国会, 政治活動報告


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逓信委員会

逓信委員会
平成12年4月26日

○前田委員長

次に、中井洽君。

○中井委員

二十分の時間ですので、本来、法務省や通産省にお尋ねもしなきゃならないかと思いますが、郵政省だけで質疑をいたしますので、郵政省の大臣、次官の範囲内でお答えをいただければ結構だと考えております。

先ほど、大臣の御議論の中で、印鑑証明のあり方の過渡期的な法案の一つだというようなお話がございました。実印の方ですね。私は、本当にあの印鑑の文化というのは大事でありますし、印鑑屋さんというのは、本当に伝統的に家業を各地区でやってこられたこと、そのとおりだと思います。本当に実印がなければ何かいろいろな本人確認ができないという今のやり方をいつまで続けるのだろうと時々思うわけでございます。

去年の暮れに郷里に帰りまして、なかなか平日帰れないものですから、いつも使っている銀行へ行きまして、いろいろな、判を押したりお金を納めたり、たまっているものをやっておりまして、そうしたら、代議士、これは実印が要るのですと言うのですね。僕は実印を持っていないものですから、理事長やら部長に、昔から知っていますから、冗談半分に、実印というのは何のために要るのだ、こう言ったら、本人確認だ、こう言うから、長いつき合いの衆議院議員中井洽を知らぬのかと僕は言ったわけでございます。秘書が実印を持っていったらそれでいいのですね。ここらを含めて、本当にどうなんだろうと思わざるを得ません。しかし、漢字文化の中で育った我々として、印鑑というものをなくするというわけにもいかぬでしょう。大臣がさっきどういうことであそこまで踏み込まれたのかわかりませんが、率直な大臣のお考えを承ります。

○八代国務大臣

実印を本人確認に用いることは、本人確認の有効な方法の一つでもあると思います。当然、認証事業者が本人確認方法として利用する選択肢の一つとなり得るものと考えておりまして、まだまだこの文化は、電子署名、電子認証という法律がつくられましても、まだ日本においては主流であろう、しばらくはそんな思いを持っているところでございます。また、電子署名と印鑑は、その利用実態に応じて使い分けがなされるものと考えられまして、例えば、迅速性かつ効率性が求められる日々の電子商取引では電子署名が用いられる一方、高額な取引とか、あるいは遺言とか、今後も文書形式が日本では維持されると思っております。したがって、従来どおり印鑑が用いられることになるのではないかと考えているわけです。

私も、実は実印というものを持っておるわけでありますが、めったに私がついたことはなくて、かみさんがほとんどついているわけでございます。しかし、子供たちに実印という話をして、印鑑証明という話をしましても、子供たちはわかりませんね。印鑑証明とは何だ、やはりそんな年齢のギャップ等々を感じていきますと、まさに二十一世紀の子供や孫たちの時代には、この電子商取引といいますか、電子署名あるいは認証制度というものがまた主流になっていって、我々は過去の一つの考え方の中であえぐのかな、こんな思いを率直に感じてもいるところでございます。

○中井委員

率直なお考え、ありがとうございました。

インターネット銀行とか、あるいはインターネットの証券取引、インターネット銀行はまだ非常にこれからだという感がいたしますが、インターネットを使っての証券取引というのは、株式の取引というのはかなり行われている。そういうときに、大体もう暗証番号で処理をされているのだろう、こう思うわけであります。

暗証番号ではなしに、あえてこういう大変複雑な形式の今回の電子署名あるいは認証、こういう制度を導入した。どういう利用方法を具体的にお考えなのか。あるいは、どのぐらいの利用件数というのを想定されているのか。あるいは、認証証明、自由競争でありましょうが、こういったことについてどのくらいの費用というものが想像されるのか。これらについて、郵政省のお考えを承ります。

○小坂政務次官

委員が、通常いろいろな銀行でカードを使うとか、そういうときに使う暗証番号というのは四けたとか五けたぐらいのものである、あるいは、もう少し複雑な金庫等でも八けたぐらいの数字を羅列するものであろうと思います。

今回の電子署名というのは、いろいろな方式もこれから出てくると思いますが、現在この法案で議論しているときにその主流を占めておりますのが、公開かぎ、秘密かぎという方式でございます。これは電子文書を送信するに当たりまして、本人しか知らない秘密かぎ、これは数字の羅列でございますけれども、数百けたのレベルの数字を用いて、この電子的な文書を暗号化するわけでございます。この暗号文を復号化するには、これは公開かぎというものがないとできない。この二つのかぎを使ってやるわけでございます。

これは数学的な論理でございますので、私も説明を受けてもなかなかわからない。実際には、十七世紀のフランスのピエール・ド・フェルマーという数学者が考え出したフェルマーの定理というのを使ってやるのだそうでございます。素因数分解をするというような話でございますが、これを説明していますと、えらく長くなって、私もわからなくなります。

そういった方式を使ってやるものですから、では、ものすごく難しくて、頭をひねらないと使えないのかといいますと、実際にはこれはソフトウエアに組み込まれていて、パソコンの上でかぎをかけろと言えばすぐに一瞬にかかってしまう。また、認証を申請するにも、電子的にその文書を送るのは非常に簡単な方法でそれをつくることができる、こういうような内容になっておるわけでありまして、使い方が簡単なものですから利用頻度も非常に多くなってくると思います。

ですから、電子商取引の上でも、何か買い物をする、Eコマースということで買い物をするというような場合には、みんなこれを使ってくることになるかもしれません。そのレベルが、金額によって認証を必要とするような契約のものになるのか、政府の認定を受けた認証事業者の認証を使うのか、あるいは、一般にもっと普及型といいますか、もっと利用料金が安い形のものを使うのか。利用料金というお話もございましたが、利用料金も、言ってみれば、数円かあるいは一たん定額を払えばもう幾らでも使い放題というようなものから、一件一件料金を取るとか、あるいは認定をするたびに料金を取るとか、いろいろな料金形態が考えられるわけでありますが、これも数千円からもっと上というものもあるのかもしれません。

その辺につきましては、まだ事業者の方の話でございますので、私どもが詳細にまだ申し上げるわけにはいきませんが、そういった幅のある料金体系のものであって、また利用範囲も、今申し上げたように、非常に簡易なものから高額の契約等に使われる非常にセキュリティーレベルの高いものまで、いろいろなバリエーションがあるというふうに理解していただければいいかと思っております。

○中井委員

今のお話を承りますと、要するにインターネットの取引において、ほとんどこういう形のものが、印鑑であったり実印であったり、いろいろとレベルの高さによっては違うのでしょうが使われる、こう御判断をなさっているようであります。

それで、先ほどから御議論がありましたが、こういうやり方を法的に制度としてつくっていく、これが、インターネットのことでありますから、本当に将来も国際的にこういうやり方でインターネット上いけるのかどうか、これが心配なわけであります。

郵政省の今日まで歩んできた歴史を見ますと、残念なことに、いろいろなやり方、テレビだとかビデオだとかの世界で、時々独自のことをやりながら、それが世界の主流にならずに後から直さなければならない、こういうことが間々あったわけでございます。今回の電子署名・認証の制度というのは、先ほどからお話を聞いていると、大体こういう方向で世界の中でやっていけるのだというようなお話でありましたが、そういう確信のもとに今回法案をお出しになっているのでしょうか。

○八代国務大臣

まさにアメリカでも、インターネットビジネスが既にもう三兆円に迫ろうという状況。日本でも実際千七百億とかそういう状況ではございますけれども、日本の経済の全体を見ますと、アメリカが三兆なら日本も二兆くらいの取引がインターネット上であってもしかるべきという状況だというふうに思いますし、まさに世界の潮流は、これから、電子署名・認証という形のネット取引になっていくだろうと思うのですね。

私テレビを見ていまして、IBMでしたか、梅津栄というタレントさんが酒屋さんの主人で、はっぴを着て、フランスから買い物に来て、それはねと言うコマーシャルがありますけれども、まさにあんなふうに町の中で、これから私たちのインターネットを通じてのそうしたビジネスというものは本当に活発になっていくでしょうし、対外国へのセールスということがいわば日本の社会の大きな力になっているということを考えますと、世界の対応の中にやはりおくれてはならない、そのためには、世界に先駆けてというよりも、私たちがリーダーシップをとるような思いで、この電子署名というものをしっかりと国際的にも位置づけていく、日本の未来のかぎである、こんなふうにも思っているところでございます。

○中井委員

結局この方式、これはすべてそのままというわけではないのでしょうが、こういう方式で世界の中でインターネットで取引というものが進んでいくという、方向性も確信も余りなさそうなお話でありましたが、ここら辺を含めて柔軟に対応されて、世界の流れの中でおくれることのないようにお願いをいたします。

こういうことを私はこんな席で申し上げるのは恐縮なんですが、かつてNTTのプリペイドカードあるいはパチンコのプリペイドカード、ああいう研究を日本がしたときに、一年、二年と法的なことを積み上げて、結局にせものをつくられないかという議論が随分あったのだそうであります、研究会で。しかし、日本の技術屋さんは、いや、絶対にそんな簡単ににせものができるようなものではありません、こう言って豪語されたのだそうでありますが、一万円のパチンコのプリペイドカードやそういうものが出ると、あっという間ににせものをつくられた、こういう事件があったわけでありまして、コンピューターの世界でも、すさまじいいろいろなことを私どもは聞いております。

今回のこういう署名制度だって、非常に中身は難しいけれども、小坂さんのお話では、使うのは簡単である。使うのが簡単だったら、例えば私どもの事務所でやっても、秘書が勝手にやったときどうなるのだとか、あるいは会社関係でも、それを使える人が決まっておっても、日本の会社ですから、簡単に部下の者が使ってしまう、そのときどうするのだ、こういったことを含めて、ありとあらゆることを考えていかないとなかなか対応できない複雑な社会になっているのだろう、こんなふうに考えております。そういう意味で、柔軟な、また十分な対応をこれからもしていただきますことをお願いいたします。

最後に、小坂さんでも大臣でも結構でありますが、率直な感想というか考えをお聞かせいただきたいと思います。

こういうインターネットでの国際的な取引、国内的な取引、ふえればふえるほど税金というのはどういうふうに考えていくのだろう、インターネット上の取引に対する課税のあり方あるいは消費税のあり方、こんなことを含めて、非常に難しいものがこれから提起されるのだろうと思っております。当委員会での役割ではないかもしれませんが、インターネット等のことに大変お詳しい小坂次官のお話と考えとを承って、質問を終わりたいと思います。

○小坂政務次官

中井委員の御指摘は本当に難しい問題でして、これは今世界的な議論になっている問題でございます。インターネットの取引に対しての課税を一体どのようにして行うのか、その点につきまして、我が国においてもこれは考え方がまだ十分に煮詰まりませんし、諸外国においてもこれはなかなか難しい問題であります。実際には、インターネットを通じて商品を注文して、形になった物が輸入される形をとれば税関において輸入時に関税を課すことができるわけでありますが、音楽とか著作物のように、電子的にこれが送られる場合にはなかなか把握できない、そんな意味で、これはこれからのまだ十分な課題と認識いたしております。

ただいまの質問に対するお答えはその程度でございますが、今回の認証全体につきましての御意見ということであれば、大臣から御答弁をお願いいたしたいと思っております。

○中井委員

それでは、時間もまだ四、五分ありますので、大臣にお尋ねをいたします。

税金のことでなしに、過般から各党間で公職選挙法の改正がございます。このときに、インターネットを使った選挙運動、これについて少し議論があったわけでございます。ある党は、自由にやらすべきだという御意見でありましたし、複雑過ぎるし、お金と人を入れれば幾らでもできるではないか、不公平ではないか、こういう意見もございました。また、インターネットを使った将来の投票というものもどうだという議論もあり、実際に実験等も始まっているわけでございます。結局、インターネットを使った選挙運動あるいは事前運動、ここら辺はできないことにしようということで決着はついたわけでございます。

私なんかは、現行、なかなか難しいけれども、例えば選挙公報、こういったものなんかは、各地の選管がどんどん出していけばいいではないかというようなこと、例えば北海道の人が、東京の知人が立候補したときの選挙公報、どうなんだ、なかなか見られない、見られるような仕組み、そんなことを含めてやればいいではないか、こういう意見を申したことを覚えておりますが、大臣自身はこういったことについて、あるいは方向性についてどうお考えか、この際、お聞きをいたします。

○八代国務大臣

まさに時代はインターネット時代。したがって、我々政治を志す者、政治は暮らしのすべてでありますから、そういう意味でもインターネットにおけるいろいろな政治活動ということも避けて通ることはできないだろうと思います。

私も実は郵政省に大臣のホームページというものを開設しておりまして、毎週、私の個人的な意見を述べさせていただいて、皆さんから御意見を伺っているわけでございますが、しかし、そんなにたくさん意見があるものでもないんですね。それほどインターネットもはんらんしております。そしてまた、私の政治活動に対して、いろいろな誹謗中傷もインターネット上にございます。ございますが、それをまた見ている人もそんなに大勢いるわけではないというところを見ますと、これからのいろいろな展望を考えて、セキュリティーの問題も含めまして、これは自治省で、また、それぞれの各党各会派で真剣に議論していただかなければならない問題だろうとは思います。

しかし、そういう問題も、電子投票等々も踏まえて、いろいろこれから、時代に即した、政治とインターネットの問題、かかわり合い、また選挙公報とインターネットのあるべき姿、いろいろな問題が議論されていく時代が到来しつつあるなという予感を持っている次第でございます。

○小坂政務次官

最後に、中井委員から午前中に御質問ございました仮設電話の件でございますが、資料を用意しておりますので、お手元に後ほどお届けすることで答弁にかえさせていただきます。

○中井委員

終わります。
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