国会, 政治活動報告


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予算委員会

衆議院 予算委員会
平成10年2月26日

平成10年度予算案に関する総括質疑

○越智委員長

これにて太田君の質疑は終了いたしました。

次に、中井洽君。

○中井委員

先ほどからいろいろと御議論のありました昨年の行革特の質疑、その中で、野村証券のVIP口座の問題が出ました。いろいろな交渉があったのでありますが、最終的に、当時同じ党でありました石田幸四郎議員が総理に御質問をいたしました。

総理から、「捜査の進捗状況も踏まえながら、善良な顧客の方々のプライバシーには配慮をしながらも、いわゆるVIP口座というものの正確な把握など、今議員から御指摘をいただきました問題に対しては、適切に、かつできる限りこれに取り組んでいき、国民の素朴な疑問というものに答えていきたいと思います。 また同時に、これは証券市場、そこにおける取引をより透明で、より公正なものにしてまいりますためにも、野村証券自身、また自主規制機関であります取引所あるいは証券業協会、さらに行政の、それぞれの立場から、なお何かできることがあるのじゃないか、そういう認識に立って真剣に検討させていただき、それを受けて適切に対応してまいりたい、」こういうお答えをいただいております。  きょうは、実は証券協会、お越しいただこうと思ったのでありますが、残念ながらお越しいただくということができませんでした。それ以外で、総理がこの野村のVIP口座解明に関してどういう指示を出されて、どういう行動をおとりになって、何が今日までに判明をされておるのか、御報告をいただきます。

〔委員長退席、伊藤(公)委員長代理着席〕

○橋本内閣総理大臣

証券局長を初め、事務方からお答えをすることをお許しいただきたいと存じます。

○長野政府委員

お答えを申し上げます。

事実関係の解明の点につきましては、証券取引等監視委員会の方から御答弁をさせていただきたいと存じます。  先生が読み上げられました総理の御答弁の後段の部分、すなわち、ああいった問題を踏んまえまして、証券業協会あるいは証券業界としてどういう改善の点があるかという点につきましては、その後総理より御指示をいただきまして、証券業協会において検討させていただき、いわゆる特殊な株式、転換社債でありますとかそういった株式の配分割り当てのルールにつきまして、明瞭な、経済合理的なルールに基づいてやる、そういう社内規則をそれぞれの会社において設定し、わかりやすい言葉で申し上げれば、政治家であるから割り当てたとかそういったことのないように改めるということを決定し、実施に移されたところでございます。

○中井委員

証券取引等監視委員会にもお越しいただいております。

監視委員会におきましては、別に業界の自主ルール違反ということについて調査をされるわけではなしに、自主ルール違反は自主ルール違反で、これは証券業界でおやりになるのだろうと思っております。証券監視におかれては、疑惑のあるものについてチェックをされる、調べをされる、こういう役割分担だろうと考えております。

この野村証券のことに関して、VIP口座と言われるもので、今日までお調べになった事実はあるのですか。

○堀田政府委員

監視委員会からお答えを申し上げます。

いわゆる野村証券のVIP口座につきまして、国会におきまして野村証券側がその概要を説明したということでございますが、私どもは、VIP口座と称するものであるかどうかは別にいたしまして、結局は、今先生お話しになりましたけれども、個々の口座を利用して違法行為が行われているかどうかというのが我々の関心事項でございまして、そういった観点から野村証券に対しまして調査をいたしまして、証取法に違反する不公正な取引があるということで、損失補てんにつきまして、去年でございますけれども、告発をしたということでございます。

私ども、犯則調査の過程でいろいろな資料、情報を集めるわけでございますけれども、それはあくまでも、ただいま申し上げましたように、証取法に違反する行為について告発をいたしまして、刑事訴追を求めるために行うものでございますので、私どもがこの過程で集めました資料、情報の内容とか、あるいはその存否について公にすることはお許しをいただきたいと思うわけでございます。

○中井委員

今回の総括質問をこの証券業界の問題から入らせていただきましたのは、ちょうど総理が大蔵大臣のころ私も国会にカムバックをしてまいりまして、大蔵委員会をやらせていただき、いろいろな議論をいたしました。しかし、そのときの大半は金融不祥事問題でありまして、今それらの速記録を読み戻してみましても、今日と同じようなことをまたやっているな。あの当時には損失補てん、飛ばし、こういう言葉であって、今回は一任勘定あるいは借名口座、仮名口座、こういう言葉が国民の中に広く伝わって、何かおかしなルールでインチキやっている、こういう空気をつくり出して、それが金融あるいは証券業界全体の信頼を失墜させておる。このことを本当に残念に思いながら、質問に立っているわけであります。

そういう意味で、この仮名、借名の口座という問題で、過般から、議員の仲間からも容疑者が出たりしまして、大変な騒ぎになりました。この仮名、借名口座につきましては、自主ルール違反ということになります。

この違反の中身あるいはどういう対応をしておるかということは、証券協会に聞きたかったわけでありますが、聞けません。またの機会に聞くといたしまして、証券等監視委員会では、この仮名、借名口座、ここでおかしな取引がされておるかどうかということを御調査なすったことがありますか。あれば、どういう形で、あるいはどのぐらいの数を今日まで御調査なすったのか、御報告をいただきます。

○堀田政府委員

お答えを申し上げます。

先生お話ございましたように、いわゆる仮名口座、借名口座は証券業協会の自主ルールにかかわるものでございますけれども、その口座を使いまして証券取引法に違反する行為を行っている、その口座の裏に違法行為が潜んでいるということは十分あり得るところでございまして、私どもの立場でも、そういった意味で、いわゆる借名口座、仮名口座を把握いたしまして、把握したときには、その証券会社に対しまして改善指導をいたしますとともに、その会社を通じて証券業協会に連絡をさせる。証券業協会のルールでございますので、証券業協会はまたそれなりの処分をするということになっておるわけでございます。そういった対応を今までしているということでございます。

数字のお尋ねがございましたけれども、私ども監視委員会が平成四年に発足いたしまして、去年の六月末までの五年間に把握いたしました、あるいは指摘いたしましたいわゆる仮名口座、借名口座でございますけれども、証券会社の検査は全部で三百九十九社、約四百社について実施しておりますが、そのうちの延べ八十六社、口座数にいたしますと五百八十口座につきまして仮名口座が把握されておりまして、その改善指導をしているということでございます。  もう一つ、背後にいろいろ違法行為がございまして、一任勘定、損失補てんというのもございましたし、場合によりまして、いわゆるインサイダー取引それから相場操縦というものにもこの仮名口座が使われているということも把握したことがございます。

以上でございます。

○中井委員

その五百八十に余ります仮名口座、もう今や実名をおつかまえになっていらっしゃって、適正に処理されたと思いますが、その中に、政治家あるいは中央官庁の高級官僚と言われる人たちがおった事実はありますか。

○堀田政府委員

私どもが把握いたしました五百八十口座につきましては、もとより真正な名義人を把握したということでございますけれども、その中に、政治家とか今おっしゃいましたような中央官庁の役人がいるというような事実は把握しておりません。

○中井委員

過般、今委員長席にお座りの伊藤予算理事のところに、日興証券から借名口座の数、御報告があったと聞いております。三十二口座。ほかに政治家で二十五口座、あるいは中央官庁の役人四十五口座という報告を私どもは聞いておりますが、今五百八十と御報告いただきました仮名口座の中に、日興証券三十二口座が入っておりますか。

○堀田政府委員

ただいま御指摘の三十二口座は、日興証券が借名口座の疑念があるということで当委員会に資料を提出したものであるというふうに承知をしております。

私どものこれまでの検査で把握いたしました五百八十口座との関係というのは、ちょっと直ちにわかりませんけれども、恐らくその五百八十の中には入っていないだろうと思われます。

○中井委員

政治家の名前が入っていないし、日興証券の三十二の中には政治家がおったわけですから、当然日興証券は入っていないんだろうと私は思いながら聞きました。

四百余りのうち、八十六を調べて五百八十あった、こういうことでございます。証券等監視委員会におかれては、疑惑があって初めて入れるわけでございます。しかし、この仮名、借名口座というのは協会の自主ルールでございます。協会みずからが、こういうときにきちっと調べてもらわなければなりません。

きょうは、そういう意味で私はお願いをしたわけでありますが、残念ながら、総括の間には民間人を呼べないというふうなことで呼べませんでした。

そういう意味で、大臣からひとつ、証券協会、自主ルールちっとも守られていないということであります。三百九十九社きちっと調査して、そして報告をする。幾ら仮名があるんだ、借名があるんだ、いつまでに直すんだ、政治家は何人おるんだ、それから高級役人何人だ、こういうことを含めて御報告をさせてほしい、このように思いますが、いかがですか。大蔵大臣、調べるのは得意じゃないですか。

○長野政府委員

お答え申し上げます。

先ほど堀田事務局長が御答弁いたしましたように、協会の自主ルールといえども、証券取引等監視委員会の対象になっております。

それから、御指摘のとおり、証券業協会におきましても調査をいたしまして、私どもが承知しておりますところでは、数字で申し上げますと、証券業協会は仮名、借名口座に関しまして、平成七年度では五十五件、八年度では五十一件、九年度は、ことしの一月まででございますけれども、三十二件の処分を行っておるというふうに承知いたしております。

○中井委員

長野さん、僕はそんなこと聞いていません。今の数、聞かせていただいただけでも五百八十に足りません。自分たちでルールを破ったことをしながら処分していない、こういうのもあるんでしょう。

そういうことを含めて、やはり、公正なルールでやっておる、こういうことがわからない限り、どんな経営安定の、あるいは金融秩序維持のルールをつくってあげても国民が参加してこない、私はそう思います。それも、もう何年も何年も議論をしてきておる問題であります。

そういう意味で、局長はああ言いますが、大臣、きちっとお答えをいただけるように、大臣として協会を御指導いただけますでしょうか。

○松永国務大臣

協会で定めた自主的なルール、そのルールに従わない、違反している者がどれだけおるか、それを調べて報告を求めなさい、こういう趣旨でございますか。(中井委員「口座数、借名、仮名」と呼ぶ)事務方と相談して、可能ならばぜひやらせたい、こう思います。

○中井委員

御就任のころに比べて随分御慎重になられたなと思いますが、ひとつぜひ御調査をいただきますようお願い申し上げ、また、私ども、ぜひこの協会にこちらへお出かけをいただきたいということでありましたが、きょうはだめだということで、委員会でだめだということになったわけであります。委員会でお呼びをいただいて、きちっとこれらについてお約束をいただけるよう、委員長としてもお取り計らいをいただきますようお願いを申し上げておきます。

次に、昨日、我が党の二見議員がG7の問題について議論をいたしました。本日も他党の皆さん方から御質疑をいただいたわけでございますが、同僚としてもう一度、大蔵大臣にあえてお尋ねを申し上げたい、このように思います。  大臣は、このG7共同声明の第五項のことにつきましていろいろと言われた中で、財政出動の必要性があるということを私が認めたわけじゃありません、IMFの報告について私の方が拘束されるということはないのです、こういうふうにお答えになっていらっしゃいます。また、IMFの見方として、そういう財政刺激の強い理由があるというのがIMFの見方なんです、それを他の国がそのとおりだというふうに言っているわけじゃないし、日本もそれについては、日本は別の見解だ、こう言っているのです、こういうふうにお答えになっていらっしゃいます。また、他の国々はどうだということについては先ほどからお答えになられています。これはお変えになるつもりはありませんね。そのままですね。

○松永国務大臣

午前中の質疑の場合に詳しく申し上げたつもりでありますが、IMFの専務理事さん、この方は、実はG7の正規のメンバーというよりはオブザーバーの立場で御出席なさって、そしていろいろ意見を述べられたわけであります。

七カ国蔵相・中央銀行総裁会議の声明、この声明というのは、その会議で合意された事項、これを中心にして声明に盛られておるわけであります。

日本に関する事項については、午前中も申し上げましたとおり、その第五項に、「日本においては、経済活動は低迷し、見通しは弱い。回復のためには、金融システムを強化するための引続きの行動及び経済の開放度を高めるため金融その他のセクターの規制改革が必要である。我々は、金融システムの「ビッグ・バン」改革に関するこれまでの進展を歓迎した。」ここは、午前中も申し上げたとおり、G7が意見の一致を見た、合意を見たところであります。

そのとおりになっておるわけでありまして、その次のパラグラフのところがあるわけでありますが、これはこのIMFの専務理事さんが、IMFの見方としては、経済活動を支えるための財政刺激の強い理由があるという意見を述べられたわけです。これに対して私は、日本としてはこれこれしかじか、こういうことをやっているのであるから、日本の経済、立ち直っていくということを強く申し上げたわけです。

この私の主張に賛同した人がどれだけおって、IMFの見方に賛同する人がどれだけおったかということの数字は申し上げられませんけれども、いずれにせよ、このIMFの見方についての全体としての合意が成立しなかったものですから、IMFの見方というわけでここに記述がなされた、こういうことでございます。

○中井委員

ちょうどきょうは、公定歩合のことで日銀総裁に御出席をいただいております。日銀総裁も、もちろん正規のメンバーとして御一緒に御出席でございます。

昨日からの論議のやりとり、御存じかどうかわかりませんが、この共同声明の中で、「IMFの見方では、今や、一九九八年における経済活動を下支えするため財政刺激の強い理由がある。」こういうことが第五項ですか、載せられております。これをめぐって、今大臣、答弁ありましたように、いろんな論議がございます。日銀総裁として、そこに御出席されて、どういうやりとりであったか、どんな空気であったか、率直にお教えいただければありがたいと思います。

○松下参考人

私もG7の会議に出席をいたしておりました。ただ、私の立場といたしまして、金融政策、金融事情というものを説明申し上げ、また御質問に答えるという形で出席をいたしておりましたわけでございます。

私の方の金融政策の点につきましては、私は、会議の席上でも、また個別の会談でも、現在の金融政策の説明をいたしまして、日本銀行としては、現下の景気情勢を踏まえて、金融面から経済活動をしっかりと下支えをしていくために思い切った金融緩和基調を維持しているということ、また、金融調節の面におきましては、市場に潤沢な資金供給を行って金融市場の安定に努めているということを説明いたしまして、各国の理解を得たと考えております。

今回のG7におきましては、金融に関しては、参加国の関心はアジアの通貨・金融不安の問題に集中をいたしておりましたので、これ以上、特段、各国から我が国の情勢についての御議論はございませんでした。

○中井委員

特にアジアの通貨危機の問題等がありますから、IMFもかなりいろいろなことで発言があったのだろう、こんなふうに私どもは拝察をいたしております。

二見議員も他の同僚議員も、議論をいたしましたのは、大蔵大臣、何もあなたがうそをついているとか間違えているとか、そういったことを言っているわけではありません。私どもから見ますと、確かにIMFが言われて、各国がみんな賛成されて、それに対して日本がいろいろなことを説明されて、大臣のお言葉では、財政出動もできない、こう言ったというような言葉もございます。

これらをずっと聞いていますと、僕はそうじゃないと。そうじゃなくて、やはり今予算の審議中だ。だから、予算案が通るまではそういうアメリカや他の国々の要請にはこたえられない。しかし、予算が成立した後、財政出動してでも景気刺激をやる、したがって、合意にしないでくれ、こういうことでこういう文章になったのだろうと私どもは思うわけであります。そういうことではありませんか。

○松永国務大臣

私が申し上げたことは、要するに、我が国がことしになってからとった施策、すなわち二兆円の特別減税、補正予算、それを実行に移しつつありますし、それから金融システム安定のための公的資金三十兆を使っての措置、そういったことを説明した上、これから九八年度の予算の速やかな成立をお願いし、かつ、その予算と一体をなしてもろもろの減税も実は法案を出してある。これが成立をすれば、その減税もさらに加わって日本の景気は上向いてくる、くるはずといったことを強く申し上げたわけであります。

○中井委員

大蔵大臣が言われたということは、僕らはわかっています。しかし、他の国々は、それはわかるけれども、財政出動による景気刺激を、こういうことでああいう話になった。それに対して日本は、合意にはしない、しかし、文章に出るということは、日本が反対だと書いてないわけですから、文章に出るということは要するに予算が通ったらやります、こういう約束をしてこういう書き方、こういう共同声明になったんじゃないのですか、こうお尋ねをしておりますが、率直にお答えになられません。

ルービン財務長官やサマーズ副長官はもう去年あたりから盛んに言われているわけでありますから、その状況からもっと厳しくなっておるこのアジアの状況、日本経済の状況、これを考えられると、言われて当然のことだろう。IMFがこう言ったということは、それは他の六カ国が思っておる圧倒的多数の意見だったと私どもは思っております。

アメリカの斉藤駐米大使に対しても、サマーズ副長官がこの間から会われて、内需刺激策をとれ、それは減税だ、こういうことまで言われたというニュースまで報じられているわけでございます。これらに対して、日本が断った、いやいや、それはできないと言った。それだけで通用するとは私は思いませんが、いかがですか。

○松永国務大臣

サマーズさんが駐米大使に言ったということの記事を私は見ましたので、その点については実は榊原氏に確かめさせたわけです、サマーズさんに対して。そうしたら、あの記事は正確じゃないという返事が榊原氏にあったということでございます。

○中井委員

このごろは、アメリカから報じられた景気刺激の日本に対する要請のニュースは、すべて新聞社やマスコミが間違って伝えている、こう答えるのがはやっているようでございますが、しかし、外国から見ても、財政出動による景気刺激をしないと、アジアはもとより日本もおかしくなる、こういう心配がどんどんとふえておるのは事実であります。また、私どもも大変このことを憂えて、昨年から、減税の問題を含めていろいろな提言を続けてまいりました。

その一つに、公定歩合、もう〇・五%というのを二年半以上もお続けになっていらっしゃる、このこと自体が異常な事態でありますし、逆にこのことがあるために、いろいろな政策を続けてもうまく経済が回転をしないというところまでもう来ているんじゃないか。今の経済が順調なのは輸出だけ、こういう状況下にありますから、この輸出を下支えしておる公定歩合〇・五%という低い水準を維持せざるを得ないというところもわからないわけではありません。

しかし、去年からことしにかけて日銀総裁がたびたび言われております、家計にしばらく御迷惑かけているけれども、設備投資意欲を刺激して、そのことが雇用を守り、広い意味で家計に戻っていくんだ、だからしばらくの間我慢ください。こういう議論は、もう、設備投資意欲等も本年に入ってから全く冷え込んで、金利が低いから設備投資をしよう、こういう意欲が出てくるような状況にないと私どもは考えています。

そういう中で、日銀総裁として、まだこの〇・五%という超低利の異常な金利をお続けになるおつもりでしょうか。

○松下参考人

私ども、これまで日本経済を自律的な回復軌道にしっかりと乗せていくということをねらいといたしまして、思い切った金融緩和措置を継続してきたところでございます。こうした金融緩和は、企業収益を回復させ、また設備投資を促すというようないろいろな側面から、これまで経済活動の下支えに貢献をしてきたと考えております。

しかしながら、我が国の経済は、企業や金融機関の不良債権問題というおもしを引きずりながら、今日なお自律的に回復をするまでには至っておりませんで、最近ではむしろ停滞を続けているという情勢でございます。

私どもとしましては、こういった金融緩和に対しまして、さまざまな御意見があるということも承知をしております。ただ、しかし、現在のような経済情勢のもとにおきましては、まずもって経済全体の足取りをしっかりとさせるということが大事なことであると考えております。

こういった観点から、本日、午前に開催をいたしました日本銀行政策委員会の金融政策決定会合におきましても、当面の金融政策の運営につきまして、委員間で種々討議をいたしました結論として、現状維持をするということを決定いたしたところでございます。

金利のあり方ということにつきましては、私どもも、その時々の経済の実情に応じまして、引き続き今後も真剣に検討してまいる考えでございますけれども、ただいま申し上げましたように、現在の経済情勢を踏まえますというと、これまでの金融緩和基調を維持いたしまして、金融面から経済活動をしっかり下支えするということによりまして、経済全体の活力を高め、自律的な景気回復が実現をするように促してまいりたいと考えているところでございます。

○中井委員

日銀の金利政策、過般の法律改正で、さらに一層日銀独自の御判断、こういうことになりました。これはこれで、私どもは、本当に日本経済のために全力を挙げてよりよい御判断をいただきたいと思いますし、尊敬する松下さんですから間違いなくおやりいただける、こう思っています。

しかし、私みたいに経済のことが素人の者から見ましても、日本はどうも、円高に振れたときにいろいろな騒がれ方をして、金利をすぐいじってしまう。この金利をいじった後、長引いてしまう低金利がある。そのことで実はバブルを起こしてしまった。今回もまた、〇・五%という世界の国がかつてやったことのない超低金利政策を、円高ということのためにあえて踏み込まれて二年数カ月になっております。私は、このことが逆に言えば東南アジアのバブルをつくったのだ、こう思っております。

東南アジアがいろいろな経済努力をされて伸びたということもあるのでしょう。しかし、日本でバブルをやれない分、公定歩合〇・五%、この安い金利で東南アジアで、かつての日本の国内でやったバブルと同じことをやった。そして、三月三十一日BIS規制達成等を控えて、去年あたりから資金回収を始めた。そのことが、結局、東南アジアの急激な通貨不安をもたらした一因になっている、私はそう思っています。

また、いろいろなことをお思いになるかもしれませんが、今、とにかく中小企業への貸し渋り、大企業ですら資金回収に遭っておる、こういう時期ですから、資金需要というのはかなり逼迫している。そのときに、〇・五%という超低金利がいいのか。あるいは、〇・五%という超低金利を続けながら株価が一向に回復をしない、こんなことを考えたら、この超低金利をやっておる理由がわからない、私はこう考えています。また、株だけではなしに、円安にも随分なってまいりました。

過般、私どもは一つは賛成して、一つは反対しました金融二法が国会を通過いたしました。マスコミ等の報道を見ますと、大手の銀行等が横並びでこの制度を使われる、こういうことのようであり、表面的な金融秩序に対する不安、こういったものは解消されるのが目に見えております。三月三十一日に、何か申し込んで、資金が導入される、劣後債ですか優先株ですか買われる、こういうことのようでございます。そうしますと、一応、金融機関は不安感がなくなるわけでありますから、そういうタイミングを見て金融政策というものをいじられた方がいろいろな政策が生きてくるのだろう、私はこういうふうに思います。

大変素人っぽい議論で、日銀総裁にたびたび煩わせて恐縮でありますが、あえてそういう私の意見に対してお考えをお聞かせいただきたいと思います。

○松下参考人

ただいまの御指摘の中で、過去のバブルとその前の金融政策の関係の点につきましては、私どもも、過去のバブルの発端になった一つに、非常に長きにわたる金融緩和というものがやはり一つの原因になっていたということは感じておりまして、その点からの私どもの反省といたしまして、金融政策の目的、目標というものは国の中の物価の安定と持続的な経済の安定成長を確保するように運営をすべきもので、対外的な為替等の水準に対する配慮は二の次のことだという一つの反省を持っているわけでございます。

それからまた、ただいまの中小企業等の現状の御指摘でございますけれども、私は、現在の金融市場におきまして、短期の資金の出し手の態度が非常に慎重になっておりますために金融の資金の流れがやや滞っておりまして、このために、私どもの低金利政策にもかかわりませずやや長めの短期資金の金利が上昇する傾向がございました。この点については、やはり経済の回復を図っていくためには問題のところだと思っておりまして、このような状況を改善しますために非常に多額の流動性を市場に供給し続けております。

その結果、現在やや金利の水準が落ちついてきかかっていると見ておりますけれども、なお年度末を控えまして、この点については、私どもとしては強い決意を持って金利の安定を図っていくということに努力をしなければならないと思っております。現状、そういった情勢のもとでございますので、いろいろ御指摘の事項が、もちろん私どももよくわかっている点がございますけれども、私どもの政策姿勢としては現在の姿勢を続ける必要があると考えております。

ただ、私どもも、先ほども申しましたように、金利のあり方というものはそのときそのときの経済情勢を誤りなく判断をして適切に決めるべきものであると思っておりますから、今後におきます金利の動向に、あるいは経済の情勢につきましては十分注意をしながら見守ってまいりたいと思っております。

○伊藤(公)委員長代理

松下総裁、どうぞお帰りください。御苦労さまでした。

○中井委員

今お話を申し上げました貸し渋りについて、お尋ねをいたします。

けさのニュースで、中小企業庁が、最近、去年の十二月時点に至るまでの貸し渋りの実態、中小企業だけじゃなしに、大企業に至るまで調査をされた結果が流されております。やはり貸し渋りの増加がかなり見られる、しかも大企業にまで見られる、こういう実態が明らかになってまいりました。

問題は、二月、三月の決算期、本当にどういうふうに乗り切っていくんだ、こういうことだろうと思います。過般の金融二法も、金融秩序の維持、こういうこともありますが、貸し渋り対策としてとられた。ある都市銀行なんかは、三月までに二兆円の資金の回収をやはり支店長会議で言われて、日本のサラリーマンですから、割り当てられた以上に回収してしまう。貸し出ししない。こういう中で、本当に厳しい状況を私どもは心配をいたしております。

政府関係機関もかなりの枠を広げてこれらに対応をしていただいておりまして、私の手元にあります平成九年四月から十二月までのいわゆる保証協会、「各県の保証協会代位弁済」を見ますと、もう四月から十二月までで、あと三カ月残して、山梨、岐阜、福井、大阪府、兵庫県、奈良県、佐賀県、平成八年度分の代位弁済を金額的に上回っておる、こういう状況が出てまいりました。特に大阪府等は、もう五千件、一千億円を突破する代位弁済を行っておりまして、過日も、新たに府の方も援助をする、保証協会に対する基金を予算の中で出していく、こういう状況になってまいりました。目いっぱいやっていらっしゃる。

そうすると、この二月から三月の貸し渋りに対して、あるいは中小企業、民間企業の危機に対して、政府としてどういう対策のもとにこれを乗り切ろうとされておるのか。これは通産大臣ですか、大蔵大臣ですか、お答えをいただきます。

○林(康)政府委員

お答え申し上げます。

御指摘の大阪等における代位弁済額が大変大きく膨らんでおりまして、特に大阪においては、他の保証協会と比較して高い水準にあるというのは事実でございまして、特に最近の傾向でこの代位弁済額がふえ続けているのも事実でございます。

私どもといたしましては、今年度の補正予算におきまして六十三億円、信用保証協会基金補助金を積み増していただきまして、また、現在御審議いただいている平成十年度予算案におきましても、この補助金を百億円計上させていただいているところでございまして、こういった予算措置が信用保証協会の財政基盤の強化ということで、貸し渋りについてはかなり緩和をされるベースになるのではないかと期待をしているわけでございます。

○中井委員

そういう対策をされておるほどひどいので、二月、三月、本当に大丈夫ですか、どうするんですかとお尋ねしたつもりでありますが、あえて、おやりになっておる制度を御説明いただきました。

本当に二月、三月を心配いたしておりまして、そういう意味で、私どもは、さらなる本年度予算での減税あるいは景気対策、こういったことを口酸っぱく求めているところでございます。

橋本総理は、一生懸命、六つの改革を含めてお取り組みになっていらっしゃる。それはそれで、私は敬意を表するところでございます。

ただ、かつて我が党の西田議員が質問したときに率直にお認めになられたことでありますが、一九九七年、やはり一月、これから三月の年率換算の成長率、八・六、この高い数値のもと、あるいはまた十月から十二月、三・八、こういう数値のもとで、いけるということで消費税を上げられた。あるいはまた、減税をやめられたり、医療費を上げられた。このタイミングを逸した施策が今日まですべてマイナス、マイナスと働いてきておる。一生懸命おやりになっても悪い方に悪い方にしかいかない、そこら辺のもどかしさを総理自身がお感じになっていらっしゃるのではないかと僕は思います。

かつて、先ほど議論いたしました〇・五%という超低金利政策、その中で消費税を上げたのはどうだったろうか、こういう述懐を総理はなさったこともございます。これらを含めて、今日、一生懸命おやりになってもうまくいかないというのはそこら辺にあるのだという認識を改めてお聞かせをいただきたいと思います。

〔伊藤(公)委員長代理退席、委員長着席〕

○橋本内閣総理大臣

私、率直に申し上げまして、金利の水準の問題について、少なくともこの職につきましてから、お答えあるいは感想を申し上げたことはないと思います。これは日銀の専管事項でありますから、これについて私は、それが云々ということを申し上げたとは思いません。

その上で、再び消費税率の二%引き上げのタイミングについてのお話をいただきました。そして、その影響というもの、言いかえれば、消費税率の引き上げ前の一―三月期における消費者心理が、買い走りといいましょうか、消費性向を高め、四―六の落ち込みを想定はしておりましたけれども、吸収され、やがて秋になれば回復するであろうと考えておりましたものが、いずれも大きく振れたということは、私はそのとおり認めております。

○中井委員

私どもも、そのときそのときで、与党と野党でありますから対立もありますが、日本のことを思い、まじめに議論をしてまいりました。私は、総理自体も本当に一生懸命お取り組みになっていらっしゃる、このことは、先ほども申しましたけれども、ひしひしと感じております。

しかし、それでもなおうまくいかない、どんどんとアリ地獄に入っていくような経済環境に見舞われておるというのは、もともとそういったところのスタート、ここに間違いがある。やはりここのところを間違えたという率直な思いや反省をして、やり直しをする以外にないのではないか、こう思います。

例えば、住専のときにいろいろなことを言われました。その後、何回、金融秩序の維持のためにいろいろな法案をやったのかと私は思わざるを得ません。この国会におきましても、少し違いはありますけれども、金融特別委員会、行政改革特別委員会、財政改革特別委員会、もう国会のたびに特別委員会がつくられる。また、私もそのたびにそこらの理事にさせていただきますが、いろいろな対策をやって、今度は大丈夫、これで大丈夫、こう言われるけれども、やはり銀行株は上がらない。金融秩序の維持、これがなかなかできない。

タイミング悪く不祥事が出るということもあります。しかし、結局は根幹的な景気対策、これが違っておる、ここが市場が反応しない最大の原因だ、私はこう思っています。

そういう意味で、私どもは、総理が過般補正予算で減税をやられたことを、自分たちで要求しながら、タイミングは悪いし少な過ぎるということで反対をいたしました。これなども、もっと早く、もっと違う形で継続的な制度減税をおやりになっておれば、反応があったと私どもは思っております。

そういった意味で、これは予算の修正をしてでも、あるいはこの年度内にそういう制度減税を思い切ってやる、こういったことを当然お考えになるべきだと思いますが、あえて御返事をいただきます。

○橋本内閣総理大臣

これは、あえて答弁を想定された上でのお尋ねでありましょうから、改めて私も申し上げたいと思います。

私どもは、現在、平成十年度予算を国会に提出し、その御審議をいただいております。その中にはさまざまな施策が盛り込まれておりますし、関連して、予算関連法案、あるいは政策減税等お願いを申し上げております税法の改正案もございます。三月三十一日から四月一日という新しい年度にかわります時点で予算の執行の切れ目を生じませんように、国会として、ぜひ予算を通過、その時点までに成立をさせていただきますように心からお願いを申し上げたい。

全力を尽くして、原案を今御審議をいただき、成立に努力をしてまいりたいと考えており、御協力を願う次第であります。

○中井委員

あえてお尋ねすると申し上げたのは、もう何遍も何遍も御答弁なさっておることに対してお尋ねするのもつらい、こういう思いで申し上げました。

総理は、かつて湾岸戦争で、多国籍軍に対する負担を提供するために予算を修正して提案をなさいました。私は当時民社党でありましたが、賛成をして、公明党さん、自民党さんともどもの賛成の中で成立をいたしました。このときの総理の予算修正に対する思いというのはいろいろと当時も聞かせていただきましたし、今もお聞かせをいただきました。ああいう大きい金額で、みずから修正をなすって、予算が通った。これは、過去、自民党の大蔵大臣、総理の中でただ一人御経験であろうか。

私は、その経験を堂々と生かされて、三月、景気をまだ十分見られて、四月一日、そうやって日にちをあけずにこの予算をということであるならば、私どもの申し上げる減税あるいは景気対策、こういったことに率直に耳を傾けられる、またそういうチャンスを逃さないようにされるべきだ、このようにあえて申し上げて、次の質問に移らしていただきます。

予算の中で、またいろいろと委員会等で御質疑があろうかと思いますが、旧国鉄の長期債務あるいは林野の長期債務、これらが新しい制度のもとに国の借金として正式に取り込まれ、返済方法等が法律のもとに出され、国鉄の、現在のJRの各社が反対をされておる、労働組合の方々はこの間から反対で議会前で座り込みをなさる、こんな大きな騒ぎになっております。

この仕組み等につきまして、担当は運輸大臣ですか、簡単に御説明を願います。

○藤井国務大臣

お答えいたします。

先生御承知かと思いますけれども、今般のJR各社に対しまして負担につきましての御協力、これにつきましては、さまざまな御意見があることは承知をいたしておるところであります。

平成八年の閣議決定を見まして、抜本的な国鉄長期債務の処理策を講ずるということで、具体的には平成十年度からそれを講ずるという閣議決定に基づいて、政府・与党におきましても、財政構造改革会議の企画委員会で論議がなされ、そしてそのことに基づきまして一つのスキームができ上がったわけであります。

その中で、JR各社にお願いした厚生年金移換金につきましては、これは先日、民友連の鹿野委員からの御質問のときにもお答えいたしたわけなんですが、国鉄改革時、昭和六十二年の改革時の債務のツケをJRに負担をさせていくんではないかな、そういう疑問がなされておりますが、今回のこの年金移換金につきましては、鉄道共済の厚生年金への統合という国鉄改革後に生じた事情に基づき、平成八年の法律によって国鉄清算事業団が負ったものであり、国鉄改革においては予定されていない、国鉄改革と申しますと、六十二年には予定されていない問題でございました。

今回の具体的処理方策におきましては、この国鉄改革によって事業団が負った債務は、すべて国、いわゆる一般会計及び鉄道建設公団の負担で処理することといたしておりまして、JRには一切負担を求めていないということをまずもって申し上げておきたいと思うわけであります。

そこで、そういう中で、厚生年金の移換金は、本来、当事者である共済関係事業主、いわゆる身内の中で負担すべき性格のものでありまして、平成八年の法律もこの原則に従って、関係事業主といたしましてJRと国鉄清算事業団が負担をしたことであります。

今回、この抜本的な処理策を講ずるに当たりまして、この移換金の七千七百億円のうちJR社員分の三千六百億円は、JRの社員に対して年金を給付するための費用でありまして、JRの社員の福利厚生のための費用である。このような特定企業の社員の福利厚生のための費用は、その事業主である企業の負担とすることが合理的であると考え、この分まで、いわゆる一般国民の負担、税金による負担とすることは合理的でない。こういうことで、このJR社員分につきましてはJRの方にお願いしたところでございます。

そういうことで、申し上げましたように、決して六十二年の改革当時の債務を今回負担をお願いしているわけではありませんし、いわゆる厚生年金の基本である、社員の福利厚生のためにはその事業主とその所属する社員によって賄われるもの、そういった原則に基づいてJR各社にお願いしたところでございます。

○中井委員

運輸大臣から、旧国鉄債務の処理方法につきまして、主に、JR各社に無理な、非合理な負担をお願いしているわけじゃないということを中心とした御説明をいただきました。これはこれで、また今後御議論もあるのだろう、我が党もまだこれから対応を十分考えていきたい、こう思っています。

しかし、その前に幾つか、大蔵大臣も含めて御質問を申し上げたい、こう思います。

この金利、利息、当分の間たばこの値上げで払う。これは何の関係があるのでしょうか。税というのは、僕はきちっと理屈が要ると思うのですね。湾岸戦争のときにたばこを上げたというのはまだ理屈がわからないわけではありませんが、この旧国鉄の債務をどうしてこういうことがやれるのか、これが一つであります。

それから、もう一つは、資金運用部の分あるいは簡保の分、これは一部を、簡保なんかは全額だと思うのですが、借りかえて、金利を数千億安くしておる。これ、できるのですか。地方自治体を含めて、今財政的に苦しんでいる公団を含めて、みんな高い財投の金利を払っております。借りかえさせてくれ。とんでもない。こう言って、やらさない。ところが、これだけは簡単にほいとやると決めちゃう。ここら辺は、私、当然今後とも議論をしていかなきゃならないのだろう、こう思っております。

御答弁いただきます。

○尾原政府委員

お答え申し上げます。

国鉄長期債務の問題、国有林野債務の問題、これはもう先送りの許されない重要な課題だというふうに認識しておりまして、この選択肢につきましては、十二月十七日の財政構造改革会議において処理方策がまとめられたところでございます。

たばこ税について申し上げますと、この処理方策で、まず自助努力においてできるだけ返済する。残る債務を一般会計に承継することになります。その上で、可能な限りの財源捻出努力を行う。どうしても足らざる部分をどうするかということになってきたわけでございます。

御承知のように、一般会計にそのまま債務を引き継ぎますと、財政赤字のさらなる拡大要因になるわけでございます。これに対処するために、どうしても足らざる部分につきまして、たばこ、これは特別な財政物資と心得ております、これにつきまして、特別たばこ税といたしまして、最近の価格に占めるたばこ税の負担割合が低下している、それを回復するという意味を込めまして、税負担をお願いするということにしたものでございます。

○中井委員

私的なことで恐縮ですが、さっきから出てくる大蔵省の人はみんな弟の同級生ですから、文句を言うに言いにくいので、もうやめますが。

例えば、国鉄の債務、運輸大臣のときにやられて、これから処理して六十年、七十五年かかるのですよ。七十五年。当分の間たばこと書いてあります。七十五年というと、みんな死んでいるじゃないですか。こういうやり方をしているから、大蔵省は信頼されないのだろうと僕は思っています。

国鉄の借金は大蔵省だけの責任ではありません。しかし、もう最後の赤字のころには、高木さんが総裁になられて、わけのわからぬやり方ばかりやって、ずるずると借金をふやしてきたのじゃないですか。それをこういう形で、十何年たってから、これから六十何年かけてふくんだ、こういう処理になってくる。ここら辺が、私は、大蔵省がすごいといえばすごいですよ。だけれども、今国家存亡の時期に、本当にこういうやり方でいいのか。

私は、さっきから言おうか言うまいか、いろいろと迷っておりましたが、あえて申し上げたいというのは、与党の中で大蔵省の存在のあり方についていろいろな議論がなされる。今回、中央省庁の基本法が出されて、その中でもいろいろな議論があって、方向づけが出されておる。しかし、私はそれは、大変申しわけないが、間違っておる。大蔵省の今のこういう財政のやり方、あるいは景気対策のいつもタイミングを逸したやり方等を考えると、主計局というものをやはり外へ出すべきだ。主計局が大蔵省の主流で、それが銀行行政から財政まで、ありとあらゆることまでやられるけれども、みんなとんちんかんになっておる。ここら辺の過去の反省というのができていない、私はこう思います。

内閣の中に財政の委員会ができて、予算の基本をそこでお決めになる、こういうことのようでありますが、私は、金融監督庁だ何だというのをおつくりになるのじゃなしに、大蔵省の中から逆に主計局を出されて、予算局というのを内閣の中へおつくりになる。予算編成というのは、私は、政治家やらがどんどん物を言って決めていけばいいんだろう、こう思っております。そういった方がよっぽどいいんだろう。こういう、本当に物の言いようのない処理方法を出される、本当に残念なことだと思っています。

そういう意味で、私は、大蔵省の分割、こういうことに関して考えを申し上げました。総理御自身のお考えをお聞かせいただきます。

○橋本内閣総理大臣

今、予算編成権を大蔵省から分離すべきだという御指摘でありますけれども、これは理屈の世界かもしれませんがまずお聞きをいただきたいと思うのでありますが、予算を作成して国会に提出をすることを内閣の権限としております憲法のもとで、内閣は現在でも、概算要求に当たっての基本方針の策定、あるいは経済見通し、予算編成方針、税制改正大綱、これらによりまして基本方針を策定してきました。

そして、個々の経費を積み上げていき、それを踏まえた予算の編成状況というのは、私自身も機会をとらえて大蔵大臣や事務方から説明も受け、具体的な指示もしてきました。例えば、平成十年度の予算編成では、環境、科学技術、情報通信など経済構造改革の特別調整措置、あるいは公共事業関係費における物流効率化による経済構造改革特別枠、こうしたものは具体的な指示をし、所管の枠を超えて総合調整をさせていただいてきました。

しかし、私は、議員が指摘をされるような面が全く間違いだなどと申し上げる気はありません。

そして、予算編成体制の問題につきましては、行政改革会議の最終報告でも、内閣府のもとに経済財政諮問会議を置いて、そこで予算編成方針などについて審議をするという指摘がなされております。そして、そういう前提のもとに、この行政改革会議最終報告の内容を忠実に盛り込んだ中央省庁等改革基本法を、今私どもは国会に提出させていただきました。

この内閣機能を強化するという観点から、経済財政政策上の、国政上重要な事項に関する企画立案、総合調整を任務とする、こうした役割は内閣府が負うわけです。その内閣府に経済財政諮問会議を置いて、まさにここがその予算編成の基本方針等につきましても役割として担っていく、そうした考え方を基本法の中に盛り込んで、国会に提出させていただいております。

○中井委員

もう一つ大蔵省のことで、金融監督庁設置のときに、私もあえて議論をいたしましたが、与党内のいろんな調整の中で、地方の検査官が大蔵省に残る、こういう与党内での取りまとめのもとに法案がつくられました。私どもはかなり、これはおかしい、こういうことを申し上げたけれども、結局はそれが通過をして、間もなくできようといたしております。

しかし、過般の金融検査の不祥事等を考えますときに、あるいはまた天下りの問題等を考えましたときに、これは、金融監督庁は金融監督庁として、地方の検査官も含めて自立をされた方が素直なことだろう、こう思いますが、いかがですか。どちらがお答えになりますか。

○橋本内閣総理大臣

確かに、金融監督庁設置法の審議の際にそうした議論がございましたこと、私も記憶をいたしております。一方、行政改革という視点から、省庁の地方支分部局について、むしろ統合を含めて整理合理化の方向で考えろという御意見もありました。

そうした中で、地方の民間金融機関などの検査監督について、新たに財務局とは別に金融監督庁の地方支分部局を設ける場合、非常に小規模な地方支分部局が増加をすることになって適切ではない、そういう考え方から、昨年の通常国会で成立をした金融監督庁設置法及び関連法におきましては、既存の財務局の組織を活用することにいたしました。そして、そのために、金融監督庁長官が地方の民間金融機関などの検査及び監督に係る権限の一部を財務局長に委任する、この委任される事務に関しては、金融監督庁長官が財務局長を直接指揮監督するなどという所要の規定を整備いたしました。

同時に、金融行政機構の改革によって、大蔵省が民間金融機関などの検査監督権限を有しなくなるわけでありますから、大蔵省が地方の民間金融機関などの検査監督に対して財務局に指示等をするケースは、関与はないわけであります。

こうしたことを申し上げて、我々としてはこういう道を選択いたしましたということを申し上げなければなりませんが、同時に、先ほども申し上げました中央省庁等改革基本法案におきまして、金融監督庁がもう一つ発展して金融庁という方向に動いていくことをこの中では想定をいたしております。そして、その金融庁を編成する際の方針の中に、「金融庁の地方組織の在り方について検討すること。」とされておりまして、議員のような御論議も、改めてこの場面においても私は検討する部分はあろうかと存じます。

○中井委員

時間がありませんから先に進みたいと思いますが、あえて御丁重にお読み上げをいただきましたから申し上げますが、その小さい財務局というのは四国のことでありまして、四国なんかは中国地方と合併して一つでやれば、十分実は金融監督庁としてやれると私は思っております。そういうことを進めるのも行政改革であろうかとつけ加えさせていただきます。

次に、私は余り得意じゃありませんが、外交問題について、イラクのこの間からの問題、これに関連して、そして沖縄の問題、二つの点でお尋ねをいたします。

まず、外務大臣にお尋ねをいたします。

あのイラクに対する武力行使というものが行われたとして、外務大臣は、当委員会、あっちこっちでも、あのイラクの問題は周辺事態に当たらない、こうお答えになっていらっしゃいますが、その認識は、御確認をさせていただきますが、変わりませんね。

○小渕国務大臣

変わっておりません。

○中井委員

防衛庁長官、いかがですか。

○久間国務大臣

周辺事態に当たるとは考えられません。

○中井委員

防衛庁長官、そうしますと、あなたが参議院等で、周辺事態に当たるとか当たらないとか、そういう事態が発生した場合には、それを今度の新しいガイドラインでどう判断するか云々とかいう答弁は違いますね。もう当たらないと考えておる、これでいいですね。

○久間国務大臣

今、当たるとは考えられませんというような言い方をしたわけで、当たらないと言わなかったわけですけれども、というのは、事態が発生してみないとどういう事態かわかりませんけれども、ガイドラインの場合は、我が国周辺の事態であって、我が国の平和と安全に重要な影響がある場合というふうになっておりますから、こういう意味でも重要な影響があるとは通常は考えられないということで、当たるとは考えられないというふうに申し上げたわけでございます。

○中井委員

わかりました。

先ほど総理にお尋ねをしたわけでありますが、私どもは七年前の湾岸戦争のときに、実はいろんな方から情報を聞きました。このときに、イスラエルの大使から聞いた話が一番正確でございました。それは、武力行使が始まったらすぐに終わる、こう言われたんですね。これは延々と御説明いただきました。

その考えをもとに、当時民社党でありましたが、人的貢献を早く決めるべきである、日本が何ができるか早くやるべきだ、掃海艇も送るべきだ、こういうことを申し上げました。しかし、実際には、掃海艇を派遣をしたのは、御承知のように終わってから、こういう状況。お金は世界一出したけれども、日本が貢献したとは、アメリカを除いては余り言ってくれない、感謝してくれない。大変寂しい状況でございます。

今回ああいう形で、事務総長の御努力で武力行使が当面回避された、こういう状況であることは歓迎をいたします。しかし、これからまた何がどの地区でどう起こるかわかりません。そういったときに、本当に日本が危機管理として何ができるのだろう、こういうことについてお尋ねを申し上げたい、こう思います。

これはやはり、紛争中には掃海艇を国連軍から頼まれても、国連平和活動という形で御依頼を受けても、掃海艇の派遣あるいは機雷の捜査、こういったことはできない。これは防衛庁長官、どのようにお考えですか。

○久間国務大臣

御承知のように、我が国の自衛隊が機雷の掃海をできます場合は、我が国が防衛のために防衛出動として自衛隊法七十六条で出るか、我が国の船舶の航行の安全のために、いわゆる危険物の除去として九十九条で出るか、どちらかでございます。

したがいまして、紛争途中におきまして、そこに九十九条で出ていくのは非常に無理があるじゃないかということでございまして、先般ペルシャ湾に行きましたときも、この九十九条を適用して紛争が終わってから出ていったわけでございますので、あそこで仮に何かありましたとしても、紛争中に出ていくというのは非常に困難だと思っております。

○中井委員

そうしますと、当時、クウェートの邦人の退去に関して、自衛隊機を派遣する、しない、結局できずで、民間の飛行機、パイロットも志願して行っていただいた、こういう事態がございました。

また、日本のクウェートの大使館なんかは、大使以下職員の方が早くに撤退をされた。なぜなら、よその国の大使館は大使館の中に自家発電機があって電力を確保できた、プールをつくってあって水が確保できた。ところが、日本の在クウェート大使館はそういうことができていなかったから、邦人がおっても大使館が先に撤退しなければならない、こういう問題がありました。

あるいはまた、当時日本と同じような立場にあった西ドイツは、ドイツから湾岸戦争へ出ていったアメリカの兵隊に対して、ドイツにあった武器弾薬一日分を残して全部供与した。日本はそれができるのかといったらできなかった等々、考えてみると結局何もできなくてお金になった。これは去年の十月に、橋本総理と当時の新進党小沢党首との議論でも、その当時のことを踏まえて論議が行われました。

七年たちました。この間に、ペルーの大使館のああいう想像を絶する状況もありました。しかし今日、今こういった私が申し上げたようなことができるようになったかというと、一つもできていない。危機管理というのはちっとも進んでいないじゃないか、こんなふうに思いますが、いかがですか。

○小渕国務大臣

九〇年の湾岸戦争時、私も海部内閣の小沢幹事長の後を受けまして幹事長をいたしておりましたので、当時のことを思い起こしております。

先ほどの掃海艇につきましては、委員御指摘のような批判がいろいろ当初ありましたが、私もその後クウェートに参りましてジャビル首長に会いましたところ、大変我が国の対応について感謝の意を表しておりまして、今なお同じ気持ちを持っておると思っております。

そこで、お尋ねの点につきましては、当時、そうした我が国の大使館等の対応についての御批判のあったことは承知をいたしております。したがいまして、こうした事態の反省、経験を踏まえまして、平成四年度より危機管理体制強化の計画を策定いたしまして、緊急時の通信連絡体制、公館の機能の維持、能力、及び移動、輸送等の機動力等の一層の強化を進めてきておりまして、平成十年度外務省予算の中でも、大変厳しい環境ではありますが、これまたペルーの事件の教訓を踏まえて、危機管理体制の一環として警備体制の強化等に取り組んでおるところでございます。

御指摘のように、満足すべきかと言われれば、なかなか予算上すべてを網羅できませんが、一つ一つ、あの経験を踏まえ、反省の上で改善をしておることについては御理解いただきたいと思います。

○中井委員

防衛庁長官は。

○久間国務大臣

先生御承知のとおり、自衛隊がいろいろと補給あるいはまた応援その他できる場合、これは全部法律で規定されているわけでございまして、そういうものにのっとらないものについては、なかなかできないわけでございます。

お気持ちとしてはよくわかります。いち早く行って邦人救出等もという話もございますけれども、やはりそういうときの状況によって、武力行使にならないような範囲内でしかやれないという憲法上の制約等もございまして、なかなか思うようにまいらないというのが実情でございます。

○中井委員

今回は、クウェートのようにイラクから占領されたわけでも何でもありませんし、当時は、クウェートには二百四、五十人邦人がおられた。今回、イラクは四人ぐらいしかおられないということでありまして、また別のものであろうかと思いますが、法律のもとにしかできないというのは、けさの岡田君の議論等でも、私どもは十分承知しております。足りない分はどんどん法的に整備をして、当たり前のことが当たり前にできる、こうあるべきだ。私どもは、こういうことは別に与党、野党じゃないだろう、こう思っておりますので、どうぞ御努力いただきますことをお願いいたします。

ついでに、ちらっと思い出したものですから大蔵大臣にお尋ねして恐縮ですが、そのときに、日本はクウェートの資産を凍結したんです、イラクに使われないように。これ、法律でないんですね。法律が日本にはなかったから、通達でやりました。こういうことも、そのときの質疑で、整備をする、こういう約束になっていますが、できているかどうか御存じですか。

○黒田政府委員

最初に結論を申し上げますと、今回の外為法改正によりまして手当てがなされました。

すなわち、改正外為法はこの四月から適用でございます、施行でございます。したがいまして、まだ、この三月三十一日までの現行の外為法の規定によりますと、国連の安保理決議等のいわゆる条約その他の国際約束がない場合には、外為法に基づく支払い規制、御指摘の例えば資産凍結等を行うことができないということになっているわけでございます。したがいまして、安保理決議を待たずして経済制裁を行うというような国際的な要請がなされた場合、先進諸外国の中でひとり我が国のみが機動的な対応をとり得ないという事態が生ずる可能性があるわけでございます。

現に、御指摘のように、クウェートがイラクによって侵攻された際、主要国はその直後から経済制裁を発動したわけでございますが、国連安保理決議の採択がおくれたため、我が国としては、その採択がされるまでの間、外為法に基づく制裁を実施することができませんで、そのかわりに、クウェート政府等との取引について、真正の権利者からの正当な指図、依頼であるかどうかについて十分慎重に確認するよう、大蔵省から銀行協会及び証券業協会に要請したわけでございます。一週間ほどたちまして安保理決議が採択されましたので、外為法に基づく制裁として施行をされました。

したがって、こういった指摘も考慮いたしまして、先ほど御指摘申し上げたように、この四月に施行される改正外為法においては、安保理決議がなされていない状況であっても先進諸外国との協調的な対応が可能となるように、国際平和のための国際的な努力に我が国として寄与するという発動要件を加えまして、規定の整備を行いました。

○中井委員

では、沖縄の問題に移ります。

さっきも言いましたように、私自身、関心がないわけではありません。私の母親のいとこは沖縄で割腹自殺をいたしておりまして、三重県の慰霊碑はこれの子供が、私の又いとこが除幕式を行いました。したがいまして、本当に人並みに沖縄の問題について心配もいたしております。

この沖縄の特措法の法案が通りますときには、小沢党首と総理と会われて、合意のもとに私どもは法案に賛成をしてまいりました。また、総理のアメリカや沖縄を挟んでのいろいろな交渉の御苦労も、私どもは承知をしてまいりました。それだけに、今回、沖縄の大田知事の海上ヘリポート反対の決意表明というのは、大変残念であり、びっくりすべきことでございます。

今日まで、いろいろおありだろうけれども、知事として当然お引き受けをいただけるのだろう、私どもはこういう思いでまいりました。しかし、ああいうふうにあっさりとおやりになるところを見ると、今日までいろいろな交渉の中で、公有水面の許認可権をお持ちになる沖縄知事が、あそこへ海上ヘリポート基地をつくるということについて了解をしていなかったのか、あるいはしておったのに途中でお変わりになったのか、ここら辺、率直に思わざるを得ません。

デリケートな問題ではありましょうが、橋本総理の、この間の事実、どう御認識か、お尋ねをいたします。

○橋本内閣総理大臣

たまたま今、公有水面に係る占使用についてのお話がございました。

平成九年八月一日、沖縄県は公有水面の占使用についての承認を与えていただいております。そして、長々とお話をすることもいかがかと思いますが、普天間飛行場の代替海上ヘリポートにつきまして、政府としては、沖縄県も正式のメンバーでおられる沖縄米軍基地問題協議会、また普天間飛行場等の返還に係る諸課題の解決のための作業委員会の場におきまして、検討状況等御説明し、御意見も伺いながら事を進めてまいりました。そして私自身も、知事と何回もお目にかかって、御相談もし、会談もしてきております。

今回、知事が、昨年の末お目にかかりましたときには、県内の意見集約などに一月中旬ぐらいまで時間が欲しい、その後再度会談をということでありましたが、双方の日程調整がつかないこともありまして実現できませんでした中で、去る六日、知事が受け入れ拒否という表明をされました。

私は、なお今日におきましても、知事から御要望があればお目にもかかりたいと思いますし、御意見も伺いたいと思っております。これは繰り返し申し上げてきているところであります。そして、知事が提起をされた普天間基地の返還というものに向けて、日米両国政府として関係者全員が真剣に検討をしました結果というものを、ぜひ理解をしていただきたい、その気持ちは今日も変わりません。

○中井委員

私どもも、本当に難しい普天間の基地移転、こういったものが実現する、また海上ヘリポートをつくらざるを得ない、こういうところも思い、日米安保条約の重要性を考えて、あえて特措法にも賛成をしてまいったところでございますだけに、今回の経過は非常に残念であります。

十一月に知事選挙があるようでありますが、結局、今の状況でいきますと、知事選挙が終わるまでは何もできないのか、こういう思いに駆られます。

ここら辺の率直なお考えをお聞かせをいただきますと同時に、長期的に、やはり一つの県に安全保障の大事なことをお任せをしていく、地方自治体にゆだねる、こういう仕組みを変えていく。やはり、国が最終的に責任を持つ仕組みというものをみんなで考えていかなきゃならないんじゃないか。こういったことを私どもは、小沢党首、総理との会談でも御提言を申し上げ、その後もたびたび、党は変わってまいりましたけれども、言ってまいりました。ここら辺をどういうふうにお取り組みをいただくのか、これを含めてお聞かせをいただきます。

○橋本内閣総理大臣

SACOの最終報告というものについては、見方によっていろいろな御評価があることは承知をしております。そして、国土のわずか〇・六%しか占めていない沖縄県に在日米軍施設・区域の七五%が集中している、これが沖縄の方々に大変な御負担をかけてきている、これは政府としても痛切に認識しているつもりでありますし、それを少しでも減らしたい。そのために、SACOの最終報告に至るまでの日米両国政府の努力を続けてまいりました。

そして、この最終報告におきましては、県内の移設というものを条件とする案件が多いことは事実です。しかし、例えば、KC130を岩国へ移転する、あるいは県道一〇四号線越え実弾砲兵射撃訓練の本土演習場への移転、本土への移転案件も含まれておりますし、既に、実弾砲兵射撃訓練につきましては本土の演習場で実施されてきておりますし、KC130の移転についても、関係自治体からこれを受け入れるという表明をいただいております。

我々としては、沖縄県から伺った要望も踏まえながら、日米両国政府が最大限の努力を払った結果として取りまとめたSACOの最終報告の内容を着実に実施すること、これが沖縄の方々の御負担を少しずつ、一歩ずつでありましても軽減するための確実な道だと考えておりますし、関係自治体にぜひ御協力もいただき、実施に向けて最大限努力をしてまいりたい、今はそう申し上げたいと存じます。

○中井委員

次に、時間がありませんので、あと三つぐらいの問題を質問させていただきたいと思います。

過日、長野オリンピックが終わりました。想像以上の盛り上がりで、大成功のオリンピックだったと私どもも喜んでおります。特に、日本選手が大変御活躍をいただいて、さわやかな笑顔や、本当に思わず一緒に泣くような涙やら、共感を覚えるすばらしいオリンピックであったと思っております。

そのオリンピックの中でたった一つだけ、おやっと思ったことがございまして、それは、金メダルをおとりになった若い女子選手が、表彰台、国歌が吹奏されているときに帽子をおとりにならなかった。終わってからのインタビューで実にあっけんからんと、君が代を習ったことないから知らない、こう言われたのであります。

実は、私どもの三重県も、学校でこれを教えない、掲げない、こういうところでございまして、いろいろと御努力はいただいておりますが、やはり君が代を知らないという子がたくさんいらっしゃる。学校だけで教えることでもなければ、地域、家庭それぞれで常識として知っていなければならないことだろう。あるいは、国際人として、国旗をどう思うかどうかということは別にして、礼儀としてこうあるべきだということは知っていなければならないんだろう、私はこう思っています。

町村文部大臣、あなたの北海道の子でございます。北海道も教えていないという話が実は聞こえてまいりますが、この辺はどういう対応をなさっておるのか、お聞かせをいただきます。

○町村国務大臣

国旗・国歌についてのお尋ねでございます。

委員御承知のとおり、学習指導要領におきましては、入学式あるいは卒業式あるいは校内行事、そういう場合に国旗を掲げること、あるいは国歌を歌うこと、そして社会科などで国旗の意義とかその扱い方ということを指導するということになっております。

かなり数多くの学校、そして県、それぞれで努力をしていただいておりまして、うまくいっているところもありますが、残念ながら、議員御指摘のとおり、一部の地域におきましては、一部教職員組合の反対運動によりまして十分なそうした指導が行われていない実態があるということは、率直に認めなければなりません。

実を言いますと、私の娘も札幌の小学校に通っておりました。そのモーグルの選手と同じ札幌市でございます。小学校の音楽の時間で、学校の先生が、この歌は覚えなくてもいいのよと言って飛ばしたそうであります。そのことをうちでは大分時間がたってから娘から聞きまして、急いで、慌ててうちの妻が娘に国歌を教えていたようでございます。

いずれにいたしましても、そうした形で、日本の国旗・国歌はもとより外国の国旗・国歌に敬意を払う、これは当然のマナーであろう、こう思っております。

したがいまして、先生の御指摘をまつまでもなく、今まで文部省においてはそうした指導を各県、市町村教育委員会を通じて指導しておりますが、さらに今回のこともございますので、引き続き指導をしてまいりたい。

それから、特にああいったオリンピックの選手とか、こういう選手は国際舞台に行くことも多いわけでございますので、実は、今回のオリンピックの団長さんには急いで注意を喚起いたしまして、団長の方から各選手に対してもそういう指導はあったやに聞いております。

○中井委員

あの選手個人を責めるつもりはありません。教えていないということがおかしいのです。それを教えるようになっておると言いながら、教えられていないということがおかしい。あえて申し上げます。

私どもは三重県で知事選挙を戦いました。皆さん敵でございました。これは、何を変えたいかといったら、幾つか変えたいうちの一つはこれなんです。僕は、三年たって変えているかとこの間から教育長を呼びまして聞きましたら、この三年間で新しい教頭と校長の行ったところはやっています、従来のところはやっていません。そうすると、何年たったら全部なるんだ、こう言ったら、二十年でしょうかと。これではおかしいでしょう。

この教職員組合と皆さんは仲よくやっていらっしゃる。僕は、それはそれで結構だ。当然、教職の現場でお働きの皆さんと文部大臣がお話し合いなさるのは結構だ。しかし、ルールはちゃんと守らせてもらう、このことをあえて申し上げます。お答えください。

○町村国務大臣

なかなか教職員組合も、全国団体とまたそれぞれの県の団体とが同じような行動をとっていないという事実は、先生もう既に御承知の上でのお尋ねであろう、こう思っております。

私どもは、各組合は組合として、教育委員会を通じ、それらのことを徹底するようにということでございますので、こうした今先生の御指摘もございますので、改めてその面でさらに文部省として指導助言を強めてまいりたいと考えております。

○中井委員

それでは、次に少年法の問題。過日の委員会で、自民党さんからも私とほぼ同じような御議論がありまして、重複の部分もありますが、あえて質問をさせていただきます。

少年法による犯罪というのですか事件、子供の数も減ってまいりましたし、貧困という要素も大分減ってまいりましたから、かなり件数的には少なくなっておると僕は聞かせていただいております。ただ、昨今、神戸の少年殺人事件、あるいはまたつい最近の栃木の教員殺人事件等々、凶悪な、世間を驚かす事件が続きました。また、これらの事件を起こした人はかなり低年齢の方々であります。そういう中で少年法というものがマスコミ等で報じられて、いろいろな議論を呼んでおります。

これは一九九三年、山形県の中学校で七人の生徒によるマットの、同級生を蒸して殺しちゃったという事件がございました。それ以降、少年法の改正について法務省は議論を始めました。二十年間ぐらい、実は法制審議会の少年法部会、これは開かれていなかったわけでございます。僕は、ちょうど法務大臣のときにこの時期でしたから、どうしてだと聞いたら、司法制度の改革については、法務省、最高裁、日本弁護士会一致をしないとなかなか改正できない、これが慣習であり、昭和四十五年に衆参の附帯決議の中にもそういう趣旨が盛られておる、こういうことでございます。

司法制度の改正についてなかなか難しいのは、弁護士会と一致するというところが時間がかかってしまう、タイミングを逸してしまう、ここにあるんだろう。今こういうことを続けているというのは、僕はちょっと、法の世界に携わる人たちの権威主義である。最高裁といえども、弁護士さんといえども、まして法務省といえども、批判されるべきは批判される、変えるところは変えていく、これは当然のことだ。法律をつくって変えるのは国会であると私は思っております。しかし、専門家の御意見は十分聞いたらいい。

そういった意味で、二十年ぶりに議論をされております少年法の論議。この間、法務大臣は答えにくそうにお答えになられておりましたが、答えるとまたこの議論が二十年間ぐらいとまってしまうのかと心配をしておりますが、どういう状況にあるのか、どこまで来ておるのか、具体的にお答えをいただきます。

○下稲葉国務大臣

お答えいたします。

一昨日も深谷議員の御質問にお答えしたわけでございますが、最近の少年を取り巻く事件はなかなか厳しいものがございますし、その対処を迫られているわけでございます。私は、少年の保護育成を基本にするという少年法の精神そのものはいいと思うのでございますが、現下のこのような厳しい情勢に対応できるかどうかというふうなことを痛感いたしております。

そこで、今お話がございましたように、衆議院、参議院の法務委員会の附帯決議等々もありまして、建前として、法曹三者で意見をまとめてきなさいということになっておるわけでございます。そういうふうなこともあって今日まで参っておるわけでございますが、私どもは、やはり何といっても現実の厳しい情勢に対応できるような法制でなくちゃならぬわけでございますので、何とかその辺のところを進めてまいろう。

具体的には、平成八年の十一月に法曹三者で話し合いの場ができました。そこでどういうふうな問題があるのかということを相談いたしました。それで、その結論を受けまして、具体的に法制の改正を視野に入れまして、ことしの一月から三者の会合を重ねているところでございます。

まず、事実解明の手続の面から申し上げますと、現在、裁判官が一人でなさっている。重要な事件について一人でいいのだろうかどうか。それから、期間が原則として四週間ということになっている。殺人事件等の難しい事件の事実解明が四週間でできるかどうか。あるいはまた、検察官の立ち会いもできません。それから、抗告も検察官側からはできません。そういうふうな点等を中心に今議論いたしております。

それから、年齢の問題につきましては、もう既に御承知のとおり、現在の刑法の規定によりますと、十四歳未満の者の行為は罰せずということになっております。したがいまして、栃木の例の学校の先生の事件につきましては、家裁の決定で教護院送致ということになりました。教護院につきましては、厚生大臣の御説明がございましたが、児童自立支援施設というふうなことで、四月一日からなるわけであります。十四歳以上は少年院に送られますが、十六歳以上になりますと刑事処分ができるわけでございます。

そして、刑事処分ができる実態というのがだんだんふえてまいっております。平成八年の資料しか手元にございませんが、殺人でございますとかあるいは強盗強姦で、十八歳ないし十九歳で懲役七年以上十年以下というふうな判決の事例もございますし、十六歳の少年で、傷害致死で三年以上五年未満というふうな判決等々もございます。だから、そういうふうなことで、高年齢になれば、少年院に送るよりも検察官に逆送致して正式裁判を求めている事例というのが最近多くなっております。

そういうふうなこと等も踏まえ、年齢の問題等々、今後精力的に前向きに検討してまいりたい、このように思っております。

○中井委員

大臣が具体的に問題となっておることを検討しておる、こうおっしゃいましたから、私どももできるだけ早くこの少年法の改正ということについて図ってほしい、ここら辺を強くお願いしておきます。

年齢について、なかなか難しいんだろうと思っています。私は、二十というのを十八までに引き下げるというのは、これは選挙権とやはり同じでなければならない、少年法の適用を十八以上にするのなら選挙権も与えるべきだ、ここら辺があるのだろう、こう思います。

しかし、十四歳以下は罪にならず保護処分、これを決めたのは実は明治四十年であります。明治四十年にどうして十四歳、こう決めたのかわかりません。江戸時代の元服が十五歳であったのかもしれません。しかし、その当時の十四歳と今の十四歳では、医学的にも情報収集においてもはるかに違う。ここら辺をお考えになって、十四歳は十二歳、小学校、こういう形での年齢をお考えになる、このことは大事だと思っております。

それから、教護院とか少年院。日本は、そこに働く人たちは世界一優秀だと、僕は経験者だから褒めるわけじゃなしに思っております。ただ、そこでいい子にして早く社会へ出てやるんだよということだけで、医学的に、病的に犯罪、再犯の可能性のある人の芽を本当に摘み取っているかというと、そこのところは少し足りないんだろう、こう思っています。

そういう意味で、罪を犯してこの制度のもとで社会復帰、家庭復帰する人が大人になって凶悪な犯罪を犯さない、そういったことの予防を十分できる精神医学的な分析とかあるいは治療、そういったことを私は取り入れるべきだ、このように思います。

そういったことを法務大臣にこの際強く要望して、この少年法の問題は終わりたい、このように思います。

最後に、議員立法のことでひとつ総理のお考え、また自民党総裁としての御協力、お願いを申し上げたいと思います。

最初に運輸大臣にお尋ねをいたしますが、私どもは、祝日三連休化、こういう問題を前国会から提案をいたしております。これは、成人の日、それから七月の海の日、敬老の日、体育の日、この四つの祝日を月曜日に指定する、そして土、日、月と三連休でそれぞれの祝日をお祝い申し上げる、こういう議員立法でございます。

このことは、それぞれを十分お祝いすると同時に、はっきり言えば景気対策。私も、娘は二十五で一緒に住んでおりますが、もう連休というとどこかへ遊びに行っている。うらやましい限りだ。本当に今の若い人たちは、休暇、人生楽しくということを実にうまくやっていらっしゃる。そういう意味では、飛び石連休があったりするよりも、本当に連休を続けるということは、レジャー、こういったことを振興する意味でも、またこの不景気な時代に明るい空気をつくり出す意味でも大事だ、こう思っています。

そこで、運輸省に非常に関係のあることでありますが、この三連休をもし行えばどのぐらいの経済効果があるか、計算をなすったことがおありでしょうか。

○藤井国務大臣

お答えいたします。

一部の祝日を月曜日に指定することによって三連休を創出する、いわゆる祝日三連休化につきましては今先生御指摘のとおりでありまして、景気対策等々にもプラス効果があるんではないかというお話でございます。

今、たしか四日間の祝日のことに触れられました。例えば、成人の日を月曜日に指定した場合の経済効果は二千六百六十億円、海の日を指定した場合は三千五百八十六億円、敬老の日の場合は三千四百十二億円、あるいは体育の日の経済効果は五千四百九十四億円という一つの経済効果の試算が出ております。

確かにこういった経済効果等もございますけれども、もう一つは、先ほど先生御質問にありましたように、教育問題に触れられましたけれども、やはり家族との触れ合い、例えば成人の日あるいは敬老の日ということになりますと、成人の日、二十になった、そして父親、母親に感謝する、そういった親子の触れ合い。あるいは敬老の日は、例えばふるさとを離れたら、連休であるのでふるさとへ帰って、おじいちゃん、おばあちゃん元気かねというような、そういった触れ合いという面からも私はぜひ必要であると思いますし、そういったことにつきましての議員立法の動きがあるということを承知いたしております。また運輸省としても、そういった動きに支援をしてきたところでございますので、その法案の行方を見守っているところでございます。

○中井委員

この法案、昨年十二月、当時の新進党それから民主党、太陽党、有志の人たちで国会へ提案なされました。今、与党を含めてと申し上げたら失礼ですが、与党を中心に私どもの仲間が加わって、議員立法でというお話がございます。

四日一遍じゃなしに、二日ぐらいとかいろいろな議論があるようでございますが、しかし、これはざっと足しても一兆円を上回る経済効果。この税収を考えただけでも、国鉄の長期負債の金利なんかすぐ出てくるというところかと思いますけれども、こういう制度による国民のゆとり向上あるいは景気刺激、これらについて、総理、どのようにお考えか、率直にお聞かせください。

○橋本内閣総理大臣

私は、祝日というものは、それなりにそれぞれ定められた日、その日に意義のあるものだと思います。そして、その日が指定されていることをもって意義あらしめている。

当然ながら、議員は、そうしたことは十分に御勘案の上で、今、一部の祝日を月曜日という特定の曜日に集中することのメリットを言われました。

私は、一つの御意見だと思いますし、注視してまいりたいと思いますが、同時に、その対象とする祝日の選び方については、やはり国民的な合意を必要とする部分があろうかと思います。そして同時に、いかにしてそれがゆとりとなり、家族との触れ合いとなり、それがよき結果を生むか。これは、せっかく祝日を月曜日につくった、そうしたら塾に行っちゃった、子供はいないというようなことであったのでは意味がないわけでありまして、そうしたことまで含め、十分関心を持って見守りたい、そのように思います。

○中井委員

お話はよくわかりますが、敬老の日あるいは体育の日、お互い忙しく飛び回るわけですが、雨になったら大変なことでございます。そういう中で、三連休をつくっておけばまあやれるとか、いろいろなプラスもあるだろう。

私どもは、仲間と十分ここら辺、また総理の御意見等も、たくさん同じお考えの方もいらっしゃる、そういった人たちにも呼びかけて実現を図ってまいりますので、御協力のほどをお願い申し上げ、質問を終わります。

○越智委員長

これにて中井君の質疑は終了いたしました。
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