国会, 政治活動報告


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郵政民営化に関する特別委員会

第162回国会 郵政民営化に関する特別委員会
平成17年7月4日

○二階委員長

次に、中井洽君。

○中井委員

少し時間が押していますので、テレビ中継ですから共産党さんや社民党さんに御迷惑をかけちゃいけませんので、私の方で短くしながら、端的にお尋ねいたします。

先ほど公明党さんから、もう十回目の質問だというお話がございました。私はきょうが初めての質問であります。したがいまして、思いを込めてお尋ねしますので、適当なはぐらかしをおやりにならぬよう申し上げます。

当委員会で、自民党の方が延べ四十四人質問されました。かつてない数の多さであります。三十五、六人が、先ほどから話が出ましたように反対論であります。当委員会で終始法案に賛成を貫かれたのは公明党さんだけであります。公明党さんは、四年前には郵政民営化反対だったんです。いつどう変わられたかわかりませんが、最近では、自民党の法案反対者は選挙で応援しないとまで言われながら頑張っておられる、異常な雰囲気がある、こう思っております。

また、私も国会にいささか長くおりますが、総理大臣というのは解散のことは口に出さない、口に出したらもう解散する、こういう慣例の中で育ってきたにもかかわらず、総理は、この法案が通らなかったら解散だ、解散だ、解散だとわめき散らされておる。(小泉内閣総理大臣「全然言っていない」と呼ぶ)いいえ、いいえ、言われています。(小泉内閣総理大臣「いや、全然言っていない」と呼ぶ)いいえ、言われておる。理事会においても、たびたびあなたの盟友からもお聞かせをいただきました。

私は、政局だ何だということで解散をお考えになるということについて決して否定するものではありません。また、野党を牽制する意味でお流しになるというのも何回かあったと承知をいたしております。しかし、自分を総裁にお選びになった党を解散でおどかす、どういうやり方だ、このことをまず注意申し上げ、お尋ねしたい、こう思います。

また、これで屈服する自民党さんもひどいじゃないか。自民党さんのいろいろな方に聞きますと、やはり選挙が弱い人もいらっしゃる。しかし、解散したら民主党と政権交代が嫌だという人がいらっしゃる。全然平気ですからと僕は思います。もう一つは、解散したら、小泉さんが来年九月でやめてくれるのがやめてくれなくなる、こういう人もいらっしゃる。

そういうことを含めて、法案審議で国会や委員会を、本当に総理みずからが圧力を加えられる、こういうやり方は、ここで野党の理事筆頭として頑張ってきた者として大変残念だ、こう申し上げます。

本当に法案が通らなかったら解散なさるんですか。

○小泉内閣総理大臣

私も新聞報道等で、不成立なら総理は解散するという記事を読みました。しかし、これは私が言った言葉じゃないんです。だれだかわかりませんが、私と話した方々が、どういう今の郵政法案の審議をしているのか、党内の情勢はどうか、これは反対が強い、事によると衆議院本会議でも否決されるかもしれない、そういう話はいたしましたけれども、そういう中で、いろいろな展開をお互い胸襟を開いて相談することはあります。

しかし、私は、最終的には、自民党も良識を発揮していただいて、今反対している議員も、時代を見誤らないで大局的判断に立っていただければ、この法案、賛成してくれるであろうということで、紆余曲折はあろうとも、最終的には賛成して成立するであろうという話の中で、恐らく、相手の、私の話を聞いた人は、あそこに山崎拓さんがいます、そういう状況の中で、雰囲気で、私の口ぶりでそう感じたんでしょうね。

私は慎重ですから、解散するなんということは言っていないんです。これは成立するから解散する必要はないんじゃないかということを言っているのであって、解散するなどとは一言も言っていないんです。

○中井委員

私は、総理大臣の持っている権限の重さというものを十分承知いたしています。しかし、本当に総理大臣を選ぶときというのは、もっともっと慎重にしなきゃ大変なことになるんだなと、今、野党ながら実感をしています。

おもしろうてやがて悲しき鵜飼いかなという句があります。私の郷里、松尾芭蕉が生まれておりますから申し上げますが、総理の振る舞いを見ていると、やがて悲しきじゃない、やがて恐ろしき総理かなという感じがいたします。

だって、公社化になって二年、そして生田総裁、これはあなたが任命された総裁、そのもとで、労使が本当に頑張られて、黒字で、民間との激しい競争の中で頑張っておられる。そして、三百四十兆円に及ぶ国民の資産を預かっておられ、それを国が国債という形で運用なさっている。そういう郵政、これを総理一人の我執、妄執みたいな発想で、解散を片手に徹底的に押し込まれる。総理の権限というのは強いな、このことを感じております。

この委員会においても八人ぐらい反対の人がいて、自由民主党は公平な党だとか平等な党だとか言われておりましたが、いつの間にか、その八人はどこかへ行っちゃって、差しかえという形。百十時間ぐらいに及ぶ質疑のうち、苦労したのはその人たち、百時間、ここにいる人、何にも知らぬでやじっている人は十時間ぐらいだ。こういう形で委員会の質疑を終わろうとすること、まことに残念であります。

私どもは、委員会におきまして、二階委員長、山崎筆頭に対しましても、大きな問題、国民もどうして民営化かよくわからない、こういう法案、徹底的に審議すればいいじゃないか、幾ら早くても、総理がサミットからお帰りになるまで中央公聴会もやればいい、あるいは、三十三条の問題で私どもがお出かけをいただきたいと言っていた五大臣、五人の元郵政大臣や総理大臣、お越しもいただければいい。あるいは、先ほどから五十嵐君や原口君がやりましたいわゆるスリード社疑惑、国民の皆さんはわかりにくいかもしれませんが、ここにあります議事録、四日分、全くむだになるような答弁と資料提供をなすって、私どもの質疑の妨害をされてこられた、こういう状況。こういう国会運営の中で、委員会運営の中で、どうしてそんなにお急ぎになるんだ、こういうことを申し上げてきたところでございます。それに対して、サミットに行かれるから、サミットに行かれるから、これ一点張りであります。

サミットは大事なことでありましょう。しかし、この法案を通してサミットに行かなきゃならぬ理由は何なんですか。たびたびこの委員会でも、参考人も含めてみんなアメリカへ売り飛ばすんじゃないかと心配をいたしております。こうサミットに行くまでに上げたい、上げたいと言われるなら、やはりそれは間違いない、サミットでブッシュさんに約束を果たしましたよとおっしゃりに行かれるのかと思わざるを得ない、こう考えます。

この点について、あえてお尋ねを申し上げますと同時に、この法案は、十年後、郵貯会社、簡保会社は外資系に買われても何も異議はない仕組みになっている、このこともあわせ御確認をいただきたいと思います。

○小泉内閣総理大臣

私は、国会運営は、幹事長初め現場の理事の皆さん、執行部の皆さんにお任せしているんです。私が言っているのは、八月十三日までの会期内で成立させるように努力してほしい、そのためにどういうことが必要かというのは皆さんにお任せすると言っているんです。

そして、この郵政民営化法案はブッシュ大統領へのお土産だと言っている人がいますが、ブッシュ大統領がアメリカ大統領になるはるか前から私は主張していたんですよ。(発言する者あり)お父さん、ブッシュ大統領の父親が大統領、その前から私は主張していたでしょう。それは、どんな批判するのもいいですけれども、そういう思い込みで批判するというのは、国民は信用しないでしょう。

私は、外国のために郵政民営化を考えているんじゃない。日本国民のためになる、民間経済活性化のためになるということでこの民営化法案を提出し、成立に向けて全力を尽くしているわけですから、だれのために、お土産でなんということは全く考えておりません。

○中井委員

はるか昔から総理が郵政民営化のことを言われていたのは承知をいたしておりまして、総理が郵政大臣のときに私は民社党の逓信委員会の理事でございました。あなたの発言で苦労して苦労して、何回委員会がとまったかわからぬのを懐かしく思い出しております。

しかし、そのときに言われたことと今の理屈、そして、そのときに考えられておったこととこの法律は全く違う。特に、竹中さんが加わって、余計私の言ったようなことに近い話になっていると私は考えておる。これはあえて申し上げておきたいし、あした本会議、ゆっくりとおやりになって、総理がお帰りになるのを待たしていただいてもいいんだ、このこともあわせて申し上げておきたいと思います。

今国会、先ほど本委員会のスリード社関係の議事録をお見せいたしましたが、大臣諸公含めて少し乱暴な質疑が多かった。二階委員長の御配慮によって、私も余り細かいことまでと申し上げたが、幾つか御注意申し上げてまいりました。調べましたら、ここにぶわっと入っています十八カ所、大臣の訂正であります。

そして、総理大臣も、まあ総理独特の政治的御発言でありますから、とがめ立てをするつもりも余りありませんが、しかし、当委員会が終わるということになりますれば、参議院の質疑もございます。その中できちっとした質疑をやっていただきたい、こんな思いであえて申し上げますが、二カ所あります。

総理は六月三日に、「デパートなんかに郵便局を出したいという経営者が出てくるかもしれませんよ、便利になるところ。」こういって、デパートやらにこれから民営化したら郵便局が進出できる、こういうことを言われております。しかし、もう既に全国百四十カ所のデパートに郵便局は出ておるんですよ。御存じなかったですか。ちょっとここのところは御訂正をいただきたい。

それからもう一つは、盛んに、四十万の職員、あるいは二十七万の常勤公務員が民間人になる、こういうことを言われ続けてきたわけでありますが、原口君の質問に対して、ほとんどが民間人になる、こういう言われ方をいたしました。ほとんど民間人になる、これは僕はここだけ間違えたのかと思ったら、過般の予算委員会で、我が党の岡田代表の質問に対しても、総理はほとんど民間人になると言われているんですね。

これは全部が民間人になるという認識じゃないでしょうか。ここは、お間違いになっていらっしゃるのか、総理が誤解をお抱きになっていらっしゃるのか。

同時に、郵政公社四十万人、公務員から外れるんですよ、小さい政府ですよとおっしゃるが、我が党の松野君の指摘にありましたが、公務員の総定員法のほかにある、もう既に公務員の総数の中からは外れているんだ、このことを知っておられて、たびたび公務員が減るという答弁をなさっておられるのか、なさっておられないのか、このことについても確認をさせていただきたいと思います。

○小泉内閣総理大臣

終わりの方の質問から答弁いたしますと、ほとんど民間人になるというのは、まあ正確に申し上げれば全部民間人になると。まあほとんど全部……(発言する者あり)大して違わないと思いますが、正確にと言えば、これは全部であります。全部民間人になる。(中井委員「はい、訂正」と呼ぶ)それはけしからぬと言えば、それは訂正いたします。全部民間人になる。

それともう一つは、デパートに進出することができる、これは、今よりも多く進出する可能性があるということでありますから、別にこれは訂正する必要はないでしょう。さらに多くなる可能性があるということでありますから。

○中井委員

総定員法についてはお答えになりませんで、知っておって今まで国民に公務員が二十七万人減ると言い続けられたんだな、このように思わせていただいて、これ以上聞きません。ほとんどと全部が一緒だと言った総理大臣はあなたが初めてであります。

もう一つ、二つ総理にお尋ねをいたしますが、総理というのは何でもできると思っても、幾ら何でも法律やいろいろなルールがあると思うんですね。この広報を六億数千万お使いになって、できてもいない政策について国民に支持を得られるように広告をした。これは私どもの党も騒いだし、さすがに自民党の内部もおかしいといって騒がれて、六億五千万の政府の広報費の使いで終わった。ところがそれ以外に、準備室、そこにおられますが、去年の九月からでしょう。百人役人を集めていらっしゃる。そして民間人も十五人。僕はこれは全員この竹中さんのところの予算で人件費を払っておられると思ったら、全部もとの役所が払っている。こんなこといいんですか。郵政公社三十人、これは何にも稼いでくれないお金、十カ月、どういう法律に基づいて出したんでしょうか。

これ、ほかの役所、それぞれ理屈がありそうなことと思いますから、農林水産大臣にお越しいただきました。六人出していらっしゃいます。農林水産大臣が郵政民営化準備室に六人出して、一千万以上の給料の人らを十カ月間農水省の予算で給料を払われる根拠はどこにあるんですか。

○島村国務大臣

お答えいたします。

六名とおっしゃいますが、正確ではありません。五名であります。一名は、これは既に退職した人でありまして、そういう意味では……(中井委員「あなたのところからもらった資料に六と書いてあるんですよ」と呼ぶ)室長の渡辺好明氏はもう既に退職した方で、総理の御判断で決められたことで、私どもではありません。

また、担当参事官を初め当省から五名の職員が郵政民営化準備室に出向または併任していますが、これは郵政民営化という内閣の最重要課題に政府一丸となって取り組む必要があることから、他省庁と同様に内閣からの職員派遣要請に応じたものであります。

なお、郵政民営化準備室の職員は、農林水産省の権限ではなく、郵政民営化準備室の権限に基づいて業務を行っており、何ら問題はないと考えております。

○中井委員

そうすると、農水省や他の省庁が毎年毎年国会へ出される予算のうちの人件費というのは、何に使ってもいい、どこへ使ってもいい、こういうことでしょうか。あなたをいじめるつもりはありません。これは、総理が命令したら、内閣の重要施策ならどこの役所からでもぽっぽっと人を集め、広報費を使いまくってやれる、こんなシステムは聞いたことがありません。それじゃ、僕らは何のために予算審議をやるんですか。何のために分科会に分かれて一つ一つ確かめていくんですか。

これは、郵政公社三十名、総務省十九名、財務省十九名。財務省十九名ですよ。農水省は五名だと言うけれども、僕らがもらった資料は六名になっておる。そうやってしょっちゅうこの委員会は資料やらを間違える。そのたびに時間をとってかなわない。僕らもいいかげんに言っているんじゃないんだからね、島村さん。これはめちゃくちゃじゃないですか、そんなことできるのなら。

官房長官に答えてもらいますか。おらぬなら帰ってくるまで待ちますよ。だれが答えてくれるの、これが間違いないというのは。

○竹中国務大臣

内閣官房のことでございますので、官房長官からお答えいただくのがいいのかもしれませんが、郵政民営化準備室ということで私の方から答えさせていただきます。

内閣官房というのは、これは内閣の重要政策に関する基本的な方針に関する企画立案、総合調整等を行う。したがって、その人員をどうするかということが問題になるわけですけれども、これは内閣官房の活動を維持するために必要最低限の人員を除いては、その時々の重要政策、これは時々の重要政策は変わりますから、それに関する事務の遂行にふさわしい関係府省等の人員を柔軟、機動的、臨時的に併任することを基本としております。

したがいまして、四月一日現在でございますが、郵政民営化準備室には関係府省等から百六名の人員が出向しております。公社もその中に含まれておりますし、農水省もその中に含まれている。そのような考え方に基づいているということでございます。

○中井委員

そうしますと、参議院の質疑も十分おやりいただくんだろうと思いますが、この百六人の給料、それ以外に十五人、民間人をお雇いになっている。これは民間人の給料はお払いになっておる。しかし、僕らからすれば、この十五人の民間人の業界は、銀行協会とかあるいは流通業界とか、この郵政民営化でプラスをもたらされると思われている業界ばかりから出向しておる。ここの人たちの給料を払っていると言うけれども、私は、その業界から、あるいは会社から補てんが出ていると思っています。出ています。出ていなきゃ、来ないよ。

そういうことを含めて、明細を私ども民主党へお出しいただくようお願いします。委員長、お取り計らいをお願いいたします。

○二階委員長

後刻理事会で協議をいたします。

○中井委員

スリード社の件につきましては、もうたび重なって行われました。

私、一つだけ資料を見ておってふっと思ったものですから、これだけ、また後刻のためにあえてこの場で申し上げておきます。

先ほど、電通が外されたというお話がございました。そうしますと、電通さんはその後、五千三百万で週刊誌一ページ四色の広告を随契でおとりになりました。おもしろいんですよ。これはNHKさんが中継してくれていますが、NHK「趣味の園芸」とかNHK「きょうの料理」というのが一番高い。どうでもいいことでありますが。

これは定価でいきますと、ちょっと僕が尋ねましたら、大体この政府広報は定価の九掛けでやる、こういうルール、慣例で業界とやってきた。ところが、九掛けじゃないんですね。はるかに高い金額。それで、ここに二十五万値引きと書いてあるんですよ、正直に。ここに二十五万値引きだと言ったら、電通がまけてくれましたと。これは九掛けじゃない分ちょっとまけろといってまけたのが二十五万円だなと僕は思っております。

今回の政府広報に関する六億数千万の使途、相手、あるいはマスコミに対する工作等、非常に不明朗で不愉快な形跡がある。このことを十分注意させていただいて、次の質問に移りたいと思います。

郵便の方ですが、郵便は現在、債務超過が五千二百三十五億あります。本年三月の利益、そしてここからのやりくり等を見ていますと、当期純利益が大体二百八十三億円ぐらい。そうすると、この調子でずっといく。総理や竹中さんはたびたび、郵便は将来先細りだ、だから民営化をやるんだ、こう言っていますが、そうしますと二十五年か三十年かからないと、この債務超過というのは消えないんじゃないか。どうやってお消しになるつもりなんだ。

総裁がお見えですから、私の質問で間違いないですか、お尋ねをいたします。

○生田参考人

まず、簡単に御質問にストレートにお答えすれば、消えません。

ただ、中期経営計画、政府で御承認いただいているものでは、公社一期四年の終わったところで、約五千八百億の累積債務でスタートしたのが、五千二百五十八まで落とすということになっていたんです。ところが、二年続けて黒字を出したので実は既に五千二百三十五億まで来ておりまして、多分、五千億の大台を切るところまでは持っていけると思いますけれども、もともと中期経営計画でも、これだけの累積債務を消すというふうな計画はなかったわけなので、そこはそのように御理解いただきたいと思います。

○中井委員

そうしますと、少し観点を変えて質問いたしますが、生田総裁の強い御意思と御希望で、今回の法案に、国際流通業へ進出する、こういう項目がございます。私は、この項目だけならもう大賛成なんです。私の党内に反対者もおります。しかし、私は、それはそれで、ナショナルフラッグ的な役割を果たすべく御進出をなさるのは結構だと思っています。

しかし、そのためには、ドイツだってオランダだってすさまじい投資をしている。あのアメリカの、世界じゅうの物流業者と対抗しようと思ったら、大変な投資が要るんじゃないか。直接投資じゃなくても、子会社をつくってやるにしても。そうすると、これだけの累積債務を持った会社がどうやって資金調達をなさるつもりだ。この点、どのようにお考えか、お聞かせをください。

○生田参考人

お答え申し上げます。

海外進出する、それも相当おくれて、一周りじゃなくて三周りぐらいおくれて出ていきますので、相当のお金が要るという御認識は正しいと思います。

ただし、累積債務があるから投資できないというような法律はないわけで、我々としては、今やっと黒字のベースになりつつありますので、企業としては健全性があるということになろうと思います。それから、公社全体で見ればきちんと利益は出しているわけで、投資をする場合は、一年アヘッドして、来年の四月からさせていただきますけれども、公社として投資いたしますので、その意味では、投資の健全性はある、こういうことになると思います。

○中井委員

本社で御投資をなさるとおっしゃるが、郵便は郵便、貯金は貯金、簡保は簡保、こういう会計分類になすって、それをもとに、十年かけて完全民営化、独立、こういう道を歩まれるんですね。それはちょっと、私は、御答弁が違うと。

同時に、逆に、ドイツもオランダもみんな、国際物流で頑張るためには、郵便の会社と金融会社を一緒にされている。それは、大変な資本の調達が要ると同時に、国際物流の決済も要るんだろう。決済のためには、自分の金融会社を持っているというのが非常に有利に働くんじゃないか、こう私どもは判断していますが、総裁のお考えはいかがでしょうか。

○生田参考人

できるだけ簡潔に申し上げます。

大変なお金が要ることは事実です。ただし、これはできるだけ使わないで、まず、パートナーシップを組む等の方法で、簡便法で入っていくことをまず一、二実務的に考えています。

それから、郵便は郵便で、これはさっき公社として投資するから健全だと申し上げたけれども、実際上投資するときは、バランスシート、貸借対照表上は郵便局そのものでやるわけですが、お金を借りる力は十分にあると思います。

それから、三番目に、三事業の相乗効果を出してというのは、今、公社の中で、やはりお金を貸し借りしたような形で、金利を払うという格好をとっておりますので、それが今度は垣根を越えてということになるので、今まで以上に自立的に、厳しくはなりますけれども、シナジー効果は、持ち株会社の社長の配分さえきちっとあれば可能じゃないかなと思っておりますし、そう希望しております。

○中井委員

国際物流に関してさらに申し上げますと、今回のこの法案で郵便のユニバーサルサービスは義務づけられておりますが、小包のユニバーサルサービスが外されているのであります。これはどうしてでしょうか。どうして小包は郵便会社のおやりになるユニバーサルサービスの中に入らないのか。

離島や山間僻地、あるいは配達しにくいところ、もうからないところ、民間会社はやっていらっしゃる、やっていらっしゃると言うけれども日にちはかかる、場合によっては赤字覚悟で郵便局の窓口へ持っていって配達をさせているという提携をされている。こういう状況の中で郵便局もユニバーサルサービスを外すということは、国民の利便からいって大変おかしなことになるんじゃないか、こう考えております。

特に災害のときには、無料で郵便局の窓口がお受け取りになられて、お配りになる。こういったこともなくなるんでしょうか。これについては、竹中さん、お答えいただけますか。

○竹中国務大臣

まず、小包の件でございますけれども、郵便小包が大変重要な役割を果たしてきたということは事実だと思います。しかし、現状では、既に民間の事業会社が全国的なネットワークを確立している。さらに、現実に郵公社の小包のシェアというのは、今非常に低いものになっているわけでございます。

そういう点を考えまして、民間の市場の中でぜひ有効な競争をしていただきたい、民間の事業者になることによってむしろ有効な競争をしていただけるというふうに考えまして、我々は、ユニバーサルサービスから外す、そして、民間の事業者として、健全な競争の中でよりよいサービスを提供していただくということを考えたわけでございます。

ちなみに、平成十五年の時点で、宅配分野における一般小包郵便の公社のシェアは六%でございます。

もう一つ、郵便事業と災害の点でございますけれども、被災地におけます集配施設の被害状況等、これは業務の実施体制が整うかも踏まえまして実際の御判断をしているというふうに思われますけれども、郵便事業は、手紙やはがき等を中心に年間二百五十億通の郵便を配達している。民間宅配業者に比べて、各世帯に対する配達頻度が高い。災害があった場合に、だれがどこに避難したかを把握するというような体制整備も整えて、比較的そのようにしておられる。その意味で、大変重要な役割を果たしてきたというふうに思っております。

民営化後も、そうした災害時においても極力サービスを維持しようとする現在の姿勢は、維持されるものと思っております。

○中井委員

万国郵便条約というのがあって、その中では小包もユニバーサルサービスで、条約にサインするでしょう。どうして日本は外れるんですか。そうすると、外国から来た小包は日本だけ別にお金を取っておやりになるんですか。

あなたは、申し上げて失礼だけれども、郵便貯金の通帳もお持ちになっていない方だし、現場も一遍も行かれたことがない方だから、僕の質問がわからなかったらもう一度言いますが、災害のときに、災害で罹災された方々に郵便局は、NHKと一緒、無料で受け付けて無料で配っておるじゃないですか。それをやめるんですかと聞いているの。それを答えずに、なぜ延々とああいうばかな答えをあなたはやるんですか。

もういいよ。あなたが郵便貯金も持っていないということだけ言うておけば気が済むからね。ちょっとひどいんじゃないかと僕は考えております。

それで、今日までいろいろ議論をしてまいりましたが、郵便局、郵政事業にお勤めの方々が、私は、途中で、民営でもいい、こういう方向へ行ってくれればという条件でもおつけになるかな、こういう感じを持っていましたが、大変な認識不足でございます。郵便事業にお働きの方は、この法案はとんでもないと徹底的に反対なさっておられる。

それは、公務員としてのプライドで今日までやってきた、災害のときに配達する、ありとあらゆる、大雨のときであれ、どんな苦労のときであれ、郵便物を届けるというのは、もうかるもうからないじゃないんだ、公務員としてのプライドと誇りだ、こう言っておられます。これを無視して、どうやって、きょう五十円のはがきを出したら、あした日本じゅうに着くという、世界でも一番優秀な精緻なシステムを守り通すんだ。僕はさっぱりわかりません。

例えば、何か特定郵便局長さんには郵便認証司という噴飯ものの制度をおつくりになる、そして、法務省やらの特別送達はこの郵便認証司もサインをされる。今まで一人でサインしておったのを、郵便認証司の人は一緒について配達に行くんですか。違うでしょう。そういったことを含めて、何か、公務員じゃなくなった、かわいそうだから郵便認証司を当てるから我慢せい。そんなことで我慢するような苦労を今まで重ねていないんですよ。

ドイツだって、株式会社にするときには、株式会社公務員というのをつくったんですよ。デンマークはどうしたんだ。民間になったときは給料を引き上げた。他の国々で公務員を民間人にしたときには、例えば売り払ったその株を優先権を与えて買わせた、優遇措置がある。何にもない。二十六万営々として働いてこられて、郵政事業を守ってこられた人たちに、この一年、小泉さんと竹中さんはもうぼろくそ言うて、プライドを傷つけて、そして何も処遇せずに、はい民間、そんな乱暴なやり方はどこにあるんですか。僕は、もう本当に気の毒で仕方がない。公務員がいいとか悪いとか、優遇されているかされていないかじゃないんです。

それでは、これは大変な競争率を経て公務員で試験に通ったんですから、私は公務員でいたい、こういう人は公務員に残れるんですか。どうして一片の法律でばさっと民間人にするんですか。公務員に残してやればいいじゃないか。それこそ準備室でお雇いになればいい、そんなお金があるのなら。

かつて、自民党の方々はJRの民営化のことをたくさん言われるが、JR、国鉄は、当時公社だったんだ。それで、民間へ行くのが嫌な人は、市町村や、あっちこっち役場はいっぱい採ったんですよ。ついこの間じゃないですか。公社の人を公務員で採用して、配置転換したじゃないですか。郵政公務員、国鉄はめちゃくちゃな赤字の中でやった、郵便局は大黒字、一銭も御迷惑かけていないじゃないですか、国に。ボーナスも税金も年金も、全部自分たちでやっている。その人たちを遇する道がこれですか、この法案ですか。私は違う。

ここのところを少し、小泉さん、竹中さんのふだんの言動も含めて御反省をなさるべきだ。いかがですか。

○小泉内閣総理大臣

中井さんの議論は議論として、公務員の今まで努力してこられた姿を強調するのは理解できます。

しかし、これを聞いて民間の方々は憤慨しているんじゃないでしょうか。民間で使命感を持っていないとは私は思っておりません。民間人でさえも公的な仕事をして……(発言する者あり)

○二階委員長

御静粛に願います。

○小泉内閣総理大臣

いい例が小包です。郵政の小包のサービスも必要でありますが、民間の業者の皆さんが、これは当初は採算をとれないけれども、郵政小包、あるいは郵便局がやっていない小包配達をしようということで、多くの抵抗を排しながら、民間の業者の皆さんが今まで公務員しかできないという小包配達に参入してきた。結果はどうだったでしょうか。

採算のとれないところにも、過疎地にも離島にも、民間の方々は公的な分野におけるサービスを展開しております。むしろ、夜間配達とかあるいは冷凍の食品というのは、郵便局がやるよりも民間が考え出したサービスであります。

私は、民間の方々が、今中井議員の言っていること、公務員は使命感があるけれども、民間に任せられないということを聞いたら、さぞかし憤慨されると思っております。

私は、今回……(中井委員「委員長、もうとめてください。聞くにたえません、こんな答弁は」と呼ぶ)だって答弁しろと言うから答弁しているんです。私は……(中井委員「違うことをこんな答弁している。違うことを言っちゃ……」と呼ぶ)違うことは言っていない。(中井委員「いつ民間がやらないと言いました」と呼ぶ)いや、それは、答弁をしているんですから。私を批判しているときは自由で、私が批判するとけしからぬというのはおかしいでしょう。(中井委員「じゃ、僕が言ったことに批判してくださいよ。僕は事実で批判しているんだから」と呼ぶ)私も事実を言っているんです。(中井委員「全然事実じゃない。僕の言った事実で批判してください」と呼ぶ)

だから、公務員の皆さんが、公務員の身分を外されると意欲を喪失する、これは意外ですね。これは意外だ。私は、公務員であろうが民間人であろうが、仕事に使命感を持ってやってもらいたい。公務員の身分を外されたら意欲がなくなる、使命感がなくなる、そんな公務員ではないと思っております。

だからこそ、私は、この郵便局、公務員も、民営化されても首を切るなんというのは一言も言っていません。雇用には十分配慮するということで、十分な配慮もしております。そういう点も御理解いただいて、民間の皆さんが公的な業務に参加して、そしていろいろな、公務員が考えられないようなサービスも展開していける余地を広げていこうというのが今回の民営化法案であります。

○中井委員

私どもは地方公聴会にも参りました。新潟の大地震のときに、自分の家が壊れたにもかかわらず毎日毎日郵便を運んで、しかも避難されているところはばらばらですから、捜して顔見知りの郵便局員が行くということでやった。その地域の小包は二週間ほど全国から集荷するのはもうストップになって、郵便局だけが機能しておった、これが現状でしょう。

これはこれでいいんですよ。民間は民間で、そういう非常時のときはなかなか機能しないときがある。また、もうからないところへは行かない。しかし、そこのところを頑張る。そのかわり、郵便やどこかで、一部のところで独占をさせてその体力をつけさせていく、こういうことでやってきたんじゃないですか。それを全部外して、公務員じゃないよ、一遍にぱあんとやっちゃって、そして、おい働け、首切らないだけましだというのがあなたの言い方じゃないか。そんなことで、だれが夜中まで、簡保の加入に行ったり、あるいは配達に行ったり、苦労をするんですか。

何も郵政の諸君だけが働いていると僕は一回も言っていません。民間は民間で、公共事業を立派にやってくれている電力の方もおられる、NTTもそうでしょう。だけれども、電力やNTTさんは、電線を引っ張っておいたら、離島やあるいは過疎地へ職員がふだん行っていなくたって十分運用できる公共事業じゃないですか。もしそこが裁断されたら、都会からヘリコプターで今直しに飛んでいるんですよ。ところが、郵便だけは人から人ですから、人手が要るんですよ。機械じゃないんだ。その現場で働いている人たちが本当にプライドを持ってやれるのか、私はこのことを言っております。

それじゃ、違う観点からいきます。例えば二十六万人、これをどうやって一年半で配置転換をきちっと決めるんでしょうか。今、労働組合と会社で配置転換、例えば私の東海支社なら東海支社で年間数百人でしょう。それも一年かけて希望をとっておやりになっていらっしゃる。今度はどうするんですか。みんな民間になる。四つの会社、どこへ行けば自分は一番いいんだろう、また、もうかるんだろうか、給料はずっと一緒だろうか、退職金もボーナスも一緒にしてくれるのか、みんな不安に思っています。これをどうやって労使協議で二十六万人分おやりになるんでしょうか。

あるいは、一たん貯金会社へ、銀行の方へ行った、五年ほどたったら今度は窓口会社へ戻らせてくれるんでしょうか。これはそういったことも全然お考えにならない。(発言する者あり)移行期間の間のことを聞いておるんだよ。聞いていない、君らは。

そういうことを、ルールも何にもなしに、竹中さん、労働組合と会ったこともないじゃないですか。あなた、ちょっと会って、はいと言ってくるだけだよ。何一つきちっと精査もせずにこんな乱暴な法案をつくって、どうやっていくんだ。どうやって国民の大事な大事な郵政三事業を壊さずに、あなたらの言うように夢とバラ色の世界へ導いていくんだ。僕はさっぱりわかりません。

総裁、システム構築も一年半ではできないでしょうが、労働組合、これは二つある。この間共産党系も来られた。労働組合に入っていない人も数万人いらっしゃる。そういう中で、一体どういう形で四月一日までに労働者の配置転換をちゃんとやるんですか。あるいはまた、いつでも希望すればもとへ戻ったり、行き来可能にするんですか。労働賃金は一緒ですか。退職金も変わりませんか。これらのことについて、御検討いただいているならお聞かせください。

○生田参考人

お答えします。

組合といいましても、大きいのは二つですけれども、一般的な労働問題、かなり密接に常に話し合っておりますけれども、民営化を前提としてどういうふうにするという話し合いは、これはまだできる状態じゃありませんから、それはいたしておりません。

したがって、今の経営を預かっている者としての想像といいますか、頭の中にあるものを申し上げれば、これは形としては、準備企画会社というんでしょうか、郵政株式会社、持ち株会社の母体ができたら、そこが権限を持って交渉することになると思いますが、それはまだ、若干といいますか、かなりおくれると思います。したがいまして、私どもとしては、その準備はしておいてあげる必要があるな、もし法案が通れば直ちに準備に入る可能性はあると思います。

ただ、法案で既に、労働条件等あるいは退職金なんかも引き継いでいくんだというようなことはうたわれておりますし、そういったものを基本にしながら、いわば新しい、今までの打ち合わせとは枠組みを変えまして、法律で決まるのであれば、それに合目的になるように誠意を尽くしてお話し合いをしていく以外ないな、こういうふうに考えております。

○中井委員

誠意を尽くされることは、あなたの御性格でありますから疑いません。しかし、二十六万人の職員の所属先とそれぞれの方々の納得を得た上でこの配置先を決めていくというのは大作業だ。やめたいという人はどうするんですか。退職金を割り増しするんですか。この間、もう公務員じゃないならやめたい、出てくると思うんです、僕。そういうのを含めてどうなさるのか、さっぱり見えてきません。

もう一度、間に合うのか、労働条件どうするんだ、こういったことについてお答えください。

○生田参考人

システムは、何ができないかがもうはっきりしていますので、かなりできない、これは政府にセーフガードを張っていただけばフルでできることになる。はっきりしているんだけれども、この労務問題というのはもっと難しいですね。だから、これは途方もなく大きく、難しく、困難な問題だと、私が多分、一番心の中では感じている人間だと思います。

しかしながら、もし法律で決まれば、それに合わせていくように最善を尽くすのも経営者の責務だと思っていますので、今はそう申し上げる以外ちょっと方法を見出せないという感じです。

○中井委員

私は昭和十七年に生まれました。シンガポール陥落の後でございます。それでこういう洽なんという名前を親はつけたんだろうと思っていますが、この時代の歴史を見たときに、日本はどうしてこういう戦を、戦いをやったんだろうと、いつでも残念に思います。その根幹に、撃ちてしやまんとか、なるようになるよとか、まあまあ、その場へ行けば何とかなるよという暴論で正論を抑え込むという日本人の悪い癖があった。これがちっとも直っていないじゃないか、戦後になっても。

何ですか。システムが間に合わないと言ったら、間に合うようにつくれ。労使協議、全然間に合いません、間に合うようにやれ、間に合うようにやる以外にありません。これは総裁、あなたもお立場があって、よくわかります。できないことはできないと言われるべきだ。

こんなむちゃくちゃな形で、そして国民の資産をつぶしてしまうような早急なやり方をされたのでは、一番迷惑をこうむるのは国民なんです。しかも、郵便局を一番お使いになっているお年寄りなんです。ここのところを総理はお考えにならなきゃなりません。これは、あなたの任期中にやる、あなたの支持率を上げるためにだけ、できないことを無理やり期間に合わせておつくりになった法案だ、このことを思わざるを得ません。

こういう乱暴な法案、当委員会で附帯決議等のお話もありましたが、私どもは一切拒否いたしました。民主党は対案を出せ、どうして出さなきゃならないんだと。こういう乱暴な、こういう総理個人の妄執に対して、私どもは徹底的に反対する、この道しかない、このことを申し上げて、私の質問を終わります。
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