国会, 政治活動報告


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政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会

第154回国会 衆議院 政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会
平成14年5月31日

○赤城委員長

これより会議を開きます。

保利耕輔君外六名提出、公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律の一部を改正する法律案及び岡田克也君外九名提出、公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。

この際、お諮りいたします。

両案審査のため、本日、政府参考人として法務省大臣官房審議官河村博君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○赤城委員長

御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。

○赤城委員長

質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松野博一君。

○松野(博)委員

おはようございます。自由民主党の松野博一でございます。

提出者の先生方、御苦労さまでございます。

あっせん利得の処罰法の改正に関しましては、ここのところ続きます不祥事を受けて、政治の信頼回復が急務である、こういったことは、与野党それぞれの提出者の先生方共通した考え方だと思いますけれども、この改正案に当たりまして、現行法が機能していないんじゃないか、いわゆるざる法ではないかというような議論がございます。

その中で、現にきのう、初めてこの現行法が適用されて起訴された事例があるというふうに聞いておりますが、起訴があるということは機能しているということにもつながると思いますけれども、どういう事実で起訴をされたのか、その要旨を法務当局の方から説明していただきたいと思います。

○河村政府参考人

お答え申し上げます。

先生御指摘のとおり、和歌山地方検察庁におきまして、昨日五月三十日、橋本市議会議員らにつきまして、あっせん利得処罰法違反により公判請求したものと承知いたしております。

その公訴事実の要旨でございますが、この市議会議員に係ります部分につきましては、被告人は、和歌山県橋本市議会議員として調査、質問等の権限を有する者であるが、平成十三年九月中旬ころ、土木建設業者から請託を受け、同市が執行する土木工事請負契約の指名競争入札に関し、指名業者選定審査会の事務を担当する同市総務部財政課職員に対して、その権限に基づく影響力を行使し、前記業者が指名業者となることができるようあっせんし、同月十九日ころ、被告人方において前記業者からその報酬として現金五十万円の供与を受けたものであるなどというものであると承知いたしております。

○松野(博)委員

現行法においても機能をしているということもあると思いますが、しかしながら、より適用範囲を広げて、政治に携わる者がより強く身を律していくということは、現状、必要なことであるというふうに考えております。

その中で、与党案、野党案、それぞれの違いのポイントといいますのは、政治的な行動、適正な政治活動の自由が阻害されないかどうかという点にあると思います。これは政治家はもちろんでありますけれども、私は、一般国民、有権者の適正な政治行動、また、民主的な政治参加が阻害されるということになりますと、本来の趣旨から外れてしまう、より悪い状況になるというふうに考えております。

短い時間でありますし、野党案の方がより広く適用を設けておりますので、野党案を中心に質問をさせていただきたいというふうに思います。かなり、それぞれ概念論は前回の質疑で質問がありましたので、具体的な事例で質問をさせていただきたいというふうに思います。

例えば、政治家がある団体から依頼を受けて、その団体が必要とする、また利する法律の立案を働きかけた場合、こういったことは、野党案ですとどういった、「特定の者に利益を得させる目的」ということに当たるのかどうか、お伺いをしたいと思います。

○木島議員

再三答弁しておりますように、野党案にある「特定の者に対する利益を得させる目的で、」という「特定の者」というのは、ある特定の個人、法人その他の団体であります。

一般的に、法律というのは不特定多数の者を名あてにしてつくられるものでありますから、該当しないと考えます。しかし、法律の中にも、例えば租税特別措置法の別表のように、ある特定の法人を名指しして租税特別措置法がつくられているのもありますから、そういう場合には該当する。概念は明確であると考えます。

○松野(博)委員

また、通常、私どもも政治活動をしていますと、よく相談を受けることがあるんですが、例えば、文化団体がシンポジウムを開きたい、そのシンポジウムを開くに当たって、市町村、県、国の後援を得たいので働きかけてくれないかというような相談もあります。このことはちょっと質問要旨の例示の中に入っていませんでしたので恐縮でございますけれども、こういう活動は政治家をやっていますとよく相談を受けることだと思いますが、このような事例というのは「特定の者に利益を得させる目的」という範疇に入るんでしょうか。

○木島議員

ある特定の団体、福祉法人が特別の利益を得るということであれば、特定の者に対する利益を得させる目的になりますが、今御質問の中にありましたように、いろいろな講演会とかその他のことを企画するということを想定されているようですが、あっせんという概念があるわけですね。ある職務権限を持った公務員に特定の福祉法人のために行政的な行為をやらせることが処罰の対象ですから、具体的などういう場面を想定されているのか、今の質問からではうかがえませんので、答弁いたしかねますが、その概念に限って答弁すれば、ある特定の福祉法人は対象になるということであります。

○松野(博)委員

例えば、本当に政治家も、そして各団体や個人も、全くの善意から、そしてこれは通常の政治活動の範囲であるという認識でやっていながら、この法を犯すことになるということがあってはならないと思いますので、個々の案件に関しては明確な線引きというのが必要だというふうに感じます。

例えば、今回贈賄という、わいろの概念で、その申し込みだけでも成立をするということになっております。これも、厳しくするのは一つ意味があると思うんですが、このことによって一般国民の政治活動に迷いがあると困るなと思うわけであります。

例えば、役職の提供というのも財産上の利益以外の範疇に入ると思いますが、政治家に関して働きかけをして、政治家がそれを行政に向けて動いて、それではあなたを私どもの団体の理事長にしましょうとか、名誉顧問にしましょうとかいった場合はどうなるのか。また、推薦候補にしますよというふうな場合はどうなるのか。お答えをいただければと思います。

○町村議員

今、委員は、予算の箇所づけにかかわる何かさまざまな不正が頻発したという趣旨の御指摘がありましたが、具体的に何をもってそう言っておられるのか、ぜひ具体的にお示しをいただきたい。私は余り記憶力が悪いものですから、どういうケースを指しておられるのか、どういう報道があったのか、今一生懸命思い出しているんですが、なかなか思いつかないわけであります。

例えば、国道三十六号線の拡幅工事、ここにできるだけ予算を投入してほしいという要請をすること、これも道路予算のうちのある種の箇所づけですね。どうしてそのことが特定の者の利益というものにつながるのか。それは、周辺住民の混雑が緩和されるから、周辺自治体、町内会などから要請を受けて、やることはある。どうしてそれが特定の業界、企業の利益につながるのか、私はどうも御指摘の趣旨が理解できません。

○堀込議員

今の御質問は、野党案では該当いたします。公務員の採用その他を含めて、野党案としてはそのような行為が該当する、こういうことになっています。

○松野(博)委員

役職の提供というのが、要するに、これは給与等を伴うものでなければ構わないということでよろしいんでしょうか。

○中井議員

松野先生にお答えをいたします。

具体的に御質問いただくのは大いに結構でございますが、両方一本なんですね。だから、政治活動をして、いろいろなことを頼まれて、あっせんをして対価を受け取る、ここを私どもは処罰の対象とするのでありまして、政治活動だけで、あるいは推薦議員にするからというだけで、理事長にするからというだけでという、片方だけで罪を問おうとするものではない。

したがいまして、例をお挙げいただくなら、お組み合わせをいただいてお考えをいただく、このことがありがたいことだ、このように思います。

○松野(博)委員

先生の御説明もわかりますけれども、なぜ個々の贈賄に関する具体例をお聞きしているかといいますと、野党案の方は、現行法の、国等が締結する契約または特定の者に対する行政処分に関しというのを削除されるということでありますから、かなり幅広い政治家の行動が該当するということになると思います。

そうしますと、この法案の構成要件を考えるときに、贈賄の方の規定というのがかなりの部分の構成要件の重要なポイントになるというふうな形になってくるんではないかなと思いましたので、その部分の個々具体的な事例をお聞きしたわけであります。

私の質問の趣旨は、個々、これはどうか、これはどうかという中で、決して野党案、先生方の方の足を引っ張るとか、そういうつもりは毛頭ありませんで、逆に、一般の文化団体、NPO、町会、自治会等を含めた団体さんが、政治家を通じて行政にチェックをしたり申し入れをしたりするようなときに、この法案で迷いがあっちゃいけないと。これは、果たして自分たちがやっていることというのがこの法案を犯すのであろうかどうかというような、迷いがあるということになりますと、かえってこの法案の趣旨から外れて民主的な制度を壊してしまう危険性があるので、指摘をさせていただいているということであります。

時間がもう少しになってまいりましたけれども、最後に、この現行法の適用で起訴事実があったということを受けて、野党案提出者の方からこの事実に関しての感想をお聞きして、質問を終えたいと思います。

○中井議員

一年間で、松野議員がお引きになりました事例がたった一つの摘発でございます。

しかも、この摘発されました容疑者は、覚せい剤でも別件逮捕されている議員でもありますし、当人が、自分と同じ名前の建設会社ですから、自分の会社なのかどうか、親戚会社なのかわかりませんが、これを入札から外したというのはけしからぬ、質問するぞと、市役所職員等が大勢いる前で公然と言ったという、かなり変わったというかあからさまというか、こんな単純なというような事件でございます。

それ以外に摘発あるいは適用された事例がないということをかんがみても、昨年の法改正というのはどうであったんだろうと思わざるを得ない、このように考えているところでございます。

同時に、先ほどお話をいただきました先生のお考えは、まことそのとおりだろうと私どもは思っております。私どもも、政治活動あるいは一般国民の正当なる政治要求、これらについて、この法案で枠をはめたりあるいは制限をしたりする気は毛頭ありません。しかし、その政治活動や政治要求に伴って、対価を求める、対価を出す、ここのところを根幹から断ち切らなければならない。

それでは、政治活動に対してお金が要るのにどうするんだ、こういうお話でありますが、私どもは、やはり議論の中で、税金の中から政党交付金をちょうだいしているんだ、このことを忘れてはならないんだ、このように考えており、やはり政党交付金が支出されて以来、私ども、こういったことの論議については従前と違った観点から議論をせざるを得ない、それがまた政治家の責任だ、このように考えているところであります。

○松野(博)委員

今の答弁をお聞きして、検挙の件数の問題と法律が機能しているかどうかというのは全く別次元のことでありますから、それはさまざまなとらえ方があると思います。

私は、政治家や一般個人の活動をある程度制御する、統制する中で、裁量権が入らないように、明確な線引きの中でそれぞれ適切な行動がとれる、そういった法案づくりが必要だろうという意見を最後に申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

(中略)

○赤城委員長

次に、西川太一郎君。

○西川(太)委員

私は、与党案の提出者でございますが、野党の先生方にお尋ねをお許しいただきたい、こう思うわけでございます。

実は、今回の野党案の中で、私設秘書を、なぜ与党は先見性を持って我々の提案したときに賛成しなかったのか、こういう御議論も厳しく前回も迫られておられました。いろいろな御議論、野党案の中に傾聴に値するもの、たくさんあると存じます。しかし、私はその中で、特に親族にかかわる問題につきましては若干懸念を持つものでございますので、ただいま山名先生からも触れられましたが、少しその点について重ねてお尋ねをさせていただきたい、こう思うわけでございます。

まず第一点でございますけれども、私のお尋ねする基本の中に、民法における親族という概念が、旧法の時代にはといいますか古い時代には、家という我が国における概念、家長を中心として家というものが重視された時代における親族と、現行民法下の夫婦を中心とした、親子の概念を中心とした親族というのは、やはり社会的な位置のエネルギーというものがおのずから違っているんではないかという基本的な思いがございます。

よくこのあっせん利得法で比較される、特に秘書の身分について比較される公職選挙法がございますが、私はもとより法律の素人でありますけれども、公職選挙法を長年、地方議員も含めかかわって読んでまいりますと、地位を利用したいろいろな運動というものを、特別職公務員でありますとか教育者でありますとか、禁じております。特別職公務員じゃないか、いろいろな公務員も含めてございます。こういうようなことも踏まえて考えますと、今回の野党案における犯罪主体に親族をばっと投網をかけるように入れてしまうというのは、いわゆるおのれを持して謙虚に事を行うということを旨とする刑法における謙抑主義、これに大きく逸脱するんではないかという懸念があります。

全く、親族であっても、父親なり母親に、または兄弟に使用されている、まれには両親を秘書としておられる方もいらっしゃる例も国会にございましたけれども、また、ございますけれども、しかし、そういうような場合には、これは秘書、私設秘書、公設秘書と読みかえることは私は可能だと思うのであります。しかし、そうでない親族を広い概念で加えてしまうというのは、行き過ぎではないかと私は思うのでございます。

この辺、野党案を提出されるに当たり、いろいろな深い御議論があったんだろうと思いますが、野党の皆さんにこの点を御説明いただきたいと思います。

○保坂議員

お答えいたします。

親族をどの範囲で含めるかどうかについては、野党の間でも大変議論がございました。ばっと投網をかけるようにということでいいのかどうかということで、極めて限定的に、配偶者、親子とか兄弟姉妹というところに限定したわけでございます。

そして、親族が親族であることによって何か不利益をこうむるというわけではありません。あくまでも、親族であるという立場を用いてあっせん利得行為、政治の廉潔性を低めるような犯罪行為に加担をした場合に、やはりそこはきっちり網をかけておくべきではないかという議論から、この規定を入れました。

同時に、先ほど議論になっていますけれども、地方議員の現場に、相当汚職事件等がこの数年、連発をしております。むしろ、国会議員の不祥事もさることながら、地方でもそのようなことが続発しています。中には、自治体の首長の妻や息子がこれにかかわって、実際に罪を問われているというケースもございます。

その場合、与党案では、私設秘書は国会議員に限定しておりますから、我々は、この地方議員にも拡大をしろということと同時に、親族も、日常的に政治活動を補佐するという形ではなくても、そういったお金のやりとりだとか、一つの案件に絡んでということは考えられますので、この親族という規定はしっかり置く必要があるだろう、こう考えている次第でございます。

○西川(太)委員

失礼ながら、ただいまの御答弁は、まことに古い家族観に、親族観に立っていらっしゃると私は思うのであります。

それは、使用されている者であれば、親族他人を問わず、現代社会における職業の選択の自由とか、またそういう観点から考えれば、例えば私のせがれなどは絶対政治家にはならぬと言っているわけですね。こんなところで個人のことを話すのはあれでございますけれども、これが議員同士の立法のいいところでありまして、率直にあれですが。

そういう者は、日ごろから全く別の職業について、同じところに暮らしていても全く政治とは隔絶して暮らしていると言っても言い過ぎでない。そういう者をやはり、使っている者ならば、これは私は、私設秘書と読みかえて、または公設秘書と読みかえて、それを入れることは一向に構わぬ、こう思うわけであります。

木島先生、弁護士先生で、指定しては、野党にもいろいろ打ち合わせがあるんだと思いますけれども、謙抑主義にという、それはいかぬという日本の刑法の美風はどこへ行ってしまうのかという感じがするのでありますが、いかがでございますか、しつこくて申しわけないんですが。

○木島議員

今、委員が例示されましたような、公職にある政治家の身内でも全く政治活動にはかかわりない、そういう身内の皆さんは、恐らく口ききをして利益を得るなんという行為が想定されませんから、全く御懸念には及ばないと思うんです。むしろ逆に、現実には、特に地方政治の現状などを見ますと、公職にある者の身内、兄弟、親子、配偶者で、秘書活動はしていない、私設秘書ではない、しかし、隠然たる影響力があって、行政庁に働きかけ、いわゆる口ききをする、そして見返りとしての対価をもらうということが、残念ながら日本の政治風土としてはある。

それがある以上、私設秘書でない親族を、親子、兄弟、配偶者だからといって排除するわけにはいかない。やはりきちっと対象には入れておく必要があるんではなかろうかという判断を野党側はしたわけであります。これで親族という身分をひっとらえて犯罪に追い込んでいくという発想では全くございません。

以上です。

○西川(太)委員

ただいまの御答弁の中で、隠然たる親族が地方議会等で口ききをしているという具体例をたくさんお持ちのようでありますけれども、私が承知している限り、そういう人は大概秘書になっておりますね。やはり親族である議員とともに行動して初めて、そこに顔も売れ、影響力も出る、こういうことも実際あるように、私はみずからの経験でそういうものを見ておりますので、ただいまの御答弁は、野党側の研究の過程としてそういうことがあったということは——よろしいです、あれですか。

○中井議員

西川先生の、他の法律との兼ね合い、現行の家族のあり方を踏まえた御議論は、私は全くそのとおりだ、このように思っております。

先ほど答弁者の方から、野党側内部でもいろいろと議論があった、こういうことを申しました。私も、私設秘書の定義を公職選挙と同じ定義にする以上、あるいは前回からしている以上、親族につきましても、公職選挙と同じく二親等、この範囲でとどめるべきだ、このように主張したことは事実でございます。ただし、昨今の地方首長の汚職事件に関連して、二つ三つと、奥さんの御兄弟とかそういった方たちの営む会社がその地域の公共事業体で、口きき、あっせん、こういったことをやっておる、こういう目に余る事例が続発をいたしまして、これも網にかけないような法律ではだめだという意見のもとで、こういう法案提示になったわけでございます。

御指摘の点は、私ども、十分承知をいたしておりますので、どうぞ修正等おやりいただいて、私どもの案を可決、成立をしていただければ結構かと、このようにも思っております。

○西川(太)委員

私は、法は三法にて足れりという気持ち、それから、権力者はみずからの襟を正し、慎み深くしなければいけない、そういう思いから、立法するに際しては、何度も申しますけれども、刑法の謙抑主義というものを拳々服膺しなければいけない、こう思ってお尋ねをいたしましたことは、ただいまの御答弁をいただきながらも、先輩には失礼とは存じますが、その気持ちは変わりません。

もう時間が余りありませんので、あと二問あるんですが、一問、いつもは時間を残して野党にやじられますが、きょうは質問を残して、一問だけ伺います。

第三者供与についてお尋ねしたいと思います。

第三者供与を処罰の対象とする意味は、外形的には第三者に対する供与であっても、それが実質的に、疑わしき議員が財産上の利益を収受したと言い得る場合は処罰の対象とできるわけでありますから、逆に、その第三者供与というものを、これは本当に純粋に、変な言い方ですが、第三者に行く場合も罰することになってしまうという、裏返しに読めてしまうんですね、この部分。つまり、第三者供与を罰することによって、いずれその第三者でない人に行くということがわかった場合には、その本元を縛ればいいわけですから、これはあえて第三者供与というのは入れる必要はないんじゃないか、こう思いますが、いかがでしょうか。

○堀込議員

第三者供与は、議員御指摘のとおり、本人が事実上の支配力あるいは実質的な処分権、こういうものを持っている場合は、認定できる場合は、本人が収受できる、これは収受したものとして現行法でもそれはできる、そのとおりでございます。

しかし、私どももいろいろ検討しましたが、特に公職にある者の場合、政党本部、支部があり、資金管理団体があり、後援会等々、さまざまな、実は、合法的なといいますか、合法性を免れて脱法的にもそういうものを受け入れる第三者が定型的に存在している、こういう実態をどうするかという問題。

もう一つは、現行法との関係で、例えば第三者、例えば口ききをしてあっせんをして、違う議員、この彼の政治団体に振り込んでくれよとか、そういうケース想定も幾つかあるわけでありまして、私どもは、そういう意味では、この法律に第三者供与をしっかりつけておかないと、抜け道につながるおそれが、この法律の目的からして、公務員の公正、廉潔性を保つ、こういう点からいって大事な規定だ、こういうふうに思っておりますので、ぜひ御理解をいただきたいと思います。

○西川(太)委員

時間が参りましたので、与党、野党の御努力に敬意を表して質問を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。

(中略)

○赤城委員長

次に、東祥三君。

○東(祥)委員

自由党の東祥三でございます。

前回からの質疑、答弁を聞いておりまして、保利先生、町村先生、また西先生、西川先生を初めとする答弁者の皆さん方、全国会議員が、あるいはまた地方議員も含めた上で、皆さん方のような政治家であるならば別にこういう議論をしなくてもいいんだろう、そういう感想を一方で持ち、他方において、与党側の皆さん方の答弁を聞いておりますと、本当に、政治腐敗といいますか、これを根絶するという覚悟はあるのか、一方におけるそういう印象を持たざるを得ないのであります。

先ほど保利先生がおっしゃっていたこと、やはり保利先生というのは、すばらしい人格者であり、人間性豊かな人であり、人を見る目というのが公平だな、そういうふうに率直に思いました。

でも、今、政治家に対しての目というのは、私たちが想像する以上に厳しいんではないでしょうか。とりわけ国際環境が激変している時代であります。冷戦構造が崩壊した後、日本そのものが、日本の政治家そのものが一体何をやっているのかという形で見られてしまっている国でもございます。

そういう中で、政治家、それは本来ならば保利先生がいみじくも言外で言われているとおり、ある意味で国民を代表し、識見、そしてまた、国の方向性を考えていく上でも、この人に託すならばということで代議士になっているのが本来の政治家の姿なんだろうというふうに思います。でも、残念ながら、国の成り立ちとして、政治家のありよう、政治家の受けとめられ方、これが個々異なるんだろうというふうに思います。

例えば、アメリカがいいというふうに僕は申し上げませんけれども、御案内のとおり、アメリカのチェイニー副大統領あるいはまたオニール財務長官、彼らは今の公職につく前の段階におきましては、民間の一企業者として年俸、例えば六十五億円あるいはまた四十五億円という巨額の報酬を得て、仕事をされていた人であります。その人が、国のためにということで請われ、そして公職についた瞬間、大統領よりも低い歳費で国のために献身する。だから、アメリカの政治家たちは、それぞれのポストについたときに、たとえおかしなことをしたとしても国民から物すごい尊敬心でもって見られる、そういう活動をしているんじゃないでしょうか。

ところが、日本の場合は、秘書を含めた上で、個人の政治家の裁量によっていろいろとマネージしていかなくちゃいけない、そこに個々人の政治家のありようというものがすごく問われる、そういうふうになってきてしまった。だから、私が衆議院議員になって十二年目を迎えておりますけれども、その間、数限りない政治家と金の問題が出てきているんじゃないでしょうか。

その上で、今改めていわゆる政治家と金の問題、とりわけ政治家が口ききをして対価をもらう、それもますます巧妙になり、そしてますます陰湿になり、それがあげくの果て、国民からいただく税金、それが予算化された公共事業、その公共事業を請け負う企業からまたお金をもらってしまうという、めちゃくちゃな政治になっているんだろうと思います。

そういうことを考えたときに、もう既に中山先生から熱弁が振るわれて、中山先生が言われている情念、情熱、また地方議員もやられた経緯を踏まえた上で、建設的な提案をさせていただいている、それが皆さん方に響かないはずがないんだろうというふうに僕は思うんです。何か一つその場限りの対応をされようとする与党、その政治そのものが否定されているということをお気づきになっていないんでしょうか。

そういう意味で、そういう角度から、もう既に議論されていることでありますけれども、改めて何問か質問させていただきたい。

その第一がまず、前回あるいはまた前々回におけるあっせん利得処罰法案のときに、自由党を初めとして野党の方々が、とにかく私設秘書を入れろというふうに言ってきた。しかし、皆さん方は自信を持って、先ほど来いろいろ言われている議論の経過を踏まえた上で、私設秘書を入れない。そして、百五十回のときにも基本的に同じ主張をさせていただいて、それも入れない。そして今回、なぜそういう、今まで確固たる否定の論理に基づいていらっしゃったあなた方が、どうして今回、私設秘書を導入されるようにお考えを変更したんですか。余りにも場当たり的、その場主義的な今までの、従来の政治手法と全然変わらないんじゃありませんか。

そのことをまず保利先生、申しわけありませんが答弁願いたいと思います。

○保利議員

御指摘の点は、前回、現行法をつくりますときにもいろいろ御議論があったと思うのでありますけれども、人が人を裁く、そのルールをつくる場合にはできるだけ、できるだけといいますか、必ず構成要件、犯罪の構成要件というのを明確化するということを非常に厳しく私どもとしてはいたしたつもりでございます。それでありますがゆえに、私設秘書の部分を省きまして、公設秘書に限定をさせていただいて、現行法が成立をしたということでございます。

現在でもその考え方は変わっておりませんで、やはり中核となるのは公設秘書である。しかし、公設秘書と並んで働いている私設秘書の方がいらっしゃる。それは我々は区別ができますけれども、国民の方から見ればやはりこれは区別がしにくいことであろうというようなことから、私設秘書を入れるということに、いろいろ合議の末、踏み切らせていただいたというのが実際のところでございます。

御指摘の点、いろいろお伺いをさせていただきましたが、私どもは私どもの考え方として、こういうふうに範囲を広げさせていただいたということを御理解いただきたいと思います。

○東(祥)委員

保利先生、例えば公設だから、あるいは私設だからというその論理、僕はよくわからないんですが、例えば米国の場合、秘書というのはすべて公的な歳費で賄われていて、それぞれの議員がどういう人を雇いたいというふうに言ったときに、それを報告し、申請し、ちゃんとチェックしていただいて、その上でそのポストにつけてもらう。ある意味で政治家が関与していないわけですよ、中身においては関与しているんですけれども。ところが、日本の場合というのは、公設であろうが私設であろうが、結局、個々人の政治家の裁量によって何をやらすかということを決めてしまっているではありませんか。

その点において私が今質問しているのは、なぜ前回まで私設秘書を入れるということに同意せず、なぜ今回、私設秘書を入れることに同意して与党案として出してきたんですかと。それは前々の議論と今回導入することを決められた議論にどういう差があるんですかと、そのことを聞いているんですよ。それに対してはまだお答えになっていないんじゃないかと思うんです。

○保利議員

失礼いたしました。そこは、公設秘書に限らせていただいたという理由は、先ほど申し上げたとおりでございます。

昨今のいろいろな一連の問題に絡みまして、我が党あるいは与党といたしましても真剣に論議をした結果、やはり私設秘書のところには問題があるのではないかということで、また実際、そのことが起こっているということもあり、私設秘書へ拡大するのがよかろうという結論に達したということでございます。

○東(祥)委員

ということは、問題が起こらない限り対処しない、そういう保利先生のお立場なのか。つまり、私たちは、私設秘書のみならず、親族も含めた上でということを言っているわけです。この与党案によって、疑わしいんだけれども罰することができない、やはりおかしいなというふうになったときに、今度はその親族関係に、私たちが主張しているような形で今の法律を改正していくということなんでしょうか。

あるいはまた、先ほど来中山先生がおっしゃっているとおり、地方議員においても私設秘書を多く抱えている人たちというのは現在いる。そのことを皆さん方も御存じだろうと思います。そして、そこに問題が起こってきたときに、またそれに対して対処しようとする。そういう発想で法律というものをおつくりになろうとしているんでしょうか。

地方議員と国会議員の最大の違いは何かといえば、私たちは唯一の立法機関にいる人間であります。彼らには立法というものをとれないのであります。

ただ、今、国民から問われていることは、政治家一般に対してのまさに不信であって、政治腐敗というのはいつになったら根絶させてくれるんですかと。それに対して、どのように我々としてこたえていかなくちゃいけないのか。犯罪要件を緻密に追っていく司法の立場じゃないんですよ。私たちは立法の立場として、政治家として、この政治腐敗を一掃させていくためにはどうしたらいいのか。中山先生がいみじくも言われたとおり、悪い人間が罰せられるのであって、どのような法律ができようと、それにかかわらない行動をとっている政治家は罰せられる必要はないんですから。

なぜそのようなスタンスに立って考えられないのか。問題が起こってくれば、それに対してつけ焼き刃的にやりますよ、その場主義で対応していきますよと。今までの政治と全く変わらないじゃないですか。それでよろしいんですかということをお聞きしているんです。

○保利議員

そこのところは私どもとしても十分検討をしたところでございますが、私は、政治家というものは必ず悪いことをするものだという説には立ちたくない、人がちょっとよ過ぎるかもしれませんけれども。しかし、現実にいろいろなことが起こっているじゃないかといっても、これから起こるであろうことをも想像して、そこもつかまえてしまえという観点には、少なくとも私は立ちたくないと思っております。

やはり政治家というものは、李下に冠を正さずという言葉もありますとおり、倫理というものをきちんとわきまえた人が政治家として選ばれるべきであって、その心があれば、今後起こってくるということを想定して、それを事前につかまえてしまおうということは考えたくない、これが私の考え方であります。

○東(祥)委員

保利先生の政治信条、それは僕は尊敬いたします。戦後初めて、三権の長が、政治家と金の問題に関していろいろと疑惑が持たれる、そういう状況になっちゃっているじゃないですか。それは、まさにあそこに象徴されるとおり、国民は、政治家というのはしょせん金なんだ、そういう形でとらえられてしまっているんじゃないでしょうか。

やはりそれを払拭させていくためには、先生おっしゃられるとおり、李下に冠を正さず、そういう政治家がどんどん少なくなりつつあるんではないのかと思われている節もなきにしもあらず。そうであるとするならば、私たちは、そこにかかわる分野には入っていきませんよ、何度でもいいですから縛ってください、その上で政治家としての務めを果たさせていただく、これが本来のありようなんだろうというふうに思います。時間がもう来てしまいまして、あと質問できなくなっちゃいました。

最後に、中井先生、この一連の政治家と金の問題に対しては、本当に自由党の内部でも全力で闘ってきてくださっている方であります。中井先生にこういう質問をするのは酷かもしれませんけれども、改めて野党案と与党案の相違というのはどこにあるのかということを、僕は何度でも言い続けなくちゃいけないんだろうと思いますが、僕の質問時間、あと五分ありますが、とうとうとしゃべっていただいて与党の方々にお示しいただければ、このように思います。

○中井議員

お時間をいただいて、野党案の重要さを訴えろ、こういうことであります。お許しをいただいて、幾つか野党案の特徴を申し上げたい、このように思っております。

既に御議論いただいているところでありますが、私設秘書というところを、国会議員の私設秘書ということだけじゃなしに、公職にある者の私設秘書、地方議員さん、首長さんの秘書さんも含めて網をかけている点が一つであります。

それからまた、この点につきましては少しニュアンスが違うかもしれません。先ほど保利先生から、地方議会は地方議会でお決めいただいたらいいじゃないかというお話がありましたが、地方議会は御承知のように条例だけでありますから、罰するというところについては、当然、国政の場でこれはやっていかなきゃならないんだろう、このように考えております。

また、犯罪の主体の中に、先ほど僕はちょっと口走って二親等と言ってしまいましたが、父母、配偶者、子、兄弟姉妹、こういったものを入れたこと。また、犯罪の構成要件から、現行の法律から請託というものを抜いたところ。また、「その権限に基づく影響力を行使して」、こういう文言も抜いたというところ。対象となる行為についても、契約や行政庁の処分ということではなしに、官公庁の事業一般、権限一般に対して、議員の口きき、こういったものをやはりチェックをしていく姿勢をやっているということ。あるいはまた、第三者供与の処罰規定を設けたということ。また、報酬を、わいろを収受するということだけじゃなしに、約束あるいは要求、こういったことも加えて厳しい姿勢で臨んでいる。

これが私どもの法案の特徴であって、ここまで割り切って、また思い切って踏み込んでつくっていけば、国民の利益全体の奉仕をせずに、一部特定の者に奉仕をして報酬を受け取る、こういう不心得な議員あるいは首長等、本当に十分律することができる、私はこのように考えております。

なお、今回の法案だけじゃなしに、野党全体で、公職選挙法の改正、政治資金法の改正、こういったことも行ってまいります。

例えば、政治資金の公開等も、インターネットで五年間、いつでもだれでも検閲ができる、見ることができる、こういう改正。

あるいは、ここに第三者供与ということで考えざるを得なかった政党支部という問題が、政治献金の受け皿として一つ出てまいっております。今、七千ぐらいの政党支部がある、こう言われておりますが、その数、全体もわかりません。私どもは、これを制限するんだという中でどういう制限の仕方があるかということで、衆参の選挙区あるいは首長さんの選挙区、こういったことを含めて考えましたが、市町村一つずつということになりますと、四千近くになる。これを郡という割り切りをしたら千五、六百という形での政党支部の数制限ができる。こんなことを含めて踏み込んでやってまいりました。

四党それぞれ違いはあるわけでございます。共産党さんのように、あるいは社民党さんのように、企業・団体の政治献金、これについて禁止だ、また政党交付金は要らないとおっしゃる党も四党の中にはあるわけでございます。それらをまとめてここまでよく踏み込めた、こんなふうに自画自賛をいたしているところでございます。

お許しをいただきましたので、自由党のことを宣伝させていただくならば、なお、公務員と政治家の接触禁止法という、私どもは思い切った法律もつくり上げて、今国会に提出を、当委員会へお願いをする、このようにも考えております。

議論して議論して、お互いが律し合って、そして高いレベルの倫理性を持つ。その中で、国民の政治家や政党に対する信頼回復、こういったものを図っていきたい、このように考えています。

○東(祥)委員

時間をオーバーして申しわけありません。ありがとうございました。

○赤城委員長

次に、大幡基夫君。

○大幡委員

日本共産党の大幡基夫です。

一昨日そしてきょうの議論の中で、今焦点となっている政治と金をめぐる問題に対して、与党案が持つさまざまな問題点が明らかになってきたというふうに思います。

一昨日もまた本日も、与党の提案者は、和歌山・橋本市での事例をもって有効性を強弁されておられます。

これは一昨日の読売新聞ですが、この和歌山・橋本での事例について、警察庁のある幹部は、「武器にはなるが、適用範囲が限られているのが難点」。また、板倉教授は、「適用に値するいい事例がたまたま見つかった」だけ。そして、請託を構成要件から外している問題等を指摘して、この新聞の一番最後は、「国会議員は、抜け道をふさぐため、まじめに取り組むべきだ。」つまり、和歌山の事例から見ても、抜け道をふさぐためにまじめに取り組むべきだ、こういうことを書いております。私は、これが大多数の国民の声であると思います。

そこで、野党の提案者に、改めて与党案にある抜け道というのはどういうものがあるのか、答えていただきたいと思います。

○中井議員

お答えを申し上げます。

お答えをする前に、私、ちょっと、先ほど松野議員から、橋本市の摘発のことで勘違いをしまして、覚せい剤云々ということを申しました。これは、請託をした方の業者が覚せい剤ということで、議員さんが覚せい剤ということではなかったので、おわびをして訂正させていただきます。

どの点が抜け道かというお答えでございますが、ほとんど抜け道だ、私設秘書を入れたというだけ、何も変わらない。ありとあらゆる方法がまた考え出されるんだろう、このように思っています。

自民党さんは自民党さんなりの御努力というのは、また議論が難しかったこと、まとめるのが大変であったこと、これはもう保利先生のお人柄がにじみ出るような御答弁で、私どもはよく承知をいたします。しかし、それと結果は別でございます。

したがいまして、できる限り私どもの案を御勘案いただいて、そして抜け道というのをふさいでいただく、このことが必要だとあえて申し上げさせていただきます。

○大幡委員

本日、野党四党は、与党側に対して修正要求を共同で提出しました。八項目から成っています。

第一は、犯罪の主体に、国会議員の私設秘書に限定せず、「公職にある者の私設秘書」とすること。第二は、犯罪の主体に「父母、配偶者、子、兄弟姉妹」を加えること。第三に、犯罪の要件から「請託」を外すこと。第四に、「権限に基づく影響力を行使して」との文言を削除すること。第五に、対象となる行為について、「契約」「行政庁の処分」に限定しないこと。第六に、第三者供賄の処罰規定を明記すること。第七に、罰せられる行為について「収受」のみならず、「要求」「約束」を加えること。第八に、第六条(適用上の注意)を削除すること。

この八つの修正要求を出したんですが、特にこの中の第六の第三者供与の問題について、改めてお聞きしたいと思います。

一昨日、私は、政党支部やさまざまな資金管理団体を使い分けている鈴木議員の例などを示しましたが、それに対する与党提案者の答弁は、現行法でも実質的な処分権を有すると認定できる場合はあっせん利得罪が成立する可能性があるというふうに述べられました。

そこで、例えば後援会や政党支部、資金管理団体などが、それぞれ具体的にどのような場合、形態、仕組みがあれば実質的な処分権を有すると認定できるのか、この点についてお聞きします。

○町村議員

今、大幡委員御指摘のとおり、事実上の支配力あるいは実質的な処分権の有無によって判断をされるべきであるという御答弁をさせていただきました。

これは実際、私自身のことを言って恐縮でありますが、私の政治資金管理団体、北海道第五支部とそれから私の後援会、この関係と、例えば保利先生の佐賀第何支部と保利先生の資金管理団体、それはなかなか一概に言えないと思うんです。いろいろなかかわり合いがある。

実は、この点も随分与党の三党の中でも議論をいたしましたが、わかったことは、自分の関係でどうしても見てしまうんですけれども、自分と後援会、自分と資金管理団体、それは全然違うという方が実にたくさんいらっしゃったんです。ということは、千差万別だということですね。

したがって、結論は何かというと、やはりそれは具体的な証拠に基づく事実認定を個々それぞれにやっていかなければならない。鈴木さんの場合は鈴木さんのケース、町村さんは町村さん、保利さんは保利さん、先生の場合は先生というふうにやっていかないと、あらかじめ、こういう関係であれば、これが事実上の支配力なり実質的な処分権があるとかないとかということは、アプリオリに、それを客観的な基準といいましょうか、文章表現をもってあらわすことは、本当に難しいんだろうと思います。

まさに個々の事実に即した判断をするしかないんだろう、こう思っております。

○大幡委員

つまり、具体的に言えないというのは、非常に有効性を持たないというふうにも言えると思うんです。

例えばですが、ある国会議員に公共事業を頼みに行った。この仕事が欲しいとお願いをしたら、その場で受話器をとって、この業者を入れろというふうに言ってくれた。それで受注ができた。後日、お礼にお金を持っていった。このときは秘書が対応した。秘書が、今は要りません、後で政党支部への献金やパーティー券をお願いしますというふうに言った。それで後日、政党支部に献金をした。こういう場合は罪に問えるんでしょうか。

○町村議員

それは、その当該議員と政党支部のそういう支配力、処分権の関係がどうなっているかというところで決まってくるわけでありまして、その関係が、今の御説明だけでは、たちどころにシロであるとかクロであるとかいうことを申し上げることは不可能であります。

○大幡委員

したがって、本人が財産上の利益を収受したと見られる場合というのは、例えば、金の出し入れに議員が同席をして、通帳その他に議員が直接かかわっているということなどが証明できるような事例なんですね。こういうことはいわば通常あり得ない。つまり、ほとんど事実上罪に問えないというふうになるわけです。

もう一つ聞きたいんですが、この間、我が国の政治の腐敗はここまで来たかという例として、この口ききを目的にする法人、会社や団体が生まれたと。通常、第三者供与というのは政党支部だとかということを相手にやっていましたが、とうとう、いわば秘書、元秘書などが国会議員の影響力を背景にして口きき専門会社までつくるというふうな考えられない事態が発覚しているわけです。こういう口きき会社や口ききの組織に金を入れている場合、もちろん他の要件を満たしている場合ですが、第三者供与が加われば処罰の対象になるのかどうか。つまり、こういう組織で、議員の実質的処分権との関係であっせん利得罪が成立する可能性があるのかどうか。これは与党提案者にお聞きします。

○町村議員

口きき会社、何となく、おっしゃっている意味は報道されているあの会社のことかなということは私も想像できるわけでありますが、どういう実態であるのか私もわかりませんし、まして、今、具体例としてお触れになった口きき会社とその当該議員の関係が一体どういう関係にあるのか。事実上の支配下にあるというのならば、それは成立する可能性があるでしょうし、また、実際に、そういう、いわゆる言われた口きき会社あるいは団体に属するあっせんの行為者が公職にある者本人と意思を通じているというような場合には、あっせん利得罪の共犯に該当するだろう、こう思います。あくまでもこれも具体的ケースに即して言わないと、一般論で言うのは、しかしなかなか難しいんだろうな、こう思います。

○大幡委員

法人の口きき会社だとか口きき団体の場合に、事実上の支配力や実質的な処分権の証明というのは事実上不可能になると思います。つまり、こうした今生まれている、いわば考えられなかった腐敗事例に対して、現行法では全くといっていいほど対象になり得ない、こういう問題だというふうに思います。

時間がないので、最後の質問に移りますが、先ほどの質疑者からも、政治腐敗事件や口きき政治の異常な現状を断ち切るためには、このあっせん利得処罰法の抜本改正とともに、政治と金の仕組み、日本共産党は企業・団体献金の全面的な禁止の見地ですが、とりわけ公共事業受注企業からの献金は禁止すべきだということも国民多数の声になっています。この点は、本会議でも予算委員会でも、我が党の質問に対して小泉首相は繰り返し検討を約束してこられました。

自民党の幹事長代理の要職におられる町村さんが、一昨日のこの審議の中で、政治資金規正法は何の問題もないような大変高い評価の答弁をされたので、私、改めてお聞きしたいんですが、公共事業の受注企業の献金は禁止をすべき、こういう方向で検討しているという点は、当然確認できますね。

○町村議員

その前に、口きき会社の件で、証明不可能であろう、こう言われたけれども、これはまさに個々のケースに即して考えればいいのであって、証明不可能だとは私は考えておりません。

また、本当に自分と関係のない、あるあっせんをして、全く自分と関係のない会社があって、そこに何かお金を振り込まれている。それでも私が罰せられると、仮に。それはやはりおかしいとお思いになりませんか。だって、自分と関係のないところでお金のやりとりがあって、自分は確かにあることを紹介したりなんかした。しかし、その人が自分ともう全く縁もゆかりもないところにお金が振り込まれて、それはおまえの責任だ、なぜならば第三者供与はだめだからだということまで犯罪扱いになるんだったならば、これはもう私自身の政治活動というのは何ができるかということになりますから、実質的にどういう関係があるかということを判断するというのは、法律の、しかも罰則がある法律の適用に際しては、そこはやはり構成要件としてきちんとすべきだというのは当然のことだろうと思います。

その上で、受注企業からの献金のお話がございました。私どもは、企業献金イコール悪という考え方はもともととっておりません。企業というものも社会的な存在でありますし、さまざまな活動ができるということは、企業であれ、各種団体であれ、労働組合であれ、それはさまざまでありまして、それぞれがいろいろな活動をすることは現代の社会においては当然許されるべきだと。したがいまして、企業献金、悪という前提はとっていない、そこが共産党さんとまずそもそも入り口から違う点でありますから、それを、また、違うということを前提にした上でなおかつ申し上げれば、現在、総理もそういう御答弁をしておられますから、私どもも検討しております。

しかし、なかなか難しいなと実は考えておりますのは、公共事業あるいは公共土木工事以外にも、国なり自治体なりから、物やらサービス、それこそ鉛筆一本、消しゴムから、コンピューターの納入から、ビルメンテナンスサービスから、いろいろなものが全部公的機関に納められていることがあります。それらを全部だめだというと、多分もう日本の企業の九割九分ぐらいまではみんなそういう公的契約を持っていますから、それは全部だめだということになる。ということは、実質的に企業献金禁止だということになって、まさに共産党さんのおっしゃるとおりということに結果的になってしまいます。それはやはりおかしいのであって、その中で一体どういうことが政治資金のより望ましい姿としてあり得るのかどうかということについて、今引き続き議論をしているというのが実態でございます。

○大幡委員

ちょっと今長くしゃべられたので、時間が来ました。

ある大物国会議員の秘書が法人の福祉会社を設立したと。そして、その後、秘書はやめましたが、その会社の役員に議員の親族も入り、口きき料の中から一億円もの金が議員に回されていた、こういう場合、あっせんの見返りのわいろということで罪に問えるのでしょうか。もう一度お願いします。

○赤城委員長

既に時間が来ていますので、簡潔にお願いします。

○大幡委員

はい。

なかなか、そこは具体論でありますから何とも言いかねる。そういうかなりの関係があるのならば、それは第三者供与といっても全く無縁の第三者ではなくて、一定の関係のある第三者でしょうと言われれば、それはそうかもしれません。ただ、それが犯罪を構成するかどうか、実質的な支配力があるかどうか、それはあくまでも個々のケースに即して判断されるべきか、こう思います。

○赤城委員長

大幡君、質疑時間を過ぎていますので。

○大幡委員

はい。

「一連の不祥事に端を発する政治不信を重大に受けとめ、」という与党提案者の趣旨に立って、このあっせん利得処罰法の抜本改正と政治資金規正法の抜本改正を実現することを求めて、質問を終わります。

(中略)

○赤城委員長

次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
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