予算委員会
衆議院 予算委員会公聴会
平成13年2月28日
○野呂田委員長
中井洽君。
○中井委員
自由党の中井洽です。
四人の公述人の皆さん、ありがとうございました。十分間でございますので、感想を少し述べさせていただき、お二人の先生にお尋ねをしたいと思います。
四人の、予算に賛成、反対、それぞれの公述人の皆さんの共通は、やはり国会や政府がやってきた政策は少しピントがずれているんじゃないか、また、論議も的外れが多いじゃないか、もっとしっかりしろ、こういう厳しいおしかりをいただいた、こう考えております。
その中で、島田先生の発想を変えろというお話は、実は、私も人口六万の小さな町に住んでおりまして、高齢化率はもう二〇%をとっくの前に超えております。市長や議員の皆さんは皆、若い人に魅力のある町づくりをと言うから、そんなのやめろ、六十以上の東京や大阪へ行った人が戻ってきて老後をゆっくりと暮らせる町をつくれ、発想を変えろ、そのためには税制や住宅制度やいろいろと変えればいいんだ、こういうことをここ十年間言い続けておりましただけに、我が意を得た、こんな思いでありました。このことだけを島田先生に申し上げておきます。
中北先生のお話は、私もそのとおりだ。直接償却を私どもはここ数年間やかましく言ってまいりました。企業が大きい、小さいということではなしに、やるべきだ。特に、銀行、金融機関を助けたときに、その体力のある時期に思い切ってやるべきだ。それを、ソフトランディングをさせよう、いつか景気がよくなるよ、こういうことでずるずるとやってきた決断のなさが、今日、こういう絶望的な状況を招いているんだろうと思っています。
そういう意味で、今、金融庁が、金融機関が赤字になっても直接償却をやれと言い出しておる。これは時期が違うんじゃないか。今までの反省なしに何だという思いと、本当に今の時期にこれをやれるのか、このことを心配いたしております。やらなきゃならないし、やれないんじゃないか。
この点について、金子先生、先ほどからちょっとお触れがございましたが、もう一度お考えを、それから紺谷先生にもこの点についてのお考えをお尋ねいたします。
四人の公述人の皆さん、ありがとうございました。十分間でございますので、感想を少し述べさせていただき、お二人の先生にお尋ねをしたいと思います。
四人の、予算に賛成、反対、それぞれの公述人の皆さんの共通は、やはり国会や政府がやってきた政策は少しピントがずれているんじゃないか、また、論議も的外れが多いじゃないか、もっとしっかりしろ、こういう厳しいおしかりをいただいた、こう考えております。
その中で、島田先生の発想を変えろというお話は、実は、私も人口六万の小さな町に住んでおりまして、高齢化率はもう二〇%をとっくの前に超えております。市長や議員の皆さんは皆、若い人に魅力のある町づくりをと言うから、そんなのやめろ、六十以上の東京や大阪へ行った人が戻ってきて老後をゆっくりと暮らせる町をつくれ、発想を変えろ、そのためには税制や住宅制度やいろいろと変えればいいんだ、こういうことをここ十年間言い続けておりましただけに、我が意を得た、こんな思いでありました。このことだけを島田先生に申し上げておきます。
中北先生のお話は、私もそのとおりだ。直接償却を私どもはここ数年間やかましく言ってまいりました。企業が大きい、小さいということではなしに、やるべきだ。特に、銀行、金融機関を助けたときに、その体力のある時期に思い切ってやるべきだ。それを、ソフトランディングをさせよう、いつか景気がよくなるよ、こういうことでずるずるとやってきた決断のなさが、今日、こういう絶望的な状況を招いているんだろうと思っています。
そういう意味で、今、金融庁が、金融機関が赤字になっても直接償却をやれと言い出しておる。これは時期が違うんじゃないか。今までの反省なしに何だという思いと、本当に今の時期にこれをやれるのか、このことを心配いたしております。やらなきゃならないし、やれないんじゃないか。
この点について、金子先生、先ほどからちょっとお触れがございましたが、もう一度お考えを、それから紺谷先生にもこの点についてのお考えをお尋ねいたします。
○金子公述人
具体的にはどういうお答えをすればよろしいでしょうか。
○中井委員
今、金融機関が直接償却をやってしまうだけの体力があるのかどうか、ないのにどうしてやるのか、こういう話です。
○金子公述人
私は、実は、九七年終わりに、第二次の破綻というか、住専問題の次にあった後、九八年ごろには強制注入論というものを展開しておりました。経営責任を問うて、一気に公的資金投入枠を全部入れるべきであると。これは、欧米諸国のケースだと大体そうであったわけで、別に特異な議論ではなかったと私は考えていますが、残念ながらそういう考え方ではなくて、戦略会議の最終報告のように、経営責任を三年棚上げして七・五兆円というようなやり方をしたわけですね。
今の時点で情報がしっかり私にはありません、正直申し上げれば。どの程度やったらいいかという判断を、情報が非常に不正確なまま断言してしまうのは、ちょっと怪しいと思われます。つまり、体力が低下すればするほどがんの手術は難しくなるのと同じで、今相当厳しい状況にあるだろうとは想像できるけれども、どの程度までやったらいいのかということについては、実は自分が誠実に答えられる範囲では、ちょっと専門を超えているというふうに思います。
ただ、何らかの形で、多額のものを入れながら直接的な償却をしていかざるを得ない。ただ、問題は、先ほど申し上げましたように、地域の金融機関やあるいは地域の地場の産業が急激に落ち込む可能性がありますので、今の全体のデフレ状況の中で、そういう政策に対するソフトランディングの政策をするべきだというふうには言えると思います。恐らく必要だけれども、今の時点で全部やってしまえと言うだけの資料を持っていないということでございます。
ちょっと、十分な答えになったかどうかわかりません。情報がしっかりあれば、私なりの判断はできると思います。
今の時点で情報がしっかり私にはありません、正直申し上げれば。どの程度やったらいいかという判断を、情報が非常に不正確なまま断言してしまうのは、ちょっと怪しいと思われます。つまり、体力が低下すればするほどがんの手術は難しくなるのと同じで、今相当厳しい状況にあるだろうとは想像できるけれども、どの程度までやったらいいのかということについては、実は自分が誠実に答えられる範囲では、ちょっと専門を超えているというふうに思います。
ただ、何らかの形で、多額のものを入れながら直接的な償却をしていかざるを得ない。ただ、問題は、先ほど申し上げましたように、地域の金融機関やあるいは地域の地場の産業が急激に落ち込む可能性がありますので、今の全体のデフレ状況の中で、そういう政策に対するソフトランディングの政策をするべきだというふうには言えると思います。恐らく必要だけれども、今の時点で全部やってしまえと言うだけの資料を持っていないということでございます。
ちょっと、十分な答えになったかどうかわかりません。情報がしっかりあれば、私なりの判断はできると思います。
○紺谷公述人
私は、はっきり、今直接償却などやるべきではないと思っております。
間接償却と直接償却というのは、銀行にとって大して変わらないのですね。いずれにしろ引当金を積んで、損失処理はしていくということです。だれにとって違うのか。借り手である企業にとって違うのです。直接償却ということは、企業にもうお金は貸さない、息の根をとめるということに等しいのですね。
今、多くの企業が苦しんでおりますけれども、この状況というのは、合格点が八十点になっちゃったような状況だ。本来だったら六十点が合格点であるにもかかわらず、七十五点、七十点、六十五点の企業までつぶさなきゃいけないという状況になっていくわけでありまして、今企業をつぶすということは、それは、翻ってまた銀行にはね返ってくるということがあるわけでございます。直接償却ということがアメリカにおいて可能だったのは、企業がそれほど傷んでいなくて銀行だけが傷んでいたという事情があるから、銀行の帳簿をきれいにするということがある程度意味があったのですね。まして日本では、直接償却をしても、不良債権を販売するルートがないということがあるわけでございます。
ですから、それはもう企業に死ねと言うことと同じでありまして、今、実は信用金庫、信用組合というのは、必死で企業に貸し付けを続けようとしているわけですね。ところが、金融監督庁のあのマニュアルというのは、東京三菱のような大銀行も、町の小さな信用組合もほとんど画一的な査定でありまして、二期続けて赤字だったらば、もう要注意先債権だ、不良債権だ、引当金を積めということで、それで信用金庫、信用組合の自己資本比率というのはどんどん毀損しているという状況でございます。言われたとおりにやってしまうと、今度は企業をつぶして、それがまた自分にはね返ってくる。だからといって無理やり貸し付けを続けていると、自分の自己資本比率が減って、好きでもない相手と結婚を無理強いされるみたいな、そういうことになってしまうわけですから、もうにっちもさっちもというところになっていると思うのですね。
確かに、先送りが今日のような混迷を生んだということは言えると思います。ですけれども、手術をおくらせて、先送り先送りを重ねているためにどんどん体力が落ちて、今は手術ができませんね、もうちょっと体力を回復してから手術しましょうとお医者さんがおっしゃることだってありますね。日本経済は、今そういう状況だと思います。今こそ先送り、今こそ護送船団で、一つでも多くの企業がトンネルの出口を出られるようにしたい。もうトンネルの出口は見えているわけでございますから、ここで無用な失業、倒産というのは極力避けていただきたい。
アメリカやヨーロッパでどういうやり方をしたかは存じませんが、国情はそれぞれ違うわけです。企業が置かれている状況も違うわけです。考え方をまねするということはいいのかもしれないのですけれども、形を猿まねするというのは、もういいかげんでやめていただきたいなと思っております。
失礼いたしました。
間接償却と直接償却というのは、銀行にとって大して変わらないのですね。いずれにしろ引当金を積んで、損失処理はしていくということです。だれにとって違うのか。借り手である企業にとって違うのです。直接償却ということは、企業にもうお金は貸さない、息の根をとめるということに等しいのですね。
今、多くの企業が苦しんでおりますけれども、この状況というのは、合格点が八十点になっちゃったような状況だ。本来だったら六十点が合格点であるにもかかわらず、七十五点、七十点、六十五点の企業までつぶさなきゃいけないという状況になっていくわけでありまして、今企業をつぶすということは、それは、翻ってまた銀行にはね返ってくるということがあるわけでございます。直接償却ということがアメリカにおいて可能だったのは、企業がそれほど傷んでいなくて銀行だけが傷んでいたという事情があるから、銀行の帳簿をきれいにするということがある程度意味があったのですね。まして日本では、直接償却をしても、不良債権を販売するルートがないということがあるわけでございます。
ですから、それはもう企業に死ねと言うことと同じでありまして、今、実は信用金庫、信用組合というのは、必死で企業に貸し付けを続けようとしているわけですね。ところが、金融監督庁のあのマニュアルというのは、東京三菱のような大銀行も、町の小さな信用組合もほとんど画一的な査定でありまして、二期続けて赤字だったらば、もう要注意先債権だ、不良債権だ、引当金を積めということで、それで信用金庫、信用組合の自己資本比率というのはどんどん毀損しているという状況でございます。言われたとおりにやってしまうと、今度は企業をつぶして、それがまた自分にはね返ってくる。だからといって無理やり貸し付けを続けていると、自分の自己資本比率が減って、好きでもない相手と結婚を無理強いされるみたいな、そういうことになってしまうわけですから、もうにっちもさっちもというところになっていると思うのですね。
確かに、先送りが今日のような混迷を生んだということは言えると思います。ですけれども、手術をおくらせて、先送り先送りを重ねているためにどんどん体力が落ちて、今は手術ができませんね、もうちょっと体力を回復してから手術しましょうとお医者さんがおっしゃることだってありますね。日本経済は、今そういう状況だと思います。今こそ先送り、今こそ護送船団で、一つでも多くの企業がトンネルの出口を出られるようにしたい。もうトンネルの出口は見えているわけでございますから、ここで無用な失業、倒産というのは極力避けていただきたい。
アメリカやヨーロッパでどういうやり方をしたかは存じませんが、国情はそれぞれ違うわけです。企業が置かれている状況も違うわけです。考え方をまねするということはいいのかもしれないのですけれども、形を猿まねするというのは、もういいかげんでやめていただきたいなと思っております。
失礼いたしました。
○中井委員
紺谷さんにもう一つだけお尋ねをいたします。
先ほどから、改革というのはやらなければならぬけれどもということで、独特の御意見をお聞かせいただきました。それはそれとして、私も幾つかの点で、反省やうなずかざるを得ない点はあるわけですが、しかし、例えば今、株がまた一万三千円を割っているような状況。これは、預金があれだけありながら株へ行かない。証券会社がいろいろあった後、今度は例えば投資信託だ、ファンドだという形で、かなりのお金が株式市場へ行ったのですね。行ったけれども、相変わらず日本の証券会社は売り買いを勝手にして、短期の繰り返しをやって、自分の会社の手数料稼ぎをやっちゃう。預託をした人の三年、四年の長期的な投資、こういったことをちっとも考えない。
これは、日本はちっとも反省がないじゃないか、体質が変わらないじゃないか、こういうことがいっぱいあるわけですね。こういったことはやはり変えていかないと、日本の経済というのは新しい展開ができないと僕は思うのですが、そういった点について、どうでしょうか。
先ほどから、改革というのはやらなければならぬけれどもということで、独特の御意見をお聞かせいただきました。それはそれとして、私も幾つかの点で、反省やうなずかざるを得ない点はあるわけですが、しかし、例えば今、株がまた一万三千円を割っているような状況。これは、預金があれだけありながら株へ行かない。証券会社がいろいろあった後、今度は例えば投資信託だ、ファンドだという形で、かなりのお金が株式市場へ行ったのですね。行ったけれども、相変わらず日本の証券会社は売り買いを勝手にして、短期の繰り返しをやって、自分の会社の手数料稼ぎをやっちゃう。預託をした人の三年、四年の長期的な投資、こういったことをちっとも考えない。
これは、日本はちっとも反省がないじゃないか、体質が変わらないじゃないか、こういうことがいっぱいあるわけですね。こういったことはやはり変えていかないと、日本の経済というのは新しい展開ができないと僕は思うのですが、そういった点について、どうでしょうか。
○紺谷公述人
おっしゃるとおりでございます。
昨年の初めに、多くの個人投資家が株式投資に関心を持って、投資信託なんかをたくさん買ったのですね。ところが、日経平均の銘柄入れかえを利用して、証券会社だけがもうけて、投資信託に大損をさせたということがあります。ですから、今、本当の意味での証券市場改革というのが必要であろうと思うのですね。
何より大事なのは、先ほども申し上げましたけれども、株式投資は恥ずかしくないのだということです。株式投資家がいなかったらば経済は立ち行かないのだということを御理解いただく。大恐慌の後ペコラ委員会がやったような、そういう教育啓蒙活動が必要だろうと思うのですね。ところが、証券界というのは、教育啓蒙活動にほとんど取り組んでいない。実は、不肖私は、女性投資家の会というのを立ち上げまして、もう私財を数百万円投じておりますけれども、昨年、八十七回勉強会をいたしました。株式市場の役割、株式投資の意義、株価の経済的影響ということについて、多くの皆さんに御理解いただきたいと思ってやってきたのですね。今、それが必要だと思うのですよ。
先ほど申し上げましたように、長期投資すれば、株式というのはそれなりの利回りを結果してくれるということなんですね。証券会社の言うがままに短期売買を繰り返しておきますと、非常にリスキーで損ばかりしちゃうということなんですけれども、どういう株式投資のやり方があるのか、どういうリスクコントロールのやり方があるのかということをきちんと教育啓蒙を行いまして、今千三百八十兆円あると言われる国民金融資産のうち一%が株式市場に向かっても、十三兆、十四兆なんですよ。下手な株価対策よりよっぽどきくということなんですね。
税金の面や何かでも、株式投資をすると二六%のキャピタルゲイン課税、だけれども預金については金利に対して二〇%の課税ということで、株式投資をする人に罰金をかけているような状況なわけです。そういうことはぜひぜひ見直していただきたいと思うのですね。サッチャーさんは、イギリスで民営化をなさったときに、十株買えば一株おまけについてくるとか、あるいは小口の方のために分割払いを認める、全額払い込んでいなくても配当はもらえるというような形をとったわけです。そういう意味での株式市場育成策というのが、国を元気にするために必要であると考えております。
昨年の初めに、多くの個人投資家が株式投資に関心を持って、投資信託なんかをたくさん買ったのですね。ところが、日経平均の銘柄入れかえを利用して、証券会社だけがもうけて、投資信託に大損をさせたということがあります。ですから、今、本当の意味での証券市場改革というのが必要であろうと思うのですね。
何より大事なのは、先ほども申し上げましたけれども、株式投資は恥ずかしくないのだということです。株式投資家がいなかったらば経済は立ち行かないのだということを御理解いただく。大恐慌の後ペコラ委員会がやったような、そういう教育啓蒙活動が必要だろうと思うのですね。ところが、証券界というのは、教育啓蒙活動にほとんど取り組んでいない。実は、不肖私は、女性投資家の会というのを立ち上げまして、もう私財を数百万円投じておりますけれども、昨年、八十七回勉強会をいたしました。株式市場の役割、株式投資の意義、株価の経済的影響ということについて、多くの皆さんに御理解いただきたいと思ってやってきたのですね。今、それが必要だと思うのですよ。
先ほど申し上げましたように、長期投資すれば、株式というのはそれなりの利回りを結果してくれるということなんですね。証券会社の言うがままに短期売買を繰り返しておきますと、非常にリスキーで損ばかりしちゃうということなんですけれども、どういう株式投資のやり方があるのか、どういうリスクコントロールのやり方があるのかということをきちんと教育啓蒙を行いまして、今千三百八十兆円あると言われる国民金融資産のうち一%が株式市場に向かっても、十三兆、十四兆なんですよ。下手な株価対策よりよっぽどきくということなんですね。
税金の面や何かでも、株式投資をすると二六%のキャピタルゲイン課税、だけれども預金については金利に対して二〇%の課税ということで、株式投資をする人に罰金をかけているような状況なわけです。そういうことはぜひぜひ見直していただきたいと思うのですね。サッチャーさんは、イギリスで民営化をなさったときに、十株買えば一株おまけについてくるとか、あるいは小口の方のために分割払いを認める、全額払い込んでいなくても配当はもらえるというような形をとったわけです。そういう意味での株式市場育成策というのが、国を元気にするために必要であると考えております。
○中井委員
ありがとうございました。