国会, 政治活動報告


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予算委員会

衆議院 予算委員会
平成11年2月25日

日債銀破綻処理に関する参考人質疑

○議長(伊籐宗一郎君)

中井洽君。

○中井委員

自由党の中井です。

参考人の皆さんには御苦労さまです。与えられました時間は二十分でございますので、重複を避けながら簡単に聞いてまいりますので、簡潔にお答えをいただきたいと思います。

日債銀救済をしなければならなかった背景等は、ただいま津島議員の質疑の中で明らかにされたと考えています。ただ、ああいう状況でありました銀行を、私は、市場に任せて、そして破綻をしたときに日銀が出ていって金融秩序の崩壊というのを防ぐ、そういうやり方はあったんじゃないか、こんなふうに考えております。そういう方策を当時大蔵省はお考えにならなかったのか、この点についてお尋ねをいたします。

○山口参考人

お答え申し上げます。

当時の背景でございますが、もしそのまま破綻の状態に立ち至るまで放置しておったと仮にいたしますと、まず、先ほど出ました金融債の問題が重大な問題としてありました。そのほかに、もっと私が重大だと考えましたのは、受け皿銀行がないということなんです。これは十五兆規模の銀行でございます。受け皿銀行がありますと、そこに金融三法で、附則でもって資金を注入して全部保護ということが可能ですが、受け皿銀行がないと、その破綻銀行にそのまま入れるというわけにはいきません。そうすると、どういうことが起きるかといいますと、一番激しく起きますのは、インターバンク取引がまず壊滅状態になると思います。銀行間の貸し借りがだめになると思います。それから、もちろん取引先も一瞬にしてその銀行を失うということになりかねません。

それから、もっと重要なのは、外国での反応なんです。つまり、日銀が出せばそれは可能かもしれませんが、その日銀が出す理由がないということになりますと、そこに日本発の金融危機、つまり、外国でクレジットラインを切られてしまうことになります。これはもう日本発、大変なことになるという、少なくとも、私はそういうふうに認識しておりました。そういうことを考えたときに、なかなかそういう手はできないというふうに考えたわけでございます。

○中井委員

日銀総裁は、いかが当時お考えでしたか。日銀が出ていって、そういう処理で、市場に任せてさばくということはできなかったということについて、お考えをお聞かせいただきます。

○松下参考人

当時の状況につきましては、先ほどお答え申し上げたように、日債銀が仮に破綻に陥るということになりますと、それが内外の金融市場等に及ぼします影響は極めて深刻なものになったに違いないと思っております。私ども日本銀行の使命の中には、国の信用秩序の維持を図るということがございまして、我が国の金融システム、信用秩序というものが揺らぐことがないようにする義務を持っているわけでございます。

当時の状態におきましては、他に十分な手段がございませんでしたために、私どもの新金融安定化基金からの出資ということによって、自己資本を強化をしながらリストラを進めさせて、そしてこれを健全な銀行に復活させてまいるということが本当に唯一の選択肢であったという気持ちを持っております。

○中井委員

そういう御認識のもとで、大手都市銀行や長信銀が、今までつぶしたことがなかった子会社を、母体行方式でもなければ修正方式でもなく、プロ方式で三つをつぶすというようなことを含めた大胆なリストラをやられて、ぎりぎりかつかつの再建策をおやりになったのだろう、このように考えております。

その中で、お尋ねしたいことが幾つかございますが、東郷頭取は日銀に九月の十九日、先ほどは信用機構局長にと、こういうお話でしたが、第三分類は七千億であった、こういうことを申し上げたと言われておりますが、日銀はそのときにどうして大蔵の示達書を見せろ、こうお言いにならなかったんでしょうか。

○松下参考人

大蔵省検査は法律に基づきます行政権の発動としての検査でございますので、また、同時に法的な制約もあると存じます。したがいまして、守秘義務等の関係からいいまして、検査の内容そのものを、検査の対象銀行は別でございますけれども、他の第三者機関にそのまま提示するということはやってきていないと存じます。

ただ、そのときに、検査において大蔵省が日債銀全体の経営状況についてどのように判断をしているか、どの点が問題であると考えているかという点につきましては、それは日銀も考査局等を持っておりますので、双方の情報の交換、意見の交換は行っているわけでございます。そういうものの中から、私どもといたしましては、日債銀につきまして、不良債権の問題はあるけれども、その規模はおおむね七千億円程度であって、現在債務超過というふうな判定をする段階でないと感じたわけでございます。

○中井委員

私は日銀が、他の都市銀行等も含めて、大蔵の示達書を見ていないとは思っていません。ここのところを見せろと言われなかったところが今回非難をされている一つの原因をつくっていらっしゃると考えております。自分たちのフォローアップで大体四千五百億、こうされておって、七千億という数字はそう違わないからまあまあというところで納得されたということはわかりますが、そこのところが、東郷さんが日銀OBなだけに、いろいろと憶測を招くのではないかと私は考えています。

逆に、大蔵省にお尋ねをいたしますが、この五月の時点で、日債銀が各銀行に大体検査の中間報告に回った、これはどうしてこんな時期に回らせたのだ、検査を待つまで待てなかったのか、これが一つ。それから、七千億という数字でどうして結構だと大蔵省が、日債銀が各行を回るのを許可したのでしょうか。お答えをいただきます。

○山口参考人

お答え申し上げます。

五月時点で、私の知るところでは、各出資要請先の銀行等から早く教えてくれと、検査の状況はどうなんだということをかなり激しく聞かれたというふうに聞いております。銀行としても、それは検査が終わるまで待てればそれはそれでよかったと思いますが、そのときにお答えをどうしてもしないとこのスキームが成り立たないという気持ちが強かったようでございます。そこで、私どもが回らせたということではありません、銀行が検査を受けているときにつかんでいる数字、これを積み上げまして、七千という数字で各行に説明に回られたということでございます。

それで、それに関していろいろお問い合わせが、現にいろいろ各レベルであったようでございます。そのときに、銀行がそういった認識を持って、かなり確信を持って積み上げておるのであれば、あえて否定するような材料もございませんでしたので、そういう事態、回ることは容認していたということでございます。

○中井委員

五月にそういう形で、検査の途中で回ったということは、私どもが聞いておりますのは、五月の終わりから六月に各金融機関が株主総会がある、この了解を得なければ将来出資ができない、こういうことで事前に、検査途中であるが回ったと聞いておりますが、その点について、再度御確認をいたします。

同時に、七千億で回って、まあ回らせたか回ったか、それはいずれにいたしましても、各金融機関からも問い合わせがあった。それに対して、大体そうだという答え方をしたとマスコミ等では報じられておりますが、この七千億を日債銀からお聞きになって、同じ大蔵省の検査部に尋ねるというのは僕らからすれば常識なんですね。銀行局はこういうときに検査部に尋ねないのか。尋ねたけれども返事がなかったのか。その点、山口局長、いかがですか。

○山口参考人

出資先銀行の事情については、私はよく詳しくは存じません。恐らくそういったこともあったと思います。

それから、七千億で日債銀がいろいろ説明に回っていたということでございますが、それは、日債銀が検査を受けております。非常に細かい資料まで積み上げて数字をつくったものでございますので、それをあえて否定する材料もこちらもございません。検査部に聞きましても、検査はまだ途中でございますので、これだという数字を持ち合わせてもおりませんので、そういうことはなかったと思います。

○中井委員

次にお尋ねいたします。

九月の十九日に、いわゆる検査結果が示達として日債銀に知らされました。ここで、先ほど質疑にもありましたように、第三分類一兆一千二百十二億円、そして、括弧書きで六千八百億円、ただし書きには、日債銀の意思に反してはつぶれないと主張している債権云々という書き方があった、こういうふうに言われております。

こういうただし書きのついた債権分類、かつて検査の中であったのかどうか、聞いたことがおありかどうか、山口さんは検査におられたかどうか僕は知りませんが、あえてお尋ねをいたします。

○山口参考人

検査でいろいろ注書きがあるというようなことはあるようでございます。具体的に、どのケースがそうだったかということは、私は覚えておりません。

○中井委員

東郷頭取にお尋ねいたします。

あなたは、五月の時点で、先ほどお話ございましたように、資金担当の常務として、各金融機関に救済のお願いに回られた。そして、第三分類は七千億だ、こういうふうに御説明をされて、八月、頭取になられた。頭取になられて、九月、第三分類一兆一千二百十二億円、こういうことを聞かされた。このとき、どんなふうに率直に思われたか、お尋ねをいたします。いや、括弧書きがあるからいいんだ、こう思われたのか、参ったなと思われたのか、正直なところをお聞かせください。

○東郷参考人

お答えいたします。

今御指摘のとおり、私は、頭取就任前に企業法人の営業担当常務でございまして、増資の各金融機関にお願いをする立場にございました。九月、八月の十九日に頭取に就任して、その三週間後に示達を受けました。その中で一兆一千億ということを知ったわけですが、ただ、そこには、先ほどもちょっとお話にありましたけれども、直ちに引き当ての必要がないが回収に懸念のある債権という、我々のこれまで金融機関に対して説明してきた定義における債権額として、ほぼ同額が認められたというふうに認識をしたわけでございます。

○中井委員

そうしますと、この直後の九月の決算で、第三分類に対する引き当てをどういう基準でおやりになったんですか。七千億の部分、六千八百億の部分だけ引き当てをやられて、おしまいになったのか。それとも、示達に出ておる一兆一千二百十二億円についても引き当てされたのか。いかがですか。

○東郷参考人

そのときはまだ早期是正措置スタート前でございますので、引き当て、償却については監査法人と金融機関が相談して決めるということでございまして、私ども、一兆一千億という第三分類の数字をいただきましたけれども、その中には関連会社、私どもの支援姿勢が変わらない限り倒産の懸念がないというものを含んだものでございましたので、その部分については引き当てをしないという決算を九月末でいたしました。

○中井委員

そうしますと、当然十年三月末も引き当てをされていない、全く大蔵の示達というものを無視した、こういうふうに理解していいんですか。

私どもの聞いている範囲では、七千億、まあ六千八百億をお認めになった部分については厚目に、大蔵の主張している子会社分、九段開発以下の分四千億については少し軽目に手当てをした、こういう話を聞いていますが、違いますか。

○東郷参考人

第三分類という査定をどういうふうに引き当てをしていくか、こういうところでございますが、当時の基本的な引き当ての考え方は、それぞれ個々の貸し出しごとに、回収不能額というか、引き当ての必要のある金額を個別に算定して積み上げて決算処理をするというのが原則でございまして、それを監査法人と相談しながらやっていくということでございました。

したがいまして、この私どもの子会社グループについては、支援の姿勢が明確である限り倒産の懸念がないということでございますので、これは、引き当ては監査法人とも相談の上いたしておりません。

○中井委員

そこのところがどうもわかりません。

大蔵省の検査で一兆一千二百十二億円という数値が出た。そして、一兆一千二百十二億円でも債務超過じゃない。それなのに、自分たちの主張した括弧書きの数値にこだわり続けて、佐々波委員会にもその数値をもとに、償却したのやら返済があったものを含めて減らして、六千億で自主申告をなすった。

ここまで徹底的にこの大蔵省の示達を無視したということは、何があるんだろう。大蔵省を中心として、日銀やらみんなで日債銀を助けようとしているわけですね。それなのに、こうやられる。そして、今になってみたら、それはおかしいやないか、大変な疑惑を国民からもいただいておる。何だったんですか。どうしてその数値にこだわってやったんですか。

○東郷参考人

第三分類の資産査定をどう引き当てするかという問題でございますけれども、第三分類の定義というものをごらんになればおわかりかと思うんですけれども、第三分類というのは、回収に懸念があるけれどもその損失額が算定できないもの、これを第三分類というふうに言っているかと思います。

したがって、その場合には、金融機関と監査法人が相談をいたしましてその合理的な必要額を算定するということでございますから、一兆一千二百億の第三分類をいただきましたときは、要するに、子会社グループであろうがそれ以外の貸付債権であろうが、平等に、第三グループの中で回収に懸念がある、ただ、その損失額は合理的に算定できないということでございますが、それは、一番事情を知っている金融機関が合理的に算定をして引き当てする、そういうふうに私どもはしましたし、したがって、監査法人にもその旨御了解をいただいたところでございます。

○中井委員

時間ですので終わります。
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