、そう考えております。

○大野(功)委員

私がお尋ねしたのは、政治資金規正法上届け出のある政治団体、これは第三者でございます。第三者に入っても、このお金は野党案では処罰の対象になる可能性のあるお金でございます。したがいまして、入り口のところで犯罪構成要件がはっきりしない、処罰対象がはっきりしないということになると、端緒が逆に政治資金の方から、あ、このぐらいのお金が入っているな、この裏には何かあるんじゃないか、こういう運用をされると大変だな、こういう問題でございます。これは運用の問題で、こういう疑問が出てくるということだけ御指摘申し上げておきます。

○中井議員

大野先生のいろいろとお考えいただいた御質問ですが、請託といいますかそういう形であっせんをやって、それで対価としてわいろを取る。もし私どもの法案が成立をいたしましたら、まさかそういったことをやった人が政治資金の中へそれを堂々と載せるとは僕は思いません。

逆に言えば、政治資金としてそういうものを受け入れない、また金を取らない、こういう空気がきちっと広まっていくんだ、このように考えておりまして、政治資金の面で国民から後ろ指を指されるようなことがますますなくなる、このように考えているところであります。あえて私どもが、この政治資金の点、あるいは政党の支部を、第三者ということで当然入れるんだとやってまいりましたのも、先生の御指摘の点があって、逆にブレーキになるんだ、こんな思いで法案の中に入れたところであります。

○大野(功)委員

中井先生からただいま、そういうことがあると逆に政治資金規正法上の届け出をしなくなるよと。そこがまた恐ろしいんであります。そのことも先ほど申し上げましたが、時間の関係で、第一番目は法律的性格が明快でない、このことを申し上げておきたいと思います。

それから、二番目の問題として、構成要件の問題がございます。

この点につきましては随分と議論をしてまいりました。そこで、若干私、まだ腑に落ちないところだけ申し上げたいと思うんでありますけれども、第一は、私設秘書でございます。

与党案は、身分犯としてきちっと、政治公務員、公設秘書、これを対象にしておりますが、私設秘書を入れますと、御答弁の中にもありましたけれども、私設秘書でも単純な労働をしている秘書とそれから複雑というかその他の仕事をしている秘書と二通りに分けるような話もありまして、秘書というのはそういうものかな、単純と複雑と両方やっているような気もするわけでございます。

ここが大変危ないなと思うんでありますが、問題は、私設秘書処罰規定を置きますと、仮に政治家とそれから私設秘書が情意を通じてあっせん行為をやったような場合、私設秘書だけ処罰対象になりますので、私設秘書だけ処罰をしてそれでもう事足れり、いわばトカゲのしっぽ切りのような現象が、まさか起こらないと思いますけれども、起こる可能性があるなというところが心配でございます。与党案のように、情を通じていれば必ず政治家本人もそれから私設秘書の方も共同正犯として罰せられるという方がいいのじゃないか、私はこのように思います。

それから、時間の関係で二つ一緒に御答弁いただければと思うんですが、「特定の者に利益を得させる目的」と書いてございます。これは、「特定の者に」というところがまた明快じゃないんですけれども、「利益を得させる目的」と書いた途端に、これは意図がなければならない、内心の問題がなければならない。そうすると、挙証責任が大変だなという問題と、それから、犯意のないところには犯罪なしということが原則的にありますけれども、そうなってくると、もし、犯意がないんだ、そういう目的は持っていませんでしたというふうなことになると処罰できない、ざる法になってしまうんじゃないか、こういう気がいたしております。

この二点についてお願いします。

○辻元議員

この私設秘書の問題ですが、先日からもこの私設秘書については、私たちの定義では、「公職にある者に使用される者で当該公職にある者の政治活動を補佐するもの」であるというふうに申し上げてまいりました。ですから、この私設秘書の範囲があいまいであるという意味は、定義があいまいなのではなく、あいまいな使用をしている議員の側に問題があるんじゃないですか。

要するに、御自身が今御指摘のあいまいであるというような私設秘書の使い方をされていたとしたら、そのようなあいまいな使い方を改めるべきであって、定義をあいまいにしているのは議員じゃないでしょうか、そのように思います。

さて、そういう中で、トカゲのしっぽ切りの話が出ましたけれども、共同正犯として処罰できる場合であっても秘書がやったことにして、私設秘書のみが処罰されてトカゲのしっぽ切りになるんじゃないか。これは野党案においても、議員と秘書とが意思を通じて行った場合には両者を共同正犯として処罰できることになっております。ですから、トカゲのしっぽ切りになるという御指摘は当たらないと思います。

むしろ与党案の方が、私設秘書を犯罪主体としていないので、私設秘書も罪をかぶりやすく、こちらの方がトカゲのしっぽ切りになるのではないかと思うんです。過去の事例を見ていても、与党案を適用した場合は、全部秘書に罪をかぶせてしっぽ切りをしてきたという事例が多いのではないかと思います。

特定の者に対するものは、木島さんが走ってきますので、引き続きお答えさせていただきたいと思います。

○木島議員

答弁する前に、先ほど質問者からは、法律上の性格について与党案と野党案は違うのだ、野党案は刑法のわいろ罪の延長線上にあるのだ、与党案は行政罰として政治資金規正法の延長線上にあるのだ、そういう趣旨でしょうか。行政罰とおっしゃいましたが。

それはもう全然そうじゃない、与党案と野党案全部精査しても、与党案も行政罰じゃないです、これは。あっせんしたことにつき、「その報酬として財産上の利益を収受したとき」と、明らかに与党案も刑法のわいろ罪の延長線上にある。少なくとも、あっせん収賄罪によって広がったわいろ罪の概念の延長線上にあることは刑事法学上明々白々だということをまず冒頭述べておいた上で、特定の者に利益を得させる目的があいまいじゃないかと再三御指摘でありますので、御答弁いたします。

再三言っておりますように、「特定の者に利益を得させる目的」というのは、国民や地域住民全体といった不特定の者に利益を図るためではない、それは排除する。ある特定の個人や団体、法人の利益を図るためあっせんを行うことを言うのであって、刑法上、構成要件は明々白々であり、全くあいまいな概念ではありません。

なお、本罪は目的犯であります。御存じのとおりであります。特定の者に利益を得させる目的であることの認識や認容がなければ、それは当然目的がないというわけでありますから、本罪は成立しないことは当然であります。

これは目的犯ですから、内心の問題でありますが、それは、現行刑法上も、例えば背任罪など目的犯としている犯罪はたくさんあるわけでありまして、なかなか立証はそう容易ではないことは私どもも承知をしております。しかし、実務上それぞれの犯罪における目的の立証がなされているわけです。

しかし、これは全く主観的要素だと言われますが、単純に主観的なものじゃなくて、これまで私どもが答弁しておりますように、その目的を立証するためにどうすればいいのか、具体的にどのような場合にこのような目的があるのかは、まずそのあっせん行為によってだれがどんな利益を得るのか、これは主観じゃありません、客観的な事実。また、利益供与者と受益者との関係、これも主観じゃありません、客観的な事実です。それから、利益供与者以外の受益者の立場など、これも客観的な事実です。そういう客観的な事実を総合して当然そういう目的があるかどうかは判定できるわけでありまして、立証が困難だというような御指摘は当たらないものと考えております。

○大野(功)委員

法の性格のところは、刑法とそれから政治資金法とで、世界にも類を見ない、政治家の信頼を確立するための、政治活動の清廉潔白性を確保するための特別な法律だ、私はこのように思っております。したがいまして、法定犯という考え方で先ほど申し上げたつもりであります。

時間がないので、非常にまだすっきりいたしておらないのでございますけれども、その反論はいたしません。いたしませんが、最後の一問、これは、新しい時代の政治家の役割と、それから今回の法律の問題でございます。

野党案のような構成要件がはっきりしていない法律でございますと、処罰対象が不明確な法律でございますと、これを全部適用しますと処罰万能主義になってしまう、そして、政治の自由、政治活動の自由というものを全く阻害してしまう。では、そういう考えじゃなくて、適当にやろうということになりますと、守られない法律になってしまう。それは見つかり損の不公平な法律でもあるし、解釈によって、警察権、検察権の乱用を招く法律でもある。あるいは、政敵追い落としに使える法律になってしまう。

こういうことでありますので、私は、やはり政治活動の自由、それから政治資金の透明性、もう一つは、政治家の政治改革への努力、こういうものが全部相携えて、この法律だけで世の中変わるものではありません、いろいろな面から、よりよき二十一世紀の政治をつくっていかなきゃいけない、このように思っているものでございます。

そこでお尋ねしたいのは、変化とスピードの二十一世紀は、やはり政治主導なんです。政治主導のときは、政治家が自由濶達に活動できなきゃいけない。政治活動の自由を余り抑えるようなことになると、かえってこの法律が、その効果よりも弊害の方が大きくなってしまう。そこで、このバランスを十分に考えていかなきゃいけない、それが我が与党の法律であるということを申し上げて、あと一分ございますので、一分で御回答、コメントをいただければと思います。

○中井議員

大野先生の思いは、私も同感であります。そういう、世界でも類を見ないハイレベルな倫理の世界へ日本の政治を導入していくためには、ありとあらゆる政治活動をやって、これからもお互い頑張るわけですが、その対価としてわいろを受け取らない、お金を受け取らない、これをやはり超党派の国会議員あるいは政治家全体の合意として国民に示すべきだと私どもは考えております。

そういった意味で、せっかくあそこまでおっしゃっていただいたわけでありますから、すっきりと私どもの案に御賛同いただきますことをお願いいたします。

○大野(功)委員

政治活動につきましては、民主主義のコストと言われる部分があります。その民主主義のコストを浄財によって支えていかなきゃいけない、その面を忘れてはならないと思います。

ぜひとも与党案に御賛同いただきますようお願い申し上げまして、質問を終わります。

○自見委員長

山本有二君。

○山本(有)委員

木島先生にお尋ねいたしたいと思います。

通信傍受法案がいよいよ施行されました。かつて、神奈川県警で、緒方宅盗聴事件という事案がございましたが、この事件をめぐりまして、これはいわゆる警察におけるたまたま行き過ぎた捜査官がいたためこうなった事例なのか、あるいは、警察という組織に内在する体質から出た事件なのか、お答えいただきたいと思います。

○木島議員

この法案審査にどういう関係があるのかよくわかりませんが、御質問ですからお答えいたします。

私どもは、あの事件は組織的な犯罪だと考えておりますし、そのように認定をした裁判所の判決もございます。

○山本(有)委員

平成十一年五月二十一日、通信傍受法案の質疑の中で、木島委員は「この法案ができれば、通信傍受によって重大な事実を捜査官が知ることになる。さっき、メモのことやいろいろな消去のことを聞きました。頭の中には絶対残る。それがどう使われようと、その警察官は犯罪にはならぬのですね、この条文からいうと。」というようなことがありまして、「そんなものが、どんな理屈をつけようと、私は、憲法の通信の秘密、基本的な幸福追求権に反することは明らか、三十五条の規定に反することは明らかだと言わざるを得ない」、そういうくだりがあるわけでございます。

全体のトーンとして、木島先生は、警察に内在しているいわば反共的体質がある、だから通信傍受はだめだ、こう言われるくだりがあったわけでございます。私は、それをかりますと、我々議員のいわば身をきれいにするということを警察に頼むということがいかに矛盾をしているのか。御党における今までの論議の展開からすると、我々の浄化を警察や司法に頼むこと自体が、今までの御党の体質からすると全く論外であるというような気がしてなりません。

ただ、三権分立という、ルソー、ホッブズの時代から、社会契約論に始まり、すばらしい民主主義の根本理念については、我々が本当に大事にしていかなきゃならぬ人類の所産でございます。

実際、憲法も五十条に不逮捕特権というものを掲げておりまして、いわばこれは、立法権が違法に司法警察権から介入を受けないようにするということを明らかにした条文でございます。それからしますと、我々議員の自律、自浄というものについては、ほかの三権、すなわち司法裁判所あるいは司法警察権、こういったものから隔絶して、自分みずからで律していくということが大原則でございます。ならば、我々はハウスの中に、すなわち衆議院ならば衆議院、参議院ならば参議院、そこに自浄、自律の刑法なり刑事法に当てはまった法律をつくるということはわかるわけでございますが、これを検察や警察にお願いします的な本法案については、問題性が大いにあるということをまず指摘するわけでございます。

もう一つ言わなければなりませんことは、令状主義がございます。

確かに、基本的人権を守るために憲法は令状主義をとっております。したがいまして、我々の身柄は裁判所が発付する令状によらなければ拘束されません。しかしながら、この令状に掲げる被疑事実については疎明があれば足りるわけでございます。証拠能力あるいは証明能力がある、きちっとした法廷における、当事者主義における、刑事訴訟法における事実を明らかにしなくても、逮捕あるいは捜索・差し押さえが可能であるわけでございます。

そうしますと、いたずらにあいまいな法律をつくって、捜索・差し押さえあるいは逮捕されたとするならば、我々は選挙で選ばれるわけでございまして、選挙のときに直前に捜索・差し押さえあるいは逮捕という事実があった場合に、果たしてその場合、選挙の結果に影響されないかどうか。すなわち、我々は、安易にこの法律をつくることによりまして、選挙の当落にまで響いてくる可能性を秘めた法律であるということを指摘せざるを得ないわけでございます。

さらにもう一つ、木島先生にお伺いさせていただきたいことがございます。

我々のこの議院内閣制というものは、議員の中から内閣が構成されるわけでございます。その場合に、例えば裁判官におきましても、この裁判官はだれが任命するかというと、最高裁判所の裁判官でもこれは内閣で任命します、憲法七十九条。八十条で下級裁判所でも内閣でこれを任命いたします。また、検察官も法務大臣が任命いたします。特捜検事といえどもそうでございます。そして、さらに警察におきましては、各県警本部長あるいは、これは国家公安委員会、県公安委員会等でございます。いわば、政治家の影響にもし任命がゆだねられたというときに、この法律があることが果たして我々の与党、野党の議会政治、政党政治、多数をとるということの選挙における影響ありやなしやということの問題とこの法律との関係について、先生は緊張感を持ってこの法律をつくっておられるかどうか、その点をお伺いいたします。

○木島議員

私と同じ法律家である山本委員が、通信傍受法とこの政治公務員のあっせん利得収賄罪をどのような形でつくり出すかの問題をごちゃごちゃにして論じるという余りの論理の飛躍に、私は驚き入るばかりでございます。

私どもは、私個人も、通信傍受法につきましては、国民個人のプライバシーを警察が盗み聞いていいのか、通信の秘密の問題、憲法上の問題として問題点を指摘して反対をし、今も廃止を願っております。しかし、通信傍受法については、その問題で四野党、同じではありません。私は今、このあっせん利得収賄罪の四野党の共同提案者の一人として答弁しているわけでありますので、そこのところは御理解いただきたいと思います。

警察、検察をどう見るか、あるいは刑事法の運用はどうあるべきか、当然であります。基本的人権の尊重、罪刑法定主義という大原則から、刑事罰をつくるときには構成要件は明確でなくてはならない、当然であります。そういう立場から、野党案こそあらゆる一つ一つの言葉は法律上明確な概念を使っていると確信をしております。むしろ与党案の方が、その政治家の「権限に基づく影響力を行使して」と非常にあいまいなのですね。むしろ与党案の方が不明確ではないかと思います。

また、運用におきましても、当然……(山本(有)委員「問いに対して答えていないから、いいです」と呼ぶ)答えていますよ、これから答えますよ。運用につきましても、刑事法規の解釈、運用は厳格でなければならない、当然であります。また、そのほかの一つ一つの運用についても、刑事被疑者、刑事被告人の基本的人権がしっかり守られなければならないことは当然であります。

しかし、その問題と、政治公務員が口ききをしてわいろや不法な財産上の利得をすることをどう処罰するのかということとは、全く関係のない問題であります。

○山本(有)委員

まず、あっせんという言葉を使いながら請託要件を外してしまったという刑法の常識外のこの論理展開。さらには、私設秘書という、論理あいまいな、概念上幾らでもあるような、右から左まで範囲の広いものを処罰しようとするその考え方。そして、権限に基づく影響力の行使という、与党案にはしっかりした構成要件があるにかかわらず、これを外したこと。さらに、我々は契約と行政処分というように限ったところでございますが、単なる職務上の行為と、何の行為やらわからぬというようなあいまいさ。さらに、わいろという、財産上の利益よりもはるかに広い概念を使ったこと。こういったことから、非常に後で私は歴史的に後悔するような法案であるというように思っておるわけでございます。

憲法二十一条は、表現の自由をうたっております。この表現の自由というのは、ほかの自由権に比べてダブルスタンダード、すなわち、単なる規制ではだめ、より厳格な規制を加えなければ制限してはならない、こういうのが常識になっておるわけでございます。

なぜそういうように厳格な要件を課すのか。それは、精神的自由というのは、まさに我が国が民主主義、すなわち自由な思想を許すがゆえに精神的自由を確保しなければならない。すなわち、なぜ思想を自由にするのか。それは、国民が投票を自由にしなければならぬ。投票を自由にすることによって初めて民主主義が実現するというわけでございます。すなわち、そこに我々は、投票に対して何らか影響力あるものに対しては神経質になり、そしてちゅうちょもし、逡巡もし、そして、もしやむを得ざるときには極めて厳格な要件を課して規制をする、こういうような態度が必要であるわけでございます。

我々政治公務員というのは、必ず任期がございます。永遠に、採用されればこれで何十年もこの地位にあるということではありません。すなわち、選挙というもので我々は選ばれるわけでございます。そのときの資料、すなわち、それは灰色であれば我々は落ちるという宿命を持っております。この宿命が原則でございます。にもかかわらず、灰色であるかどうかわからないあいまいなものを残しながら、灰色のところは司法警察にゆだねよう、こういうことは、民主主義の三権分立の大原則、さらに二十一条が精神的自由については極めて厳格に要請をしているという理念、そういったものからすると、非常に私は野党案は問題が多い法案であると思います。

これを私は、マスコミ、すなわち特に週刊誌、週刊誌というのは、売らんかな、販売せんかな、そして印刷を安く上げるというような経済のメカニズムでできた産業の一つでございます。この産業の一つの週刊誌が、とにかくマスコミに有名な政治家を披瀝して、それで週刊誌を売ろう、こういうわけでございますが、まるでその週刊誌に出た人を捕まえたらそれが正義だと言わんばかりの法律になっていることに、私は、情けない限りの思いがするわけでございます。

野党の皆さんに猛省をお願い申し上げまして、私の質問とさせていただきます。どうもありがとうございました。

○自見委員長

遠藤和良君。

○遠藤(和)委員

私は、三回目の質問でございますけれども、重ねて、くどいようですけれども、野党の提案者に目的規定について伺いたいと思います。

「特定の者に利益を得させる目的」を持ってということですけれども、これは心の中の問題なんですね。これをどう立証するかというのは大変難しいと思うんですね。私たちの政治家の活動の中で、自分自身は本当に自分の政治的信念に従って善意で政治行動を行った、その結果特定の者が利益になるような法律をつくることになった、あるいは特定の者が利益を得るような予算づけになった、こういうことはよくあるわけですね。にもかかわらず、たまたま政治献金をいただいたことがあって、それとひっかけられて、そういう特定の者を利する目的を持って政治活動を行って、その対価として報酬を受けていたのではないか、こういうふうに邪推をされて起訴される、こういうことが起こってくる可能性がありますね、この法律で。

そこを心配するわけでございまして、その場合に、特定の目的を持っていたのではないか、こう結論づける客観的な条件がきちっと示せるのかどうか。あるいは逆に、そういう邪推をされて起訴された場合に、いや、特定の目的はありませんでしたとこれを立証するのはもっと難しい話ではないかな、こう思うんですけれども、そういうふうなことになる可能性が十分あるわけですが、それはどのように提案者は理解しておりますか。

○木島議員

質問者が、野党案の「特定の者に利益を得させる目的で」という目的犯にしたことが立証が難しいからという御指摘で、もっと緩めたのがいいんじゃないかという立場で御質問されているのか、逆に、一般政治資金規正法上の届け出からいろいろ探られて、野党案が非常に広過ぎるから心配じゃないか、もっと絞れという立場から御質問されているのか、質問者の基本的なスタンスが見えてこないので答弁もしにくいわけでありますが、まず一つ、目的犯にしたことについて、構成要件は明確だと考えております。

そして、先日当委員会に野党からお呼びをいたしました日本大学教授の板倉宏参考人、これは日本の刑法学界の重鎮の方でありますが、この方が我が野党案に対してどういう論評をされたかといいますと、基本的には野党案の方が賛成だという立場に立った上で、こういう言葉を述べております。「野党案では「特定の者に利益を得させる目的」と、目的という主観的要件を構成要件にしております。目的という主観的要件の立証というのは結構難しい問題があるわけです。刑法の背任罪でも、第三者図利目的というのが背任罪の要件になっております。」非常に立証は難しいから、もっと立証しやすくするように言葉をかえてもいいんじゃないか。板倉教授は、特定の者に利益を得させる目的という言葉じゃなくて、特定の者に利益を得させるためにとかいう言葉を使ってもっと野党案を緩めた方がいいんじゃないか、そういう大変貴重な意見まで承っているわけであります。今そういう立場で質問者が野党案を見ているのなら、大変結構なありがたいことだと考えております。

次に、逆の立場、いや、立証は難しい、だからあいまいになるんじゃないかということに対しては、再三私この場で答弁しておりますように、確かにこれは主観的要素であります、刑事法学上。主観的要素でありますが、その認定に当たりましては客観的な事実の積み重ねで当然認定できるわけです。それは、当該あっせん行為によってどのような特定の個人や団体がどのような利益を得るのか、そういう事実認定の問題、利益供与者、わいろ提供者と受益者とが同一なのか違うのか、そういう関係、それから利益供与者以外の受益者の立場。それらはすべて客観的な事実ですよ。それらの客観的事実を見れば、特定の個人や特定の団体に利益を得させる目的であっせん行為をしたのかどうなのか当然明確に認定できるものであります。

認定の問題でありますが、構成要件そのものはもうこれ以上ないほど明確なものであります。だからこそ、刑法学者である板倉参考人が何らこのこと自体は問題ないということで陳述をされたのだと思います。

○遠藤(和)委員

客観的な条件を並べても、最終的には推定するしかないんだよね、心の中の問題だから。そういうふうなこと自体が、明確な罪刑法定主義、そして特に刑事罰を科す法律ですから、その法律の構成要件としては非常になじまないものではないか、私はこう考えるわけですね。

この法律を施行するとなると、結局、政治献金はもらわない方がいいよ、あるいは遠慮した方がいいよという話になるんですね。そうすると、これは善意の政治献金も遠慮すべきだという議論になってしまいますね。そうすると政治活動が萎縮しちゃう。あるいは、この法律の論理立てそのものがやはり性悪説に立っているのではないか、こう思うんですね。すると、善意の人を排斥する法律になってしまわないか、こう思うんですけれども、与党の提案者は私と同じような意見を持ちますか、どうですか。

○尾身議員

先生の御意見を、全く卓見であると感服して聞いております。

○遠藤(和)委員

重ねて与党の提案者に聞きますけれども、やはり罪刑法定主義、そして特に刑事罰を科す法律の構成要件というのは明確でなければいけないと思います。

それから、法律というものは一回つくっちゃうとひとり歩きをするわけですから、法律の構成要件の解釈、それを刑事当局にゆだねて勝手な解釈が横行する、こういうものではいけないものだと思うんですね。そういう意味では、やはり最初から構成要件を明確にして、あるいは政治家の職務の範囲もある程度限定をしてスタートする。しかも、構成要件というのは心の中の問題ではなくて客観的な事実だと。そういう意味では、特定の者を特定するという意味において、請託があったかないかということをきちっと明確にその構成要件に入れたということの方がさらに客観的な刑事罰を科す構成要件としてはすぐれている。そしてまた、政治活動を、広く全面ではなくて、契約とかあるいは処分というものに限定をする。ここにそういう腐敗を生む土壌があるわけですから、そこをきちっと入り口から締めていく、こうした与党案の方が、乱用を防ぐ、善良な政治家、善良な市民というものが法律によって冤罪を着せられる心配がないというふうに私は思うんですけれども、いかがでしょう。

○久保議員

先ほど尾身先生お答えになりましたけれども、私も先ほど来、遠藤委員の意見はまさにそのとおりだというふうに思っております。

その上で、まさに野党案は性悪説に立っているんじゃないかというお話が先ほどございましたけれども、我々はそうではなくて、だからこそ構成要件というものを明確にしよう、こういうことをやった場合はだめなんですよということをきっちりとまず定めよう、それ以外のところはフリーなんだよ、こういうことでないといかぬ、そのように考えた次第であります。

委員御指摘のとおり、刑事法においては、罪刑法定主義の観点からも構成要件の明確性が何よりも重視されるところでありますし、我々のこの法案は、政治公務員が行う政治活動と密接な関係があるあっせん行為により利得を得ることを処罰しようとするところであります。したがって、特に処罰の対象となる構成要件を明確に規定する必要がありますし、罪の対象となるあっせん行為による利得自体を明らかにするとともに、政治公務員の通常の政治活動の展開、政治資金規正法に基づいて行われる浄財の確保や行政権の行使の適否に関する調査など、民主主義社会において保障されている政治活動の自由が不当に妨げられることのないように細心の注意を払って作成したところでございまして、私どもの法案こそ最高のものだというふうに認識をしております。よろしくお願いをいたします。

○遠藤(和)委員

質疑時間が終了いたしましたので終わります。ありがとうございました。

○自見委員長

小池百合子君。

○小池委員

保守党の小池百合子でございます。今度は質問者となってお伺いをさせていただきたいと存じます。

せんだっての参考人質疑のときでございますが、これまでこの質疑の中で、審議の中で、一切というかほとんど触れられていなかったことがございます。そこを参考人が指摘されたわけでございますが、与党案でいうならば第四条の利益供与罪、そして野党案ですと第三条の贈賄というところでございます。

そもそも、あっせんということは、まず頼まれて、請託を受けなければならないというのが基本的な部分としての違いがあるわけでございますが、では頼んでくる方はどうなのか。そもそものところが、これはむしろ文化論になるわけでございますけれども、政治家にお願いをするとこれまでいいことがあったというような積み重ねが実は日本の、単に政治家のみならず、いわゆるコネ社会と申しましょうかコネ文化というのは、単に政界のみならず、ありとあらゆるところにはびこってきたということが言えるかと思います。それが形を変えて贈答文化といったこともございます。そのあたりの明確性ということが今求められているということでは共通の認識があるものと考えているわけでございます。

つまり、有権者の意識、このあたりも変えていく必要があるのではないか。そもそも依頼を受けるからこそ、またそれでもって政治家がいろいろな活動をする。それがちゃんと国民の全体にとっての利益になる政策を立案する際にプラスになるものと、それから全く個人的なサービスというような部分につながるものと両方あろうかと思うのですね。我々政治家というのはその両方を日常的にいろいろな形で受け、そしてそれを政策立案全体につなげるだけだとよろしいのでございますけれども、まだまだそういう有権者の方の文化が根強く残っていては、これを断ち切るというのはなかなか政治家の側から言いにくいものでございます。

そういった意味で、今回この法律が成立いたしますならば、まず有権者の意識を変えるという運動も、これは与野党ともに共同して訴えていくということも必要ではないかというふうに思うのでございますけれども、野党提案者の御意見を伺わせていただきたいと存じます。

○中井議員

ここ数年間、日本新党、新進党、自由党、保守党と、さわやかに、たくましく政治改革を訴え続けて頑張ってこられました小池先生のお言葉、そのとおりだと思っております。

時間をとるつもりはありませんが、私の郷里で過日こういう事件がございました。幾つかの夏祭りに何人かの市会議員が招かれて行ったところ、少しお祝いを届けた。ところが、行った議員の中でお祝いを届けた人と届けない人、渡さない人がおった。ところがそれがその地区の自治会報に載っちゃったのですね。大問題になって、議会の中での、こういうことは一切贈らないという決議がありますと同時に、自治会連合会が、一切こういうのは受け取らない、お呼びをしても受け取らないんだという決議もしてくれました。

やはり両方なかったらなかなか、頼むときに物を持っていかないのはおかしいじゃないかという、アジア的なといいますか日本的な贈答文化の中で私どもは苦労してきました。しかし、そういうのをおいおいと抜け出して、私ども国会議員が会合に出ても物を持っていかないということを含めて、みんな歯を食いしばって頑張っているわけであります。

今回のこの法律は、もう一段レベルの高いといいますかもう一段深く突っ込んだ法律で、なかなか難しいところがありますが、私どもはこれを通過させ、そしてみんなでこれを守っていく、そのことによって政治浄化、国民の政治に対する信頼、こういったものを取り戻していきたいと考えています。

○小池委員

まさに原因があるから結果があるということでございまして、その原因の部分、それは今申し上げましたある意味では日本の美徳というふうに考えられた部分ではございますけれども、それが政治とかかわってくることによって結果として政治家が重い罪を負わざるを得なくなるというようなことでは、与党案の方で常々申し上げている、つまりは本来の政治活動まで萎縮させてしまうということになってはこれは本末転倒であるということをお訴えもさせていただいたわけでございます。

また一方で、今回は地方議員の方々も政治公務員の類型の中に入るわけでございますから、より市民に身近な地方議員もより厳しい倫理が求められるわけでございます。これは、公職追放と申しましょうか、被選挙権、選挙権を失うであるとか非常に厳しいものでございまして、単なる倫理だけにはとどまらない。

それだけに、地方議員のみならず、先ほどのお祭りのお話もございました、住民の身近なところでそういった事実があるならばともかく、それが捏造されたりして、例えば相手側の方が何やらそういうことで罪をつくってしまうようなうわさを流すとか、この辺は、この法律が保護法益を守るために実際にうまく機能すればよろしいのでございますけれども、逆にそういったことで非常にまた政治活動そのものを萎縮させる。もちろん政治家の側から透明性を持たすさまざまな公開ということも必要でございましょうけれども、そういった形での混乱も起きるのではないかと心配するわけでございます。

これは与野党案の内容を問いません。こういったことに対する不安と申しましょうか、もちろん対価をもらわなければそれだけのことでございますけれども、そういったことも往々にして起こる。また、ひいきの引き倒しということで、本人側はそのつもりはなくともそういった形にはまり込んでしまうということも結果的に起こることも考えられる。いろいろな場合を想定してこの法律をつくっていかなければならないと思うわけでございますが、この点いかがでしょうか。

○中井議員

連座制の強化の法改正のときにもかなりそういった議論がなされ、心配についてそれぞれ議論があったわけでございます。今回の質疑を通じましても、与党側の皆さんから、司法当局が邪推でやるんじゃないかとか、あるいは密告で冤罪を着せられるのじゃないかといった、司法当局を信頼なさらない質問が相続いておりますが、私は、過去の例を見ても、日本においては、そういった冤罪だとかあるいは敵陣営のつくり上げた偽証だとか、そういったことで罪をかぶった政治家というのはいまだ聞いたことがありません。そういった意味で司法当局を含めて信頼をいたしている、このようにお答えを申し上げておきます。

○小池委員

時間が参りました。質問は終わらせていただきますが、当初入札干渉罪ということで出発した私どもの案が今こうやってようやくゴールにたどり着こうといたしております。いずれにいたしましても、この保護法益というものを実現するために、いい法律、そしてその運用をしていくこと、これは与野党を通じてともに歩みを進めていきたいというふうに考えております。

どうもありがとうございました。

○自見委員長

山花郁夫君。

○山花委員

民主党の山花郁夫でございます。

この野党案を取りまとめるに当たりまして、私もちょっと末席の方で参加させていただきましたので、今回の法案には少し思いがあるわけでございますが、この法案の審議が始まってから、与党の皆さんの方から、今回の野党案というのは、与党案を見てその後慌ててつくり直したのではないかとか、あるいは、民主党も政治家と金というところでは問題があったのではないかというような御指摘がございました。この点について少しお話をさせていただきたいと思うのです。

総選挙が終わりました後、確かに私たちの党に所属しておりました元代議士が刑事事件で逮捕されて、大変国民の皆様の不信を買ったということは、謙虚に受けとめなければいけないと思っております。そして、我が党もこうした前議員に対しては、離党届というものが出されておりましたが、除籍という処分をいたしまして、また、本人の議員辞職に先立って、党といたしまして辞職の勧告をする。こういうことをやっていく中で、私たち民主党も、やはり政治家とお金の問題に関してはしっかりと襟を正していかなければいけない、そういった思いで、以前出しておりました野党案についても再検討を加えようではないか、こういう経緯があり、また、そうした中でほかの野党の皆さん、自由党の皆さん、共産党の皆さん、社民党の皆さんにも大変御尽力をいただいて、こういった法案ができ上がってきたわけであります。

ところで、今回の野党案に対して、与党の皆さんの側から、先ほども大野委員であるとかあるいは山本委員からも御指摘がございましたが、野党案は政治活動の自由というものを非常に侵すではないか、あるいは侵す危険があるというような御指摘がございます。

ところで、与党案の方の構成要件に関するところで、「その権限に基づく影響力を行使」ということについて、私及びほかの委員の方も質問をされておりましたが、権限ということの意味について、国会議員を例にとれば、議案の発議権であるとか質疑に際しての動議提出権であるとか、あるいは国政調査権の発動を背景とする活動、さらには法令に基づく権限に随伴する行為であるという御説明があったわけでありますけれども、政治活動の自由を妨げるではないかという議論と権限ということとの関係についてお伺いしたいのです。

端的に申しますれば、今回問題となっているあっせん行為というものは政治活動の自由であるというふうに理解できるわけでありますが、そうであるとすると、あっせん行為というものは、議案の提出権であるとかこういった議員の本来的な権限と並ぶ職務行為そのものであるという御認識なのでしょうか。与党案の提出者の方にお伺いいたします。

〔委員長退席、鈴木(宗)委員長代理着席〕

○尾身議員

私ども、この法案を検討するに際しまして、政治活動における倫理性あるいは廉潔性という問題を確保することが大変大事であるというふうに考えましたのと同時に、憲法に保障された政治活動の自由とのバランス、調和を図っていくことも大変大事であるというふうに考えて案を作成した次第でございます。もとより、そういうわけで政治活動の自由は憲法に保障された極めて重要な権利であるというふうに考えております。

一般的に申しまして、政治に携わる政治公務員には、国民やあるいは住民の意見、要望を踏まえて、通常の政治活動の一環として他の公務員に対して働きかけを行うことも期待されていると考えております。このような働きかけは、御指摘の議案の提出などの議員の法令に基づく職務行為には含まれているものではございませんが、国会議員の職務行為と同様に、私ども政治公務員に期待されているところの重要な政治活動の一環であるというふうに考えております。

○山花委員

今の御説明ですと、職務行為そのものには当たらない、しかしながら、二十一条が根拠になるかと思いますが、憲法上の権利の一環であるという御説明だと思いますが、先ほどの山本委員の御質問の中にもあった話で、ちょっとこれは気になったことなのですが、表現の自由から説明をするということについては、表現が悪いかもしれませんが、それを盾にとって野党案を批判されるのはちょっといかがなものかと思います。

と申しますのも、一般の個人と国家との関係で、全くの私人に対して表現の自由という話であれば、先ほど山本委員からも非常に格調の高い御意見がございましたが、ダブルスタンダードであるとか、非常に優越的な地位を持つ人権であるという議論はあるのでありますけれども、今回の法案、これは政治公務員を対象とするものであります。政治公務員ではありませんが、公務員一般を対象として表現の自由を規制するという法律は、例えば国家公務員法であるとか、あるいは地方公務員法の中にもあって、最高裁などの判例では、猿払事件と呼ばれる事件が有名でありますけれども、やはり公務員の人権については、一般の私人の、つまり国家と個人という関係で妥当するような理屈では律し得ないのではないかと思うわけであります。

したがいまして、本来的な職務行為ではないのであれば、これに対して政治活動の自由ということを前面に出して、それが妨げられるから野党案は厳し過ぎるというような御意見はちょっと説得力を欠くのではないかと思うのですが、この点についていかがでしょうか。

○尾身議員

私どもは、いわゆる公務員に働きかける行為も、憲法上の権利というのはちょっとオーバーであると思っておりますけれども、一般的な政治家に期待される政治活動である、重要な政治活動であるというふうに考えております。

○山花委員

一言申しておきますれば、重要な政治活動である、職務権限そのものではないということですが、やはり私たち野党案を支持する側からすれば、そういう政治活動であってもそれに対する対価をもらわなければいいではないかという思いがあるわけであります。

単純収賄罪という犯罪がございますが、単純収賄罪というのは、請託を受けなくて、しかも不正なことはやっていなくても、それに対して公務員がお金をもらったらそれは犯罪が成立するというわけでありますので、今回の法案とは保護法益がやや異なるという話がございましたが、国民から疑いの目を向けられるような行為というものは、それは実質的には違法なのではないかという思いがあるわけであります。

そこで、ちょっと時間の関係もありますので、次の点について御質問をいたします。

以前この委員会の方でも、公設秘書と並んで私設秘書を対象とする野党案について、理論的な根拠が薄弱ではないかという質問をされた方がいらっしゃいました。この点について、私は野党案について思うのは、公設秘書であれ私設秘書であれ、議員の権限に基づく影響力を行使するということによって、公職にある者の政治活動の廉潔性、清廉潔白性を保持して、これによって国民の信頼を得る、そういった保護法益を侵害し得るものと考えます。

最近の刑法の議論でありますが、実質的な違法ということについて、義務違反ということよりも、保護法益という観点から考えていこうという近時の有力な考え方によれば、決して体系的にも野党案はおかしなものではないと考えております。

そこで、与党の提案者の方にお伺いしたいと思います。

公設秘書だけを対象として私設秘書は対象としないということの理屈については、納得はしておりませんが、一応理解はいたしておりますので、その点についてバランスをとったのだという御答弁はもう結構ですが、ただ、法益侵害という観点から見た場合、私設秘書というものは、公職にある者の政治活動の廉潔性であるとか清廉潔白性というもの、こういった保護法益を侵害することはあり得ないと考えられているのでしょうか。それとも、そういうケースもあるんだけれどもしようがない、今回はバランスをとってということで外したという趣旨なのでしょうか。この点、お伺いしたいと思います。

○尾身議員

いわゆるあっせん利得に関する罪に関しましては、政治に関与する公務員の活動の廉潔性、清廉潔白性とこれに対する国民の信頼を確保しよう、そういう考え方であります。したがいまして、処罰の範囲を公務員でない私設秘書にまで拡大することは不適当であると考えております。私設秘書につきましては、何回か答弁しておりますけれども、国会議員との関係の程度も個々さまざまでございますし、それから仕事の内容もさまざまでございます。したがいまして、これを一律に処罰の対象とすることは不適当であるというふうに考えております。

刑法のあっせん収賄罪におきましても、公務員に職務上不正な行為をさせた場合に成立する犯罪でございますが、本罪は公務員に正当な職務上の行為をさせた場合にも犯罪として成立するものであります。したがいまして、同じあっせん行為でありましても、犯情としては明らかに本罪の方が軽いということになると考えております。

ところで、あっせん収賄罪は私設秘書を処罰の対象としておりません。犯情の重い刑法のあっせん収賄罪においてすら処罰の対象とされていない私設秘書をより犯情の軽い本罪において処罰の対象とすることは、バランスを欠く結果になってしまうと考えております。このような観点から、私設秘書を処罰の対象としなかったわけでございます。

なお、私設秘書のあっせん行為につきましても、国会議員とか政治家本人の指示があった場合にはその本人に対するこの法案の罪が成立するわけでございまして、私設秘書本人の行動を、こういう関係のないものまで罰するのは適切でないと考えております。

○山花委員

後半の部分についてはもう十分理解しているのですが、もう一度繰り返しますが、私設秘書というのは保護法益を侵害することはあり得ないと考えていますか。

○尾身議員

先ほど申しましたように、私どもは、政治に関する公務員の活動の廉潔性、清廉潔白性とこれに対する国民の信頼を保護しよう、こういうことでございます。したがいまして、政治に関する公務員でない私設秘書をこの対象にするのは適切ではないという考え方でございます。

○山花委員

適切かどうかということではなくて、私設秘書は保護法益を侵害することはないこともあることはわかりました、しないというケースもあることもわかりましたが、侵害することはあるのではないですかということを伺っているのです。

○尾身議員

これは、先ほど申しましたように、本人の地位に基づいてその私設秘書が本法案に対応するあっせん行為をし利得を得た場合には、本人の行動として本人が処罰を受ける、こういうことになるわけでございます。

○山花委員

ちょっとお答えいただけないようですので、時間の関係もあるので、次の質問にいきたいと思います。

議員本人が、例えば口ききを行い、それで得た報酬というものを、これは仮定の話ですが、派閥の研究会というものに入金させるというシステムをとったとします。ここからも仮定の話ですが、結局、そうやって入金させたお金というものが、最終的には選挙のときに陣中見舞いなどの形で返ってくる。言ってみれば、ブーメランのように戻ってくるというようなシステムが仮にとられていた場合、与党案ですと本罪は成立するということになるのでしょうか。

○尾身議員

この法案におきましては、現在のあっせん収賄罪においても第三者供与は処罰の対象とされていません、それとのバランスもございまして、第三者供与は処罰の対象としていないところでございます。

もっとも、現在のあっせん収賄罪の場合と同様に、外形的には本人以外の者が本法案所定のあっせん行為との間に対価性が認められる財産上の利益を受け取ったとされる場合でも、当該財産上の利益に対して本人が事実上の支配力、実質的処分権を有するものと認定できる場合には、本人が収受したものとして本人に本法案所定の罪が成立する可能性はございまして、第三者供与の規定がないとしても不都合はなく、本法案の法益は十分に保護されると考えております。ここで言う事実上の支配力の有無は、具体的な証拠関係に基づく事実認定の問題であると考えております。

御質問の派閥の研究会の場合は、公職にある者本人とは別個の人格を有するものでございまして、第三者に該当するものでございます。今御説明をいたしました第三者と同様の取り扱いがなされると考えております。

〔鈴木(宗)委員長代理退席、委員長着席〕

○山花委員

最後に、もう時間が来ましたので終わりにいたしますが、どうも野党案と比べて与党案というものは、刑法の収賄罪等の規定とのバランスをとろうとする余りに、結局、与党案によって処罰される範囲というのはせいぜいあっせん収賄罪に関する過去の判例の範囲内とほとんど変わらないのではないかということを指摘申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

ありがとうございました。

○自見委員長

武山百合子君。

○武山委員

自由党の武山百合子でございます。

きのうの続きの質問をしたいと思います。私設秘書と公設秘書ということで話をきのう進めてまいりましたけれども、午前中、実は、私、以前自由党で仲間でございました西川太一郎議員の秘書が逮捕されたということで非常に驚いて、国民はああまたかという感じだと思うのですね。この逮捕に対して、亀井先生、今ちょうどあっせん利得罪の議論を進めている中で、どんなふうに思いましたでしょうか。

○亀井(善)議員

事実関係を私も承知いたしておりません。どういうことかわからぬところでコメントするのは差し控えなければならないと思いますが、大変残念なことだ、このように思っております。

○武山委員

恐らくそういう答弁だろうと思っておりましたけれども、やはり逮捕ということは非常に重いことであります。野党案は私設秘書が入っておりまして、与党案の方は私設秘書という形で入っていないわけなんですけれども、この逮捕された方が西川太一郎さんの私設秘書だったということで、中井先生、このたびの逮捕に対してどんな思いを持っていらっしゃるか、ぜひ御意見を述べていただきたいと思います。

○中井議員

西川議員がかつての同僚でありましただけに、御指名でありますが、なかなかお答えしにくいことではあります。

しかし、今回のこの事件に関して幾つか申し上げますと、これは夕刊でありますが、西川議員の秘書逮捕と書いてあります。私設なんて書かないのですよ。一般の人から見たらみんな私設秘書なんです。都議会議員は秘書なんかないんですけれども、やはり秘書さんがいらっしゃる。まあ数からいうと政界全体に五千人以上いるんじゃないですか。そういった人たちがいろいろな活動をしている。一生懸命まじめにやっていらっしゃる人が大半だと思いますが、そういう方がこういうことをやったときに、あっせん利得罪という中で範囲に入れていくのは当然だ、私はこのように考えております。

本日、そういう逮捕者が出たときに、まさか私設秘書を抜いた法案を採決するなんということはゆめゆめ考えていらっしゃらないのだろうと私は与党の方に申し上げたいと思っています。

○武山委員

国民はまたかということと同時に、金額の多さに非常に驚いていると思うのですね。私も、一回ごとの口きき料ということで、出資法違反容疑ということで手数料の金額が時事通信の速報で出ておるのを見まして、金額の多さに大変驚いておりますけれども、刑法では個人責任の原則という大原則があるので、刑事的な処罰を適用する連座制は不可能であろう、しかし、監督不行き届きという、監督責任という視点から議員の職務の失職などの処罰を適用することは可能ではないか。

私、非常に専門分野はわからないものですから、弁護士さんにちょっと聞いてみました。刑法では難しいけれども、あっせん利得法にも何らかの監督責任として項目を入れてもよいのではないかということを言われましたけれども、この点について、亀井先生、いかがでしょうか。

○亀井(善)議員

夕刊をちょっと見たところでございますけれども、事実の内容、こういうことにつきまして承知をいたしていないわけでございますので、いろいろコメントを申し上げるのはいかがなものか、このように思います。

○武山委員

政権与党として、同じ仲間の関係者が逮捕されたということを、数時間しかたっていないわけですから、そういう答弁はやはりおかしいと思います、政権を担っている立場で。

それで、また中井先生にちょっとお聞きしたいと思いますけれども、中井先生、刑法では無理だということで、監督責任という立場で入れたらどうかなと思いますけれども、いかがでしょうか。

○中井議員

今回の逮捕が出資法違反の共犯という形で実行されたやに聞いております。政治家の私設秘書が、私どもから見ても世間から見ても、明らかにあっせん行為をやり、それでわいろを受け取っているにもかかわらず、出資法違反の共犯者だという形でしか対応ができない、ここに私は、今お話しになりました刑法やいろいろな法の不備を思うわけであります。

あっせん収賄罪は昭和三十三年につくられた法律で、当時は私設秘書もそういなかったわけでありますから、現在とは全く事情は違いますが、私どもは怠慢であったと言わざるを得ないと思っています。そういう意味で、今回私どもがつくりました法案に、私設秘書も対象として入れ込んだわけでございます。

したがいまして、これはこれで当然、私設秘書そのものがあっせん利得によって罰せられる、同時に、監督とおっしゃいましたけれども、関連性があれば議員に対しても罪が及ぶ、そういった意味で法体系ができておることを御理解いただきたいと思います。

○武山委員

そうしますと、与党案ではこういう問題が出ても出資法以外に対応できないわけですよね。ですから、今ちょうどオンタイムで、やはりここに私設秘書を入れるべきだと思いますけれども、大野先生、いかがでしょうか。私設秘書を入れるべきだと思いますけれども。

○大野(功)議員

第一に申し上げたいのは、与党案というのは身分犯としてきちっと決めているということでございます。それは、私設秘書を入れますと、さまざまな議員との関係がございます、さらに業務によって違ってくる、こういうような解釈をしていますと、どこまで入るのか、こういう問題が入るわけでございますので、身分犯として、政治公務員並びに公設秘書という公務員を対象にしている、このことを御理解いただきたいと思います。

第二の問題でございますが、この法律というのは、もちろん不正なことをさせるということも入っておりますけれども、正当なことをさせる、新しい分野に乗り込んでいるわけでございます。正当なことをさせる、こういう意味からいって、その点は十分考えていかないといけない。

何を言いたいかというと、今の法律で、現存の法律でも、西川議員の秘書のように逮捕される、こういうことがきちっとなっているわけでありますから、新しい分野の問題でございますから、まず構成要件をきちっと決める、これが大事なことだと思っております。

○武山委員

いろいろな関係があるとおっしゃいましたけれども、いろいろな関係があるから、その見返りに口きき行為をすることは一切禁止する、それがやはり政治家の一番の役目だと思うんですね。そのためにやはり入れた方がいいと私は思っている一人、野党案に賛成の一人でございますけれども、先生のおっしゃる意味ですと、国民に非常にわかりにくいんですよね、非常にわかりにくい。

それで、やはり今の与党案ですと実効性がまず担保できない、ざる法であると私は思いますけれども、中井先生、もう一度、どうしてこのように意見が大きく食い違ってしまうのか、政治家が決断と覚悟がないのか。やはり逃げ腰だということを国民は見ていると思うんですよね。それで、野党案の方を説明していただきたいと思います。

○中井議員

私設秘書を入れるか入れないかの問題で、与党側の方々はたびたび、私設秘書の種類も形態もいろいろだ、こういう言われ方をして、それを法案の対象としない原因とされているわけでありますが、しかし、既に公職選挙法の中に秘書という言葉を入れて、処罰の対象と、特に連座制強化の中で取り上げられているわけでありまして、私どもは、秘書を本法案の対象としていく、何らおかしいことではない、このように考えております。

要は、口きき、頼まれ事、私どもはそれぞれあります。武山先生みたいに一切口ききをやらないというのも一つの政治家としての姿勢であり、私は、大変立派なことだ、このように敬服をいたしますが、現状いろいろな形で私どものところへ陳情が来る、これらのことを十分聞かせていただいて対応することも私どもの政治活動であり、政治家の勉強でもある、このようにも理解をいたしております。したがって、これを禁止するんではなしに、これを実行して、政治活動をするけれども、それで対価を受け取る、このことをやめるんだ、その中で、議員個人がやらなくても、それを理由に秘書さんが、公設であれ私設であれおやりになる、これもあわせて私どもは対象とすべきである、このように考えています。

与党案と野党案は随分違うと過般から言われておりますが、私は、この一週間余りの論議を通じて、そんなに違っていないんだ、こう考えております。問題は、自民党さんがもう一歩、国民に向かって胸を張って説明できるように、対象として私設秘書を入れる、ここのところの勇気の問題、これだけだろう、このように考えております。

○武山委員

それでは、自民党の大野先生、勇気を持って国民にもう一回説明していただきたいと思います。

○大野(功)議員

この問題は、勇気の問題じゃございません。いかに法律の効果とその弊害とのバランスの中で適用できるような法律をつくっていくかという問題でございます。

与党案におきましても、もちろん、政治公務員と私設秘書とが情を通じていた、意を通じていた場合には、共同正犯者として罰せられるわけですから、何ら不都合はございません。

それと、再度繰り返しになりますけれども、既存の法律で私設秘書が処罰できるところはできるわけです。

もう一度繰り返しますが、新しい分野の法律です。これは政治の清潔性、政治公務員に対する信頼性を保護法益にするものでありますから、それだけに構成要件はきちっとしておかなきゃいけない、こういう問題かと思います。勇気の問題ではございません。

○武山委員

それでは説得力がないと思います。やはり公設と私設、ほとんど変わらないと思うんですよね。ただ身分的に、形式的に、国家が保障しているか、それとも議員の事務所できちっと賄っているか、その差だと思うんですね。仕事自体は、公設であろうと私設であろうと代議士自身に報告は全部行くわけですから、今回の事件でも、一切私設秘書がやっていて、一切知らなかったなんということは、本音の議論でもほとんどないと思うのですよね。必ず状況報告が行き、そこの部分を本音で議論していないというところに非常に問題があると思います。本音で議論すれば、必ずすべて状況は代議士に報告が行きますし、代議士も知らないということは本音の部分でないということを言っておきたいと思います。

時間でございますので、残念ですけれども、これで終わりにいたします。

○自見委員長

木島日出夫君。

○木島委員

日本共産党の木島日出夫です。

十五分しかありませんので、簡潔に質問いたします。

私は野党案の提案者でありますので、与党案の提案者にお聞きします。議論の整理をしたいと思うのです。与党案と野党案の両案について、共通する部分、そして違っている部分、整理をして確認をしておきたいと思います。

まず、与野党案の共通する土台でありますが、よく聞いてください、これが共通していると思うのです。政治公務員が一般公務員に対してその職務に関する行為についてあっせんをすること、そして特定の者に対して利益を図ること、それに対する報酬を得る行為を処罰する、そういう基本的な土台では共通しているのではないか。

保護法益についても、答弁の中にはいろいろ違いを取りざたする意見もありましたが、基本的には政治公務員の職務の廉潔性とこれに対する国民の信頼を保護法益としている。この点では共通の土台の上に立って与野党案がつくられている、こう聞いてよろしいのではないかと思うのですが、簡潔にイエスかノーか、与党案の提案者、答弁してください。違いはまた後で聞きますから。

○大野(功)議員

基本的には、その認識は一致いたしております。

○木島委員

そうすると、私は、これはいずれも、今共通する二つの土台を言いましたが、刑事法上は、これは明らかに現行刑法の百九十七条の四、あっせん収賄罪の特別規定、その延長線上にあるという性格を持つものだという点でも共通しているのではないかと思うのです。よく聞いてください。二つの点であっせん収賄罪の特別規定という性格を持つという点があるのではないかと思います。

一つは、あっせん収賄罪は犯罪の主体を一般公務員にしています。その一般公務員全部に網をかけるのじゃなくて、その中から特別に選挙で選ばれた政治公務員だけをえり出していること、これが共通する土台ではないかと思います。

たった一つの違いは、その中から、野党案には与党案にない私設秘書を入れているのです。

これが身分犯ではなくしているのじゃないかと大野提出者は言っておりますが、身分犯です。野党案の本質は、政治公務員と不可分一体の者、まさに公務員とみなしてよいような立場にある者、そういう性格づけを私設秘書に対してしているわけでありますから、身分犯なんです、これは。

私設秘書という身分を持った者についてのみえり出してといいますか、それに加えて主体にしているということで、その違いはありますが、それは棚に上げますと、与野党案とも犯罪の主体を一般公務員から特別に政治公務員をえり出して立法化したということ。

二つ目には、これは非常に重要なことで、与党案がそこまで踏み出したことには私も一定の敬意を表しているのですが、あっせんを受けた公務員の職務行為について、不正な行為の限定を外した、まさにこれは飛躍的な立法だとは思います。不正な行為の限定を外して、あっせんを受けた公務員の職務権限内の行為、あるいは準職務行為などすべてについて犯罪の網をかけた。

この二つの点では、与野党案とも、基本的な犯罪の性格としては、あっせん収賄罪の延長線上に立法化されようとしているものではないかと思うので、イエスかノーか、お答えいただきたい。

先ほど、大野提出者から法定犯という言葉を使われたのですが、こんな概念はないんじゃないか。法律で決めた犯罪はみんな法定犯というんなら、そんな概念はないんじゃないか。一般的に言われているのは自然犯か行政犯かということだと思うのですが、そこには立ち入りません。

あっせん収賄罪の延長線上につくられているんじゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。

○大野(功)議員

三つのポイントがあったかと思います。

第一は、法の性格で、これは議論させていただきました。相変わらず、あっせん収賄罪の延長線の上にある、こういう御持論でございます。

私の方は、先ほども質問の中で発言させていただきましたけれども、全く新しいタイプの法律である、世界にも類を見ない法律である、このように御説明申し上げました。刑法の親類でも政治資金規正法の親類でもない。ここは、しかしながらおいておきます。

それから次に、公務員一般を政治公務員に絞っている、この認識は共通しているんじゃないか。

そこで問題になるのは、これまで一般公務員としておりましたのを政治公務員にするということは、極めて犯罪の主体の範囲を小さくしている、こういう問題でございます。こういう比較をするとちょっとぐあいが悪いのかもしれませんが、そこで非常に範囲を狭めている、業法的な、特定の方だけに絞っている、こういうニュアンスはあるかと思います。

それからもう一つ、不正な分野から適正な分野にまで乗り出していっている、このところはそのとおりでございますけれども、そこで一番問題なのは、先生が触れておられません構成要件の問題、ここでがらっと違ってくるわけでございます。

○木島委員

それはこれから触れます。

しかし、私はもう論議は必要ないと思うのですが、与党案をつらつら読み込んでも、与党案の骨格は、政治公務員が一般公務員にあっせんをしたことにつき、その報酬として財産上の利益を収受したとき、これは明らかにわいろ罪の延長線上なんですよ。世界に類例のない新しい概念といいますが、それは、世界にあるかどうかはともかくとして、あっせん収賄罪の延長線上にあってつくられていることは間違いないことだ。

そこで、今度は違いを指摘します。これをやると、何時間あっても時間が足りません。私はきょう採決するような状況にないと思いますが、違いを並べて言いますと、六つの点で犯罪構成要件の絞り込みの仕方が違う。野党案に対して与党案は六つの点で狭めてしまっている。一つ、請託を要件としていること、二つ、あっせん行為の態様を「権限に基づく影響力を行使して」という態様に限定していること、三つ、あっせん行為の対象を契約と処分に限定してしまっているということ、四つ、第三者に対する供与を除外してしまっているということ、五つ、未遂形態である要求と約束を除外してしまっているということ、六つ、対価としての利益を、野党のようにわいろでなく、財産上の利益として、非財産上の利益を除外していること、この六つだと私は見ました。

これに対して、野党案の構成要件の絞り込みの仕方は一つであります。あっせん行為について、特定の者に利益を得させる目的、こういう主観的要素を置いていること、この違いだけです。

ここが違いであるということ、一つ一つ吟味しませんよ、こういう違いがあるということはお認めいただけますね。

○大野(功)議員

そこがまことに大きな違いで、まことにこれは賛成できない違いでございます。

○木島委員

ですから、それがどちらがいいかは、まさにこの委員会で徹底して論議して詰めるべき点だ。その違いをお認めになりました。

そこで、次の質問なんです。六つの点について違いをお認めになりました。私は、その中で、特に最初に挙げた四つ、請託、あっせん行為の態様、権限に基づく影響力の行使の問題、三つ、あっせん行為の対象、契約と処分の問題、四つ、第三者供与の問題、この四つがやはり大きなポイントではないかと思うのです。

そこで、次に、根本問題である、では与党案の方が法律の実効性があるのか、野党案の方が法律の実効性があるのか。

この法律をつくったときに、保護法益、先ほど与野党で共通する土台があると言いました。政治公務員の廉潔性とそれに対する国民の信頼、これを本当に取り戻すために実効性が、与党案の方があるのか、野党案の方があるのかについて検討をしてみたいと思うんです。

わずかな時間じゃできない代物でありますが、この犯罪の根本が、政治家とその政治家の監視のもとにある被あっせん公務員、それとその政治家とまさに利害関係を共有している受益者、不正の利益の提供者でもいいでしょう、その三角関係のもとに行われる犯罪類型である。政治家と被あっせん公務員と受益者、利益提供者、まさにこの三角関係のもとで行われる犯罪であるということを考えますと、さっきの与野党案の違いのうち、請託を入れるかどうか、権限に基づく影響力の行使という枠をつくって狭めてしまうかどうか、そして、お金の入れどころである第三者供与を除外するかどうか、この三点は、客観的に見て、だれが考えても、野党案に比べて犯罪の摘発や立証や成立を与党案の方が困難ならしめるものである。これは評価の問題は別です。客観的に狭まって、犯罪の摘発、立証、成立を困難ならしめるものだということは与党の提案者はお認めになりますか。

○大野(功)議員

結論から先に申し上げます。認めません。

それはなぜかといいますと、この法律の保護法益は、何回も申し上げますけれども、政治活動に対する国民の信頼の問題であります。政治活動、政治家に対する清廉潔白の問題であります。これは、こういう法律をつくるだけではできない問題であります。

政治というのは、根本的に言いますと、国民から厳粛な負託を受けて、そして国民のために働く、こういう自由な活動があるわけでございます。さらに、そういう自由な活動を支えるために、民主主義のコストを浄財で支えてもらっている、こういう問題があるわけでございます。

ですから、野党案のように、何が何だかわからない、わからないけれども全部縛ってしまえ、処罰してしまえ、処罰万能主義であれば政治の自由が失われてしまいます。さらに、浄財による民主主義のコストという問題がなくなってきます。

では、そういう問題、そういう欠点があるわけですから、そういう欠点に目をつぶっていこうという運用をすれば、それは今度は、先ほども申し上げましたが、不公平な運用、あるいは全く運用できない法律、守られない法律、見つかり損の法律、こういうふうになってくるわけです。

ですからこそ、何回も申し上げております構成要件を……(木島委員「そんなこと聞いていないですよ」と呼ぶ)いや、ここが問題なんですよ。ここが問題なんです。構成要件をきちっとしていく、このことが一番大事であります。構成要件をきちっとすることによって、だめなものはだめ、いいものはいい、こういうふうに分けていかないと、それは政治資金の問題にまでかかわってくる、政治の自由な活動にまでかかわってくる、こういう問題が出てくるわけであります。

○木島委員

そんなことは聞いていないんですよ。だから、野党案が広過ぎて政治活動の自由が阻害されるかどうかは次の論点なんですよ。与党案と野党案を厳密に、構成要件上どっちが広いか狭いかを指摘して、野党案の方が広いじゃないか、与党案の方が狭いじゃないかと指摘している。それが、違いますなんて、認めませんなんという答弁が出るということは、私は、公正な議論じゃないと思う。もう明らかにこれは常識ですよ、与党案が狭いというのは。

もう一つ、与党案の狭さに、処分と契約のみに絞ってしまっているということがあることは、これは明々白々。これは答弁を求めるまでもありませんから答弁は求めません。

そこで、次の問題なんですよ。なぜ与党案は狭めたんだ、野党案は広げたんだ。与党は再三、このように構成要件を狭くしたのは政治活動の自由を守るためと言ってきております。野党案では自由な政治活動が制約されるとおっしゃり続けてまいりました。しかし、野党案は決して政治活動を狭めるなんということはないんです。

政治家たる者、一般国民のため、一般地域住民のために大いに頑張ることが求められます。そしてまた、それだけじゃない。私は、国民、住民の暮らしを守り、福祉を守るために個別的な問題だって徹底的にやることは必要だと思いますよ。やったらいいと思うんですよ。そんなことを制約しようとしているんじゃないんです。

問題は、そういう特定の者からの利益を守って、活動をやって、あっせん、口ききをして、その対価として、報酬として不正なお金を受け取るということ、それはやめようじゃないかということなんですよ。不正なお金の受領さえやめればいいんですよ。野党案は、政治資金を規制しようという発想はありません。政治資金規正法というのは別の切り口から設定しているんです。量的制限、質的制限、そして政治資金を公明にもらったら、きちんと届け出をして、透明にしよう、そういう、まさに政治資金規正法は行政法です。それに違反したら行政罰ですよ。それはもう切り口が違うんです。与野党案とも、そういう政治資金の中身について、わいろ性を帯びたものはもらうのをやめようじゃないかと。

だから、私は、与党が、政治活動の自由が束縛されると再三主張しているのは、私に言わせれば、明らかにこれは、わいろをもらう自由を守れ、こう叫んでいることにほかならないと思いますが、いかがでございましょうか。

○亀井(善)議員

政治活動の自由は何としても守り通さなければならない、これは重要なことであります。国政においても地方議会においても、何物にも拘束されない自由な政治活動が保障されてこそ政治の進運というものが図られるわけであります。

野党案は、わいろの受領に着目をし犯罪成立の構成を考えております。政治活動の自由に対する検討がなされているのか疑問であります。野党案では、現場の政治活動に及ぼす影響はすこぶる甚大であり、事実上の政治活動の制限の導入であると強い抵抗を覚えるのでありまして、さらに、時には、野党案は現行あっせん収賄罪の改正法であるとか、また時には、刑法の周辺法であるとか、法的位置づけがあいまいであります。与党案をベースにした割には、保護法益にしても、政治公務員の倫理性であるとか、野党提案者から明確に語られたことはありません。

いずれにしろ、与野党案では、法案の保護法益、構成からして天と地の違いがあるわけでありまして、全く土俵が異なっている、このように考えております。

なお、与党案は、わいろでなく、財産上の利益であります。このことを正確に理解をしていただきたいと思います。

○自見委員長

質疑時間は終了いたしましたから、大野さん、簡潔に答弁ください。

○大野(功)議員

ただいま木島先生から、わいろをもらう自由を守る法律だと、聞き捨てならない御発言がございました。私は、そういう意味で、これは取り消してもらいたいと思いますけれども、何がわいろかというよりも、何がもらっちゃいけないお金かということをきちっと決める。よいお金もあるんだということは先生自身も先ほどおっしゃいました。よいお金と悪いお金、こういうふうに分けるのであれば、悪いお金はどういうお金だということを構成要件をきちっとして詰めていかないと世の中は大変なことになるんです。先生のお言葉だと、お金はみんなわいろで、そのわいろ性の判断は検察、警察に任せるみたいな響きになってまいります。

そういう意味で、構成要件が一番大事である、このことを申し上げます。

○自見委員長

木島君、質疑時間が終了しております。簡潔にお願いします。

○木島委員

そのお金がわいろ性を帯びたものかどうか、正当な政治資金かどうか、その区分けは野党案では明確にできると、玄葉委員から再三、七つの基準を挙げて述べ続けてきたところであります。切り口が違うんです。

私、最後に言いますが、これだけ、野党案ができたら政治資金がもらいにくくなる、そういうことをおっしゃることは、いかに現在の政治家の皆さんが政治資金をもらっているのが……

○自見委員長

木島君、質疑時間が終了いたしておりますので、お守りください。

○木島委員

わいろ性を帯びているかということを自白したものにすぎないということを、私、厳しく指摘して、そこを国民は絞ってくれということを今国会に求めているんじゃないかということを指摘しまして、質問を終わらせていただきます。

○自見委員長

北川れん子君。

○北川委員

社民党・市民連合の北川れん子です。

きょう、すごいタイミングで、私設秘書が二人も逮捕されたと。先ほど自由党の武山百合子委員の方も御質問をなさっていましたが、きょう夕刊を今手元に持っているわけですけれども、中小企業向けの制度融資をめぐる出資法違反で逮捕されたと。それも、今、この間ずっと問題になってきました私設秘書。もう名前も出されています。逮捕されたのは、西川衆議院議員の私設秘書の布川和彦さん、山崎都議の私設秘書の和田亨さんの両容疑者となっています。

これに関して、この間ずっと議論を進めていても、何となく皆さんにとっても私設秘書の問題は遠い存在の問題のように切り捨てられてこられました。あっせん利得処罰法のこの審議をやっているきょうのこの日に逮捕されたということ、二人とも私設秘書であったという点。尾身答弁者はきのう、御自身の私設秘書が何名いらっしゃるかという問いに対してお答えがなかったというふうにお伺いしておりますが、いかがでしょうか。一日たちました。尾身答弁者の方は、何名私設秘書をお持ちでいらっしゃるか、把握されましたでしょうか。

○尾身議員

私の政治活動、特に政治資金関係につきましては、政治資金規正法に基づいて、きちっと届け出をしております。ここで私個人のことを申し上げるのは適当でないということを申し上げましたわけでございまして、非公式の場で聞かれれば、十分に御説明を申し上げます。

それから、今の私設秘書の問題については、担当がおりますから、そちらから答弁していただきます。

○北川委員

申しわけございません。私は本当に単純なことをお伺いしました。人数は何名いらっしゃるかということをお伺いしたのですが。

○尾身議員

先ほど申し上げましたように、政治活動につきましては、特に政治資金の問題につきましては、政治資金規正法に基づいてきちっと届け出をしております。それをごらんになっていただければ、少なくとも政治資金の関係につきましての私の政治活動の実態はわかると考えております。

私設秘書が何人いるかということは私の個人的な問題でございまして、この公式の席で聞かれて答えるような種類のものではないと考えております。

○北川委員

そこに問題があると思うのですね。私設秘書の存在を自分の私的な範囲だというふうに規定されるところに問題があるんじゃないですか。

きょうの西川議員のお言葉の中にもありました。秘書が勝手にやったこと。これは、何度も議員の皆さんが繰り返しおっしゃったことです。秘書が勝手にやったこと。今尾身答弁者がおっしゃったこと、自分のプライベートな部分に私設秘書がいるということを表現されたということは問題があると思うのですが、いかがでしょうか。

○尾身議員

ほとんど全員の国会議員、政治家が私設秘書を持っていると思っておりまして、私のところに私設秘書がいることは何ら問題ないと思っております。

○北川委員

問題が全然ないのであれば、人数を聞いているぐらいのことでもお答えにならない、この入り口の姿勢に対して問題があるということで、私たち野党の提案の中に私設秘書を入れることが肝要であるということを明記したわけですけれども、今もって、きょうのこの日に至っても御理解をいただけないという、その政治家自身の、議会を改革、政治を変えていこうという意欲が全然感じられないわけです。

ここに、秘書の何たるかということをいろいろ集約した本があるわけです。議員との関係が、アメリカと日本で分けて見た場合に一番わかりやすかったわけですが、アメリカは、議員の個人のスタッフ、契約的関係、帰属意識希薄、私設秘書はいない。日本は、議員に一身専属的関係、運命共同体的、親分子分関係、私設秘書はいる。

公設秘書でさえ親分子分の関係ということが日本の議員と秘書の間にはあって、なおかつ、今尾身答弁者が本当におっしゃったのですけれども、私設秘書がプライベートな存在であるということ。このことは、すべてが隠されていく。ということは、逆に言えば、私設秘書がおやりになったことが、有権者や国民がわかるすべがないということではないですか。だれがあなたの私設秘書であるかということがだれにもわからないのなら、あなたの私設秘書がやったことが罪になる、そういうことはないという、罪の潜在化になるというふうには思われませんか。犯罪の潜在化になるというふうには思われませんか。

○尾身議員

先ほど、アメリカには私設秘書がいないというお話がございました。アメリカは、公費で二十数人の秘書を雇えるだけの支援があるということで、結果として私設秘書がいないという実態にあると思っておりまして、アメリカも、そういう意味では、議員を助ける秘書は大勢おられると考えております。

それから私設秘書につきましては、これは、政治公務員の廉潔性、政治活動の廉潔性を守るという保護法益を考えているわけでございまして、私設秘書を対象としていないという説明は繰り返し申し上げております。

ただ、しかし、本人の指示によりまして私設秘書がいわゆるあっせん行為をして本人が利得を得た場合には、これは対象になるということも、私どもの提案者が何回も申し上げているところでございまして、その説明をしっかりとお聞きいただきたいと思います。

○北川委員

私設秘書の存在を顕在化させないで、人数さえもお答えにならないで、どうやって尾身議員の、答弁者の私設秘書がちゃんとした政策能力スタッフとして働いているかどうかの検証が、だれがどこでできるのですか。(発言する者あり)見えないから言っているんですよ。見えないじゃないですか。見えないものに対してどういうふうに検証するのですか。

○尾身議員

私自身も、もちろん公設秘書もおりますし、私設秘書もおります。そして、その全体としての政治活動の廉潔性を保持するためにこういう法案を与党三党として提案をしているわけでございまして、この法案の内容について真摯に御議論をいただきたいと思います。私どもも、そういう意味で、政治活動の廉潔性を守るためにこの法案を提案する必要がある、通していただく必要があるという考えでおります。

もとより、私、私設秘書がいることについては否定もいたしませんし、その人件費につきましては、きちっと政治資金規正法に基づきまして届け出をして、公表しているところでございます。

○北川委員

人件費の問題ではなくて、ここでも書かれています。「支持者集めでヤミと接点」。見えない人たちがどういう仕事をしているかを検証できないということをあらわにされたという点では、一つ具体的に立証されたと思うのです。

では、次に聞きます。

きのうの御答弁の中にも、そしてきょうの中にも、私設秘書の仕事というのは定義があいまい。ここから推察するにいたしましても、だれが私設秘書であるかということを議員自身が把握できないというふうになっているのではないかと思うのですが、この点、いかがでしょうか。

○尾身議員

私も私設秘書がおりますが、その仕事の内容はさまざまでございます。したがいまして、学校を出てすぐに見習い的な形でも秘書の名刺を持たせている者もございますし、事務所の責任者として全体の事務所を取り仕切る、同じく私設秘書もございます。

ですから、そういう意味で、私設秘書の業務の内容はさまざまであるという点につきましては、ずっとこの委員会でも、議論といいますか、大体、与党野党を問わず、実態についての認識は同じであるというふうに考えております。

ただ、この法案は、公的性格を持った政治公務員の廉潔性を守るということの法益を目指しているものでございまして、本人との関係もさまざまであり、そして公的資格を持っていない私設秘書を対象にすることは適切でないという考え方のもとに、対象にしていないわけでございます。

ただし、政治公務員本人の指示に基づいて私設秘書があっせん行為をし、そして政治公務員が利得を得た場合には対象にするということは、何回も申し上げているところでございます。

○北川委員

政治公務員の秘書が堕落をしているということであっせん利得の処罰の法案ができてきたわけではなくて、政治公務員の最たるものである、その親分の位置にいる議員が余りにも問題を引き起こして、政官財、このトライアングルと、そして有権者への対応の仕方を間違えている、ここのところを、ずっとこの間政治改革ということで、一部選挙法にすりかえられていきましたけれども、政治改革を望む声、一般の市民の人たちに、政党から離れていく、それを引きとめるためにも、政治家は今こう立ち直っていくんだよということを見せるために、このあっせん利得処罰法案をよりよい法案として提案するということをこの間協議してきたと思うんです。

きょうのこの日に私設秘書が逮捕されたということをお聞きになっても、何ら動揺がされない。親分の位置にいらっしゃる議員の皆さんの仕事、政治家の仕事、政治活動の自由という言葉でこの間ずっと言ってこられましたけれども、政治家の仕事、本来の職務のやはり照り返しとして秘書は仕事をするわけですから、政治家本来の仕事をなされていない、この点に一番の大きな問題があるのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。

○尾身議員

質問の意味がよくわかりませんでしたので、もう一遍お願いします。

○北川委員

私、先日これをいただきまして、読ませていただきました。倫理綱領をちゃんと持っていらっしゃって、ちょっと難しい言葉で書いてある面もあるんですが、何とかして、これを自分たち政治家としては持って歩いて、倫理、そういうものを身につけ、そしてそれの照り返しとして、秘書の仕事を、本当の政策能力を持った法案提案ができるようなスタッフとしてやろうというその意気込みが見えるんです。けれども、これがつくられていても、KSD問題、これは自民党の大物幹部の議員の名前が出ております、これは、調査権を発動されて、自民党内部で調査をするということをされませんかというふうにお伺いしていましたが、それをする気もないということでずっとこの間来ているわけです。

見させていただきますと、ここに党紀委員会というのがあります。私は、やはりここに書いてある党紀委員会について先日お伺いしました。十一月八日に古関前理事長も逮捕されました。逮捕されたということを受けて、やはり政治への関与が密接に絡まってくるということでは、前回は逮捕されていなかったわけですが、もう一回話を戻していきますが、具体的に言うとこういうことなんです。自民党の内部でこの党紀委員会を発動されて、KSD問題の調査に入られる、そういう御意思はございませんでしょうか。

○尾身議員

党紀委員会のことにつきましては、自民党所属の議員が何らかの問題を起こしたときに党紀委員会で議論をして、自民党としての処分を決定する、そういうための委員会でございまして、そういう問題が起こったときには随時開催をして、適切な措置をとっていると考えております。

○北川委員

ですから、先日お伺いしておりましたのは、KSDの問題では村上正邦参議院議員という大物の政治家の名前が出ていたわけですよ。それで、それに関与していた前理事長という方がきのう逮捕された、経理管理をやっていた息子さんも逮捕された。

ですから、今問題を、今回のこちらの方でやっていくと、中小企業向けの制度融資の問題の方の保証協会のことでやっていくと、どうも自分の問題ではないような形で御答弁をされたので、KSD問題に移りましたけれども、これは関係があるんじゃないですか。それで、KSDの会員の人は、村上正邦さんの後援会の用紙が挟まれて送ってきている、そういう証言などもいただいているわけです。

○自見委員長

北川君、質疑時間が終了しておりますので、簡潔にお願いいたします。

○北川委員

ですから、KSDの前理事長である古関理事長が逮捕された時点で、村上正邦さんの政治団体の方にお金が流れた、幽霊党員九万人分のお金が流れた、そういうことがるるわかってきているわけですから、みずから進んで、今の時点から、この党紀委員会という調査委員会があるわけですから、それを発動されて自身でお調べになるということはいかがなんでしょうかということをお伺いしているわけです。

○尾身議員

KSDの問題につきましても、新聞等で拝見をしておりますが、現在、捜査当局が捜査中であるというふうに伺っております。したがいまして、その捜査の結果を見た上で必要があればやる、一般論としてそういうことでございまして、個々の問題について、まだ、マスコミ等ではいろいろなことを書かれていることは承知をしておりますが、私どもとして、これは私自身の所管ではございませんが、倫理委員会で取り上げるような種類の問題ではないと考えております。

○自見委員長

北川君、質疑時間が終了いたしましたので、お守りください。

○北川委員

では、守ります。

○自見委員長

これにて両案に対する質疑は終局いたしました。

○自見委員長

これより両案を一括して討論に入ります。

討論の申し出がありますので、順次これを許します。河上覃雄君。

○河上委員

私は、自由民主党、公明党並びに保守党の与党三党を代表して、ただいま議題となりました、いわゆるあっせん利得処罰法案につきまして、賛成の討論を行うものであります。

今日、これまでのような官僚主導では、政策立案と改革の実現は困難になりつつあります。政治には、今や総合的な政策を立案し、これらの変化にスピーディーに対応することが強く求められています。

このとき、この状況において、政治の担い手である政治に携わる公務員は、みずからの政治活動を律する必要があるとの決意のもと、今回、あっせん利得処罰法案の成立を期することは時代の要請であると考えるものであります。

与党案は、政治に携わる公務員の政治活動の廉潔性、清廉潔白性を保持し、これによって国民の政治に対する信頼を高めることを目的に政治公務員の行為に一定の枠をはめたものであり、これに反した場合には厳しいペナルティーを科し、その実効性を担保しようとするものであります。

政治公務員は、本来、国民、地域住民全体の利益を図るため行動することを期待されているところでありますが、契約や処分の段階でのあっせん行為は、国民、地域住民の利益を図るというよりは、むしろ当該契約の相手方や処分の対象者等特定の者の利益を図るという性格が顕著であり、そのようなあっせん行為を行って報酬を得る行為は、政治公務員の政治活動の廉潔性及びこれに対する国民の信頼を失う度合いが強いため、与党案では、それがあっせんされる公務員に適正な職務をさせる場合であっても処罰をするものであります。

また、政治活動の自由との関係について申し上げますと、罪刑法定主義の観点から、処罰の対象となる構成要件を明確に規定する必要があり、罪の対象となるあっせん行為による利得自体を明らかにするとともに、政治公務員の通常の政治活動の展開、政治資金規正法に基づいて行われる浄財の確保や行政権の行使の適否に関する調査など、民主主義社会において保障されている政治活動の自由が妨げられることのないように細心の注意を払っているものであります。

もとより、議会制民主主義のもとにおいては、政治活動の自由は極めて重要な憲法上の権利であり、政治活動の意義の重要性を正しく評価する観点から、公職にある者の正当な政治活動を不当に妨げることがあってはならないのは当然のことであります。

与党案は、このようなあっせん行為による利得の禁止と政治活動の自由とのバランスを十分に考慮しつつ、政治公務員の行為に一定の枠をはめ、国民の負託と信頼にこたえていくことを目的としたものであり、妥当なものであると考えます。

このように、本法律案は、目的、保護法益、犯罪構成要件の明確化の要請、政治活動の自由との関係及び施行期日等について十分吟味をされているものであり、私は高く評価するものであります。

以上、与党提出のいわゆるあっせん利得処罰法案について、賛意をあらわすものであります。したがって、野党提出のあっせん利得に係る法案には反対であることを表明いたします。

最後に、一言申し上げます。

あっせん利得処罰制度の創設に当たり、新しい時代にふさわしい新しい政治を実現していくことが、我々政治家一人一人に課せられた大きな課題であると認識しています。この意味で、二十一世紀への出発の決意を新たにしていることを申し上げ、賛成討論といたします。

(拍手)

○自見委員長

鍵田節哉君。

○鍵田委員

私は、民主党・無所属クラブを代表し、野党提出の公職にある者等による特定の者に利益を得させる目的でのあっせん行為に係る収賄等の処罰に関する法律案に賛成し、与党提出の公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律案に反対する討論を行います。

政治家たる者は、高度な倫理観に基づき、国民、住民全体の奉仕者として行動すべき責務を負っております。特定の者の利益のために行動しその対価を得るがごときは政治倫理にもとるものであり、いわゆる口きき政治と決別することが、今、国民から強く求められております。

しかしながら、審議を通じ、与党案は抜け道だらけのまさにざる法で、現行法と比べて何も改善点がないという実態が明らかになりました。新法は、現行収賄罪の問題点を取り除き、また、政治の体質の根本的改革につながるものでなければなりません。野党案がこれを満たすものであることもまた審議を通じ明らかになりました。

以下に、野党案にこそ理があること、与党案に非があることをつまびらかにいたします。

第一に、請託などの問題であります。

そもそも、新法制定の議論は、現行刑法が立証が困難な請託や職務権限を犯罪の構成要件としている現状を踏まえ、これらの要件を外し、より立件しやすいようにすることを第一としたものであります。与党案がこの請託や「その権限に基づく影響力を行使して」という要件をあえて残したことは、本末転倒と言うほかありません。また、与党案は犯罪の主体から私設秘書を外しており、まさに抜け道以外の何物でもありません。

そのほかにも、与党案は、第三者供賄処罰を法律に明記せず国会答弁にゆだねている問題、対象となる行為について、契約の締結、行政庁の処分に限定していることなどの問題点が浮き彫りになりました。

これに対し、我々の野党案は、これらの抜け道、欠陥のすべてに対応し、みずからを律し、政治に対する信頼を再生させる決意にあふれております。

また、本件は政治家みずからの倫理確立の問題であり、本来は与野党の垣根を越えて真摯に協議を重ね、よりよい成案を得るべきであります。にもかかわらず、与党は修正協議を拒否いたしました。抜け道を少しでもふさぐことはまかりならぬという与党の姿を国民は決して見逃すことはありません。

以上申し上げてまいりましたように、国民の信は我が野党案にあることは自明の理であります。このことを最後に申し上げ、野党案に賛成し、与党案に反対する討論を終わります。

(拍手)

○自見委員長

塩田晋君。

○塩田委員

私は、自由党を代表して、ただいま議題となっています公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律案について、反対の立場から討論をいたします。

そもそも、自由党の入札干渉罪を初めとするあっせん利得の処罰に関する法律案などが提出された平成十年前後は、政治家の疑惑事件として、日興証券利益供与事件、富士重工からの受託収賄事件等の問題が起こり、また、公務員の汚職事件として、防衛庁、大蔵省、厚生省等の汚職事件が噴出し、国民の政治全体に対する不信感が頂点に達しました。

そのため、当時の各政党が、国家公務員倫理法案、国会議員等の資産公開及び株取引の報告関係法案、あっせん利得の処罰に関する法案などの政治倫理関連法案を提出し成立を目指しました。

結果として、国家公務員倫理法案等は成立いたしましたが、あっせん利得の処罰に関する法律案等につきましては、自民党の強硬な反対により、委員会での審議入りすらできず、たなざらしの状況が続いたことは極めて残念であります。

しかも、ようやく審議入りしたと思えば、十分な審議時間もとらず、与野党案のすり合わせの努力もせず、数の力をもって強引に与党案を成立させようとしております。このような与党の態度は納得できません。

さらに、与党案と野党案を比較してみますと、与党案は、処罰対象者に私設秘書を含めていないこと、第三者供与を処罰する規定のないこと、犯罪の成立に請託を構成要件としていること、犯罪の構成要件として、「その権限に基づく影響力を行使」というあいまいなものに限定していること、対象となる行為については、契約の締結と行政処分に限定していることなど、抜け道が余りにも多過ぎるため、与党案が成立したとしても実効性があるとは到底思えず、いわゆるざる法になりかねません。

野党案、与党案に共通する法案の趣旨は、政治家等の規律、規範を定め、国民の政治への信用を取り戻すことであります。

我々野党案のように、政治家が口ききをして、見返りとしてお金を受け取ったらすべて法律違反と明確に規定する方が、国民の期待する清潔な政治を確立し、自由で公正な政治、選挙を実現し、もって政治に対する国民の信頼性を回復できると信じます。

この抜け道だらけのざる法とも言うべき与党案に反対の意を表明して、私の討論を終わります。

(拍手)

○自見委員長

大幡基夫君。

○大幡委員

私は、日本共産党を代表して、野党四党共同提案のあっせん利得処罰法案に賛成、与党案に反対の討論を行います。

そもそもあっせん利得処罰法案は、国会議員等が、他の公務員に口ききし、わいろを受け取ることを政治家の腐敗行為として処罰することによって、相次ぐ政治と金をめぐる事件にメスを入れ、国民の政治に対する信頼を回復しようというものであります。総選挙直後、中尾元建設大臣が受託収賄罪で逮捕され、久世金融再生委員長の党費立てかえ問題や、KSD疑惑が発覚するもとで、実効あるあっせん利得処罰法の制定は、まさに国民世論となっているのであります。

このもとで、野党案は、現行刑法のわいろ罪規定において、政治家と金をめぐる腐敗行為を立証する上での壁となっている請託や職務権限を犯罪構成要件から除外し、政治公務員による官庁や役所への口きき行為を処罰することとし、政治家と不可分一体の私設秘書も対象にすることとしたのであります。この野党案こそ実効あるあっせん利得処罰法であり、清潔な政治を願う国民世論にこたえるものであります。

これに対して、与党案が抜け穴だらけで実効性のないものであることは、この間の本委員会の審議で明確であります。

与党は、現行刑法規定とのバランスを理由に請託を犯罪の要件にすることに固執していますが、それは不十分な現行法に合わせて実効性のない法案にするものにほかなりません。

対象範囲を契約と行政庁の処分に限定し、行政指導などを対象から外していることは、政官財の癒着、腐敗構造の中心問題にメスを入れないものであり、ロッキード、リクルート事件などの教訓を無視したものであります。

その上、議員の権限に基づく影響力の行使との要件で縛っています。与党提案者は、あっせん行為の際に、やらなければ国会で質問するなどの議員の権限を示す言動がなければ犯罪にならないと答弁しました。これでは族議員による犯罪行為を見逃すことになるのであります。

さらに、政治公務員たる議員と一体不可分の私設秘書を対象とせず、第三者がわいろを受け取ることを見逃していることも重大であります。

このように与党案は何重もの抜け穴があり、これでは新法をつくる意義さえ疑わざるを得ないものであります。

国民世論にこたえる実効あるあっせん利得処罰法をつくる、これは本委員会に課せられた責務であります。だからこそ野党四党は、七項目の修正要求を提示し、与野党協議を呼びかけたのであります。ところが与党は、自分たちの案が一〇〇%だと言い張り、修正協議を拒否して、議了採決に突き進んだのであります。この与党の姿勢は断じて認められません。このことを厳しく指摘して、討論を終わります。

(拍手)

○自見委員長

北川れん子君。

○北川委員

社民党・市民連合の北川れん子です。

与党あっせん利得処罰法案に対する反対討論、並びに野党法案に賛成討論をいたします。

まず第一に、私設秘書を通した抜け道を温存。

第二に、密室で交わされることが多く立証が困難とされる請託を要件にしている点は、法の実際の適用は極めて難しくなるおそれがあります。

第三に、その権限に基づく影響力を行使してあっせんをする場合に限っていますが、この要件自体があいまいであり、処罰範囲が著しく狭められてしまいます。

第四に、あっせん行為の対象をいわゆる契約・行政処分に限定しているなどなど、抜け穴が多くあります。

一方、これに比べ野党案は、これらの問題をクリアしており、法の実効性を高めています。

一九九八年四月十六日の自民党政治改革本部総会において、大野功統同本部事務局長(当時)は、政治家はあっせんする動物と言ってもいいとまで発言をしています。自民党発議者らは政治改革本部事務局長の発言としてこれをどう受けとめられたのかは、きょうの採決への道筋でよく理解いたしました。

どう判断したかというと、結局、成立しても何ら実効性のない法律をつくることを連立政権のバランスの上で成案し、議論の過程を謙虚に聞くことなく、数の力で採決されていこうとしています。

多くの市民、有権者は、この法案がざる法であることは見抜いています。参議院の選挙制度の改悪の折にもその強引さは多くの人たちの印象に残り、このたびのあっせん利得処罰法と重ね合わさり、政治の清廉さ、また政治改革は後退すると落胆されていると想像いたします。

アメリカの秘書スタッフは、私設秘書はおりませんが、選挙区のさまざまな要望を法制化する能力が求められ、二年間で一万数千件も提出されていると聞いております。その上、原則的に勤務時間内は秘書は選挙活動を禁じられているのです。もちろんこのうち成立するのは数%というわけですが、これが本来の政治家の仕事であると思うのですが、いかがでしょうか。

あっせんして利得するのを断ち切り、さまざまな要望を法案化していく、これは政治家の政治理念を表現することにもなり、また予算の公平な分配にも寄与するものだと思います。アメリカの秘書制度を手本として取り入れながら、すべてを合理的に取り入れたのではなく、一部日本の伝統的な秘書制度にマッチするよう焼き直した形で続けてきたことが、秘書の政策能力の向上の阻害と選挙への政治家本人の身がわりのような多大な関与として日常化されてきたわけです。

私たちは、政治腐敗防止法案づくりを再度構築していくことを表明し、討論とさせていただきます。

○自見委員長

これにて討論は終局いたしました。

○自見委員長

これより採決に入ります。

まず、菅直人君外十二名提出、公職にある者等による特定の者に利益を得させる目的でのあっせん行為に係る収賄等の処罰に関する法律案について採決いたします。

本案に賛成の諸君の起立を求めます。

〔賛成者起立〕

○自見委員長

起立少数。よって、本案は否決すべきものと決しました。

次に、亀井善之君外十七名提出、公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律案について採決いたします。

本案に賛成の諸君の起立を求めます。

〔賛成者起立〕

○自見委員長

起立多数。よって、本案は可決すべきものと決しました。

(拍手)

お諮りいたします。

ただいま議決いたしました両法律案の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○自見委員長

御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。

〔報告書は附録に掲載〕

○自見委員長

次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
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